ディーン・クーンツ原作、スティーヴン・ソマーズ監督『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(ODD THOMAS)』アントン・イェルチン、アディソン・ティムリン、ウィレム・デフォー
注・内容、ラストに触れています。
ディーン・クーンツの小説「オッド・トーマスの霊感」の映画化『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(ODD THOMAS)』監督は「ハムナプトラ」「ヴァン・ヘルシング」のスティーヴン・ソマーズ。出演は主役オッドにアントン・イェルチン、アディソン・ティムリン、ウィレム・デフォー、他
物語・オッド・トーマスはダイナーに勤務する20歳のコックである一方、実は霊能力の持ち主。女の子の霊に導かれて殺人犯を捜し出すなど、死者が見えると放ってはおけない。そんなある日、ダイナーでボダッハという気持ち悪い悪霊を大量に見つける。ボダッハは流血の惨劇が近づいていることをときに現れる悪霊。オッドは町の危機を救うことができるのか…(LightRedbrown部分、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●ディーン・クーンツ、500ページ超の原作「オッド・トーマスの霊感」(※1)を96分にまとめあげることなんて可能なのかと思って見たら、これがえらく楽しい!!なんだか大作ばかりをバサバサっと撮っていた感の強いスティーヴン・ソマーズ監督が手際よく仕上げた快作。
超大作感を出すために広げまくることもなくピコムンドの町だけで起こる出来事なのが功を奏している。
※1.プレスリーのエピソードが丸々省かれていました。
本作、オッド自宅にプレスリーの等身大パネルは登場。
●「ぼくの名前はオッドトーマス」で始まる原作と同じ一人称で語られるスタイル。
※オッド→奇妙な
オッドを演じたアントン・イェルチンは『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』でも主人公チャーリー・バートレットを好演。(エイブラムス版「スタートレック」のパヴェル・チェコフ役)
ストーミー役のアディソン・ティムリン、なかなか魅力的で本作がきっかけで、かつてソマーズ監督「ハムナプトラ」でレイチェル・ワイズが世界的に有名になったようになるやもしれない。
※ちなみに本作、融資スポンサーと制作者側のトラブルによる訴訟問題で全米公開されていないというのは残念。(本国以外では上映済みの国も有り)
●オッド、実はある意味リア充。彼女でありオッドの良き理解者でもあるストーミーとのやりとり(ラブラブ度120%)がひとつの見所でもあります。
それ故におとずれる不意打ちのような切ないラストには思わず「エェーッ」「嘘であってくれ」と。(もっともショッピングセンターでの乱射事件の際にストーミーに起こったことはうっすら、観客側もそうじゃないかなぁと思いながら見てたわけですが)
このラストの蝶が舞って(去っていく=散りゆく)姿は冒頭、犯人探しの末あの世へと向かわせてあげる女性の花びらと対(つい)になって哀しさを伴った美しいビジュアルといえる。
●ウィレム・デフォーの警察署長チーフがいつもと違った役回りでオイシイ。間がいいというかなんというかオッドからの電話(主に緊急)を取るシーンで常に奥さんとイチャイチャしているところが可笑しい。オッドの能力のことを知っていてのフォロー会話も優しい。
●先にボツになったポスターが公開されていましたが、そこに記載されていた"オッドトーマス(20) 職業:フリーター 特技:霊能力 彼女: アリ"が本ポスター表面でカットされているのはちょっと勿体無い。
映画「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」公式サイト
http://odd-thomas.jp/
| 固定リンク