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2013-09-07

スティーブン・ソダーバーグ監督『サイド・エフェクト(Side Effects)』

注・内容、台詞に触れています。
スティーブン・ソダーバーグ監督
(復帰の期待も込めて、一応)最後の劇場公開監督作『サイド・エフェクト(Side Effects)』薬の副作用が招いた殺人事件と、その事件に潜む謎を描いたサスペンス。

物語・金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。診察にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。(DarkRedBrown部分、シネマトゥデイより抜粋)

Side_effects

Memo
奇しくも長編デビュー作『セックスと嘘とビデオテープ』のタイトルがそのまま本作のネタバレへとリンクしているのは意図的?(鑑賞済みの方はあぁ、となるタイトルですよね)
そして、どんでん返しに対してのヒントの撒き方もフェア。エミリーが薬の副作用で地下駐車場の壁に(発作的に自殺のように)ぶつかるシーン。その間の取り方は「あれ?」と思わせるに十分な時間と所作を描いていますし、シーバート博士との幾つかの会話、目線、マーティンとの過去経緯の不自然なぼかし方、なによりもエミリー×シーバート博士接点シーンが無いなど多数。
絶対的な台詞
「過去に起こったことから未来は予測できる」
撮影、編集も手がけているソダーバーグ監督。まるで解剖医学的のように切り分けられた場面をコンマ数秒の狂いもなく繋ぎあわせていったかのようなカチッとした仕上がり。フィックス、移動、クローズアップ、俯瞰などそれぞれのショットが全て仕様書でもあるのかというぐらいシーン、シーンの登場人物の心情や状況などに応じて使い分けられていて驚く(逆に遊びが無い、ユーモアがないという評も出てきそうですが)。この全てにおいて抑制の効いた質感は「コンテイジョン」の時にも感じたが本作は更にそれの上をいっている。サウンドデザインも最後に別クレジットで出るほどスコアと台詞、効果音がクリア。

この質感、Red Epicによる撮影が効果的であるということも大きい。フォーカスが曖昧さの微塵もないほどきっちりと取れるので対象物とぼかす必要のあるモノ(人物)が演出意図通りに描き出せるのだ。実際、シーバート博士が最初に映し出されたショットなどは、ほぼ※答えを出しているような絵になっていました(※再見の際に確認のため一応の記載)
「Newsweek 日本版」2013年9月10日号にルーニー・マーラについての記事「クールで熱いルーニーに夢中」が掲載されていてフィンチャー監督「ドラゴン・タトゥーの女」撮影前にソダーバーグがリスベット役として彼女をプッシュした云々他、絶賛している。確かにルーニー・マーラ在りきの物語展開。もちろん受ける側のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(ソダーバーグ監督作品3度目出演)も素晴しい。
11月公開『恋するリベラーチェ(Behind the Candelabra)』が順番で言うとラストとなるがアメリカでは劇場公開されずTV放映だったため本作が最後の作品ということになっている(模様)
ヒッチコックテイストの演出が随所ということだが、どちらかというとヒッチコック作品をリスペクトを込めてトレースしていたデ・パルマ作品(もちろん意図して?)の匂いのほうがやや大きいような気も。

映画『サイド・エフェクト』オフィシャルサイト
http://www.side-effects.jp/

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