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2013-10-23

アシュトン・カッチャー主演『スティーブ・ジョブズ(jobs)』"Think different"

2011年に逝去したアップル社の創業者、スティーブ・ジョブズの伝記ドラマ。『スティーブ・ジョブズ(jobs)』監督は『ケビン・コスナー チョイス!』のジョシュア・マイケル・スターン。出演はアシュトン・カッチャー、ダーモット・マローニー、ジョシュ・ギャッド、ルーカス・ハース、マシュー・モディーン、ジェームズ・ウッズ(既に大学を辞めていたジョブズを特例クラスで籍を残した教授として一瞬)、他

物語・誰からも天才と認められるも、周囲との衝突が絶えないスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)。既存の組織に所属するのに向いていないと悟った彼は、自分のような友人らと自宅ガレージをオフィスにしてアップルコンピュータ社を設立する。革新的な商品を次々と放ってはヒットさせ、たった4年で株式の上場に成功、IT界の寵児となる。そして…(Blue部分シネマトゥデイより抜粋)

Jobs2

Memo
映画は冒頭、ジョブズによるAppleタウンホールミーティングでのiPod発表のプレゼンシーンから始まる。新たな「デバイス」という表現。全編通して語られる自らの「デザイン」哲学。GUI登場以前の時点からの「フォント」へのこだわり(フォントセットについて激昂するシーンが)。カリグラフィーへの興味、インド、LSD、彼女とのことなどが前半。(実際に起業したガレージで撮影)
アップル・コンピューター社、立ち上げ時、無茶な製品納期に対応するため基板を作っているウォズニアックに対してガレージでのやりとり。
取り付けられたコンデンサやトランジスタを指さして
「ここはシンメトリーにならないかな」
「そんなところを誰が見るんだ」
「僕が見る」
(ハード内部にまでこだわってデザインされるのは有名な話だが、ここでこの台詞が使われていたのかどうかは不明だったような気も)
Bob Dylanの曲は絶対使われるだろうなぁ、と思っていたら意外な曲が。「時代は変わる」に入っていてカバーされることも多い「スペイン革のブーツ(Boots of Spanish Leather)」
この曲は太田裕美が歌った(作詞・松本隆)「木綿のハンカチーフ」の元(モチーフ)とされる楽曲なので娘・リサとブレナンの件(くだり)あたりがピッタリのような気もするけどウォズニアクがappleを去るシーンで(ジョブズも追われる寸前)流れる。アシュトン・カッチャーのジョブズ似せが話題になっていますがウォズニアックもかなり似ていたなぁ(エンドクレジット前に実際の写真と映画内の写真が並べて紹介されれます)
TVムービーとして制作された「Pirates of Silicon Valley」(日本でのタイトルは「バトル オブ シリコンバレー」)はジョブズとビル・ゲイツを軸にパソコン黎明期から本作と同じiMac発売近辺までが描かれていて合わせて鑑賞すると面白いです。
できてもいないOSを売り込みに行くビル・ゲイツやマウス、GUIをゼロックス研究所から(聞こえは悪いですが)ちゃっかり盗んでいくジョブズと仲間たちのシーンなどが盛り込まれていてまさにPirates of Silicon Valley (かなり脚色されているので、あくまでもフィクションとして)

ジョブズがappleを追われ再び帰還する際に広告代理店もシャイアット・ディ(現在はTBWA\CHIAT\DAY←フランク・ゲーリーが設計、クレス・オルデンバーグ双眼鏡付き建築が本社ビル←今も?)に戻せという指示を出しているのが面白い。
復帰を特徴付けるのはデザイナー、ジョナサン・アイブの登場。そこで出てくるスケッチや(おそらく曲線表現のための)金属モックアップこそがiMacとなっていく。
ラストはジョブズによるボイスレコーディングシーン。
有名な"Think different"キャンペーン(前述のシャイアット・ディによる。リドリー・スコット監督起用「1984」も)のあの言葉を録っている。
締め括りはこうだ。
「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから」
※蛇足的に
appleをずっと使い続けていて(初代iMac、記念で残しています。今でも動きます。←Illustrator8が動いてた)その成り立ちやバックボーン的なことも知っての鑑賞なので、全く何も知らずに(評伝も読まずに)本作を見たら、どういう印象になるのかその部分ではちょっと伺い知れない。
生でスティーブ・ジョブズを見たのはMacEXPOが東京でも開催されていた最後の年の基調講演。扮装(いでたち)はお馴染みのあのスタイルで出てきただけで「おぉっ」と感動ものでした。

Jobs

映画『スティーブ・ジョブズ』公式サイト
http://jobs.gaga.ne.jp

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