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2014-02-07

ポン・ジュノ監督『スノーピアサー(Snowpiercer)』クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、コ・アソン、ティルダ・スウィントン、ジョン・ハート、オクタヴィア・スペンサー、他

注・内容、ラストに触れています。
『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』『グエムル』『母なる証明』(←スゴイ!全部傑作!)のポン・ジュノ監督がフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に描くSF作品『スノーピアサー(Snowpiercer)』脚本はポン・ジュノ監督とand表記で「その土曜日、7時58分」のケリー・マスターソン

物語・地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Snowpiercer1_2

Memo1
すのーぴあさー、すのーどやさー(By いくよくるよ師匠)と、アホなギャグを飛ばしている場合ではない。これは今年2014年7月が発端となる話なのだ。
とにかく止まらない地球温暖化に対して人口冷却物質CW-7を散布して防ごうとするところから映画は始まる。凡百の監督ならギラギラに暑い場面も描くところをポン・ジュノ監督は字幕とナレーション、そして散布しているジェット戦闘機と思しき機影を小さくとらえる。(青い空にすーっと白い長い白煙)
そしていきなり列車内へと。
このいきなりというところが「暴走機関車」(黒澤明脚本・アンドレイ・コンチャロフスキー監督)「アンストッパブル」(トニー・スコット監督)の系譜(屋根には登らないけれど「北国の帝王」とか列車舞台映画というのは何かと面白い)
この手の最下層の人間が上層(支配層)を打ち倒すために革命・反乱を起こす物語の場合、高層なビルや要塞のようなものが多く下から上という構図になるが本作は最後尾から先頭車両といわば長い長いトンネル(極めてゲーム的)を横へ横へと移動していく。
さて、その最後尾の車両内はどことなくジュネ監督の映画のような世界観(バンド・デシネ原作という点もうなづける)
途中車両(一般乗客)は菜園あり、水槽あり、寿司カウンターあり、学校あり、美容室あり、プールあり、クラブありといろいろと楽しませてくれる(そして急にゆる〜い感じになったりして、いかにも)
いくつかの疑問
・世界の標準時はどこで?
エカテリーナ橋がこの列車世界の1年の区切り。
ここを起点としてハッピーニューイヤーとなるのだ。
(台詞が17年前と言っていたのが、この起点より後では律儀に18年後と言ってる 笑)
そこでは血みどろの戦いが繰り広げられていても(先頭車両目指してカーティスと仲間が突き進んでいく途中先頭車両側の阻止にあっている最中)、全員停戦となり「ハッピーニューイヤー」を祝う(←一瞬「エッ」って思う間合いw)
・身長と腕の長さを計られて連れ去られた子供たちはどこへ?
実は最期の最期に判るのだが("エンジン"の部品の一部として車両下部に…)
しきりに出てくる74%という数字。(食事としてだされるブロック型の"プロティン"と称される食べ物が配給されるときに必ず隊列を組ませ人数を把握しているのもそのため)
その理由もこの先頭車両、ウィルフォード(エド・ハリス)の部屋で判る。
「"列車"は世界だ」
「閉鎖的生物世界では比率が難しい」
「全てはバランスなんだよ」
(これが74%の意味)
「そのために幾度となく反乱や今回の君のような革命が必要だったんだよ」
(人数調節という意味では一種のポピュレーション)
「わたしももう歳だ。君がこの世界をひきついでくれ。」
そう言ってカーティスに話すウィルフォード。
しかし、外の雪は溶け始めていてもう間もなく外へ出られるはずだということをナムから聞いている。そのために先頭車両横の扉を吹っ飛ばす目的で参加したことも)
そして…。

Memo2
キャスティングがいつものガンちゃん(ソン・ガンホ)以外は多国籍配役。列車のオーナー・ウィルフォード産業の総帥がエド・ハリスで最後尾車両のリーダー的存在の長老がジョン・ハートと対(つい)になっている(実は電話で話し合っていたということも判明する)。トンボのような、平田隆夫とセルスターズの"みみんあい"(←判る人には多分ウケる)のようなというか巨大な眼鏡をかけて入れ歯をしている総理メイソンを怪演したのは驚きのティルダ・スウィントン、前述の連れ去られた子供を取り戻そうと革命に参加する母親役でオクタヴィア・スペンサー。そして何が嬉しいってソン・ガンホとコ・アソンがそのまま「グエムル」と同じ役設定というところ。
今回はデジタルかな?、と思ったら、さすがポン・ジュノ監督、ということで35mmフィルム撮影でした! カメラはArricam 標準タイプのSTと軽量タイプのLT、アリフレックス435アドバンスド.
タイトルデザイナー記載はBaek Jong-yeol (617 GRAPHICS)

Snowpiercer2

映画『スノーピアサー』公式サイト
http://www.snowpiercer.jp/


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