ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス『世界にひとつのプレイブック』(Silver Linings Playbook)
注・台詞、ラスト、使用楽曲に触れています。
マシュー・クイックの原作をデヴィッド・O・ラッセル監督(脚本も)が映画化した『世界にひとつのプレイブック』(Silver Linings Playbook)。主役のひとりステファニーを演じたジェニファー・ローレンスがアカデミー賞主演女優賞を授賞した(ロマンティック)コメディドラマの傑作。出演はブラッドリー・クーパー、ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー、ジュリア・スタイルズ、クリス・タッカー。
物語・妻ニッキの浮気が原因で心のバランスを崩し、すべてを失ったパット(ブラッドリー・クーパー)。今は実家で両親と暮らしながら社会復帰を目指してリハビリ中だ。そんな時出逢ったのが近所に住むティファニー(ジェニファー・ローレンス)。彼女も夫を事故で亡くしてから心に傷を抱えていた。(glay部分、goo映画より抜粋)
※Memo1
●ジェニファー・ローレンスの大物っぷりもブラッドリー・クーパーのいっちゃってる視線の演技も久々にオーッと思ったロバート・デ・ニーロも流石のジャッキー・ウィーヴァーも1秒間100万語喋らない抑えた演技のクリス・タッカーも出演者全員の演技とそのアンサンブルに酔えた映画。
●映画が始まって30分ぐらいのところでティファニーが登場。途端、物語が走りだす。ふたりが出会った瞬間(←ここの表情、2回目鑑賞時によくわかった)ある種のスパーク(特にティファニー)が起こっていた訳です。で、続く言い合いやエキセントリックさ含め魅力的に描かれていて物語の軸足がふたりへと移る。
※Memo2
●パットのトラウマ曲
Stevie Wonder「My Cherry Amour」
(ダンスに曲は違うがスティービー・ワンダーの曲を使用しているところも病気を乗り越えたことが伺える)
●ダンス練習の始まりの日に
北国の少女(Girl from the North Country) Bob Dylan and Johnny Cashバージョンを聴くふたり。
●結婚式のビデオが無いと夜中に叫び探しまくる時
Led Zeppelin「What Is And What Should Never Be」
●ダンスに使用した曲
Stevie Wonder「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」→ White Stripes「Fell in Love With a Girl with lyrics」→ Dave Brubeck「Maria」
※Memo3
●イーグルスネタ「デショーンのユニフォームで行け」と言われたとパットが言った途端に「それはいい」と表情の変わる主治医の先生(実はイーグルスファンとスタジアムでバッタリ出会って判るシーンが後に用意されている)。イーグルスについては全編通していろいろなシーンで描かれる(最後の全財産をかけた賭けにも)。
●ノミ屋をやってるデ・ニーロ父さん(リモコンの並べ方、封筒へ律儀にナンバリングなどややパラノイア的な性格)や周囲の人達もちょっと困りもの(だけど、接し方含め眼差しは温かい)。
●ダンス大会の直前。
あまりの出場者のレベルの高さに一瞬、怯むふたり。
(いつの間にか手を繋いでいる)
「どうして手をつないでる」
「あなたから」
「君からだろ」
「ここは力をあわせて」
ここ、とても好きなシーン
この後のダンスシーンでの息のピッタリ度の描き方も本当に素晴らしい。観客も通してのダンスを見るのが初めてというのもよい。(周囲の人達と共に既に観客もふたりのことを応援している。気づいていないのはパットだけ)
●ラストシーンに向けて台詞
「サイン(兆し)が見えたら」
ティファニーの言葉とニッキからの手紙(実はティファニーが書いている)の言葉が重なる。
そしてダンス大会が終わり、見事目標の5点(平均点)が出てパットはニッキの元へ戻るものと会場を去っていくティファニー。探すパット
周囲は気づいているティファニーの思い。
ここでデ・ニーロ父さんが声をかけるシーンもいい。
追いかけるパット
振り払おうとするティファニー。
手紙を取り出すパット。
「もう一通あるんだ」
「"ニッキからの手紙を書いたのは君だ
最初からわかっていたのに、もっと早く君の気持ちに気づくべきだった"」
「その手紙はいつから」
「一週間前から」
「ロマンティックだろ」
「愛してる?」
「心から」
「オーケー」
SHE LEANS FORWARD AND KISSES HIM, they kiss.
映画『世界にひとつのプレイブック』公式サイト
http://playbook.gaga.ne.jp/
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