パブロ・ベルヘル監督・脚本『ブランカ二エベス(Blancanieves)』"白雪姫"+闘牛士+モノクロとサイレント
グリム童話"白雪姫"+闘牛士+モノクロとサイレントの独創的ミクスチュア作品『ブランカニエベス(Blancanieves)』監督・脚本はパブロ・ベルヘル
物語・人気闘牛士の娘カルメンシータ(ソフィア・オリア)は生後間もなく母を亡くし、その後父が再婚。ところが継母(マリベル・ベルドゥ)は非常に意地が悪く、カルメンシータは継母にひどい目に遭わされながら育った。ある日、継母によって危うく殺されかけた彼女は「こびと闘牛士団」の小人たちによって助けられ、ブランカニエベス(白雪姫)という名で一座と一緒に見世物巡業の旅へと出発する。やがてカルメンシータは、女性闘牛士として才能を開花させていくが…(glay部分、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●モノクロ、そしてサイレント。音楽と字幕(あとは画面の中の演者)だけで綴られる、"Black&White"Tapestry
近年の「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「スノーホワイト」「白雪姫と鏡の女王」…と続く童話現在解釈系映画の系譜。
さまざまなアプローチで創られた作品群の中でも異彩を放つシンプルだからこその強度を持つ映画。
●継母のマリベル・ベルドゥ、どこかで見た事あるなぁと思っていたら「パンズ・ラビリンス」で家政婦のメルセデス役を演じていました。(海外のポスター関連でもメインビジュアルに使用されているので結構人気?)
●足音や床の軋む音、闘牛場の歓声、それらはサイレントであるが故に余計意識され、口紅、血、毒リンゴ、それらの赤はモノクロで撮られたことによって色彩をイメージする。オープニングの赤い緞帳(幕)のみ赤い色がついていて、唯一、音楽以外の音が入る箇所が花火のシーンとなっている。
サイレント映画なのにサイレント映画だったという印象がないのは音楽(アルフォンソ・デ・ビラリョンガ)が流麗につないでいってくれてるから。
闘牛場の地面がモノクロであることによって(色がついていないことによって)真っ白に映しだされて、それがまた効果的。(もしカラーの場合、闘牛の黒色と地面の白色はここまでハッキリと残っていないかも)
またカルメンシータが男装の麗人っぽさを醸し出していて女性闘牛士のイメージとしても鮮烈(宝塚歌劇の作品としてミュージカル化できそう!)
●Cristina García Roderoの写真でみた小人闘牛士団が本作インスピレーションとなったと語っている(その写真、出典リンクが不明確なので直リンク無し)
●パンフレットデザイン(宣伝デザイン)は大島依提亜さん。
映画館に置かれているのを見た瞬間は小型フライヤー?→折り畳んだ状態、中央に毒リンゴ。実は広げると"あな恐ろしやの継母が闘牛場でカルメンシータにリンゴを手渡す際の黒い服姿"のポスターになる仕様。
映画『ブランカニエベス』公式サイト
http://blancanieves-espacesarou.com/
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