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2013-11-30

タイトルデザイン_39(METHOD DESIGN)『REDリターンズ』ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカー、他

注・内容、結末に触れています。
「RED/レッド」の続編『REDリターンズ』出演は前作に引き続きブルース・ウィリスジョン・マルコヴィッチヘレン・ミレンメアリー=ルイーズ・パーカーに加え、アンソニー・ホプキンスキャサリン・ゼタ=ジョーンズイ・ビョンホン。監督はTVシリーズものを多く手がけているディーン・パリソット(←あの傑作「ギャラクシー・クエスト」の監督!?)

物語・恋人サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)と一緒に生活し、諜報活動から縁遠い毎日を過ごしていた元CIAのフランク(ブルース・ウィリス)。しかし、かつての仲間マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が関わった小型核爆弾をめぐる冷戦時代の極秘計画が原因となったトラブルが持ち上がる。解決の手掛かりを追い求め、フランクはサラ、マーヴィンと共にヨーロッパへと足を運ぶが…(DarkRed部分シネマトゥデイより抜粋)

Red2

Memo
若造には任せておけないと集結した前作『RED/レッド』。
REDとは「Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)の意。
「エクスペンダブルズ」もそうだけど未だ現役バリバリの50〜60代アクションスター(あえてこう呼ぶ)をいかに説得力(或いは必然的に上手く)持って映画を製作するのか、その答えのひとつとして結構秀逸だった前作に引き続いての作品。(前作はアーネスト・ボーグナインが出演しているだけで「おぉっ!」と唸りました)

本作でサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)は、すっかり落ち着いてしまったマーヴィンに退屈気味。そこに急に舞い込んできた危機的状況。そしてREDの面々と行動を共に(これこれ、これを待っていたーと嬉しそう。ジェームス・キャメロン監督「トゥルーライズ」で同じように日常に少し飽きてきていたジェイミー・リー・カーティス演ずるヘレンが任務を任されてるシーンを思い出した)。で、(超暴走気味の)カーアクション含め思いの外、大活躍(これはもしかするとRED3もあり?)
アンソニー・ホプキンスが嬉々として(レクター博士のように)悪役を演じる。幽閉されていたMI6の黒板から壁まで一面に書かれた数式。裏切りに次ぐ裏切りはお約束通りだがラストの爆弾の中身だけをダストボックスに残されたところは、それこそ何回か出てくる台詞に近い「気づけよ」ですが…(これまた「フィフス・エレメント」でのゲイリー・オールドマンのゾーグが陥る「あ、やっちゃった〜」結末に通じるものが←これ自体が「レオン」結末ともリンクしてるけれど)
キャサリン・ゼタ・ジョーンズが運転する車をドリフトスライドさせてドアを開け、そのままマーヴィンが滑り乗る場面は、どこかで見たようなシーン(あきらかに判ってやっていますが…)。ちょっと残念なのは話の途中で命を落としてしまうこと。最後の最後までサラとちょっとした嫉妬の火花をチロチロと燃やしておいてほしかった気も(で、ラストにパチッとニヤリとさせられる小オチをつけるとか)。
相変わらず可笑しいのがジョン・マルコヴィッチ。かつてリチャード・レスター監督「ジャガーノート」(1975年日本公開)だと客船に仕掛けられた爆弾を止めるために青か赤かどちらのコードを切るかだけでハラハラ・サスペンスシーンだったのに小型核爆弾にもかかわらず、パッチンパッチン切って博士の追跡中につき手が離せないマーヴィンを慌てさせる始末(←あの〜、核爆弾なんですけど、とツッコミたい)。ヘレン・ミレンも見事なガンさばき、そしてスナイパーぶり(狙撃シーンでヒールを脱いで撃つたびに脚をクイッと上げるシーンは笑ったw)。あとサラへの恋愛アドバイザー的側面も。

タイトルデザインとトランジション(場面転換部分)デザインは「METHOD DESIGN」コミックスタイル(最近、このタイプよく見かけます)「スキャナー・ダークリー」などのロトスコープタイプ。(下記リンク→タイトル部分とエンドタイトル(メイン)部分の動画あり)
http://www.methodstudios.com/work/red-2-1

Red2_all

REDリターンズ | 映画
http://www.disney-studio.jp/movies/red/

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2013-11-25

ローガン・ラーマン、エズラ・ミラー、エマ・ワトソン主演、スティーブン・チョボスキー監督『ウォールフラワー(The Perks of Being a Wallflower)』"Just for one day We can be Heroes"

注・内容、台詞に触れています。
スティーヴン・チョボスキー
が自身の小説『ウォールフラワー』を自ら監督。出演はローガン・ラーマンエマ・ワトソンエズラ・ミラー

物語・チャーリー(ローガン・ラーマン)は、小説家を志望する16歳の少年。高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられ、ひっそりと息を潜めて日々をやり過ごすことに注力していた。ところが、彼の生活は陽気でクレイジーなパトリック(エズラ・ミラー)美しく奔放なサム(エマ・ワトソン)という兄妹との出逢いにより、一変する。(Darkolivegreen部分フライヤーより抜粋)

Wall_flower

Memo
紡ぎ方という言葉が浮かんだけど、とにかくその"紡ぎ方"が素晴らしい!そして今、この時期(12月)に見ましょう!(シーズンがピッタリ)。年末のクリスマスソングが流れている街の中を両手を広げ、走り、3人と同じ疾走感を持って…
スティーブン・チョボスキー監督(スティーヴン・チョボスキー、スティーヴン・シュボースキー等の表記があるが最新文庫版にあわせています)自ら原作(書簡体小説)を映画化。そういえばギデンズ・コー監督「あの頃、君を追いかけた」といい今年は原作者自ら映画化して成功した作品が続いたことになるなぁ。

編集したミュージックテープを彼女もしくは片想いの相手にプレゼントする。(誰もがやったとは言わないけど、ちょっと面映ゆくも"わかるなーと感じられる。そうそう「恋愛小説家」でジャック・ニコルソンがカーステレオでかけようと編集テープ作ってたこと思い出した)。そんな映画自体が紡ぎだされた"Favorite Music"編集テープのよう。パトリックとサムとアメフト試合で出逢って、後日のパーティシーン。ものすごい勢いで陽気に踊るパトリックとサム。壁の花だったチャーリーの身体が自然に音楽にのせてリズムを刻む。そして一歩、一歩とサムたちがいるフロア中央へ踏み出していく。その時の曲"Come On Eileen"
そして後述の"Heroes"
原作小説には、いろいろ文学や映画や音楽が登場している。(本編では表紙や背表紙から伺い知れる)
チョボスキー監督自身の故郷であるサウス・ヒルや幼い頃『ロッキー・ホラー・ショー』を見たThe Hollywood Theaterで撮影が行われた。このことも映画全体の空気感に大きく作用しているところ。
主役三人の演技が素晴らしい。
ローガン・ラーマンは閉じこもった世界から解放され、そして一度元に戻り(叔母さんとの過去の出来事の真実により再び発作を起こすことに)しかしラストでは本当に自分の可能性の"風を感じるチャーリーを。
エズラ・ミラーはもはや存在自体にオーラを醸し出していて、この先どのような演技者となっていくのかわからないぐらいの輝きをもって普段は明るく陽気に振舞っているが実はいろいろ秘密を抱えているパトリックを。
エマ・ワトソン演ずるサムがチャーリーの親友が自殺したことを知った瞬間とその後のなんともいえない表情、そしてそのあとパトリックにそのことを告げチャーリーをいたわる、その姿に(ここ、本当に上手いなぁ、と思ったシーンです)

ラスト
パトリックとサムと出かけたフォート・ピット・トンネル(FORT PITT TUNNEL)。
あの時、サムがピックアップトラックの荷台に乗って両手を広げる姿を見て、言い知れぬ高揚感を感じた、あの場所に再び。
The tunnel's exit getting bigger and brighter with the lights of the city behind it.
チャーリーのボイスオーヴァー(V.O.)
"... we are infinite."
「そう、あのトンネルの出口から見える都市の明かりを見た時、無限の力を感じたんだ」
そしてDavid Bowie「ヒーローズ(Heroes)」
"Just for one day
We can be Heroes"
原作ではフリートウッド・マック"Landslide"(←こちらもいい曲)だが、歌詞と共にこの疾走感はやはりこの"Heroes"の方がマッチしている。
脚本PDFで読めます。
(PDFファイルとして保存可、iPhoneだとiBooksに保存も可)
リンク2013年11月25日確認
http://www.pages.drexel.edu/~ina22/splaylib/Screenplay-Perks_of_Being_a_Wallflower.pdf
Main And End Title DesignTCG Studio(「モンスター上司」のタイトルシークエンス)

映画『ウォールフラワー』公式サイト
http://wallflower.gaga.ne.jp/


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安田章大、麻生久美子主演、吉田恵輔監督『ばしゃ馬さんとビッグマウス』"俺はまだ本気出してないだけ"

『机のなかみ』『純喫茶磯辺』や『さんかく』の吉田恵輔監督3年ぶりの新作にして劇場映画4作目となる『ばしゃ馬さんとビッグマウス』盟友仁志原了と共同脚本。出演は麻生久美子、関ジャニ∞の安田章大岡田義徳山田真歩、他

物語・次々と脚本コンクールに応募するものの、一次審査すらも通らない34歳の馬淵みち代(麻生久美子)。そんな彼女と同じシナリオスクールに通う26歳の天童 義美(安田章大)は、自分の作品をほとんど書いたことがない割には常軌を逸した毒舌で他人のシナリオを酷評する。そんな彼らが出会ってしまい、何と天童がみち代に惚れてしまう。そして…

B_to_b

Memo
"夢を実現させる"話しではなく"夢の終わらせ方"のお話
「抱いた夢をどうしていいのか、わからないの」
「俺、本気出したらスゴイで」
ふたりが話すということは自分の未来(将来)と自分の過去がそれぞれに対して対(つい)になっているところが面白い。
いろいろ、あーあるあると思いあたるシーンが数々。
・昔シナリオ教室で一緒だった人(相手は覚えていない)にエレベーターでバッタリ。「ほらー、10年前に一緒だったぁ、すごいよねー、活躍してるよね」この相手が困るパターンは(早く気付けよーって空気と共にとても気まずい)
・田舎の友人の結婚式で「あ、シナリオって何か最近やった作品とかあるの」「ドラマとかやってたら教えてね」と聞かれて、つい同じシナリオ教室に行っている友だちのちょっとうまくいきかけている映画の話を自分の話として喋ってしまう馬淵さん。
いい台詞が多数あるのも吉田監督作品の特徴。
・ビッグマウスの割には先に相手の反応を伺うような台詞を言う天童。
こういう言いまわし
「〜って言ったらどないする?」
(台詞だけで天童の性格を表す上手い台詞)
・元恋人(岡田義徳)と寄りを戻しそうになった時
服のボタンをはずされて…
「いいの?」
「また好きになっちゃうよ」
慌てて(気まずく)起き上がるふたり
(これはなかなか書けないシーン。まあ前作「さんかく」の時にも「おおぉっ」と思うシーン多々ありましたからねー)
ラストシーン
(最高にイイ!そして何やら、その先の匂いも残しつつ)
「あ…」
「新しい企画思いついたんやけど」
「何?」
「夢を叶えてやな、田舎に好きな女を迎えに行く天才作家の物語」
「どない思う?」
「…寒っ」
安田章大が素なのか演技なのか、ものすごくいいテンポとテンション。テレビ「A Studio」に出演した際の鶴瓶とのからみ方とか家族との話し(接し方)など聞いてると(関西弁で言うところの)「あー、めっちゃええ奴やねんなー」と「驚くほど素直なんやー」と思った次第。確かにこの素養ありきでの断られても踏まれてもの馬淵さんアプローチだったと納得。
「机のなかみ」と同じ仁志原了さんとの共同脚本が効いてる(続く「麦子さんと」も傑作の声高いし)。そう言えばロバート・ゼメキス&ボブ・ゲイルもバック・トゥ・ザ・フューチャー、抱きしめたい、1941と共同脚本による傑作が多い。天童と馬淵さんも、この先共同脚本で花が咲くというオチのつけ方もあるなぁー、などと思わせるラストでもありました。

映画『ばしゃ馬さんとビッグマウス』公式サイト
http://www.bashauma-movie.jp/index.html

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2013-11-23

高畑勲監督『かぐや姫の物語』"人の情けをはぐくみて、まつとしきかば今かへりこむ"

※注・内容、ラストに触れています。
高畑勲監督による誰もが知る(しかし本当のお話を知らない)「竹取物語」を題材とした9年ぶりの長編アニメ『かぐや姫の物語』美術監督に男鹿和雄、人物造形/作画設計・田辺修、塗&模様作画・斉藤昌哉、音楽・久石譲。ボイスキャストは朝倉あき高良健吾地井武男宮本信子、他

物語・今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり…(DarkYellowgreen部分シネマトゥデイより抜粋)

Kaguya1

Memo
エンドクレジットが終わって場内が明るくなるまで、ほぼ席を立つ人がいなかった!それほど何か途方もないものを見た、そんな雰囲気に包まれていた。まるで"月へ帰っていくかぐや姫"を見上げる人たちに降り注ぐ月のあかりに照らされたように観客席にも伝播していたかのよう。
このタッチで主人公のかぐや姫に感情移入できていたことにも驚愕(そうかー、これがアニメーション演出なんだ。朝倉あきの声もよくあっている。プレスコの威力だけではないこともよくわかる)。故・地井武男さんの声(ご本人は登場しませんが、これが遺作と言いきれるほどの声による演技の魅力)
映画は「竹取物語」の書き出しそのままに始まる。
「今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造(みやつこ)となむ言ひける。その竹の中に、もと光る竹なむ 一筋ありける。あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり」
美しきタイトルバックからの見事な序段。
わらべうたに隠された秘密。何故かぐや姫は歌を知っていたのか。何故続きの歌詞を知っていたのか。(ここはいろいろと解釈ができそう。追記有り)

まわれ まわれ まわれよ 
水車(みずぐるま)まわれ
まわって おひさん 連れてこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 呼んでこい
(この後に正規2番歌詞)

(下記歌詞はかぐや姫が初めから知っていた部分)
めぐれ めぐれ めぐれよ 
はるかなときよ
めぐって 心を 連れてゆけ
鳥 虫 けもの 草 木 花
人の情けを はぐくみて
まつとしきかば 今かへりこむ

・翁と媼(おうな)との別れ際の台詞の中にもこの2番目の歌詞(続きの歌詞)が盛り込まれている。
「もう少しこの場所に居たいの」と言う、かぐや姫に「そんな煩わしいことに心乱されることもないのですよ」と随行する天女(詳しい呼称不明)
「そんなこと、ない!この世界は彩りに満ちている。
鳥 虫 けもの 草 木 花 人の情け…」
と、瞬間、地球でのすべての記憶を失ってしまう羽衣を羽織られて、ここで言葉が終わる。
・2番目の歌詞(続きの歌詞)はメロディラインが違う。少しフラット気味の音階が物哀しさと地上とのズレをイメージさせる。(←幾度も転生しているうちにメロディが変わった、不安定化したという見方もできる?)
・ラストカットが月に子供が被さった絵で終わる。
(このことからも解釈がいろいろ変わってきそうです。幾人もの地球へ降り立った人がいるととるか、同じ人が何度も何度も転生しているとみるか…。)

あらゆる表現
激しい感情の荒ぶる時は激しいタッチで優しいときは優しきタッチで描かれる。早くから公開されていた予告編の横顔を捉え、衣を脱ぎ放り投げながら走り去るところの圧倒的パワー(筆致)。捨丸と再会したときの飛翔シーンではCG(トゥーンレンダリング部分含む)と筆&水彩画の融合。雪や雨、雷などの自然の描き方(音響も素晴らしく、雪の降る正確な音を初めて聴いた)
空の青(かぐや姫が月へ帰る、その背後に青い地球が見える。かぐや姫はモノクロ描画へと)は意図的に完全省略して、あくまでも余白、そう、フレームはあるのだがもっと広い外側にまで飛び出してしまうような或いは現実と地続きのような空間的広がり。
無彩色の世界→月世界
かぐや姫が雪の中で倒れたときに、ふともらす台詞「この風景は見たことがある…」
それと同じように白い雪のようなものが降り注ぐ月世界のカットがあります。
エンドクレジットに出てくる今までにない言葉「描線作画」(Macなどで絵を描いてる人はすぐにわかる色塗りのためだけに作成された画)や「塗&模様作画」
驚いたこと
月からのお迎え、天女よりも仏画図像で描くとは思っていなかった。来迎図(とりわけ知恩院・国宝阿弥陀二十五菩薩来迎図のイメージがすぐに浮かんだ)や平等院の雲中供養菩薩(いろいろな楽器を持って演奏する仏像彫刻群の美しさ)からインスパイアされたのだろうか?
そして当然音楽(アップテンポ雅楽←上々颱風っぽい)を奏でながら、まさにエレクトリカルパレード?の様相で降りてくる。ここでの姫を返すまじと警護を、固めたものたちが眠ってしまうが如く観客も茫然とさせてしまうすごさ。

追記
奇しくも東京・サントリー美術館では2013年11月23日から「平等院鳳凰堂平成修理完成記念  天上の舞 飛天の美」が開催されています。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html

Kaguya2

かぐや姫の物語 公式サイト
http://kaguyahime-monogatari.jp/

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2013-11-20

砂田麻美監督『夢と狂気の王国』"高畑勲監督の圧倒的不在による存在と宮崎駿監督は何故屋上に登るのか"「アニメーションは呪われた夢だ」

"アニメーションは呪われた夢だ"
「エンディングノート」の砂田麻美監督によるスタジオジブリを捉えたドキュメンタリー『夢と狂気の王国宮崎駿監督高畑勲監督鈴木敏夫プロデューサーに密着し、その創作の現場を映し出す。

Yumeto

Memo1
キャッチコピーの「ジブリにしのび込んだマミちゃんの冒険」通りどこにでもスッと入っていく感じがとてもよい。(きっと監督に指名したのもこの辺りのことがわかってのことだったんだろうなぁ、と)
スタジオジブリに居ついた半ノラネコのウシコ(←牛っぽい模様のせい?)。あらゆるところに出入り自由だが決して宮崎監督の作画エリアには入っていかない(窓の端から顔を半分覗かせて様子を伺う姿はもはや演技のよう)。屋上庭園のテーブルで寝転がるウシコ。「なんて平和な顔をしているんだ。スケジュールがないんだな」とモフモフをつんつんする監督(笑)
"えん(縁)とかうん(運)とかそんなわからないもの"
庵野秀明のこと
「不思議だよね、庵野」
その彼が主人公・堀越二郎の声に決まる瞬間も描かれている。
(このシーンはNHKスペシャルでも登場したが、この後のアフレコシーンも描かれていくのでさらに多面的な描かれ方)
また日テレ新入社員研修でレクチャーする鈴木プロデューサーのこんなシーン。
「どうしてジブリ作品は日テレだけで放送してるか、わかる?」
「それは、当時(社長だったかどうかはわからないけど)日テレの氏家さんと徳間康快さんが友だちだったから
「誰を捕まえたか。その誰を捕まえた人だけが生涯やりたい仕事ができる」
「風立ちぬ」ラストのこと。
「死んだんですか?」
アフレコ台本が映される。
「きて」の文字が赤線で消され
「生きて」に。
ギリギリで変えられた台詞。
(その心境の変化とは?)
車の後部座席からの撮影
鈴木プロデューサーと庵野監督
「終わりが変わってよかったですよ。
前のままだとみんな死んでしまいますからね」
完成の日
宮崎監督が屋上に登って行くとそこにいるはずのない高畑勲監督が。
「彼がいなかったらジブリはなかったですよ、というかこういう形にはなってなかった」と。
お互いをリスペクトするふたり。
東映、組合運動をやっている頃の写真。(いかに高畑監督がグイっと引き寄せたかがわかる気がします)
※高畑勲監督があまり登場していないですが時々、会話の中に登場する「本当にできるんだろうか」とか「宮さんは必ず仕上げてくるけど高畑さんはわからないからなぁ」など端々にその存在の強烈さが見て取れる。
そして本編屈指の場面のひとつ。
記者会見場の控え室で「緊張はしてないよ」とかいろいろと談笑する監督と鈴木プロデューサー。ふと窓に立っている監督が砂田監督を手招きして呼び寄せる。
窓の外の景色について
「屋根から屋根へ飛び移ったり、配管をつたってよじ登ったり、通れないところを通ったりして、どこまでも行ける気がするでしょ」
ここで初めて映画本編シーンが一気に映しだされる。
カリオストロの城、天空の城ラピュタ、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城…
創造の源の一端がここに!
"高畑勲監督の圧倒的不在による存在と宮崎駿監督は何故屋上に登るのか"が垣間見られる傑作ドキュメンタリー映画。

Memo2
宣伝デザインは goen°の森本千絵さん。記事によるとタイトル文字はピンクがいいというジブリ要望によるものだそう。
下記写真はジブリの広報誌「熱風」
映画の中で新聞を広げて語っていた記事の発端はこの2013年7月号(左側)ちなみに右側の「特集・健康」の表紙が本作ポスターに使用されたもの。

Yume_to_k

映画『夢と狂気の王国』公式サイト
http://yumetokyoki.com/

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2013-11-17

ロバート・ゼメキス監督『抱きしめたい( I Wanna Hold Your Hand)』ミート・ザ・ビートルズ("Meet The Beatles!")!

「フォレストガンプ/一期一会」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などのロバート・ゼメキス監督デビュー作『抱きしめたい( I Wanna Hold Your Hand)』(未DVD化、WOWOWやスカパーで放映・1978年作品)。共同脚本にボブ・ゲイル(「1941」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も)

物語・1964年2月。ビートルズが初めてアメリカに上陸した。彼らをひと目見ようとニュージャージーの片田舎から6人の高校生がニューヨークにやって来た。ビートルズが出演するエド・サリバン・ショーの入場券を手に入れるべく、まさにアノ手コノ手の大騒ぎに‥。(ビデオ裏面解説より引用)

I_wanna_hold_your_hand

Memo1
劇中、ビートルズ自体は後ろ姿や足元だけ出演という粋な演出(もちろん本物ではありませんが、本物はテレビカメラに映り込む映像などをうまく使用←「エド・サリヴァン・ショー」自体も)。
当時の熱狂も伝わる追っかけぶりもおもしろい。
・「ここをポールが歩いた!!」とビートルズが泊まっている部屋の前のカーペットを剥がす追っかけリチャード(エディ・ディーゼン←「1941」で観覧車の上で日本軍が攻めてみないかを見張っていた腹話術師役で出演←この役も印象的)
・ホテルの部屋にもぐり込んだパム(ナンシー・アレン)がポールのベースにすりすりしてキスしたり、誰が使っているかはわからないけどヘアブラシを触ってみたりするシーン(←そういえば続く「1941」でも飛行機にやたらと興奮するフェチというのかなんというのか役w)
・突進という言葉がぴったりな追っかけロージー(ウェンディ・ジョー・スパーバー←「バック・トゥ・ザ・フューチャー」マーティマクフライの姉役)。
(「エド・サリヴァン・ショー」入場チケットを取るためのラジオ番組のクイズに応募するため文字通り電話目がけて突進してコインをばらまきながら、かける)←冒頭のレコード店の混み合った雰囲気もイイ!
・「なんだ、その髪型は」とか「軟弱」「騒音」と声を荒らげていた反ビートルズ側もさまざまな形で描かれている。「エド・サリヴァン・ショー」チケットを当てた父親(息子に髪を切れとうるさい)、TV放映を阻止しようと局のアンテナを壊しに行く不良、PP&Mファン(笑)

ラストは誰もがニッコリ、拍手を送る素晴らしさ。
TV放映すら見られなかったふたりのリムジンにショーを終えたビートルズが!走り去る車(フラッシュがパッと光る)
映画・登場曲
Love Me Do
I Saw Her Standing There
P.S. I Love You
Please Please Me
Misery
She Loves You

and more…
(順不同)

Memo2
ちなみにゼメキス監督2作目の「ユーズド・カー(1980年)」(道路を挟んで向かい合った中古車店のドタバタ商売競争コメディ)も未DVD作品。←両作品合わせて是非、パッケージ化(できなければ、せめてVODデジタル配信を)←その後追記・「ユーズド・カー」は無事DVD化!
小林信彦さんの小説「イエスタディ・ワンス・モア」「ミートザ・ビートルズ」の2作品(こちらは1966年ビートルズ武道館公演を巡るお話。「ミートザ・ビートルズ」は、その瞬間)がまさに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」+「抱きしめたい」の趣で楽しい!(残念ながら現在絶版。こちらもタイミング的には今、再版すればよかったのに、と、思うのですが…)

I_wanna_hold_your_hand2
公開時のチラシ(たのきん、イモ欽、ぶりっ子などのコピーが並ぶ)

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2013-11-16

タイトルデザイン_38(MOMOCO) リドリー・スコット監督『悪の法則(The Counselor)』マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、キャメロン・ディアス、ブラッド・ピット

豪華なキャスト、コーマック・マッカーシー初の映画脚本ということで注目を集めたリドリー・スコット監督悪の法則(The Counselor)』出演はマイケル・ファスベンダーペネロペ・クルスハビエル・バルデムキャメロン・ディアスブラッド・ピット、他

物語・メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)を交えて踏み込んではならないビジネスへと手を染める。そして…

Counselor

※Memo1
「映画」というよりは「文学」
殺人方法が先に語られて後追いする形で実際のシーンが続くという繰り返し。その合間に「手を染めると戻れない事になる」「巻き込まないで」の台詞が繰り返し語られ詩の如く綴られるという説明ではなく"示唆"の映画。
「Lawyer」ではなく「Counselor」
そしてファスベンダー演じる役名は実際の名前は語られない(告げられない)まま、最後までカウンセラー。(麻薬の運び屋であるグリーンホーネットと呼ばれるバイカーの役名がエンドタイトルを見ているとヤングバイカーとなっていた)
ローラが一度ぐらい名前で呼んでいた気もしたが結局、カウンセラーはカウンセラー
なんだが、やたらと"うん蓄"話すなー、と思ったのが麻薬カルテルの残忍さについて(スナッフフィルムの事、キリキリキリと閉まっていくワイヤー←確か名前が付いていたような…、汚物車に沈められた死体など)。
部分部分はよくても豪華なキャストが、どうもかみ合わないままラストまで進む。これは元の脚本(発刊されている単行本と若干、違っているが概ねそのまま)がそうであるここと、実はそういうことがわかってやった可能性もあるなぁ。この辺りはもう一回観直してみないと判断しかねるところ。
ペネロペ・クルスがいつもと違った感じで裏社会とは全く縁もない(存在すらも知らないぐらいに)従順な女性(遠距離というところが、うまいところ)を逆にキャメロン・ディアスが欲深さの塊である女性を(サタデーナイトライブでギャグにされそうな強烈、車と◯◯◯シーン)演じている。ハビエル・バルデムはいつも通り(笑)←コーマック・マッカーシー原作の「ノーカントリー」アントン・シガー役で出演しているというのはオモシロイ
冒頭、すぐに登場する宝石商役でブルーノ・ガンツが出ててきて、まず第一の"示唆"を語っている。
脇も豪華な(贅沢な)布陣。

※Memo2
ちょっと映画全体を覆う雰囲気とは異なるタイトルデザインを制作したのは「砂漠でサーモンフィッシング」「ワンディ」などを手がけたMOMOCO
衣装デザインは『グラディエーター』でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したジャンティ・イェーツ(ジョルジオ・アルマーニがファスベンダー、ペネロペ・クルスらの衣装を制作)

映画「悪の法則」オフィシャルサイト - 公式サイト
http://www.foxmovies.jp/akuno-housoku/

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2013-11-15

会場入りするポール・マッカートニー(Paul McCartney)に遭遇!写真レポ(2013年11月11日・京セラドーム大阪)

Paul McCartney
Out There!Japan tour 京セラドーム大阪
2013年11月11日
(意図的なのか偶然か日本公演11月11日同日スタートはこれで3回目)
ドームの楽屋口への内周道路ではなく外の一般道をクルリと一周してる時にサウンドチェックに入っていくポールの車に偶然遭遇!!
その時は夢中で撮っていたのでわからなかったけれど結構撮影していて、その中からピントがあっていて人が映りこんでいないものをピックアップ。(色調補正、切抜きなどの加工施しています。twitterにアップしたものをそのまま使っているものもあり)

Paulmccartney20131111a

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車が動き出しても最後まで手をふってファンに応えてくれる姿に感激

ドーム周辺とその雰囲気

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センターのピントがあっているところで信号停車中でした。
(前方に延びている道路が会場内周道路への道)

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入口前と下記写真の場所は大阪公演記念撮影ポイント

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二日目に会場近くを走っているツアートラックを発見

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出演・武田鉄矢、吉田拓郎、夏目雅子『幕末青春グラフィティ 坂本竜馬(坂本龍馬)・1982年TV版』音楽が全編ビートルズ(The Beatles)

1982年11月16日放送
TVドラマ『幕末青春グラフィティ 坂本竜馬(坂本龍馬)』
坂本竜馬(坂本龍馬)を武田鉄矢。長州藩の面々を演じたのは吉田拓郎の高杉晋作(カーリーヘア!)をはじめ小室等井上陽水(当時のフォーライフレコード所属アーティストによる布陣)。山内容堂をビートたけしが演じていてラスト近くに武市半平太(柴俊夫)を罵倒する強烈なシーンがある。
お竜さんを夏目雅子。「うちもお店飛び出してきたから脱藩浪人や」。土佐からの手紙に感傷的になっている龍馬との出会い。(映画版のお竜さんは原田美枝子)
音楽は全編ビートルズ(The Beatles)※「イマジン」のみJohn Lennon。アートディレクター・妹尾河童
ドラマ冒頭の竜馬暗殺シーン(暗殺者を沢田研二)ではイマジンが。全体を通して後のNHK大河『龍馬伝』へ繋がる命脈多し。

Ryoma

時間軸では続編にあたる映画『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』とTV版『坂本竜馬』は繋がってるようで実は繋がっていない。

TV版ラスト
武市切腹の知らせを聞いて龍馬の、この台詞で終わる。
「武市よぉ、悔しゅうて悔しゅうて、まだその辺をさまよおぅちぅか。人が人の夢潰してなんじゃ、この国は!待っとけよ容堂。高杉を呼んでこい!西郷を呼んでこい!坂本竜馬が話がある!」
そしてエンドタイトル

本編使用楽曲が全編ビートルズという理由からか長く再放送、パッケージソフト化されなかったがスカパー「日テレプラス」で2011年6月に30年ぶりの放送があった(画質的にはビデオ素材のためSD画質)
パッケージソフト、デジタル配信など未だ未発売。

使用楽曲一覧
Imagine
Love Me Do
Eight Days A Week
I Want To Hold Your Hand
Hey Jude
While My Guitar Gently Weeps
A Hard Day's Night
Yesterday
Ob-La-Di Ob-La-Da
Girl
Let It Be
Help!
All You Need Is Love
Hello Goodbye
Day Tripper
Imagine


こちらは映画『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』公開時のチラシ
(しかし拓郎さんの頭の切抜きが…)

Ronin1

Ronin2

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2013-11-10

クロエ・グレース・モレッツ主演、キンバリー・ピアース監督、音楽マルコ・ベラトルミ『キャリー(Carrie)』

スティーヴン・キング原作を再映画化(1976年にブライアン・デ・パルマ監督により映画化)『キャリー(Carrie)』主演はクロエ・グレース・モレッツ、監督は『ボーイズ・ドント・クライ』のキンバリー・ピアース

物語・狂信的な母(ジュリアン・ムーア)に育てられているキャリー(クロエ・グレース・モレッツ)は厳しい教育を受け、通っている学校でも周囲からは疎外されていた。彼女は、激しい興奮状態に陥るとある能力(念動力)を使うことができた。そしてある事件をきっかけにその力は強くなっていき、そして…

Carrie_p

Memo1
あまりにも有名なブライアン・デ・パルマ監督による映画化作品があるので、どうしても比べられてしまうのはしようがないところ。
どちらかというと踏襲しようとしているぐらい?
最も違いが判るシーンはプロムでの頭から豚の血を浴びせられ、それを発見するスーや先生、いじめてきた生徒たちが映しだされ、続くキャリー暴発へと続く部分。スプリットスクリーン(画面分割)を使用したデ・パルマ演出はさすがに真似るわけにはいかなくて、何度も同一描写を繰り返すこととなる。ここはまあしようがないとしてラストへ向かうキャリーの暴発するテレキネシスをもっと激しく街ひとつ破壊し尽くしてもよかったのではないかと思うのですが…
そして、その後の母親との決着シーン(静寂の中の緊張感をもたらして)へと続ければよかったのではないかと。あとシシースペイクスと比べるのも、最初から不利だ。おそらく本企画があがったときにクロエ・グレース・モレッツ主演ありきのオーダーだったのではないかと予想する。
デ・パルマ版と違う点は母親のキャリー出産シーンとキャリーがテレキネシスをコントロールしようと練習するところ(自覚的にかなり悪意も含まれて使用されるところも)。そして(まあ、ここは蛇足的だが)ラストのお墓(1995ー2013と刻まれている)
音楽が(「ワールド・ウォーZ 」「ウルヴァリン: SAMURAI」やポン・ジュノ監督新作「スノーピアサー」などを手がけた)現在超売れっ子のマルコ・ベラトルミ(Marco Beltrami)
やや、デ・パルマ版の音楽ピノ・ドナッジオ想起のメロディライン。サントラもスコア版と使用楽曲構成版(エンドタイトルの)と2種、発売。
タイトルデザインはPIC AGENCY.
同時期公開中の「42」「グランドイリュージョン」と合わせて3作品が同じデザイン会社というのも珍しい。(全米で公開されたばかりのおじいちゃん版ハングオーバー「ラスト・ベガス(原題)」のタイトルデザインも)
http://www.picagency.com/

Memo2
(下記画象)ブライアン・デ・パルマ版『キャリー公開時のチラシ
この燃え上がる高校と立ち姿のキャリー・イメージは強烈で後々迄目に焼き付けられることとなる。裏の解説面、当時よく使われていた謳い文句「全米で失神者続出」の文字が。公開時に大阪梅田グランドで鑑賞しましたが、ほぼ満員。ラストの墓と思しき場所から手がヌーっと出て悪夢から目覚めるシーンが1番「!」となった記憶が。この時はまだデ・パルマ演出についてそんなに語られていなかったので(「ファントム・オブ・パラダイス」が中ヒット)、あくまでも「エクソシスト」「オーメン」延長線上の恐怖スリラー映画としてのヒットだったと思います(のち公開の「殺しのドレス」で唸るファンが続出)。
Carrie_1

Carrie_2

キャリー - オフィシャルサイト
http://www.carrie-movie.jp/

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2013-11-05

三谷幸喜監督『清須会議』とにかく"鼻"です、鼻!役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、他

注・(おそらく重要なポイント)内容に触れています。
三谷幸喜
監督書き下ろしの小説を自ら映画化した群像喜劇『清須会議

物語・本能寺の変によって織田信長が亡くなり、筆頭家老の柴田勝家(役所広司)と羽柴秀吉(大泉洋)が後見に名乗りを上げた。勝家は三男の信孝(坂東巳之助)、秀吉は次男の信雄(妻夫木聡)を信長亡き後の後継者として指名し、勝家は信長の妹・お市(鈴木京香)、秀吉は信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方にする。そして跡継ぎを決めるための清須会議が開催されることになり、両派の複雑な思惑が交錯していく。(DarkBrown部分シネマトゥデイより抜粋)

Kiyosu_kaigi

Memo1
はじめての歴史物、一応史実として残っている有名な出来事(歴史が合戦なしで会議のみで決まった)を題材としているところがいつもの作劇とはちょっと違うニュアンス、趣(おもむき)。キャストはお馴染みの面々(いつもは役者さんに対して当て書きで書かれているが、本作は歴史の教科書などに出てくる肖像画やイラストに似せてのキャスティング?まず顔で笑えるかどうかがひとつのキーポイント)←全く資料関連を見ずに鑑賞したので出てきただけで「ンな訳ないだろー」とか「エッ、出演これだけ」って方とかいろいろと楽しい。(西田敏行天海祐希出演部分は知らなかったので更に倍でドン)←「ステキな金縛り」に大泉洋がチラッと出てたけれど今回はその逆ですね。
普段から弄りがい(←いぢりがいと"ち"に点々の方があってる"いぢりがい")のある大泉洋の豊臣秀吉。監督がアチラコチラで言ってる通りの"禿鼠"メイク。とにかく耳がデカイ。オデコが広い(笑)。動きがオモシロイ。
お市に気に入られようといろいろアプローチするけれど、(当然のことながら)とーっても嫌われている。牡蠣のシーンは鈴木京香のタイミングも絶妙で笑ったw
そして、何よりも"鼻"です、鼻。まー、いくらなんでもというぐらい目立ちます。(例えば人の顔の真ん中にシールが貼られていたらジッと見てしまう、そんな感じ)
織田四天王のひとり。滝川一益が戦場をひたすら迷子になってマカロニ・ウェスタン調サウンドで向かうシーンが合間合間に挟み込まれる(アクションシーンが入れられない分の"動"としてのアクセント?)。その滝川一益の替りに佐藤浩市演ずる池田恒興がどっちつかずのポジションで情けなくも(このタイプいるよなぁという)現代人的(?)役回り、そして多数決の際の要になるポジションにいる。
実は最後の最後に最もしたたかに仕組んでいたのは(ずっとタイミングを伺っていたのは)武田信玄の五女、松姫(剛力彩芽)だったというオチ。そのことを告げたときの笑顔に試写会場観客、かなりの数が「ヒェー」とひいたのが判るぐらいインパクト大。

Memo2
本能寺の変から仇討為す山崎の戦いまでが絵巻物(と、該当シーンは実写を織り込み)を使って手際よく描かれているオープニング形式は秀逸。本作はあくまでも会議部分の右往左往状態の面白さなので合戦部分はこの描き方がよかった!(あと、予算の関係もあると思うけど)
美術は展覧会「種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展 『清須会議』までの映画美術の軌跡、そして・・・」も開催中(11月17日まで)の種田陽平さん(余談だけど「セデックパレ」のオープンセットは本当に素晴らしかったです)。会議の開かれる大広間が通常間尺よりも大きく作りこまれていて美しい。
種田陽平 YOHEI TANEDA official website
http://yoheitaneda.com/

映画『清須会議』公式サイト
http://kiyosukaigi.com/

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