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2013-05-29

ケン・ローチ監督『天使の分け前』(The Angels' Share)

ケン・ローチ監督『天使の分け前』(The Angels' Share)、脚本は監督作では、お馴染みポール・ラヴァティ(←「カルラの歌」「麦の穂をゆらす風」多数)。

"ウイスキーなどが樽の中で熟成されている間に、年2%ほど蒸発して失われる分のこと。10年もの、20年ものと年数を重ねるごとにウイスキーは味わいを増し、それとともに天使の分け前も増していく"

物語・スコッチウイスキーの故郷スコットランド。育った環境のせいでケンカ沙汰の絶えない若者ロビー(ポール・ブラニガン)は、恋人レオニーと生まれてくる赤ん坊のために人生を立て直したいが、トラブル続き。務所送りの代わりに社会奉仕活動を命じられ、現場の指導者でウイスキー愛好家でもあるハリー(ジョン・ヘンショー)と、3人の仲間たちと出会う。ハリーにウイスキーの奥深さを教わったロビーは、これまで眠っていた“テイスティング”の才能に目覚め始める。そして…(以上公式サイトより抜粋)

As

Memo
2012年カンヌ国際映画祭・審査員賞受賞作(つい先日、今年の同賞を是枝監督が受賞したばかり)。
公開終了前に滑りこみで見て、よかったー、と"声に出して言いたい愛すべき作品"
予告編を見た印象からテイスティングで道を拓いていく成長物語かと思っていたけど、そこはイギリス映画、そしてケン・ローチ監督。普通のいいこちゃんに更正していくプロットではなく「ホットロック」みたいな、ちょっと(痛快にしてお茶目系)泥棒ストーリー(ほんのり人情話)になってる辺りが楽しい。
「麦の穂をゆらす風」とか「SWEET SIXTEEN」と同じ監督とは思えないような展開。でも書きながら「エリックを探して」も、そうだなぁ、とかチームで云々(今回は"スカートを履いた泥棒さんチーム"w)話も多い監督さんですね。

主人公ロビーが手に入れていたのは、思いもよらぬ"ティスターとしての鼻の発見"もそうだが実は社会奉仕活動で知り合った仲間と、よきメンター(ハリー)だったんだなぁ、ということが途中からじわっと浮かび上がってきます(その仲間、ちょっと油断すると盗みをはたらいてしまうモーや、大事なところでドジってしまうライノ、アルバートなど困ったちゃんが多い←で、モーが蒸溜所見学の際に盗んだウィスキーを見て「ハリーさんが困るだろ」といつの間にやら注意するようになっているロビー)
と、言いつつ100万ポンドの樽入り超高級ウイスキーを(丸々一樽ではなく数本)バルブレア蒸溜所から盗みだす大作戦(チューブを使った、かなりちゃちい方法)を行う事となるロビーと仲間たちではあります。(でもスコットランド北部の風景と相俟って、どこかのどかで憎めない悪さといった感じがいい)
ウィスキーを味わい楽しむことが趣味のハリーは質素ながらも人生も楽しみ味わい深いものとした生活だ。そんな彼に最後の最後に本当の"天使の分け前"がやってくる粋なラストに思わずニンマリ。

※蛇足ながら
原節子さんとケン・ローチ監督って同じ誕生日なんだと発見(それを言うなら嵐のニノも麻生久美子さんもでしょー、とツッコミが入る)

映画『天使の分け前』公式サイト
http://tenshi-wakemae.jp/

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2013-05-27

この人の展覧会が見たい(再追記版)・ハビエル・マリスカル(Javier Mariscal)&『Chico & Rita(チコとリタ)』

随分前に書いた「この人の展覧会が見たい」
マリスカルについて、(さらに)再追記版

※展覧会フライヤー、映画『Chico & Rita(チコとリタ)』を追加

ハビエル・マリスカル
(Javier Mariscal)とフェルナンド・トルエバ(Fernando Truebag)共同監督【Chico & Rita(チコとリタ)】ジャズピアニスト・チコと歌手・リタの恋物語がラテンジャズに乗せて描かれる素敵なアニメーション。
2012年のアカデミー賞長編アニメーションにノミネート、2011年ゴヤ賞 長編アニメーション賞。是非、正式に公開を(日本では映画祭上映のみ。2013年第10回ラテンビート映画祭でも再上映されました)。
※2013年現在、一般劇場未公開・DVDなどのソフト化未リリース。

共同監督のひとりフェルナンド・トルエバ(Fernando Truebag)は1992年ペネロペ・クルス主演【ベル・エポック】の監督(最新作は「ふたりのアトリエ〜ある彫刻家とモデル」)。音楽はベボ・バルデス

アメリカとキューバのジャズの歴史(歴史そのものも)がバックストーリーとして描かれていて、出てくる実在の場所(トロピカーナ、ラジオシティ・ミュージックホール、ヴィレッジ・ヴァンガード)、ミュージシャン(チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク)、楽曲、全てに酔いしれます。

Chico & Rita (公式サイト)
http://www.chicoyrita.es/home.html

MAKING  of CHICO & RITA
http://vimeo.com/66818530

Chico_rita

(以前の記事・再追記訂正あり↓)
バルセロナ・オリンピックの公式マスコット「コビー」の生みの親、ハビエル・マリスカル(JAVIER MARISCAL)。1992年、1998年に小規模な巡回展がありましたが、その後、大規模展覧会が行われた形跡はありません(2回目の展覧会会期中、偶然、来日中のマリスカル本人と心斎橋・アメリカ村某所で遭遇できて感激)。

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1992年「マリスカルの世界展」フライヤー

Ma01

Ma2
1998年「ハビエル・マリスカル展」フライヤーとチケット

ハウステンボスや愛知万博のスペイン館の食べ物彫刻など、作品自体は目に触れる機会は多いのですが展覧会は開かれていません。
画集も1992年にマリスカル1「平面(ピエロの落書き・地中海が生んだ自由な感性)、マリスカル2「立体(屋根に登った巨大なエビ・空間を超える想像力)の2冊がNHK出版より出ていたぐらい(以外は洋書で数冊。絵本「ルラのなつやすみ」がアシェット婦人画報社より翻訳出版されていましたが現在入手が難しいようです)。でも、その作品たち は「かわいらしさ」「おちゃめさ」「ゆるさ」「穏やかさ」などなど素晴らしさに溢れています(そして色彩)。この人の展覧会が見たい!!ハビエル・マリスカル編でした。

Estudio Mariscal
http://www.mariscal.com/es/home

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2013-05-26

リチャード・プレス監督『ビル・カニンガム&ニューヨーク』(Bill Cunningham New York)

New York Times の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」を長年担当する名物カメラマン、ビル・カニンガムのドキュメンタリー『ビル・カニンガム&ニューヨーク』。監督は今作が長編作品デビューとなるリチャード・プレス

Bill

Memo1
颯爽として飄々として、その審美眼は誰もが認めるスーパーお爺ちゃん。名物フォトグラファー。誰かが言っていた「全身写真家」という表現がピッタリ。
とにかく一瞬足りともストリートで出会うファッションを取り逃さないように目を皿のようにして自転車に乗るビル(案の定、タクシーにドシンというところも一瞬写される)。
清掃員用の青いジャンパー(パリのデパートで20ドル)、そして黒いビニールの雨合羽(ガムテープでいっぱい補強)
「みんなは嫌がるんだが、ちょっと薔薇の花みたいだろ」とニコニコ語るビル。
「これで29台目の自転車」「28台は盗まれた」と、またまたニコニコ語るビル。
「好きなことを仕事にしたのではなく、好きなことをしているだけ」といった姿勢が滲み出る私生活、着るものも食べるものに無頓着。
「すまないね。いつもこんな食べ物ばかりで」
(このあたりの、やりとり含め時々垣間見せる監督との信頼関係も、このドキュメンタリー作品から感じる暖かさの一端)
パリ・コレで入口付近でパスを見せながら係の人に説明していると中から出てきた人が「この方はもっとも重要な人だから」とサッと入場させる重鎮ぶり(でも、全く何処へ行っても飄々としている)
そのパリへ行くことについて、こんな言葉「目には何度でも学ばせないと
そんなビルが一瞬だけ言葉をつまらせるシーンがある。過去の恋愛や家族のこと、信仰について尋ねられた時だ。「答えたくなければ答えなくてもいいですが」との前置きに丁寧に答える。その言語の行間から(もしかすると、両親や恋愛に対して、いろいろな確執もあったろうなぁ)いろいろなことがうかがえる。

※Memo2
「ヴォーグ」のアメリカ版編集長アナ・ウィンター(もう、とっても有名になってなってしまったことだけど「プラダを着た悪魔」のモデル)、ファッションモデル(というかアイコン)のパトリック・マクドナルド、同じカーネギーホールの古いスタジオに住む(住んでいた)写真家エディッタ・シャーマンなど様々な人が実際に登場してくる。(失礼ながら、判らない方もいました)
タイトルデザイン&写真アニメーション(Photographic animation designer)はキーラ・アレクサンドラ(Keira Alexandra)

New York Times YouTube Edition
Bill Cunningham - On the Street
http://www.youtube.com/playlist?list=PL074352F6ACE39E76

映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』公式サイト

http://www.bcny.jp

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2013-05-25

アーミル・カーン主演『きっと、うまくいく (3 idiots)』鶏は卵の行く末を知らない

「鶏は卵の行く末を知らない、雛にかえるのかオムレツか」うまーくいーく(AAL IZZ WELL)「アール・イーズ・ウェル」『きっと、うまくいく

物語・10年前インド工科大の学生だったファルハーン(Rマドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョーシー)は行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくるとチャトル(オーミ・バイディヤ)から聞かされ、母校に向かう。当時、学長の競争一辺倒の方針に対して事あるごとに異議を唱えていたランチョー。そんな彼と学長の娘であるピア(カリーナー・カプール)とが、もぐり込んだパーティで出会い、そして…

3idiots

Memo
ランチャーを演じたアーミル・カーン(撮影時44歳と聞いてビックリ)の魅力が中心軸となって繰り広げられる傑作コメディ奇跡の3時間。そして主要な登場人物6人の顔、全てがいいんですよねー。
3バカ+ミア+チャトルの5人が再会するラダックの小学校、ラストシーンのロケが行われたアジア最大級の汽水湖、パンゴン湖(Pangong Lake ladakh)は見覚えのある場所だなぁと思ったら、やはり「落下の王国」のあの美しいシーンと同じ場所でした。本作、最後に天国のような場所を持ってくるあたりも素晴らしい。観客も「すべてがうまくいった」開放感溢れる大団円を、この場所で迎えられるのですから。
そのラダック小学校でのミリ坊との再会なんてちょっとグッと来ますねー(ミリではなくセンチだけど)
(ランチャーの正体が判って彼も実は小さい頃から学校にもぐりこんで授業を受けていたからこそのミリ坊への言葉だったんですねー)
2007年放送されたNHKスペシャル「インドの衝撃・第1回 : わき上がる頭脳パワー」>「IIT(インド工科大)※に落ちたらMIT(マサチューセッツ工科大学)に行く」と言われるほどの難関校であることが(後で知りましたが) ベースとして知っておくともう少し彼らの心理的圧迫が理解できたかもしれない。こちらはNHKスペシャル放送時の紹介ページ > http://www.nhk.or.jp/special/onair/070128.html
※映画ではICE表記
で、そういった背景があって、コメディの裏側に競争社会、学歴社会への批判(90分に一人が自殺しているという事実←実際、はじまって30分ぐらいで起こる同級生の自殺シーンは見せ方含めドキッとさせられた)も盛り込みつつベタだけど観終わった後、いいなぁといった気分にさせてくれる多幸感溢れる映画になってなっています。思わず歌い出してしまいます「アール・イーズ・ウェル」♫
あと、ミアのランチャーを見る目が変わった瞬間(病院のシーン←この前の病院に向かうお祖父さんサンドしてのバイク3人乗りのシーンw)に始まる(見るもの全てがランチャーに見える)しあわせダンスソングのもう一曲「Zoobi Doobi」も楽しい。(←マイケル?という振付も)
そのミアがランチャーの真実と本当の名前を知っての台詞「よかったー♫ なんたらチャンチルなんて名前、嫌だったから」

『ボリウッド4』公式サイト
http://bollywood-4.com/

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タイトルデザイン_33『アイアンマン3』ロバート・ダウニー・Jr. 主演

マーベル・コミック原作によるシリーズ第3弾『アイアンマン3』。監督は前2作のジョン・ファヴローに代わってシェーン・ブラック(「キスキス,バンバン」)が担当。出演はロバート・ダウニー・Jrグウィネス・パルトロードン・チードルの3人に加えベン・キングズレーガイ・ピアース、他

物語・“アベンジャーズ”の戦いから1年。トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)は、その時の戦いからくるものなのか、まだ見ぬ敵に対しての幻影か、とり憑かれたかのように次々と新型アイアンマンスーツを開発していた。そんなある日、トニーは、正体不明の敵“マンダリン”による襲撃を受ける。そして…

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Memo1
トニー・スターク、NGワードは"ニューヨーク"
戦わずして幻影にうなされる日々。それほどアベンジャーズでの戦いは熾烈だったという設定(個人的には無理に「アベンジャーズ」繋がりはなくてもよかったのに、とも思います。まあ「アベンジャーズ2」が決まっている以上仕方のないことなのでしょうけど…)。
さて、そのトラウマ(疲弊と恐怖)から脱却するきっかけが"モノづくり"だったというところが1作目原点戻りで、かなり嬉しい。なんといっても1作目の、閉じ込められて(材料がそろってなくても、あるもので、なんでも造れる上に)こっそり造るトニー・スタークのシーンがとても好きなので、このガジェット感溢れるガレージ工作シーンはよかったなぁ、と。手伝ってくれた少年への目配せも◯(マル)
ペッパ~~ポッツ♫(ペッパー警部のメロディで)
オチのIron Potts(笑) はシャマラン「アンブレイカブル」オチにアンビリーバボーって叫ぶことと同じで(「いーじゃない、漫画なんだし」)とも言える。戦う社長に続いて戦う秘書の誕生。(ん?)
ベン・キングズレー、どれだけ非道いテロリスト役やねん、と、思わせといてーの名優だからこそ出来るすっとぼけた名演技(トニー・スターク同様、すっかり見ている側も騙されました)。こんな屁こきテロリストなんか演じてしまって大丈夫かぁ…(←ガンジー演じた人なのに)
お馴染みのエンドクレジット後プラスシーン有り。

Memo2
タイトルデザインは前2作に続いてPrologue.
Art of Title にカイルクーパーがコンセプトデザインのアイアンマン・ストリッパーダンス動画やMain on End TITLE SEQUENCE制作にあたってのメイキングなどが書かれた記事が掲載されていましたが、何か問題があったのか現在オフライン中になっています(非常に興味深い記事だったので中身を含めて紹介しようと思っていたのですが) 一応アドレスのみを記述 > http://www.artofthetitle.com/title/iron-man-3/

Prologue
http://prologue.com/

アイアンマン3|Ironman3|
http://www.marvel-japan.com/movies/ironman3/


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2013-05-19

石井裕也監督、松田龍平、宮崎あおい・主演『舟を編む』

2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を石井裕也監督が実写映画化した『舟を編む』。出演は松田龍平宮崎あおいオダギリジョー加藤剛小林薫池脇千鶴、他

物語・玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は辞書編集部に配属され、新しい辞書「大渡海」の編さんに携わることとなる。彼も営業部では変わり者扱いだったが辞書編集部もかなりの個性派ぞろい。徐々に辞書造りにのめり込み始めた頃、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目惚れをする。そして…

Fune_a

Memo1
「ネットの海は広大だわ…」は映画「Ghost in The Shell」での主人公、公安9課・草薙素子の台詞だが本作はまさに「言葉の海も、また広大である」
邦画で直近10年見た中でベストテンを選ぶなら絶対に入れるぐらい、見てからかなり時間が経過しているけど「よかったなー」と言える作品。石井裕也監督作は劇場で見たのが本作で4本目になりますが、まさに正攻法な描き方でビックリしました。
辞書づくり自体も、どうやって造るのか興味津々だったけど「用例採集」って言葉に、まず惹かれた。昆虫採集するように、いろいろな場所に行っての「言葉集め」。ファストフード店で女子高生の会話にダンボ耳になってメモするおじさんふたりw(←かなり怪しいw)。この用例採集(カードも含めて)は相合傘を用例採集カードに書かれて手が震える馬締やちょっとした合間のアクセントポイントなど映画全体、そしてラストのパーティのシーンにいたるまで効いている。
(あとで知りましたが)1995年からスタートする映画オリジナルの時間の切り取り方もデジタル元年という意味合いで面白い(おそらく編さん作業中に"紙の辞書"は必要云々いろいろあったであろう事柄など想像できる)。
松田龍平演ずる馬締。パッと見、おいおい大丈夫かー、しかし不器用ながらも恋愛もするという(←この辺り、さらに大丈夫かー)役をドンピシャなかたちで演じていてよかった。
(文字通り月夜に)香具矢と出会って(一目惚れして)から、なんとか思いを伝えたいところからはじまって徐々に周囲ととけ合っていく(また、そのように努力して)姿も。最近、「世界にひとつのプレイブック」「横道世之介」「ムーンライズ・キングダム」、そして本作とこの"つい応援したくなる恋の行方見守り"型・映画多いような気もします(←まあ、好みのプロットでありますが ^^)
撮影は藤澤順一による35ミリフィルム撮影。もう本作、内容からいって絶対フィルムでしょう、と思ってインタビュー記事などを読むとプロデューサーも監督も申し合わせたわけではないけれど「フィルムでしょう」となったみたいで、やっぱりと思った次第。

Fune1
パンフレット表紙

Memo2
本作のパンフレットが内容、デザイン、アイデアなどすこぶる素晴らしい。本文128ページ(表紙〜表4除く)、シナリオ掲載、出演者インタビュー、メイキング、辞書造りについて、批評、対談など盛りだくさん。中でも劇中、気になってしようがなかった馬締がこだわっていた「大渡海」に使用した「ぬめり感」のある用紙。これを実際に使った「辞書を並べて読み比べ」特集ページまで用意されていて、もーめちゃめちゃ感激ですよ。
あと、宣伝関連も最初に配布された文字がいっぱい書かれたフライヤーから、書店に置かれるフライヤーとしおり、その他タイアップものフライヤーと非常にバリエーションに富んでいて映画の辞書造りとダブるような熱度。

映画『舟を編む』公式サイト
http://fune-amu.com

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2013-05-16

この人の展覧会が見たい・番外編『2001年シネマ・オデッセイ - 映画ポスターの20世紀』

2001年に大阪・東京・帯広で『2001年シネマ・オデッセイ - 映画ポスターの20世紀』と題される展覧会が開かれたことがあります。有名なものから貴重なものまで、そしてデザイナーが判明しているものはデザイナー表記されて(有名なものでデザイナー不明というのも多いことを、この時知った)、おおよそ140点の映画ポスターに特化した大規模なものでした。
また、こういった展覧会が見てみたいなぁ、ということで番外編として記録しました、

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図録・表紙
メトロポリス
ハインツ・シュルツ=ノイダム

展示カテゴリーも秀逸(年代別、ジャンル別、グラフィック・デザイナーたちの視点など)
図録、解説はトニー・ノーマンド、柏木博、和田誠。巻末にデザイナー解説(ソール・バス、ルネ・フェラッチ、ミルトン・グレイザー、ポール・ランド、リチャード・アムセル、他)、映画データ(ストーリーも記載)

以下、展覧会のフライヤー2種(展覧会のもの、

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2001_e

映画ポスター紹介サイト(英文)
(本展覧会とは関係ありませんが古いポスターから最新のものまで網羅されています)
IMP Awards - All the Latest Movie
http://www.impawards.com/

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2013-05-09

新・午前十時の映画祭『タワーリング・インフェルノ』スティーブ・マックイーン&ポール・ニューマン

2週間公開、デジタル上映となった新・午前十時の映画祭で『タワーリング・インフェルノ』を見た。

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公開時のパンフレット
(ワーナーと20世紀FOXロゴが入っている)

Memo
初めて「タワーリング・インフェルノ」を見たのは大阪厚生年金会館でのホール試写。タワー全体が写された時、場内から「ほぉー」といった声があがっていたのが印象的(当時、1番高いビルはどこだったのだろう?)。実際、この映画がアナウンスされた時、同じような企画があがっていて結局合作となりマックィーンとポール・ニューマンが共演という話に盛り上がったことを覚えてます(パンフレットを読み直すて、いろいろ思い出しました)
それにしてもスティーブ・マックイーンという役者の特異性というか凄さを今回、スクリーンで再見して再確認。現在、彼に置きかわる俳優のポストって誰だろうと考えたとき、浮かんでこない。それほど唯一無二の存在だったのだろう。
ポール・ニューマンの設計技師に対しての台詞(第一声)
「建築屋め」
この言い回しが、またいい!
そして、今回発見したさりげないけど、おっ!と思ったシーン→ラスト近く(貯水槽爆破前のシーン)マックイーンが階段の手すり両端を持って子供のようにスススーと降りるところがカッコイイ!(普通しないような動作)
もちろんアカデミー賞を受賞したフレッド・アステア(確か、これこそタキシードの着こなし方の見本とか、当時言われてました)の絶妙の立ち居ふるまいも、やはり素晴らしかった。
当時は火災シーンのスペクタクル部分ばかりを見てたけど、やっぱりドラマ部分もしっかりしてたのだなぁーとン十年の時を経て思った次第。

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パンフレット表4

新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作
http://asa10.eiga.com/

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2013-05-03

アーノルド・シュワルツェネッガー主演、キム・ジウン監督『ラストスタンド』

注・内容、台詞に触れています
アーノルド・シュワルツェネッガー
久々の主演作、そしてキム・ジウン監督初のアメリカ映画『ラストスタンド』(The Last Stand)

物語・メキシコとの国境近くの田舎町ソマートンの老保安官レイ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が副保安官ら町の仲間と国外逃亡を図る麻薬王コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)を阻止しようと立ちはだかる。出演はフォレスト・ウィテカー、ピーター・ストーメア、他

Last_stand

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手持ちカメラをブンブン振り回した撮影や(スポーツ選手のような動体視力が無いと)判別不能なぐらいの細かいカット割り編集などせず、きっちりとアクションをアクションとして見せてくれる正攻法(どこか70年代に見てきたアクション映画の佇まい)。町が小さいので高層ビルがないことによる屋上と地上との距離感覚も西部劇まんま再現できていて素晴らしい。バス、トウモロコシ畑、影が長くのびる時刻と用意されているものも、いろいろ楽しい。シュワちゃん演じるレイが「歳だな」とボヤきながらの奮闘が超人的でない部分も復帰作として、いい作品選んだなぁ、と思う(と、言いつつ十分超人ですがw バックドロップもあるし)
元・州知事だったシュワちゃんが劇中、町長に向かって「間抜け」(←意訳w)と言ったり(初めと終わりに同じ台詞で締めている)、コルテスが「金で何とか逃がしてくれ」に対して(実際移民のシュワちゃんが)「移民の面汚しだ」と言い放ったり、いろいろニンマリな台詞が多数。(銃器マニアのルイスが出してきた、あの剣もサービス?)
"ワイアット・アープというか西部劇定石"よろしくの4人が並ぶシーンとか、いいなぁ。「俺たちの町を通させない」。この南部の田舎町の風景もよいが住 んでいる人たちの面構えもとてもよい(動じない感じ、中でも「おらが町で勝手なことはさせねぇ」的自衛心バリバリでシュワちゃんを助けるお婆さんw)。
コルテスがただ自分の運転で国境を抜けたいという事だけでシボレー コルベットZR1を飛ばす設定からして、つっこめる気もするけれど、そこが面白いところ。ひたすら国境へ向けて飛ばす車、それをなんとか阻止しようとするFBI、迎え撃つこととなるレイたち。
最後の最後、橋の上での台詞
「俺の車を駄目にしたな」
「せっかくの休日を台無しにしてくれたな」

Memo2
タイトルデザインは「PIC AGENCY
ジェット機と間違えられる速度でパトカーの横を疾走していくZR1、そしてMap画面のルート95へ続くMAIN TITLEとエンドクレジット前 MAIN ON END TITLESを制作。
このタイトルの感じなんかもウォルター・ヒル質感で(奇しくもウォルター・ヒルはスタローン主演で「バレット」が近日公開)

映画『ラストスタンド』公式サイト
http://laststand.jp/

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