« タイトルデザイン_41(Troublemaker Studios_Kurt Volk)『マチェーテ・キルズ』ロバート・ロドリゲス監督、ダニー・トレホ主演 | トップページ | 荒川弘原作、吉田恵輔監督『銀の匙 Silver Spoon』中島健人、広瀬アリス、他 »

2014-03-12

製作総指揮ジョン・ラセター、監督クリス・バック、ジェニファー・リー『アナと雪の女王(FROZEN)』"Let It Go"

注・内容に触れています。
アンデルセン「雪の女王」にインスパイア(エンドクレジットに表記されていますが原作ではなくSTORY INSPIRED BY "THE SNOW QUEEN)され製作された『アナと雪の女王(FROZEN)』製作総指揮をジョン・ラセター、監督はクリス・バックジェニファー・リー

物語・エルサとアナは美しき王家の姉妹。しかし、触ったものを凍らせてしまう秘められた力を持つ姉エルサが真夏の王国を冬の世界に変化させてしまった。行方不明になったエルサと王国を何とかすべく、妹のアナは山男のクリストフ、トナカイのスヴェン、夏に憧れる雪だるまのオラフと一緒に山の奥深くへと入っていく。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Frozen

Memo1
ひとつの楽曲が全ての物語を引っぱっていくことがあるのだなぁ、と思った力強きレット・イット・ゴー"Let It Go"
それを唄うエルサの声は『ウィキッド』のブロードウェイ版・初代エルファバを演じたイディナ・メンゼル
長い呪縛から解かれエルサが山の奥地に氷の宮殿を建てるシーンは幾度となく全編が劇場にかかり、その場面と歌自体が本編プロモーションを兼ねるというシークエンスの前後繋がりって、いったいどうなっているのだろう?と気になっていた部分。
(前→アレンデールの事をハンスに任せてエルサを探しに馬に乗って城門から出て行くシーンに吹雪いている山の奥へカメラが進み歩いているエルサへ
後→氷の宮殿。歌い終わった瞬間に閉じられるバルコニーの窓。雪の斜面を昇る馬に乗ったアナ)←割とスパッと違和感なく抜き出せる形で出来ていたんだなぁ、と納得。
"Let It Go"字幕版エンドクレジットでのアップテンポなデミ・ロヴァートによる歌唱も雪の結晶がモチーフとなったアニメーションと相まってよい。
※評判のよい日本語吹き替え版(松たか子神田沙也加版)未見です。
"王子様は必要なし"?
王子様とのキスで魔法が解かれめでたしめでたしのシンデレラ、白雪姫系プリンセス物語ではなく(既に前段階として「塔の上のラプンツェル」「シュガーラッシュ」ピクサーでの「メリダとおそろしの森」などのヒロインのポジショニングが変化したものがある)
見かけで判断は…。
アナはエルサの戴冠式の日に出会った、いかにも王子様容姿と振舞いのハンスにポーッとなって婚約までしてしまう(まあ城から一度も出ていないこともあるのだが)
で、エルサからも「ダメ」と言われ、そのエルサを追いかけていく途中に出会った山男クリストフからも「エッ!君は会ったその日に婚約したって言うのか?相手のことをよく知りもしないで。好きな食べものは?靴のサイズは?」と言われる始末。
※実際、ハンスは上に12人の兄がいて絶対王位継承できない立場のため、逆玉の輿狙い王国乗っ取りを企てていたとんでもない王子。(←見かけで判断してはダメという点で「トイ・ストーリー3」のピンクのクマ、ロッツォを思いだした)
凍りはじめたアナを助けようとトロールの元を訪ねたクリストフ。
てっきり「おー、クリストフが彼女を連れてきたぞー」「やったー」と喜ぶトロール達。
しかし…
「おいおい、アナにはフィアンセがいるんだ」
トロールたちはアナがハンスと婚約しているときいて以前の作品タイプだったら「あー、それは残念」となるところを「その程度では問題ない」「指輪もつけてないし」「婚約者を追い出せばいい」となる辺り面白い(楽曲・愛さえあれば "Fixer Upper")
日本公開のかなり前から海外サイトで話題になっていた隠れキャラ。
ラプンツェルとフリン・ライダー、ミッキーマウス。ラプンツェルとフリンは予告編でも見ることができる「楽曲・生まれてはじめて "For the First Time in Forever"」のシークエンス中で後ろ姿としてわかったけど、ミッキーはわからなかったなぁ。(さすがにネタバレ見た)
(アナとエルサが子供の頃に作っていた姿かたちというところがポイントの大事なキャラ→)夏に憧れるスノーマン(雪だるま)オラフ。おいおい、そんなことは叶うはずがないのにー、と思いながらの頭上に"小さい専用雪雲"結末(ちなみに暖炉に火を灯してアナを温めようとするシーンという「溶けてしまうよー」ヒヤヒヤシーンも用意されている)←トナカイ・スヴェインとの"ニンジン愛"も
悪い魔女や絶対的な宿敵がいる対立構造の物語ではない"姉妹を中心としたストーリー展開"(これも対立しているわけではなく誤解から生じている※1)を成立させてしまっているところが、公開と共にクラシカルである事を求められているディズニーアニメーションの中にあっての本作の新しさの要因では?と思います。
※1終盤、"真実の愛"が実は"姉妹としての愛"と描かれるアナが選ぶ、ある瞬間のシーンへと結実

Memo2
Brittney Lee コンセプトアート、デザインワーク
エルサ、アナのドレスや衣装。アレンデール王国のタペストリーなどのデザイン画などが見られます。
http://britsketch.blogspot.com
エンドタイトルはSCARLET LETTERS
アートデザインはLISA KEENEDAVID WOMERSLEY
LISA KEENEは本作コンセプトアートも
:: Lisa Keene - Online Portfolio ::
http://www.lisakeene.com/index.html

アナと雪の女王
http://www.disney.co.jp/movies/anayuki/

|

« タイトルデザイン_41(Troublemaker Studios_Kurt Volk)『マチェーテ・キルズ』ロバート・ロドリゲス監督、ダニー・トレホ主演 | トップページ | 荒川弘原作、吉田恵輔監督『銀の匙 Silver Spoon』中島健人、広瀬アリス、他 »