7人の監督によるアンサンブル『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(7 Days in Havana)
7人の監督が、キューバの首都ハバナを舞台に綴るオムニバス『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(7 Days in Havana)。
▼各作品の監督は下記の通り
ユマ/月曜日★ベニチオ・デル・トロ
ジャムセッション/火曜日★パブロ・トラベロ
セシリアの誘惑/水曜日★フリオ・メデム
初心者の日記/木曜日★エリア・スレイマン
儀式/金曜日★ギャスパー・ノエ
甘くて苦い/土曜日★ファン・カルロス・タビオ
泉/日曜日★ローラン・カンテ
※Memo
デル・トロ初監督作品「ユマ/月曜日」実は、あのリメイクされた原題が「3:10 to Yuma」の「ユマ」のこと(これは出てくる会話も楽しい)。こんな台詞「ソビエト映画ばかり上映されていたところへ(「ユマ」が)急に上映されたんだ」「でも元の方が好きだな」(←と、いうことはオリジナルの方も上映されてた?)
「ジャムセッション/火曜日」クストリッツァ監督が(映画祭での表彰式にハバナへやってきたという設定)そのままクストリッツァ監督で登場!(映画祭アテンドはつらいよ~、でも楽しそう♫その案内をする運転手のジャムセッションが見事←それを見たクストリッツァがデビューさせるからと言ったときに「また」見たいな顔をして、何度もスカウトされては話だけで終わったんだなぁ、ということがうかがい知れる←で、演じているのがアレクサンダー・アブレウというのが洒落ている)
「初心者の日記/木曜日」は(あとで知ったのだが)キューバのある指導者のインタビューを行う仕事で来た男の抱いていたキューバ(ハバナ)のイメージと現実の違い「チェ・ゲバラは遠きになりて」といったところか。(TVではカストロ議長、海岸では熱きカップル、度々じっと見つめる主人公。そして毎回迷うホテル内部)
そして本作中、最も奇妙な「儀式/金曜日」の監督はギャスパー・ノエ。(これもあとで判ったことだが女性と抱き合って寝ていた娘の清めの儀式)。その儀式の時の音が凄まじい。不気味に繰り返されるベース音が脳内シンコペーションを起こして、かつて見たNGラバンダ(NG La Banda)のライヴを思い出した(村上龍さんMCの分←この時点でのオリジナルメンバーの数人は後年、亡命)。
ローラン・カンテ監督「泉/日曜日」も大団円に相応しい。お告げにしたがって壁を壊し、色を塗り、泉を作りマリア像を飾る(泉には魚も泳ぐし下の階には水漏れするし)ホント、号令一下動く人々の活力が素晴しい(そして、ものすごーくテキトーでそこがまた<いい!)。「甘くて苦い/土曜日」のケーキはここに繋がる(「セシリアの誘惑/水曜日」の歌手セシリアはその土曜日に登場する夫婦の娘)
●本作、全くノーマークだったけどフライヤーと予告編で急遽見ることに。いやー、見てよかった(あの波が打ち砕ける海岸線も見られたし)結構、実際のハバナでの生活実態みたいなものも垣間見られて不思議な高揚感が残る素敵な映画でした。エンドクレジットも楽しい!
映画「セブン・デイズ・イン・ハバナ」
http://7dayshavana.com/
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