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2012-06-25

ダイアン・レイン、ジョン・マルコヴィッチ主演『セクレタリアト/奇跡のサラブレッド』(Secretariat)

注・内容、台詞に触れています。
史上9頭目、25年ぶりのアメリカ三冠馬、そして伝説の31馬身差勝利。ダイアン・レインジョン・マルコヴィッチ主演の未公開だった『セクレタリアト/奇跡のサラブレッド』を見た!出演は他にスコット・グレンジェームズ・クロムウェル。監督はランダル・ウォレス

物語・両親から競走馬の生産牧場を相続したペニー(ダイアン・レイン)は4人の子供を育てる主婦で馬主としては全くの素人、そのうえ競馬界は男性社会。しかしそんな逆風にも負けず、調教師のルシアン(ジョン・マルコヴィッチ)と共に一頭の馬セクレタリアトに夢を託し快進撃をスタートさせる。そして…

Secretariat_1

Memo
詩的、そして元気がでる。なによりもスクリーンで見たかったなー(スコープサイズだし)。特典映像ドキュメンタリーに収録された実際のレースも心踊る。ここで語られるエピソードの数々が三冠馬達成の日のセクレタリアトの様子や写真を撮るときにポーズを取るなど、本編にそのまま活かされている。
競馬のレースシーンの撮影手法でエポックメーキングをもたらした映画というと真っ先に「シービスケット」を思い出す。あのカメラが馬と併走して撮影した迫力は本作にもいたる所で見ることができます。(量的には「シービスケット」の方が多いですがローアングルから捉えたコーナーなど、ハッとするレースシーンも)
実年齢よりも老けメイクを施してペニーを演じたダイアン・レイン、そして少し変った(エキセントリックな帽子を被った)調教師ルシアンのジョン・マルコビッチと過不足ない抑えた演技が良い(←時間軸に沿って全体に淡々としたトーンに物足りなさもあるが終わってみると妙な盛り上げ方をしなくてこれでよかったのだと思わせる味わいの一端)。
「彼はとても走るのが好きだった」「そして目立ちたがり屋さん」。ドキュメンタリーでセクレタリアトについて語る人々の嬉しそうな誇らしげな顔。本編と併せて見ると更にいいですよ!

変奏曲のように幾度も出てくる台詞
・母親の葬儀の日に子供の頃、父(ジョン・グレン)と交わした会話を思い出すペニー。その父のセリフ「惑わされるな。他人がどう思おうと自分が勝つと信じる事だ」
自分のレースをしろ
・セクレタリアトを父に紹介した後、立ち上がってセクレタリアトの顔を撫でる。そしてペニーにひとこと。「自分のレースをさせろ
・三冠馬のかかったベルモントステークス(1973年6月9日)の前日。ペニーがセクレタリアトに語りかける。
「気づいたの。私は勝ったわ。あきらめずにここまで来た」「自分のレースをしたわ。次はあなたの番」

Secretariat_2

「セクレタリアト/奇跡のサラブレッド」(原題 : Secretariat)
公式ウェブサイト(英語)
http://disney.go.com/disneypictures/secretariat/


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2012-06-23

アンドリュー・ガーフィールド&エマ・ストーン主演、マーク・ウェブ監督『アメイジング・スパイダーマン』(The Amazing Spider-Man)

注・内容、台詞に触れています。
サム・ライミ監督による「スパイダーマン」3部作を再起動させたマーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』出演はアンドリュー・ガーフィールドエマ・ストーンマーティン・シーン、サリー・フィールド、リース・イーヴァンズキャンベル・スコット

物語・両親の謎の失踪によって、ベンおじさん(マーティン・シーン)、メイおばさん(サリー・フィールド)と暮している高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)。父親の失踪の謎を探るためにオズコープ社インターン研修に潜り込んだ際に実験室で生成されてた蜘蛛に噛まれたことからスーパーパワーを得ることに。そして…。

Asm

Memo1
「大いなる力には、大いなる責任が伴う (With great power comes great responsibility.)」がメインの軸足だったものを少し薄めてピーターとグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)、ピーターと失踪した両親の謎を中心軸に持ってきた本作。ピーターもただひ弱いカメラ小僧ではない設定。その分グウェン・ステイシーとの青春映画的側面がスッと浮かび上がって、とてもよい。
やたらとスマートフォン(機種未確認)で話をするピーター=スパイダーマン。ある時は高層ビル屋上でメイおばさんに「卵を買ってきて」と頼まれたり(←これ、ラストでいきてきます)、ある時は地下水道でグウェン・ステイシーにオズコープ社に行って解毒剤を作って欲しいと頼んだり、まーホントによくかけます(この感覚がマーク・ウェブ監督らしい)

フットボール練習場で。
ピーターとグウェン。
「キスが上手い」
この台詞、実は「Amazing KISS…」と言ってます。
ラスト近く、この台詞と一連の流れ。
グウェンの父、ステイシー警部の葬式の後、雨の中ピーターの家にやってくるグウェン。
(葬式に現れなかったピーターに)
「パパに約束させられたのね、もう会うなって…」
場面変わって
授業に遅刻して教室に入ってくるピーター。
前の席にグウェン。
先生に「もう遅刻しません」
「守れない約束ならしないで」
そしてピーターがボソッと「守れない時もある」
少し微笑むグウェン。

(このシーン、よかったなぁ。この調子でいくと代筆原作のような展開ではなくて元構想のスタン・リーが描きたかった話になるのかな、と続きを期待)

原作と製作総指揮のスタン・リー、例によってカメオ出演(とても判りやすく、しかも笑いも取れてた図書館員の役)←スパイダーマンとリザードがヘッドフォンをして音楽を聴くスタン・リーの後ろで戦っているw
エマ・ストーンが元々の髪の色であるブロンドに。多分、本来のエマ・ストーンからすると本作のような巨大バジェット作品は本線ではないので、あえてブロンドにと予想。(あとスパイダーマンのコスチューム赤との色彩的バランス?)
ラストの解毒剤散布について、いろいろ意見が出てきそう、と予想。

※追記 ↓(Twitterにプラス記載)
サム・ライミ監督「スパイダーマン3」でグウェン・ステイシーを演じたのがブライス・ダラス・ハワード。と、いうことは「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」では見事にエマ・ストーンとリレー共演を果たしていたことに。
(この設定だけで、よくわかってらっしゃるマーク・ウェブ監督→)好きな人と教室で席が前後並ぶだけでドキドキぢゃないですかー

Memo2
エンドクレジットによるとタイトルデザインはBLUR STUDIO。IMDbでのタイトルデザイナー名義はKevin Kolodinsky(視覚効果監修も)
撮影カメラにはRED。システムは3ality Technica - TS5 3D Rig with RED Epic
オズコープ社へ向かう7番街のシーン、オズコープ社屋上でのシーンはフルCG。背景のニューヨークの実写部分にはREDで撮影されたものをタイル状に繋いでいるとのこと。このシークエンス3Dは効果絶大!

Memo3
謎を残したまま続編へ
(原作を読んできた人にはニヤリとする伏線)
・両親(リチャード&メアリーパーカー)失踪の謎の行方は?
・オズボーンとは?
・ラスト、リザード=カート・コナーズ博士が牢の中で話していた人物は?

アメイジング・スパイダーマン - オフィシャルサイト
http://www.amazing-spiderman.jp/

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2012-06-12

ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダー主演、キャリー・ジョージ・フクナガ監督『ジェーン・エア』(Jane Eyre)

「闇の列車、光の旅」でサンダンス映画祭監督賞を受賞したキャリー・ジョージ・フクナガ監督による古典的文藝作(シャーロット・ブロンテ原作)『ジェーン・エア』の映画化。出演はミア・ワシコウスカマイケル・ファスベンダージュディ・デンチジェイミー・ベルほか。第84回アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネート。

物語・幼くして両親を亡くし、育てられていた伯母からも疎まわれていたジェーン。寄宿学校を卒業すると母校で教師をした後、ソーンフィールド館の家庭教師となる。館の主人はロチェスターという男だったが屋敷で会う事はなかった。ある日、外出中に偶然、ロチェスターと遭うが乗っていた馬を驚かせ落馬させてしまう。横柄な態度に驚くジェーンだったが無骨な中にも純粋な魂を感じ、次第に惹かれていく。(darksalmon部分、goo映画より抜粋)

Jane_eyre

Memo1
元々、評価が高い事を知っていて鑑賞したけれど、ここまで素晴しいとは!今年のベストテンというか長く記憶として残りそうな秀作。まずミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダーのキャスティングが今までになかった空気感を作り出している(もちろんジュディ・デンチ他、脇の配し方も含め)。ロケーション撮影の生かし方、またそれと対をなす繊細な人物演出がデヴィッド・リーン監督の諸作を思い出したりもした…。
過去に何回となく映画化されているが2時間の上映時間の中でどこにポイントを置くかが、それぞれ特徴的で面白い。鑑賞したことがある作品のみ、少し比較してみました。
・1943年版
ロバート・スティーヴンソン監督
(「メリー・ポピンズ」の監督!)
ジェーン→ジョン・フォンテーン
ロチェスター→オーソン・ウェルズ
モノクロ。ゴシック調、バーナード・ハーマンの音楽!開巻、伯母に閉じ込められた部屋から出されると、そこにはローウッド学園の校長が。キスシーンは嵐の中、まるで呪われるが如く樹に雷が落ちる。
・1970年版
デルバート・マン監督
(「マーティ」でアカデミー監督賞を受賞)
ジェーン→スザンナ・ヨーク
ロチェスター→ジョージ・C・スコット
冒頭、伯母たちや校長とのやり取りはなく、ジェーンがローウッド学院に入学するシーンから始まる(馬車で降り立つシーン)。ロケ全体の印象が最もフクナガ版に近い。キスシーンはソーンフィールド館の前。曇りがちだが昼間。続く緑の散歩道で話す二人、明るい印象。ラストは焼失したソーンフィールド館。ベンチに腰掛けているロチェスターにジェーンが近づいていく。伯母のリード夫人のエピソードがなく代わりにセント・ジョン・リヴァースとジェーンのことが描かれている。
・1996年版
フランコ・ゼフィレッリ監督
ジェーン→シャルロット・ゲンズブール
ロチェスター→ウィリアム・ハート
伯母に鏡が多く置かれている赤い部屋に閉じ込められるジェーン。キスシーンは夜。月灯りの中。ハドンホールがフクナガ版と同じソーンフィールド館としてロケ地とされている。

そして本作は冒頭ジェーンが荒涼たる平原を彷徨うところから始まる(これは物語が進むに連れてロチェスターの秘密を知り、館を出て行ったあとのシーンと判る)。そして続くリヴァース家でのシーンと回想シーンでの伯母やローズウッド学院の描き方の見事さ(ちなみに原作でのリヴァースはいとこ)。さらに特筆すべきはジェーンとロチェスターの会話シーンと背景としてのロケーション(桜の樹、うっすらと霧の立ち込めた森、ジェーンが何かある度に歩く庭、そこに射す陽の光…)

Memo2
撮影、美術、衣装と共にサウンドデザインが素晴しい!風の音、軋む床の音、衣の擦れる音、森のざわめき、そして”あの音”…。エンドクレジットに微かに被さる鳥の声、鐘の音も。
写真を基に全て手作りで作成された衣装。衣装デザインはマイケル・オコナー
・衣装デザインのスケッチなど 
Jane Eyre: Behind The Scenes With The Costume Department
http://www.mydaily.co.uk/2011/09/07/jane-eyre-behind-the-scenes-costume-department/#photo-4423628
・Exhibition「20th Annual Art of Motion Picture Costume Design」での「ジェーン・エア」「ヒューゴ」「アーティスト」衣装
http://blog.fidmmuseum.org/museum/2012/02/20th-annual-art-of-motion-picture-costume-design-exhibition-now-open.html
タイトルデザイン他
Grading, Sound Mix, ADR, Online Editing, VFX & Titlesは「LipSync Productions」(エンドクレジットに大きく表記されていました)

映画『ジェーン・エア』公式サイト
http://janeeyre.gaga.ne.jp/

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2012-06-05

バリー・ソネンフェルド監督『メン・イン・ブラック3』(Men in Black III, MIB3)

注・内容、台詞について触れています。
ウィル・スミス
トミー・リー・ジョーンズによる「MIB」シリーズ3作目『メン・イン・ブラック3』。監督は前2作に引き続きバリー・ソネンフェルド監督。出演は他にヤング・エージェント“K”にジョシュ・ブローリンエマ・トンプソン、他

物語・月面のルナマックス銀河系刑務所から、凶悪S犯のアニマル・ボリスが脱獄し、地球に逃亡した。超極秘機関“MIB”のエージェント“J”と“K”はボリスが関係する犯罪の捜査を始める。しかしある日、出勤した“J”は相棒の“K”が40年前に死んでいると聞く。どうやらボリスは40年前に自分を逮捕した“K”を恨み、過去に遡って“K”を殺してしまったらしいのだ。“J”は40年前にタイムスリップし、若き日の“K”(ジョシュ・ブローリン)とボリスの阻止に乗り出す。(DarkGreen部分、goo映画より抜粋)

Mib3

Memo1
2作目が(ほぼ記憶にないぐらい)なので今さら「3」?と思って見たら、これがタイムトラベルの骨格を持ったSFバディムービーに仕上がっていて、すこぶる楽しい ( ´ ▽ ` )
で、ジョシュ・ブローリンがトミー・リー・ジョーンズの若き日というキャスティングの妙(もしや某缶コーヒーのCM展開おり込み済みだったりして!?)。ジョシュ・ブローリンというとウディ・アレン監督「メリンダとメリンダ」の喜劇パートで歯科医役で出てましたね(この映画の頃にダイアン・レインと再婚している)
カメオ出演エイリアンが多数。ティム・バートン監督レディー・ガガジャスティン・ビーバー
リック・ベイカー(今作も特殊メイクでクレジットされていました。そしてカメオ出演もこれで3作コンプリート出演w)
"1969年"に"ファクトリー"と聞いて、まさかと思ったら案の定アンディ・ウォーホルはMIBの潜入捜査官という設定。キャンベルスープ缶ネタからドア越しの「ヨーコ」の声まで工房内の様子含めてニマニマ。
冒頭、月面の刑務所脇に既に星条旗とアポロ11号月着陸船を登場させている前フリ(何故7月のこの日なのかが判ったときに繋がった)。
多次元を同時に見ることが出来るグリフィン。未来予知ではなく"ありえるかもしれない幾つもの未来"を見ることができる。ファクトリーで襲われることになっているという予知もその前の出来事がブレると時間も変わるということが描かれ、当然ボリスによって変えられた過去も再び変更可能とわかる(このグリフィンというキャラクターを入れたのはポイント高し。そして、更に続編を作るときに未来ネタとしても描けるのでは?などと思ってしまった)
1969年、ラスト近く
若き日の"K"の台詞(ここで"J"は自分の父親の事を知る)
「いいか。覚えておくべきことは一つだけだ。君の父親は英雄だった」
目の前で父親を殺された子供の頃の"J"の記憶を消し、英雄だったと記憶を上書きする"K"。

Memo2
1作目の「メン・イン・ブラック」からお馴染みの手書き文字タイトル・デザインは大御所パブロ・フェロ(Pablo Ferro)。先日公開された「幸せの教室」も。デビュー作はあのスタンリーキューブリック監督の「博士の異常な愛情」モノクロ画面の中に空中給油をする2機の飛行機。その上にフリーハンドの文字が踊る(タイトルシークエンスもパブロ・フェロによるもの)。他に「ブリット」「華麗なる賭け」「時計じかけのオレンジ」「チャンス」「アダムス・ファミリー」「フィラデ ルフィア」「L.A.コンフィデンシャル」「誘う女」「グッド・ウィル・ハンティング」「バス男」など多数(タイトルデザインのみも含む)。

映画『メン・イン・ブラック3』公式サイト
http://mib-3.com/

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