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2013-12-16

デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演『アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)』 "Nothing is written"

デヴィッド・リーン監督ピーター・オトゥール主演『アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)』は今までで1番、劇場でスクリーンで見てきた作品。そして、これからも変わらず生涯ベストワン。

Lawrence_of_arabia

Memo1
名シーンが多数(その一部を)
前半のイギリス軍エジプト基地から「ファイサル王子に会いに行け」という命令を受け意気揚々と砂漠へ向かうロレンス(マッチの火を口でふっと吹き消すと砂漠に登る朝日へのカットへと変わるタイミングの素晴らしさ)〜アカバ襲撃〜シナイ半島を横断してのスエズ運河到着までがスペクタクルあり詩的でもあって特に好きだ。
もちろん後半部分、鉄道急襲〜サイクス・ピコ条約を知ってダマスカス侵攻までの心情を強く描いたパートもいい(前半、四季に例えると春〜夏パート、後半は秋〜冬←実際に砂漠にも冬は訪れる〜そしてまた春パートと分けられる)
"Nothing is written"
2回使われる、この台詞。
そのひとつ。
アカバ襲撃のために砂漠を横断する際、隊列からはぐれ、迷子になったべドゥインのひとりガシムを助けるために単身砂漠へ引き返し救出に向かうロレンス。
「せっかく渡ってきた、この砂漠に戻るなんてアカバ襲撃はどうするんだ!イングリーッシュ!イングリーッシュ!」と激昂するアリ(オマー・シャリフ)
そして見事に救出し戻ってきたロレンスがアリにいった台詞がこれでした。
ラストシーンの砂漠を離れていくロレンス。
ジープで走っていく傍らを駱駝に乗ったべドゥインらしき隊列が。
思わず立ち上がり(アリたちを探す)
だが、すぐまた、うなだれるように座るロレンス。
その横をバイクが砂塵をあげて走り抜けていく。
静かに音楽…
(ファーストシーンのバイク事故とリンクする)

Memo2
「アラビアのロレンス」は映画館(シネコンではなく)との思い出とも密接。
最初に見たのは心斎橋にあった「戎橋劇場」という名画座(今はH&M、その前は「ブラックレイン」の撮影に使われたキリンプラザ大阪)。『ロミオとジュリエット』との2本立てだった。砂漠、ロマンス、モーリス・ジャール、ニーノ・ロータ。夢の二本立て。戎橋劇場は2階席もあるかなり大きな劇場と記憶。
次に『アラビアのロレンス』を見た名画座は「大毎地下劇場」。何故かロバート・ゼメキス監督『ユーズド・カー』と2本立て。同じコロンビア映画繋がりか。関西エリアで最も閉館を惜しまれた名画座。別のホールで特集上映も企画していて、ここだけで毎月8本ほどの映画が観られた(『アルゴ探検隊の大冒険』や『スケアクロウ』などなど60~70年代の映画をよく観た)。
さらに『アラビアのロレンス』を映画館(ホール等の特集上映ではなく)で観たのは1980年、オリジナル版(短い方)最後の上映にして正式リバイバルだった「梅田東映パラス」(チラシがゴールドの下地にロレンスのシルエット)。ここも巨大スクリーンの一館。(湾曲角度が150度。同じく閉館した阪急プラザ劇場もD150方式と呼んでいた包みこむようなスクリーン)

Arabia

リバイバル表記最後の『アラビアのロレンス』チラシ

その後は復元された完全版が映画館が閉館される際には必ずと言っていいほど上映されるように(そして大きな劇場でも閉館というと突如満員になるという、皮肉)。
映画発祥※の地・南街会館の最後の上映(最も巨大な南街劇場)も『アラビアのロレンス』だった。
※今もTOHOシネマズなんばの一階エレベーター横に経緯が書かれた碑が残っている。

※午前十時の映画祭(新・午前十時の映画祭)でも上映。
(最初の第一回はフィルム版で上映)
序曲もインターミッションも終曲も有り。

2013年12月16日
ピーター・オトゥールの訃報が。
(1932年8月2日 - 2013年12月14日)
「おしゃれ泥棒」「冬のライオン」「チップス先生さようなら」(この辺りは名画座で)やリアルタイムにロードショー公開時に見たものだと「ローズ・バッド」「ラスト・エンペラー」溥儀の家庭教師役や「フェアリーテイル」でのコナン・ドイル役「レミーのおいしいレストラン」料理批評家アントン・イーゴの声、そして直近「ヴィーナス」の老俳優役といろいろあるけれど、やはり1作品をあげるとなると「アラビアのロレンス」に。

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☆私のフェイバリットの一つである。  17年前、ニュージーランドへワーキングホリデーに行った時、映画館で観た。  長い映画なので、途中で寝たし、何よりも、英語のヒヤリングの全くない私が、字幕なしで非常に感動した、個人的に不思議な名作である。  いや、不思議ではないかも知れない。  言葉は補足で、画像で理解させるのが「映画」の本義なのだろう。  今回、その既製版よりも20分長い「完全版」のリバイバルを、新宿の高島屋タイムズスクエアで観た。  非常に盛況であった。    ◇  17年ぶり... [続きを読む]

受信: 2010-10-04 21:15

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