« スティーヴ・マックィーン監督『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』 | トップページ | J・C・チャンダー脚本・監督、ロバート・レッドフォード主演『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~(All Is Lost)』"インド洋ひとりぼっち" »

2014-03-05

アマンダ・セイフライド主演、ピーター・サースガード出演、ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン監督『ラヴレース(Lovelace)』"何がリンダに起ったか?"

『レ・ミゼラブル』『マンマ・ミーア』のアマンダ・セイフライドが1972年に公開されアメリカで社会現象となった映画『ディープ・スロート』に出演した伝説のポルノスター"リンダ・ラヴレース"の半生を描いた『ラヴレース(Lovelace)』出演はピーター・サースガードシャロン・ストーンロバート・パトリックフランコ・ネロクロエ・セヴィニー、他。監督はドキュメンタリーを多数撮っているロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン

物語・21歳のリンダ(アマンダ・セイフライド)は、敬虔なカトリック教徒の父(ロバート・パトリック)と母(シャロン・ストーン)とフロリダで生活していた。ある日、彼女はバーの経営者チャック(ピーター・サースガード)と知り合い、誘われるままに付き合い始める。そして…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lovelace

Memo
最初、観るまでは「ブギーナイツ」タイプの作品をイメージ、が、後半から結構真摯な描き方をしている(途中までは「あれ?なんだか、すんなりと映画出演してしまって、そんなに軽くていいの?」と思っていたら、やや巻き戻し気味に"実はあの時こういうことが"ということが判ってくる構成)
アマンダ・セイフライドはこの映画自体が興味本位で撮られるものではないということがわかって、この役を受けたのだな、ということが判る作り。
(真実を語る)自伝出版の際に本当の話かどうかを確認するために出版社がポリグラフ(嘘発見器)に応じているシーンがあった。それほど公開時の喧騒ぶりと行われていた夫の暴力(銃をつきつけて映画に出演させていたこと)との剥離があり俄に信じられなかったということだろう。
シャロン・ストーンが母親役で出演しているが最初わからなかった(ノーメイクだし首とあごの境界がわからないほどの横顔を撮らせたりと驚いた)←本作、最大の衝撃かも。
そして何より夫、チャックを演じたピーター・サースガードはさすがの上手さで強烈な演技。
・「プレイボーイ」編集長ヒュー・ヘフナー役でジェームズ・フランコが登場した時(二ヤケ顔に)ヒューヒュー言いたかった(←どうみてもジェームズ・フランコ)。そのヘフナー主催のパーティシーンに登場するサミー・ディヴィス・Jr.は(そっくりさんとして著名?)Ron Pritchardが演じていた。
・冒頭、ニクソン大統領がテレビで話している。後に起こるウォーターゲート事件への目配せ?(ワシントン・ポスト編集局次長が映画にちなんで名付けた内部情報提供者名が「ディープ・スロート」だった)
しかし当時6億ドル稼いだってメチャクチャ凄すぎ。(ギャラは1250ドルだったとラスト字幕が)。
1970年代の雰囲気を再現のため、16mmで撮影されたものを35mmにブローアップ。音楽ももちろん「つきせぬ想い」(グラディス・ナイト&ザ・ピップス)や「Spirit in the Sky」(ノーマン・グリーンバウム)そしてKC&ザ・サンシャイン・バントなどの70年代フューチャー。
インテリア、ファッション、ヘア&メイク、当時の豪邸、ホテル…細かいディテールまで再現されている。この辺りドキュメンタリー監督コンビらしい徹底した仕上がり。(アマンダ・セイフライドが演じているリンダが自伝出版当時に出たTVショー画面が違和感ない溶けこみ具合)
タイトルデザインはARON KANTOR
「ディープ・スロート」撮影中シーン(助手席にカメラ、後部座席に監督)、車を運転しているリンダの右側にタイトルロゴが被さる。

映画『ラヴレース』公式サイト
http://lovelace-movie.net/

|

« スティーヴ・マックィーン監督『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』 | トップページ | J・C・チャンダー脚本・監督、ロバート・レッドフォード主演『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~(All Is Lost)』"インド洋ひとりぼっち" »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アマンダ・セイフライド主演、ピーター・サースガード出演、ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン監督『ラヴレース(Lovelace)』"何がリンダに起ったか?":

» 『ラヴレース』 2014年2月20日 ヒューマントラストシネマ渋谷 [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『ラヴレース』 を試写会で鑑賞しました。 アマンダ・セイフライドのファンよ覚悟して観よ 【ストーリー】  21歳のリンダ(アマンダ・セイフライド)は、敬虔(けいけん)なカトリック教徒の父(ロバート・パトリック)と母(シャロン・ストーン)とフロリダで生活していた。ある日、彼女はバーの経営者チャック(ピーター・サースガード)と知り合い、誘われるままに付き合い始める。そのまますぐに彼と結婚したリンダはセックスの喜びを徹底的に教えられ、性的に成熟していくが……。 ネタばれ満載かもしれませんので、気に... [続きを読む]

受信: 2014-03-05 22:34

» ラヴレース [あーうぃ だにぇっと]
ラヴレース@ヒューマントラストシネマ渋谷 [続きを読む]

受信: 2014-03-06 06:33

» ラヴレース/LOVELACE [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてね larr;please click アマンダ・セイフライドが、体をはって アメリカのポルノ映画史上、最もヒットした作品「ディープスロート」 その実在の主演女優、リンダ・ラヴレースに挑んだ作品 キャストがこれまた皆良い アマン...... [続きを読む]

受信: 2014-03-09 00:56

» 「ラヴレ-ス」 [或る日の出来事]
いとしのアマンダがポルノ女優を演るっていう作品だが、公開まで、ずいぶん待たされた。 (トップレス)ヌードを辞さない彼女の心意気は、文句なしに買い! [続きを読む]

受信: 2014-03-09 11:13

» 『ラヴレース』 [ラムの大通り]
(原題:Lovelace) 「これはちょっとフォーン相手には喋りづらい映画なので、 さらっと、独り言で。 この映画のモデルとなっているリンダ・ラヴレース(アマンダ・セイフライド)というのは、 70年代に一世を風靡したポルノ女優の名前。 『ディープ・スロート』という...... [続きを読む]

受信: 2014-03-09 22:18

» ラヴレース [I am invincible !]
1970年。 21歳のリンダ(アマンダ・セイフライド)は、厳格なカトリック教徒の両親(ロバート・パトリック、シャロン・ストーン)に厳しく育てられていた。 [続きを読む]

受信: 2014-03-13 06:16

» ショートレビュー「ラヴレース・・・・・評価額1600円」 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
伝説の裏側で起こっていた事。 映画史上最も成功したハードコアポルノ、「ディープ・スロート」に主演したリンダ・ラヴレースの半生を描く物語。 平凡な少女は、如何にして時代を代表する性のアイコンとなったのか。 監督はドキュメンタリー作家として長いキャリアを持つ、ロブ・エプスタインとジェフリー・フリードマン。 伝説のポルノスターをアマンダ・セイフライドが文字通り体を張って大熱演し、今まで...... [続きを読む]

受信: 2014-03-13 21:54

» ラヴレース [ダイターンクラッシュ!!]
2014年3月11日(火) 16:45~ ヒューマントラストシネマ有楽町1 料金:1000円(ハッピー・チューズデイ) パンフレット:700円(買っていない) 過酷な人生、本日第2弾。 『ラヴレース』公式サイト アマンダちゃんが、伝説のポルノ女優を演じるという。 「グリーンドア」の女優か?と思ったが、そっちはマリリン・チェンバースとかいう名前だった筈で、ラブレースではない。 その女優リンダ・ラヴレースは、空前絶後の大ヒットした「ディープ・スロート」の主役だった。 サクセス・ストーリーなのか... [続きを読む]

受信: 2014-03-18 23:39

» ラヴレース [いやいやえん]
たった一本の映画「ディープ・スロート」で世界中に名前が知られ、セックスシンボルになり時代の寵児のようにもてはやされることになった一人の女性の光と影を描いたドラマ。アマンダ・セイフライド主演。 ポルノ映画なんてみないですからね、当然件の映画もみたことありませんや。 チャックに売春をさせられて金を得て、そんな生活に嫌気がさして「ここにいさせて」と頼んだ自宅の母親の放った一言が、リンダをポルノの道に行かざるを得なくしたのですが、リンダがラブレースと名を変えて有名になって行く過程のあとに、有名に... [続きを読む]

受信: 2014-08-04 18:13

« スティーヴ・マックィーン監督『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』 | トップページ | J・C・チャンダー脚本・監督、ロバート・レッドフォード主演『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~(All Is Lost)』"インド洋ひとりぼっち" »