「ヒックとドラゴン」の監督のひとり、クリス・サンダースによる傑作!『クルードさんちのはじめての冒険(Croods)』(劇場未公開)
『クルードさんちのはじめての冒険(Croods)』監督は「リロ&スティッチ」「ヒックとドラゴン」(クリス・サンダース&ディーン・デュボア共同監督)のクリス・サンダース。
※Memo
●今年の全米興行ランク1位を獲得し興収1億8700万ドル、世界興収では5億8700万ドルというメガヒット作品が何故か日本では見事に劇場未公開にしてソフトスルー。
●洞穴から出ないクルードさんち。
何故なら外は危険でいっぱいだから。
「新しいものはダメ」
「好奇心も、夜遊びもダメ」
「楽しいことは全部ダメ」
「とにかくダメ」
それでも落ちる夕陽を見に洞穴の岩肌を登る娘、イープ。
ある日、イープは夜中なのに洞穴に差し込んでくる光を追って丘の上に。
そこで火を使うことが出来るガイと出会う。
彼は世界は終りに近づいているから、ここを離れて高い山に向かうしかないというのだ。
一緒に行こうと誘われるが家族をおいてはいけないイープ。
「生き延びたらこれで連絡して」と貝の笛を渡される。
そして、その時(世界の終わりの始まり)はすぐにやってきた…
●ボイスキャストが素晴しい!
父親役にニコラス・ケイジ、逆に今いる世界の外へと出ていきたい娘イープをエマ・ストーン、家族を失い連れ出すガイにライアン・レイノルズ。
もし実写で何か別の映画を撮ったとしてもはまりそうな組み合わせ。
●出てくる原始世界のアニマルや植物が美しい!←「アバター」のふわふわ系植物想起(これ3Dだと、かなり綺麗に浮くはず)。
虎(の始祖?カラーリングが鳥類)が「ヒックとドラゴン」のトゥースレスみたいで猫好きもふにゃ~ってなる映画。手がカワイイ!(なんと火のついた松明まで持てる!)←ここの最初は獰猛な虎かと思っていたら「猫かよ〜」になる終盤のシーンは笑った。
そしてガイの相棒、ベルト(ホントにベルト、そしてとても賢い)。
「THE END」のあとの指揮(?)ぶりも。
さらにエンドクレジット後にラテン系振付の象ネズミ(?)3匹も。
●冒頭の朝食・卵争奪戦(約10分近く走りまくる)からクルードさんちのキャラ紹介、チームワークのよさが描かれる手際よい導入部(せっかく得た卵を順にすするのだが、最期に順番がまわってきた父親には一滴残ったのみ。「いいんだ、この前も食べたし…」)。
この食事のための狩りのシーンは中盤、もう一度登場するが今度は頭を使って鳥を捕まえる方法に。そして分け合うという考えも。
●考えるということをレクチャーするガイ。
岩に絵を描いて「ここで考える」と脳を指さす。
(イープの弟、タンクの絵も描いている)
そこでこの台詞。
「パパ、僕には脳がない」
この後、いよいよ迫り来る大地殻変動から怒涛のラストへと本当に見事なたたみかけ方です。(イープと父親の関係もしっかりと)
●音楽はアラン・シルヴェストリ
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