フランシス・フォード・コッポラ監督『Virginia/ヴァージニア』(Twixt)
注・内容に触れています。
フランシス・フォード・コッポラ監督『 Virginia/ヴァージニア 』(Twixt)
出演はヴァル・キルマー、エル・ファニング、ブルース・ダーン、ベン・チャップリン、そしてトム・ウェイツがナレーションを担当。
物語・オカルト作家のボルティモア(ヴァル・キルマー)はサイン会で訪れた小さな町で少女の死体が発見された事を知る。ボルティモアはミステリー好きの保安官(ブルース・ダーン)から、この事件を元にした小説を共著しないかと持ちかけられるが、気乗りしない。しかしその夜、ボルティモアの夢の中に少女V(エル・ファニング)と作家のエドガー・アラン・ポー(ベン・チャップリン)が現れ、かつてこの町で子供たちが犠牲になった事件へと彼を導く。現在と過去の事件を解いていくうち、彼は自分の過去と向き合うようになる。
※Memo1
●モノクロのようなBlueDarkGray(暗青灰色)の映像に赤やオレンジゴールドの煌き。
●「V」はVirginia(ヴァージニア)の「V」Vampire(ヴァンパイア)の「V」そしてVicky(ヴィッキー)の「V」
・ヴァージニア(ポーの妻)
・ヴァンパイア(小説の中の…、そして夢のなかの…)
・ヴィッキー(ボルティモアの亡くなった娘)
そして現在の少女殺人事件。
物語に導かれるように、或いは夢に…
●カメラはほとんど動かないが観客の心は動いた。あとで調べたらカメラがパンしたのは5回だけだそうです。やー、豊穣なワインのような作品。久々に画(え)そのものに酔った。で、例によって編集はFinal Cut PROで(本作の編集は盟友、ウォルターマーチではありませんが…)
●メリエス月を想起するシーン、パートカラー、モノクロ、昼間に撮影した夜間シーン(「アメリカの夜」方式)、画面分割などなど隠しコマンドとしての映画史を潜ませていると予想。日本では公開されませんが時計台のシーン(今年公開されたスコセッシ監督「ヒューゴ」想起←こちらもメリエス、そして時計台!)が部分3Dで創られていて、そのシーンになると3Dメガネを掛けるようになっているそうです(見たかったなぁ)
●トム・ウェイツの渋い声によるナレーションで幕を開ける物語(実はこのナレーション部分はボルティモアが書いた小説の冒頭部分であることも後で判る)
●主人公の名前、ボルティモアはポーが従妹のヴァージニアと叔母の反対にあいながらも求婚、結婚した場所。
●「V」を演じたエル・ファニング。歯科矯正器具とVampire…。ほとんど確信犯的に結びつけた後のあのシーンは!!!でした。
※Memo2
●タイトルデザインはStephen Faustina。「テトロ 過去を殺した男」も。(IMDbに本作の記載はありませんがエンドクレジットには記載有り)。季刊小説誌『ゾエトロープ・オールストーリー』(Zoetrope: All-Story Magazine)のアートディレクションも。
~ SFAUSTINA ~
(Stephen Faustinaのスタジオ)
http://www.sfaustina.com/
●「Cahiers du Cinéma」2012年No.677 コッポラ監督【Virginia/ヴァージニア】インタビュー、カラコレやVFXについてなど22ページの特集記事が掲載されていました
●音楽は「コッポラの胡蝶の夢」「テトロ 過去を殺した男」に続いてオスバルド・ゴリホフ(Osvaldo Golijov)
オスバルド・ゴリホフ公式ウェブサイト
http://www.osvaldogolijov.com/
コッポラ監督が映画に寄せた文章の締めの部分が本編中、台詞にも出てくる。ポーに執拗にエンディングについて聞くボルティモア。その答えとは?「君が探しているエンディングは君自身だ」
そして「V」の事を知る…
映画「Virginia/ヴァージニア」公式サイト
http://virginia-movie.jp/index.html
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