太平洋8,000Kmの航海『コン・ティキ (Kon-Tiki) 』
トール・ヘイエルダールによる1947年のコンティキ号の航海を描いた『コン・ティキ』(Kon-Tiki)。監督はヨアヒム・ローニング(英語版)とエスペン・サンドベリ(ノルウェー語版)。第85回アカデミー賞・外国語映画賞ノミネート。
※Memo1
●「ライフ・オブ・パイ」に続いて今年2本目の漂流もの(正確には目的地があるから漂流ではないですが) 有名なドキュメンタリー映像(アカデミー賞受賞)などで絵的には知ってはいても、このバルサ材製"いかだ"による冒険はワクワクする。資金調達、仲間集め、出発〜南赤道海流に乗るまでが特にドラマティック(そしてサスペンスフル)。イースター島近海の潮流にのみこまれるかもしれない危機、アンデス山脈に阻まれ繋がらない無線、風船を利用しての通信手段の途絶、きしむ材木と材木の音(バラバラになるかもしれない恐怖)などなどが描かれる。
●あと、結構な鮫映画(メイキング映像を見るとかなりアナログチックに撮られていた。「JAWAS」のあのリモコン鮫の趣←実際のドキュメンタリー映画より、やや大きい?)。
●それにしても実際撮られた映像と見比べると役者の似てること似てること。シーンの再現性の高いこと。ドキュメンタリー映画の"これ、どうやって撮影したのだろう?"という疑問に対しての(メイキング映像的な)正解編でもあります。併走している船があるわけではないのに、ドキュメンタリー映画の中にロングでコンティキ号全体を映した映像があって「あれ?」って思っていた謎も解けました。
●映画冒頭。ノルウェーでの少年時代のヘイエルダール。みんなが見てる前で氷の上を飛んで渡ろうとして落ちる。母親から「また目立とうとしたのでしょう」と叱られるシーンが。(もうちょっと、この時期のエピソードを見たかったけれど少し短い?)
●"いかだでの冒険"のきっかけとなるインカ文明とポリネシア文明の相似点を見出すポリネシア諸島での妻リヴとの描写部分や前述の少年時代など、もう少し欲しかった気もするけど、そうなると比重的にドラマ寄りとなってしまうため、これはこれでよかったかもと思える鑑賞後の味わいがある。
●飄々とした印象を受けるが、何故か人がついてくる不思議なカリスマ性。航海中、仲間が海に落ちたときにすぐに飛び込んで助けにいけなかった事を吐露するシーン。「泳げないんだ」「みんな知ってるよ」(ハッとする)。
●全ては1500年前の人と同じ気持ちで冒険することに始まる。
この台詞。
「海は障壁ではない。道だった事を証明するんだ」
※Memo2
参考関連リンク
(2013年7月15日現在確認)
●コン・ティキ ミュージアム
(Kon-Tiki Museum)
当時のコンティキ号も展示。
http://www.kon-tiki.no/
●メイキング映像
(KON TIKI - Behind the scene)
http://youtu.be/38e-Wyb8RDU
【公式サイト】映画『コン・ティキ』
http://www.kontiki.jp
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