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2014-02-27

さよなら梅田ガーデンシネマ(Umeda_Garden_Cinema)

2014年2月28日
"梅田ガーデンシネマ"が閉館。
オープニング上映がウディ・アレン監督世界中がアイ・ラヴ・ユー』でした。真新しいシートで最前列ど真ん中に座って見た(映画の設定にピッタリの)クリスマス前のウディ映画は最高でした。
ここはミニシアターでも特別な品格みたいなものを持っていただけに閉館はとても残念。(それは場所ではなく接客する人だったり醸しだされる空気のようなもの、二度と再現できないもの)
最終上映作品は『はじまりは五つ星ホテルから』と『旅人は夢を奏でる』でした(共にシネ・リーブル梅田増床として使用されるので続映)

Umeda_garden_cinema1

Umeda_garden_cinema2

スカイビル入り口の上映時間ボード

Umeda_garden_cinema4

エントランス両柱には多数の観客からの寄せ書きが
(もちろん書いてきました!)

Umeda_garden_cinema3

是枝裕和監督と西川美和監督からのメッセージ

その他、上映した作品のチラシが持ち帰られるコーナーもありました。

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2014-02-22

ジャン=マルク・ヴァレ監督、マシュー・マコノヒー主演、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー『ダラス・バイヤーズクラブ(Dallas Buyers Club)』

マシュー・マコノヒーの圧倒的な存在が輝く『ダラス・バイヤーズクラブ(Dallas Buyers Club)』共演はジャレッド・レトージェニファー・ガーナー。監督は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のジャン=マルク・ヴァレ

物語・1985年、ロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レトー)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo
とにかくマシュー・マコノヒー、ここ2年間のなんという作品充実度!
作品をあげてみると。
冒頭数分間出演でその場をかっさらった→『ウルフ・オブウォールストリート』これも秀作!→『MUD‐マッド‐』や『マジック・マイク』『バーニー/みんなが愛した殺人者』『ペーパーボーイ 真夏の引力』とスラスラっと並べられる。
本作はその極み!!
減量による、その姿自体のインパクトもあるが余命30日を宣告された時から自分事として生き続ける方法を探し(図書館で調べる姿を見て思ったのだが、もともと学者肌的な資質を持っていたのでは?)、メキシコで代替薬を見つけ金儲けのつもりで始めたことは、やがて(自分ではそういうつもりはないが)社会活動家へと変わっていく、その内面的変化までをも体現していく演技。
実話を元にした映画で言うとタイプは違うが『ミルク』想起。
かつてのニューシネマ的なルックを持った"映画らしい映画"
「ロック・ハドソンがゲイ?」
冒頭からゲイへの差別的な発言。ロン自体も同じように馬鹿にしたような言い方をしていた。
自分がHIV感染していることを知った時も
「俺がロックハドソンと一緒?ホモセクシュアルだと」
その後、こんなシーンが。
ロンが仕事場に戻った際に今までの同僚の冷ややかな視線。(どうして戻ってきてるという態度)
怒り唾を吐きかけて去っていくロン。
「唾をかけられた。石鹸を」
(この辺の描写に当時のまだよくわかっていないエイズへの疑心暗鬼さと偏見があらわれている)
せっかくメキシコから密輸してきた未認可の薬やビタミンだがゲイ嫌いのロンには売ることができない。そこで病院で知り合ったレイヨンに販売の手伝いを頼むこととなる。そのレイヨンを演じたジャレッド・レト。毅然と美しくあろうとする姿が徐々に痩せ、ヘロインでボロボロになり落ちたメイクで吐露する「死にたくない」の台詞まで、まさにこちらもマシュー・マコノヒーと対を為す名演技。
(いいシーンもたくさんある。ロンを助けるためにスーツを着て父親に懇願しに行くシーン、)
「ゴースト・オブ・ガールフレンズ・パスト」で共演済みのジェニファー・ガーナーも医者としての立場と実際、現場で起こっている事実との間に揺れる女医イブを好演している。ロンが唯一、信頼を寄せた病院側の医者でもある。それはイブのレイヨンへの接し方にもあらわれている。

メインテーマと言ってもよいMarc Bolan and T. Rex - Life is Strange
そのマーク・ボランはレイヨンにとってのビジュアルアイコンでもある。
・マーク・ボランネタが2回出てきますが、そういったユーモアのようなものが本作をテーマは重い生真面目なものを軽やかにしている要因だと思います。
・レイヨンが亡くなりイブに語る台詞
「冷たいビールを飲んでまた牛に乗って女と踊り…
子供も欲しい…。
わずかな人生のために戦っている気がする…」
そして、ロン・ウッドルーフは余命30日を宣告されたにもかかわらず7年生きた。

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映画「ダラス・バイヤーズクラブ」公式サイト
http://www.finefilms.co.jp/dallas/

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クロエ・グレース・モレッツ、アーロン・テイラー=ジョンソン主演『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー(Kick-Ass 2)』"もしもマスクを捨てたなら"

注・内容、ラストに触れています。
2010年、
マーク・ミラーとジョン・ロミータ・Jrによる同名のコミック及び「Hit-Girl」を原作とした映画
「キック・アス」の続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー(Kick-Ass 2)』前作の監督マシュー・ヴォーンは製作に回り、新鋭のジェフ・ワドロウが監督。

物語・キック・アスことデイヴ(アーロン・テイラー=ジョンソン)と、ヒット・ガールのミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)は普通の日々を送っていた。ところがそんなある日、デイヴは元ギャングで運動家のスターズ・アンド・ストライプス大佐(ジム・キャリー)とスーパーヒーロー軍団“ジャスティス・フォーエバー”を結成。そこへ、レッド・ミスト改めマザーファッカー(クリストファー・ミンツ=プラッセ)が父親を殺害された恨みを晴らそうと、刺客と共に乗り込んできて…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Kickass2

Memo
前作でニコラス・ケイジ演じるミンディの父親、ビッグ・ダディがミンディに防弾チョッキのテストをしているシーン。それを今度はミンディがキック・アスに試している冒頭。有無も言わさず撃つ姿はまさに父親譲り。
映画と同じく、あれから4年。
今回は"ヒットガール"ミンディによるキック・アスへの猛特訓。徐々にムキムキ度も増して前作のヒョロヒョロ〜とした感じから立派に戦えるヒーローへとステップアップ(前作のままだと最期の大乱闘シーンとかすぐに死んでしまいそうだし)
ところが…
ミンディの養父(後見人)となったマーカスにヒット・ガールを続けていることがバレてしまい普通の高校生になることを誓わさせられてしまう。さらにミンディのそれまでのライフスタイルとは全く正反対の"オシャレとダンスだけのスクールカースト丸出しの女子きらきらグループの仲間"に入れられて…。(まあ、この顛末のオチが、やはりというかゲロゲロというかw)
もしもマスクを〜捨て〜たなら〜"(「もしもピアノが弾けたなら」メロディで)といったミンディスクールライフがひとつめの見もの、そして反転してからのキレっぷり(文字通りアドレナリン全開というかアドレナリン注射で)がふたつめの見ものでありお楽しみ。(キレっぷりはいじめられた女子グループとマザーファッカー軍団との2銃仕立て)
そして出てくる出てくるキャラ立ちが激しすぎる新しい登場人物。前作レッドミストから(死亡した母親の隠れ趣味コスチュームwを発展させた)マザーファッカー。(ウィンナーでナニをなにする攻撃犬に仕立てられた)愛犬アイゼンハワーを連れたジャスティス・フォーエバー(以下JF)のリーダー、スターズ・アンド・ストライプ大佐をジム・キャリーが嬉々として演じている。
ドルフ・ラングレンのような角刈り趣(おもむき)にアイパッチの女性最強にして本作最大のボスキャラ(本当はマザーファッカーだけど、どう考えてもこちらの方がボスキャラw)マザー・ロシア
(JF)仲間のナイトビッチ宅へ押しかけた際の警官への凶暴な戦闘ぶりは絶句もの。
"ヒーローの苦悩"という最近の定番ネタもきっちりと。
デイヴの父親が身代わりとなって死してしまうシーンはまさに、あの作品を。
そして、その葬式シーンへ乱入してきたマザーファッカー軍団。
ついにヒット・ガールが立ちあがる時が来る。
大乱闘の末、マザーファッカー軍団を倒したキック・アスとヒット・ガールたち。
ラスト
「君が必要なんだ」というデイヴに「警官の銃で6人も殺してしまったから、さすがにそれは許されないわ」
そして
「これが私のファーストキス」とデイヴにキス。
ニューヨークを去っていくミンディ

エンドタイトル後に"続きある?"かも?といった鮫に脚をやられたレッドミスト改めマザーファッカーの"トホホ"な病院シーンが。

『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』公式サイト
http://kick-ass-movie.jp/

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2014-02-17

ベン・スティラー監督・主演、クリステン・ウィグ、ショーン・ペン『LIFE!(The Secret Life of Walter Mitty)』"THAT IS THE PURPOSE OF LIFE"

ジェームズ・サーバー『虹を掴む男』をベン・スティラー監督・主演で映画化した『LIFE!(The Secret Life of Walter Mitty)』

物語・雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)と会話もできない。唯一の特技は妄想することだった。ある日「LIFE」最終号表紙に使用する写真のネガが見当たらないことに気付いたウォルターはカメラマン、ショーン(ショーン・ペン)を捜す旅へ出る。(物語部分、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
冒頭、デートサイトにアップされている想いを寄せるシェリルに"ウィンク"をクリックしようとするがなかなか押せないウォルター。
ついに押せたと思ったらNG。何度押しても何故かクリックできない。デートサイトの顧客サービス担当のトッドに電話をするがどうやら入力欄に不備があるらしい(このテッドとの電話やり取りがあっての空港で"声しか聞いたことのない"ふたりが現実に出会うシーンは本作バックボーンにある"現実と空想"とも重なる部分のひとつでいいシーンです)
その空想シーン
ガス爆発現場からシェリルの愛犬を救出したり、写真に写るヒマラヤから飛び出たり、まさかの「ベンジャミン・バトン」再現(クリステン・ウィグも老けメイクまで)からニューヨーク市内大活劇(コンクリート道路をガリガリと削って疾走するイメージはスパイダーマンかハルク?)まで空想(妄想)は膨らむ。
毎日、世界中の写真を見ているにもかかわらずウォルターは実際に"世界"を見たことは一度もない。
デートサイトの経歴(経験)欄に何も書けなかった(空欄だった)ウォルター・ミティはショーンを見つけるために一歩踏み出した先の"今まででは考えられなかった世界"の広がりを見ていくこととなる。グリーンランドからアイスランド、そしてアフガニスタン、ヒマラヤまで(最後は元に戻って最も身近なところへと、そこは最も近くて最も遠かった場所でもあった"現実")
ウォルターがショーンからプレゼントされた財布
そこには「LIFE」誌のモットーが記されていた。
これはそのまま本作のテーマとも重なる

"TO SEE THE WORLD,
THINGS DANGEROUS TO COME TO,
TO SEE BEHIND WALLS,
TO DRAW CLOSER,
TO FIND EACH OTHER AND TO FEEL.
THAT IS THE PURPOSE OF LIFE."

25番目のネガ最終号に使われた写真とは?
「妹の出る"グリース"を見に行かない」
もう現実の目の前にいるシェリルに直接誘うミティ。
ニューススタンドの前を通る時シェリルが
「最終号、今朝出てるはず」
そこには…(ネガを見るウォルターの写真と)
"Dedicated to the People Who Made It"
そして、ラストカット
手をつなぐふたり。
(光がきらきらとして)

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Soundtrackがイイ!
・メインタイトル曲のJose Gonzalez"Step Out"や"Stay Alive"
・別の予告編で使われていたOf Monsters & Menの"Dirty Paws"
(自転車で走りだすシーンでボーカル部分無しで一部だけだったけれど大好きなバンドでいい使われ方だったなぁ)
・そして、一番好きなシーン
ウォルターが残されたネガからヒントを得てたどり着いたグリーンランドで、さらに先に進むために迷う中、ヘリに飛び乗るところに使われた
David Bowie featuring Kristen Wiigによる"Space Oddity"
クリステン・ウィグが唄うボーカルにデヴィッド・ボウイのボーカルが重なっていき、そして歌詞!
タイトルデザイン表記 > Main and End Titles Designed By Kyle Cooper/Prologue  Films (その後にデザイナーUnjoo Byars,Kate Berry 他3名記載)
街に溶け込むように看板やサインに出るキャスト、スタッフ、そして駅のホームがペインティングされていくモーショングラフィックスにメインタイトル。
スライドショーのように描かれる写真たち←エンドタイトルも素敵だ。

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映画「LIFE!」オフィシャルサイト
http://www.foxmovies.jp/life/

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2014-02-15

タイトルデザイン_40(Matt Curtis) ケネス・ブラナー監督(出演)、クリス・パイン、ケヴィン・コスナー、キーラ・ナイトレイ出演『エージェント:ライアン(Jack Ryan: Shadow Recruit)』

トム・クランシー原作の「ジャック・ライアン」シリーズを新たに再構築『エージェント:ライアン(Jack Ryan: Shadow Recruit)』を監督も務めるケネス・ブラナーが監督(出演も)。脚本はアダム・コーザッド、デヴィッド・コープ

物語・ウォール街にある投資銀行のコンプライアンスと経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリストという、二つの顔を持つジャック・ライアン(クリス・パイン)。ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きをキャッチし、上官ハーパー(ケヴィン・コスナー)にエージェントの現地派遣を要請する。しかし、彼から返ってきたのはライアン自身による調査命令だった。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
「レッドオクトーバーを追え」から数えて4人目となる"ジャック・ライアン"シリーズ。そのエピソードゼロとも言えるリブート版。CIAの情報分析班アナリストからエージェントへとなる前の話。
監督と敵役ヴィクトル・チェレヴィンのケネス・ブラナー起用が本作の要かも。ロシア文学からの引用台詞とかいかにもシェイクスピア俳優らしいシーンも。
ケネス・ブラナーとケビン・コスナーが同じ映画に。しかし面白いことに面と向かって顔を合わせることはない(CIA上官という役どころのため、表に出てこないということともとれるが)
そのケビン・コスナーによるハーパー。意外と狙撃シーン含め出番も多い。これはもしかするとスピンアウト作品も可能(と、いうか考えているかも?)
キャシー(キーラ・ナイトレイ)とはアフガニスタンでの戦傷で入院した病院で知り合い、その後恋人同士(婚約者)に。
しかしCIAであることは知らせてはいけないため、彼の動静はキャシーの気になるところ(浮気ではないかと疑っている)
そして、ついに任務で訪れたロシアにキャシーがやってきて説明を求められてしまう。
(ここ、結構変なシーンでおそらく笑うところでは→)ライアンとキャシー、そして上官ハーパー三人が顔を合わせてチェレヴィンとの食事にキャシーが行く行かないについて言い合うシーン。
「国家危機であり夫婦の危機でもある」
(これこそ「今そこにある夫婦の危機」?)
実際、分析官としての指示シーンはチェレヴィンが仕掛けたテロをアメリカで起こそうとしている実行犯の割出しをCIA専用機内で行っているところ。ここの件からラストまでが手際よく展開されている。(この辺、ケネス・ブラナー演出らしい)

Memo2
タイトルデザイナーはMatt Curtis(MDb未記載だがエンドクレジットで確認)
「127時間」「スラムドッグ$ミリオネア」などダニー・ボイル作品を多数手がけている。他に「キック・アス」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」「ジャッジ・ドレッド」など←Fugitive Studios Produced含む
Fugitive Studios
http://www.fugitivestudios.co.uk/
また、非常に印象的なこちらのタイトルデザインも
「ドリアングレイの肖像」を原作とした『ドリアン・グレイ』(日本では劇場未公開DVDスルー) Opening Titles.
http://vimeo.com/31201000
音楽がケネス・ブラナー組と呼べるぐらい多く組んでいるパトリック・ドイル(劇伴、割とバンバン鳴るタイプですが特にシェイクスピアものは合ってると思う)

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本編を見れば判る、ある図形をモチーフにした秀逸なポスター

映画『エージェント:ライアン』公式サイト

http://www.agentryan.jp/

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2014-02-13

井口奈己監督、竹野内豊主演、尾野真千子、成海璃子、木村文乃、麻生久美子、阿川佐和子、本田翼、中村ゆりか、他共演『ニシノユキヒコの恋と冒険』究極の"イチャイチャ"映画誕生!

注・内容、台詞に触れています。
芥川賞作家・川上弘美の連作短編集を『犬猫』『人のセックスを笑うな』の井口奈己が監督(脚本・編集)した『ニシノユキヒコの恋と冒険』出演は竹野内豊の他に尾野真千子成海璃子木村文乃麻生久美子阿川佐和子本田翼中村ゆりか、ほか

物語・イケメンで仕事もしっかりこなし、とにかく女に優しい希代のモテ男ニシノユキヒコ(竹野内豊)は、ひたむきに本当の愛を欲していた。10年前に人妻(麻生久美子)と関係を持ち、元恋人(本田翼)と二股で会社の上司(尾野真千子)と職場恋愛に至り、料理教室で出会った主婦(阿川佐和子)もとりこにしてしまうなど、彼の周囲には常に女性たちがいた。彼女たちの欲望を満たすべくひたすら尽くすニシノだったが、最終的にはみな彼から離れていってしまい…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Nishino

Memo1
究極の"いちゃいちゃ"映画。見ているこちら側が恥ずかしいを通り越してニマニマしてしまうような"イチャイチャバリエーション"
ニシノユキヒコ。モテモテである。そして女性ばかりか猫にまでモテる。「なう」というtwitter初期を思い出すような名前のついた隣に住む昴、タマの女性カップルの猫がいつもやってくるように←この"なう"の名演技度はスゴイですよー
そのニシノユキヒコを演じた竹野内豊、声が映画「ボディガード」を演じていた頃のケビン・コスナーのもしゃもしゃっとした声に似ていて(当時母性本能をくすぐるとか言われてた)、その辺もキャスティング的によかった気がします(←あくまでニュアンス、気がしているだけかもしれないけれど声は重要)
いろいろな場面、いろいろな台詞
・映画、冒頭(10年くらい前)
不倫関係にある夏美とまだ小さい、その娘ミナミとニシノユキヒコがパフェを食べているシーン。
ニシノの台詞
「普通に結婚して子どもがほしい」
「女のコがいいな」
(猫の文鎮をプレゼントされる)
その後、車にはねられて死亡するニシノ。
で、幽霊となって夏美の前に現れる。
(何故、ミナミの前に現れたのかは冒頭台詞と家を出てしまった夏美が自分の葬式に現れるかもしれないということと関係あり)
・ラスト
幽霊で登場したニシノに「まだ持っててくれたんだ」と言われ窓から捨ててしまった猫の文鎮を拾いに行くみなみ。
玄関の方から母、夏美の「ただいま」の声
・ニシノユキヒコ幽霊とお葬式に来た娘ミナミに話しかけるササキサユリ(阿川佐和子)←回想形式で綴られる本作の語り部でもあります。
「ニシノ君ね、あらゆるタイプの女の人のこころをとりこにしちゃうの」
映画ネタ1→そのサユリは映画ファンということで横浜のジャック&ベティで「駅前旅館」などを上映している。そこに入る、サユリ、続いてニシノが。
その後にカフェで。「サユリさんは他のオバさま方と違うから」
続いてカサブランカ・クイズを。
映画ネタ2→山田宏一さんの「映画果てしなきベスト・テン」を立ち読みしているニシノのシーン(はっきり書名など映るので何か意図あり?全体トーンとしてのフランス映画への目配せ?)
・見てて1番恥ずかしいイチャイチャ
オフィスでの上司マナミとのシーン。斜め前の席に向かい合って「えへへへ〜」「二マー」としながら、椅子をガラガラとひきながら近づいていくニシノ。後は◯△□※…(笑)
・その後に登場する元彼女カナコ(本田翼)
マナミとの仲を見て焼けボックリに火がついたようでやたらとアプローチをかけてくる。
ついにニシノのマンションでマナミとカナコが鉢合わせとなるシーン
(ここ、1番笑いが起こってた)←修羅場ですけどw
・そういえば隣に住む昴(成海璃子)、タマ(木村文乃)とも仲良くなるが結果、同じような鉢合わせシーンが。
「昴は昴なんだよ。昴ちゃんじゃなくて。タマはタマちゃんって感じ」
・(女性が好意を持ってることを察知する高性能レーダーを持っているとされるニシノ。しかし最後は必ずフラれる)
この台詞が結構、本質的?
「誰も好きになっていないくせに」
ゆるーい映画のようにみえて実は最初から最後までそのテンポ、リズムに乱れるところはない(それでいて2時間)←緩急つける演出より難しいのでは?←(編集まで手がけているからかもでしょうか)

Memo2
タイトルとエンドロールはイラストレーターの芳野さん制作によるもの(前作「人のセックスを笑うな」のリトグラフに続いて)。宣伝デザインは大島依提亜さん(ポスターと丸四角枠がカワイイ表紙のプレス、パンフレットなど)
『ニシノユキヒコの恋と冒険』井口奈己監督がインスピレーションを得たというサッシャ・ギトリー(Sacha Guitry)監督『とらんぷ譚』予告編とポスター http://www.gaumont.fr/fr/film/Le-roman-d-un-tricheur.html

映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』公式サイト
http://nishinoyukihiko.com/

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2014-02-07

ポン・ジュノ監督『スノーピアサー(Snowpiercer)』クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、コ・アソン、ティルダ・スウィントン、ジョン・ハート、オクタヴィア・スペンサー、他

注・内容、ラストに触れています。
『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』『グエムル』『母なる証明』(←スゴイ!全部傑作!)のポン・ジュノ監督がフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に描くSF作品『スノーピアサー(Snowpiercer)』脚本はポン・ジュノ監督とand表記で「その土曜日、7時58分」のケリー・マスターソン

物語・地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Snowpiercer1_2

Memo1
すのーぴあさー、すのーどやさー(By いくよくるよ師匠)と、アホなギャグを飛ばしている場合ではない。これは今年2014年7月が発端となる話なのだ。
とにかく止まらない地球温暖化に対して人口冷却物質CW-7を散布して防ごうとするところから映画は始まる。凡百の監督ならギラギラに暑い場面も描くところをポン・ジュノ監督は字幕とナレーション、そして散布しているジェット戦闘機と思しき機影を小さくとらえる。(青い空にすーっと白い長い白煙)
そしていきなり列車内へと。
このいきなりというところが「暴走機関車」(黒澤明脚本・アンドレイ・コンチャロフスキー監督)「アンストッパブル」(トニー・スコット監督)の系譜(屋根には登らないけれど「北国の帝王」とか列車舞台映画というのは何かと面白い)
この手の最下層の人間が上層(支配層)を打ち倒すために革命・反乱を起こす物語の場合、高層なビルや要塞のようなものが多く下から上という構図になるが本作は最後尾から先頭車両といわば長い長いトンネル(極めてゲーム的)を横へ横へと移動していく。
さて、その最後尾の車両内はどことなくジュネ監督の映画のような世界観(バンド・デシネ原作という点もうなづける)
途中車両(一般乗客)は菜園あり、水槽あり、寿司カウンターあり、学校あり、美容室あり、プールあり、クラブありといろいろと楽しませてくれる(そして急にゆる〜い感じになったりして、いかにも)
いくつかの疑問
・世界の標準時はどこで?
エカテリーナ橋がこの列車世界の1年の区切り。
ここを起点としてハッピーニューイヤーとなるのだ。
(台詞が17年前と言っていたのが、この起点より後では律儀に18年後と言ってる 笑)
そこでは血みどろの戦いが繰り広げられていても(先頭車両目指してカーティスと仲間が突き進んでいく途中先頭車両側の阻止にあっている最中)、全員停戦となり「ハッピーニューイヤー」を祝う(←一瞬「エッ」って思う間合いw)
・身長と腕の長さを計られて連れ去られた子供たちはどこへ?
実は最期の最期に判るのだが("エンジン"の部品の一部として車両下部に…)
しきりに出てくる74%という数字。(食事としてだされるブロック型の"プロティン"と称される食べ物が配給されるときに必ず隊列を組ませ人数を把握しているのもそのため)
その理由もこの先頭車両、ウィルフォード(エド・ハリス)の部屋で判る。
「"列車"は世界だ」
「閉鎖的生物世界では比率が難しい」
「全てはバランスなんだよ」
(これが74%の意味)
「そのために幾度となく反乱や今回の君のような革命が必要だったんだよ」
(人数調節という意味では一種のポピュレーション)
「わたしももう歳だ。君がこの世界をひきついでくれ。」
そう言ってカーティスに話すウィルフォード。
しかし、外の雪は溶け始めていてもう間もなく外へ出られるはずだということをナムから聞いている。そのために先頭車両横の扉を吹っ飛ばす目的で参加したことも)
そして…。

Memo2
キャスティングがいつものガンちゃん(ソン・ガンホ)以外は多国籍配役。列車のオーナー・ウィルフォード産業の総帥がエド・ハリスで最後尾車両のリーダー的存在の長老がジョン・ハートと対(つい)になっている(実は電話で話し合っていたということも判明する)。トンボのような、平田隆夫とセルスターズの"みみんあい"(←判る人には多分ウケる)のようなというか巨大な眼鏡をかけて入れ歯をしている総理メイソンを怪演したのは驚きのティルダ・スウィントン、前述の連れ去られた子供を取り戻そうと革命に参加する母親役でオクタヴィア・スペンサー。そして何が嬉しいってソン・ガンホとコ・アソンがそのまま「グエムル」と同じ役設定というところ。
今回はデジタルかな?、と思ったら、さすがポン・ジュノ監督、ということで35mmフィルム撮影でした! カメラはArricam 標準タイプのSTと軽量タイプのLT、アリフレックス435アドバンスド.
タイトルデザイナー記載はBaek Jong-yeol (617 GRAPHICS)

Snowpiercer2

映画『スノーピアサー』公式サイト
http://www.snowpiercer.jp/


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2014-02-05

山田洋次監督『小さいおうち』松たか子、黒木華、吉岡秀隆、倍賞千恵子、妻夫木聡、片岡孝太郎、他

2010年・第143回直木賞を受賞した中島京子の同名小説を山田洋次監督が映画化『小さいおうち』(脚本・山田洋次、平松恵美子)。音楽・久石譲

物語・健史(妻夫木聡)の大伯母で、先日亡くなったばかりのタキ(倍賞千恵子)が遺した“自叙伝”(執筆を勧めたのも健史でそれを読んでいくことを楽しみにしていた)。物語は昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)が東京郊外の赤い三角屋根の小さいけれどもモダンな屋敷を家に住む平井家のお手伝いさんとして働くところから始まる。そこには主人である雅樹(片岡孝太郎)と年下の妻・時子(松たか子)そして一人息子の恭一暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが雅樹の会社のデザイン部門の新入社員、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。

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Memo
印象的な台詞
戦争の事についてのせりふが時子と板倉の恋愛事件についても表している台詞。
「はじまったものは、いつか終わりがくるもの」
自叙伝を書き終えて慟哭するタキ
「わたし‥長く生きすぎた」
ずっと胸の奥にしまい込んだ"秘密"
そして抱え込んだもの…
モダンな赤い屋根の家のセット含め見事な美術周り。
昭和初期~の書籍や小道具も登場。
タンクタンクロー、コドモノクニ、「風と共に去りぬ」
そしてカルピス(←真夏に袖をまくりあげて平井邸やってきた板倉に対して時子が水で割るシーンから再現されていました)
時子と板倉の最初の出会い。
雅樹の務める玩具会社社長らと一緒に訪ねてきたのだが当時の情勢(戦争へ向かうのかどうか)という話しが苦手でという板倉。
時子と話が弾むきっかけは蓄音機(山田洋次監督の私物だそうです)でかけられたクラシック。
「あ、これ」
「オーケストラの少女」※
(声を揃えて)
「ストコフスキー」
ストコフスキーの指揮の仕方を真似て見せる板倉。
「指揮棒をもたずにこうやって指揮するんだよ」
この時からふたりの"恋愛事件"が始まる。
※1937年日本公開
召集令状が届いた日の夜。
時子を訪ねてくる板倉。
明後日には東京を発つという。
雨が激しく灯火管制で夜道が真っ暗なので「懐中電灯を」と時子。
帰っていく板倉にタキが渡しに追いかけていく。
(ひしっとタキを抱きしめる板倉)
そこでの台詞。
「もし僕が亡くなることがあったら、それは奥さんとタキさんのために戦ったと思って」
「だめ、死んでは」
(その前のシーンで)
雅樹が玄関で板倉にかける言葉が本作の肝かもしれない。
「板倉は絵や漫画を描いたりしている方がよいのに」
「それが戦争に行って人殺しなんて」
「実に無駄遣いだ」
この台詞で思い出すのは手塚治虫さんの自叙伝的漫画「紙の砦」
戦争が終わったときに誰もが悲嘆にくれている中「これで漫画が描ける」と喜ぶシーンのことを。
物資がない時代にも人々は生活を楽しんでいたというと語弊があるかもしれないが、小林信彦氏の戦時中の生活にふれたエッセイや「僕たちの好きな戦争」などを読んだ際に感じていたモダン志向が多かった当時の東京人を描写した映画としても秀逸なシーンが多かった。
そして、その市井の人々に迫り来る戦争の影がやがて何をもたらしたのか、自叙伝を書くことを勧めていた健史が平成の現代に感じ取ったものは何なのか、さまざまな示唆に満ちている。

追記(2014年2月16日)
黒木華さんがベルリン映画祭・主演女優賞を受賞!

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山田洋次監督最新作『小さいおうち』
http://www.chiisai-ouchi.jp/

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ニコラス・ウィンディング・レフン監督、ライアン・ゴズリング主演『オンリー・ゴッド(Only God Forgives)』

『ドライヴ』ニコラス・ウィンディング・レフン監督ライアン・ゴズリング描く復讐連鎖劇の極北『オンリー・ゴッド(Only God Forgives)』

物語・ビリー(トム・バーク)とジュリアン(ライアン・ゴズリング)兄弟は故郷アメリカから逃げタイのバンコクでボクシングジムを経営しながら、その裏でドラッグビジネスに手を染めていた。ある日、兄ビリーが若い娼婦をなぶり殺しにした末、彼女の父親に殺害される。そして犯罪組織を仕切る兄弟の母親(クリスティン・スコット・トーマス)がアメリカから現れ…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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観終わってtwitterなどでよく目にしていた"日本語タイトルは「オンリー・ゴッド」ではなくて原題通りの方がよかったのでは?"という声に納得。あ、今思いついたけどこういう表記もあったかも?→『オンリー・ゴッド(・フォーギヴズ)』
交流もあるというアレハンドロ・ホドロフスキー監督に捧げられたという本作。言わずもがなの色彩的酩酊作品(この色の洪水と激しい音と遮断された音の断続性にクラクラ)
いきなりこれから起こる出来事を予感させるタイトルシークエンス(先端恐怖症はさらにビビりまくりそうな…)の刀の突き出しからただならぬ空気。
リズムとスタイルだけで1作品、まるまる撮ってしまったレフン監督。前作に引き続きの廊下をゆっくりと進む、或いはひいていくショットとフィックス人物、切り替えしてのヴァイオレンスを延々と見る感じ。
ライティングをライヴなどで用いられる手法とおぼしき発色プラス加法混合で影にまで目が行き届いている色彩設計。
自分のことを神の代理人にして復讐の天使(←まるで仕事人みたいな…って、ぽいシーンありますが…)と呼ぶ暗闇から現れる恐怖のカラオケ魔人、元警官チャンを演じたヴィタヤ・パンスリンガムと母親クリスタル役のクリスティン・スコット・トーマスが素晴しい。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品については衝撃的だった『ドライヴ』を見た後に後追いでトム・ハーディ主演の「ブロンソン」と「ヴァルハラ・ライジング」をディスクで鑑賞。(←ルーツを垣間見た!)←"物語"の枠を廃した本作はさらに推し進められた感じでこの先、どういう作風になっていくのか全く掴めない。

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プロダクションデザイナーは「ドライヴ」に続いてBeth Mickle
ライアン・ゴズリング初監督作品「How to Catch a Monster(原題)」も手がける。(←もしかして2作における仕事から決まったかも?)
そしてアートディレクターはDes Hamilton
こちら(下記リンク)はオフィシャルサイト
(ムエタイ会場のセット模型などの写真あり)
http://russellbarnes.com/only-god-forgives

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映画『オンリー・ゴッド』公式サイト
http://onlygod-movie.com/

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2014-02-03

マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演『ウルフ・オブ・ウォールストリート(THE WOLF OF WALL STREET)』

レオナルド・ディカプリオが実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録をこれまでに幾度となくコンビを組んできたマーティン・スコセッシ監督と映画化した『ウルフ・オブ・ウォールストリート(THE WOLF OF WALL STREET)』

物語・学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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3時間にも及ぶ狂騒曲。この騒がしさがそのまま当時の狂乱ぶりを描いている。
非ドキュメンタリー作品で映画史上最もFワードを使った作品に(506回使われているらしい←らしいというのは数えた訳ではないから←とはいえ、いちいち会話にくっつけてるぐらいだから膨大な量)
セックス、ドラッグ、乱痴気騒ぎに明け暮れ、果てはヨダレを垂らしながらの完全酩酊階段落ち這いずり回り自慢の白いフェラーリ運転シーンからお尻ローソクまでやってのけたディカプリオの熱演はスゴイ!そして演出する70歳超えスコセッシ監督の濃さ!
株の会社で22歳で働き始めたジョーダンに株取引の指南をする(指南といっても"耳に残るエンディングにまで使用されているあのメロディ"そして動作やテンション上げ方)マシュー・マコノヒー演ずる社長マークがここだけのシークエンスで場面をかっさらう。
最初の妻テレサの助言が意外と動かしていたり。
(暗示にかける人間は暗示にかかりやすいとも言われる所以?)
せっかく株の取引資格(米国証券営業資格)を取ったばかりの初日にブラックマンデー(1987年10月19日)という巡りあわせ。
落胆して新聞の求人欄をチェックしているジョーダン。
「あなた株屋じゃないの」とテレサ。
ここにあるじゃない」と指さした求人が1株1ドル以下で売りだされるペニー株を取り扱う株式センターの記事。
これがきっかけでジョーダンは昇るところまで上昇し続けることとなる。
※他のテレサの助言フォーブス取材の記事が酷かったと怒るジョーダンに「広告に悪い広告はないわ」
事実、有名となったジョーダンの会社(社名やロゴも老舗っぽい"ストラットン・オークモント社"に変更している)には職を求めて大勢の人が押し寄せる。
ディカプリオ、まさかの(またしてもの)海難事故!?(「タイタニック」)と一瞬ビックリしたー、と同時に予想だにしなかったVFXシーン。(誇張された部分もあるとは思うが実際の回想録にも記述されているので本当にあった出来事というのも驚く)
カイル・チャンドラー演ずるFBI捜査官デンハム(実は株取引の勉強もしていたことをジョーダンに調べられていた)に対して言った言葉がそのままラストに反転されて描かれる。
ジョーダンを刑務所送りにした夜、"3日も同じスーツを着て疲れきった乗客と電車に揺られて帰る毎日"そのままの光景を映し出す。
結局収監されることになったジョーダン。
刑務所に入る前の台詞。
「正直言うと最初は刑務所なんて、と本当にビビった。
でもすぐに思い直した。俺は金持ちなんだって」
カメラがひいていくと刑務所内でテニスに興じるジョーダンの姿。
最後はニュージーランドで「お金持ちになるためのセミナー」を行なっている。真剣な眼差しの受講者たち。(ここで気づくのは時折、スクリーンに向かって話しかけてくるジョーダン。それはラストのこの部分に繋がっていたのだ。なんだかんだ言っても「あなたたちもお金持ちになりたいんでしょう」この受講者のまなざしは見ているこちら側の姿でもあるのだ)
ジョーダンに稼ぎを聞いて、その場で会社を辞め株の仕事に加わったドニー(ジョナ・ヒル)との会話が全編通して面白い。
保釈期間中で邸宅から出られないジョーダンを訪ねてくるドニー
プールサイドで。
「何飲んでる?」
「ノンアルコールビール」
「アルコールフリー」
「アルコールは入ってるのか?」
「だからアルコールフリーだって」
やたらとトンチンカンなやりとりが、おかしい(そして可愛らしいw)
映画監督、多数出演 > スパイク・ジョーンズジョン・ファブローロブ・ライナー。そしてジョーダン・ベルフォート自身もラスト、セミナー会場でのホスト役で出演。

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タイトルデザイナーは"Big Film Design" Randy Balsmeyer.
これまでに手がけてきたTitle Design Demo Reel (スコセッシ、コーエン兄弟、ジャームッシュと渋い!)動画
http://www.imdb.com/video/user/vi790405913
衣装デザイナーはスコセッシ作品多数のサンディ・パウエル (そしてアルマーニとのタッグ)
サンディ・パウエルはこれまでにアカデミー賞・衣装デザイン賞を3度受賞
http://en.vogue.fr/fashion/fashion-news/diaporama/armani-designs-the-costumes-for-the-wolf-of-wall-street/16853
エンドクレジットに延々と出てくる楽曲リスト(アメリカ初期のブルース多し)
All The Songs In 'The Wolf Of Wall Street'

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映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』公式サイト
http://www.wolfofwallstreet.jp/


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2014-02-02

クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン『マイティソー/ダーク・ワールド(THOR:THE DARK WORLD)』"あゝムジョルニア"

注・内容に触れています。
北欧神話をベースにしたマーベルコミックスの人気作を実写化したアクション大作の続編
マイティソー/ダーク・ワールド(THOR:THE DARK WORLD)』前作に引き続き同キャストが集結。

物語・アベンジャーズの一員として、ソー(クリス・ヘムズワース)がニューヨークで激闘を繰り広げてから1年。ロンドンで謎の重力異常が起き、その調査を天文物 理学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)が行うことに。しかし、その過程で地球の存亡を左右するダークエルフのパワーを宿してしまう。そして…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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「あゝ無情」ならぬ「あゝムジョルニア」
メインキャストにあげたいぐらいの大活躍。
飛び交い度200%
宇宙空間からワームホールを通っての時空越えをしても必ずソーの手元に戻ってくる忠実なワンちゃんかブーメランか(ムジョルニア、あんたはエライ!)。
ソーが部屋に入ってきた時、礼儀正しく帽子掛けにかけられるという"爆笑シーン"まである。
ダーシー役のカット・デニングスが前作以上にキャラ替え含め大フューチャー。("助手の助手"とキスシーンも用意されている)
今回はジェーンがアスガルドにいることが多いので地球パートをいちいち小ボケしながらつなげていく。
そして、もちろん前作で大ブレイクを果たしたトム・ヒドルストン演ずる血のつながらない弟・ロキ。
今回はブラコンならぬ兄弟タッグでジェーン、地球、宇宙の危機を救うのかと思いきや、やっぱり!(と、いう続編必至のオチが)
重厚なオープニングナレーション含め父にしてアスガルド王オーディン役でアンソニー・ホプキンスも登場。
「アベンジャーズ」小ネタも多いので前作と「アベンジャーズ」を見てから鑑賞したほうが"お楽しみ度"がアップする。
実際、周囲で「あれ?浅野忠信?」「出てたの」とか言ってるところを聞いた(前作未見の人、多そう)。
少し拾うだけでも
・全然現れないソーに対して
「ニューヨークにいるのを見たわ」
(映画「アベンジャーズ」での活躍のこと)
・ジェーンを捜すダーシー。
「いろいろ連絡したのに連絡がつかない、シールドにも」
「シールド?」と助手が聞き返すシーン
・そもそもセルヴィス博士(ステラン・スカルスガルド)は「アベンジャーズ」元・シールドの科学者というスゴイ人だが初めて見た人はパンツ一丁でウロウロする変な人にしか見えないかも(汗)

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End Title Sequenceの製作はBLUR STUDIO
「ドラゴン・タトゥーの女」あのタイトルシークエンスだけで独立したMVとなっていたメインタイトルなどを製作。
本作では発端となるダークエルフとの戦闘シーンやエーテルにまつわるオープニングシークエンス(本編)も。
こちらはそのVFX Breakdown動画
http://vimeo.com/79921564

マイティ・ソー/ダーク・ワールド | 
Thor:The Dark World |
http://www.marvel-japan.com/movies/thor/

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デヴィッド・O・ラッセル監督『アメリカン・ハッスル(American Hustle)』

注・内容に触れています。
アメリカで起こった収賄事件「アブスキャム事件」を基に「ファイター」「世界にひとつのプレイブック」の
デヴィッド・O・ラッセル監督が映画化した『アメリカン・ハッスル(American Hustle)

物語・詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、その相棒で愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。彼らはFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、無罪放免を条件におとり捜査への協力を持ち掛けられる。それは、架空のアラブ人富豪をダシに、カジノ利権に群がる政治家やマフィアを一網打尽にするというもの。アーヴィンとシドニーは、標的のカーマイン市長(ジェレミー・レナー)に近づくが、二人の仲を嫉妬するアーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)がおとり捜査の邪魔をする。(物語項・シネマトゥデイより抜粋)

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デューク・エリントンで始まった映画はデューク・エリントンで終わる。(これ偶然かな「ムード・インディゴ うたかたの日々」もきっかけはデューク・エリントン)
このスコセッシ感は、やはり「グッド・フェローズ」
オマケに完全なノンクレジットでデ・ニーロまで出てる。しかもマフィアの大物(ここの緊張感はビックリ。いつバット持ってテーブルの周囲をぐるりと歩きながら「ベースボール!」と話すかとビビった)
※原作未読なのでアーヴィンが心臓の持病を持っていたのかどうかがわかりませんが、ここの"藪をつついたら蛇が出てきた"ともよべるビビリ具合は物語転調(HOOK部分ひっくり返し起点)の肝。
で、そもそも男性陣、髪型に難あり。
いきなりカツラセットアップから始まるおかしさ。
(メタボお腹のクリスチャン・ベイル。そして流れる音楽が何故か「名前のない馬」)
FBI捜査官リッチーがアーヴィンと言い争った際、せっかくセットアップした髪の毛を手で叩いてグシャグシャにしてしまう。
すかさずシドニーの台詞。
「1番触れてはならないところに」
もう一回、途中にこんな台詞も。
「髪の毛の事は言うな」
その点から考察すると本作、髪の毛(髪型)含めフェイクな登場人物が仕掛ける大フェイクものとも(とれないかw)。
カツラだったり、カツラ疑惑ある人だったり、家で情けないカーラー巻きアフロヘアーの人いたり、本名の告白ついでに「本当はストレートなの」とクルクル巻いていることも告白する人いたり。
で、唯一、デ・ニーロ扮するマフィアの大物だけが素のままのヘアースタイル。
噂のジェニファー・ローレンス演ずるロザリンが「007死ぬのは奴らだ」テーマ曲を流しながらの掃除シーン(もしかして流行る?)
前段シーンから続いての、ざまあみろ、と言わんばかりのイキッぷり。
「人は信じたいものを信じる」
コンゲーム映画としては「スティング」「テキサスの五人の仲間」のようなスッキリ型ではないので、そこが評価がわかれているところかも。それはカーマイン市長が良き家庭人で雇用創出のために行っていたと行為と思しき部分も垣間見られているので、この囮作戦(捜査手法自体)がちょっと「?」だったからかもしれない。
ただ全体通してみるとラッセル組ともいうべきキャストによる演技アンサンブルの妙(出演者全員嬉々として演じている)として最高に楽しい!

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衣装デザイナー MICHAEL WILKINSON
オフィシャルウェブサイト(過去の衣装デザイン スチール掲載)
http://www.michaelwilkinsondesign.com/
予告編とムービークリップをまとめて
http://trailers.apple.com/trailers/sony_pictures/americanhustle/

映画『アメリカン・ハッスル』公式サイト
http://american-hustle.jp/

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