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2014-05-30

ブライアン・シンガー監督『X-MEN : フューチャー&パスト(X-Men: Days of Future Past)』

注・内容、ラスト、台詞に触れています。
X-MEN : フューチャー&パスト
X-Men: Days of Future Past
ブライアン・シンガー監督
ヒュー・ジャックマン
マイケル・ファスベンダー
ジェームズ・マカヴォイ
ジェニファー・ローレンス
イアン・マッケラン
エレン・ペイジ、他
(あ、他って書いてますが他にも多々、多々出演しています。省略お許しを〜)

物語・2023年。バイオメカニカル・ロボット"センチネル"によって地球は壊滅へと向かっていた。プロフェッサーXは宿敵のマグニートーと手を組み、1973年にウルヴァリンの"魂"を送り込み危機の根源を絶とうする。(物語項、オフィシャルサイトより抜粋)

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リブートのようでリブートでない構成。あっという間にねじ伏せられました。うまいなー。で、クイックシルバー(エヴァン・ピーターズ)のウケがめちゃくちゃ高かった。
(小林信彦さん風に言うと)ご贔屓のエレン・ペイジとジェニファー・ローレンスが出ているというだけでも嬉しい。もちろんファスベンダーマカヴォイの輝ける痴話喧嘩にもニマニマ(久々にチェスをするシーンの実は"ホントーは嬉しいんじゃねーの"、というひとコマにもいちいちニマニマできます←その場面になるとクスクス笑いもおきてた!)。そしてウルヴァリンの過去と未来とそこを繋ぐ通過部分の意味にウルウル(しかも、今回は未来から魂"意識"が送られているので身体はヤング(←古っ)、こころは大人なため、いつもとは逆に指導する立場に。
ウルヴァリンといえばセキュリティチェックシーン。
今回も鳴るかなー、と思いつつ、まだ金属化されていないので鳴らない→思わず金属探知ゲートを振り返るウルヴァリン 笑
こんな台詞がラストに。
センチネルとの戦いに決着がつき、ベッドの上で目覚める。
まだはっきりとしない出来事の混濁の中、戻った本拠地「恵まれし子らの学園」でプロフェッサーXに(一瞬、ウルヴァリンの挙動の意味がわからなかったがすぐに全てを読み取って)
「何があったか、知りたいんだ」と聞くウルヴァリンに
「最後に覚えている場面は?」
「溺れたこと」
そして1973年に戻り川から引き上げられるウルヴァリン。
傍らに現れる姿を変えたミスティーク。
1973年以降が書き換えられたことによって今後の展開がすごく楽しみに。
(前作"ファースト・ジェネレーション"は1963年)
お約束のエンドクレジットにつくオマケシーンは紀元前のエジプト。
次回作となる"アポカリプス"?
ラストはまさに同窓会の趣き
「学園」での授業前。
懐かしい顔ぶれが勢揃い。
ジェームズ・マースデンファムケ・ヤンセンがサイクロプス役とジーン・グレイ役でカメオ出演。
音楽はブライアン・シンガー監督作品を多く手がける、もはや盟友とも呼ぶべきジョン・オットマン(John Ottman)
その公式サイト
http://www.johnottman.com/
(WORKから手がけた作品が展観できます。作品によってはiTunesなどで視聴不可なものもありますが、その場合サイト内で一部再生可)
さて世界100カ国以上で『X-MEN:フューチャー&パスト』が同時公開された後、YouTubeで突如驚くほどの再生回数が増えた楽曲が2曲。
ひとつはクイックシルバーがおちゃめに、そして優雅に能力を発揮する(前述通り最もウケたシーンでもあります)時に流れる(聴いている)この曲
Jim CroceTime in a bottle
もう1曲はウルヴァリンが過去と新たに切り開かれた過去によって創られた未来との分岐部分(ベッドの上ですがw←シチュエーションは違う)に流れる、この曲
Roberta FlackThe First Time Ever I Saw Your Face

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メインタイトルデザインは前作に引き続きPrologue FILM
ブライアン・シンガー自身のプロダクションでもある「Bad Hat Harry Productions」の(まさに「ユージュアル・サスペクツ」想起な)モーションロゴも。
そのモーションロゴは前作『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』のタイトルシークエンスを紹介しているページで見られます。(最下段、Main On End. Opening Title. Bad Hat Harry Productions Logo.とリンクが貼られています。なおPC&Macで確認しているためスマホ機種などによっては再生できない場合もあり)
http://prologue.com/media/film/projects/x-men

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映画『X-MEN:フューチャー&パスト』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies.jp/xmen

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2014-05-18

【写真レポ】新世界で『新しき世界』を

大阪・新世界国際劇場で『新しき世界(신세계 新世界 New World)』が上映されているということをTwitterで知り、そんな一期一会な出来事は写真に記録せねば!!!ということで撮影に行ってきました。
そう新世界で『新世界』なのだ!
(上映は5月20日まで)
ここの劇場、基本3本立て連日オールナイト
(いわゆる昔ながらの名画座体裁を残している数少ない映画館)

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この劇場前の自転車も風景のひとつ(?)
手書き看板がイ・ジョンジェ!

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まさに潜入気分が味わえそうな…(コピーも秀逸)

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券売機(入場料は大人1000円!)
建物自体にも趣があり、こちらはサイドから撮影。映画の世界からの地続き感がひしひしと。

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オマケ(通天閣の下に通天閣w)

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2014-05-14

『とらわれて夏(LABOR DAY)』ジェイソン・ライトマン監督、ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン、ガトリング・グリフィス、他

注・内容、台詞に触れています。
とらわれて夏(LABOR DAY)』
ジェイソン・ライトマン監督
ケイト・ウィンスレット
ジョシュ・ブローリン
ガトリング・グリフィス、他

物語・9月初めのレイバーデーの連休が迫るアメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)とその息子である13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じアデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し料理を作りヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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小説未読。
原作者がサリンジャーとの恋の顛末を綴った「ライ麦畑の迷路を抜けて」のジョイス・メイナードであることを後で知る。
作者が本作の日本語版が出版された折に寄せたメッセージを読むとファンタジー的とも称されたロマンティシズムさも理解できるなぁ。
(メッセージ出典) Matogrosso
http://matogrosso.jp/torawarete/torawarete.html
他にニコール・キッドマン主演『誘う女』原作の『誘惑』も。
時間が経過
主人公(ここでの主人公とは?ということを考えると、これは相当上手い手法をとっている)と過ごす"9月の忘れ得ぬ5日間" 観終わった後もそのあとも、しばらくしてからもじわ〜っといろいろ染み入るいい映画でした。
(ちなみに時代設定が80年代中〜後半ということが母親と『ダリル』を映画館に見にいったり、テレビでは『未知との遭遇』を放送、壁には『E.T.』のポスターが貼られていることで判る)
再生されていく話。
実際、3人ともにその語られるべき次元は違えども、こころになんらかの傷を負っている(フランクも過失による、それもかなり同情を得るに価する事情があった上での)
その上でのそれぞれの気遣いが垣間見えるからこその忘れえぬ数日間になっているのだ。
(それは、その後の人生を決定づける)
いい台詞が多数。
・ラスト、警察に取り囲まれ、いよいよ捕まってしまうという、その間際に。
「20年刑期が延びたとしても、あと3日間君と過ごしたい」
・ヘンリー少年が成長した(そして本作の語り部であることが判明する)役をトビー・マグワイアが(それにしてもよく似た子役を見つけたものだ。さらにトビー・マグワイアのことをなるべく伏せた形で宣伝しているのも素晴しい)
フランクが逮捕され、最初は元の父親のもとで生活していたが結局馴染めず母親のところに戻る。
「高校最後の夏、母のキッチンで、初めてパイを焼いた」
そのヘンリーも成人してパイの店を始めることに(フランクから伝授された、あのパイ)。その記事を見つけて手紙を書いてきたフランク(まもなく仮出所だ)
そのフランクの「どこにいるのかがわからないのでは?」といった危惧に。
「すぐ見つかると思う」
(そして、あの数日過ごした家での再会シーンへと)
と、ここまで書いてきて思うのは、キャスティングが至極うまくいった作品ともいえる。
ケイト・ウィンスレットはもちろんのこと、その広場恐怖症に陥っていた母を見守り続け、フランクとの出会いによって(モノローグでも語られていた「愛を失っていた」)母が徐々に女性として徐々に変化していくさまを自身も思春期を迎えときめきを持ちはじめる微妙な時期の少年ヘンリーを演じたガトリング・グリフィス。
それにしてもジョシュ・ブローリンは本作の後にあの「オールド・ボーイ」ハンマー男を演じるわけですから落差たるやスゴイものが…。

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タイトルデザインはジェイソン・ライトマン監督作品を全て手がけてきたGareth Smith & Jenny Lee
「JUNO」や「マイレージマイライフ」の印象的なタイトルシークエンスではなく極めて控えめな本作にふさわしいデザイン。
Smith & Lee Web
(「とらわれて夏」のタイトル部分動画あり)
http://smithleedesign.com/projects/#/labor-day/

映画『とらわれて夏』公式サイト
http://www.torawarete.jp/

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巨大化するものたち『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』と『円谷英二 特撮の軌跡展』

同じ日に見た『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』と『円谷英二 特撮の軌跡展
共通するのは"巨大化するものたち"

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
物語・マッサージに行った父ひろしが、なぜかロボットになって帰ってくる。リモコンで家事をこなす“ロボとーちゃん”にしんのすけは大喜び。しかし、それは日本の父親たちの復権をたくらむ「父ゆれ同盟」の陰謀だった。

Memo
脚本が劇団☆新感線の作家であり近作テレビアニメの傑作『キルラキラ』も手がけた中島かずき。(変身ヒーロー、ロボットものへのオマージュに溢れたものに)
「父ゆれ同盟」と聞いて案の定と思ったとおりの振り付け(「ちちゆれ、ちちゆれ」w)で迫るオヤジ軍団。巨大化したロボットは何故かコロッケによるモノマネ五木ひろしロボ(と、いうか"ウィーン、ガシャ、ガシャ"という音と動きなので「なるほどー」な結果に納得 笑)
巨大ロボひろしバトル設定デザインが湯浅政明。もしかして、しんちゃん大弱点のピーマン拷問の件(くだり)も絵の雰囲気からしてそうだったのかな?

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「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」
公式サイト

http://www.shinchan-movie.com/

さて、もうひとつは全国巡回中の展覧会『円谷英二 特撮の軌跡展

U_man1

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『ウルトラマン』「悪魔ふたたび」回のアボラスとバニラによる国立競技場シーンの実寸再現ジオラマ。うーん、撮影不可なのが残念!!!
あと、科特隊本部のパネル部分の再現やビートルの操縦席(半身)など、もし撮影可能なら間違いなく大人気になったであろうポイントが。
居酒屋と旅館セットを再現したコーナーに流れているテープが面白くて、少し聞き耳たててきいてみると…→「このヒーローが巨大化するんだよ」「えーっ巨大化」のような会話。
もちろん「ウルトラマン」前段階のシナリオ表紙「ベムラー」などの展示も。

既に新宿、京都、大阪展は終了。
7月30日〜8月11日横浜高島屋で巡回展予定
http://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/tsuburaya.html

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『WOOD JOB ! (ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』矢口史靖監督、染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明、他

WOOD JOB ! ~神去なあなあ日常~
矢口史靖監督
三浦しをん原作
出演 : 染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明、優香
柄本明、西田尚美、マキタスポーツ、光石研、他

物語・大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、軽い気持ちで1年間の 林業研修プログラムに参加することに。向かった先は携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず逃げようとする勇気だったが…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Wj

Memo
やー、面白かったなぁ。
矢口監督、今度は林業!?と聞いて、どこにカタルシス(全ての映画やドラマにカタルシスを求めているわけではないがこのタイプの作品にはちょっと期待してしまう)を持ってくるのかと思ったら、そうきましたか 笑
成長物語といえば成長物語なのだが、その成長度合いがめちゃくちゃ逞しくなるのではなくチョビっと、といった感じもよい。(ただ最初の動機が研修募集のパンフレットに写っていた直紀の写真だったという軽〜い気持ちで参加した勇気が徐々にその木に対する人々の真摯な態度にこころ動かされていく気持ちの変化は本作のツボでもあると思います)
長澤まさみ、脚長っ!マキタスポーツ軽トラ荷台似合いすぎw 優香と伊藤英明の(いろいろな意味で特濃ベッタリ熱〜い)夫婦役にビックリ!コメディだけど民話ファンタジー(このエピソードもよかったなぁ)もありラストはまさかの染谷悠太が… 笑 そゆ映画( ´ ▽ ` )ノ
4人の主要役名が勇気、直紀(長澤まさみ)、ヨキ、みき(優香)と名前の最後に「き」(木)がついている←と、いうことに気(木)がついた 笑
で、矢口監督と長澤まさみは同じ双子座生まれになるので組み合わせとしては「スウィング・ガールズ」上野樹里「ウォーターボーイズ」眞鍋かをりと同星座組パターン。(←全く余談になるけど組合せは大事だと常々思ってるのだが…)
そういった意味では制作がフジ・アルタミラからTBS・ジャンゴフィルムへ変わったことも大きな変化なのかもしれない。
それまで、ずっと続いてきた"ある種のパターン"から逸脱しているのだ。
都会のシーンはデジタル、田舎のシーンはフィルムでとわざわざ使い分けて撮影されたとプロダクションノートに。
まあ、その差異がはっきりとわかるのは美杉村の大自然から一年の研修を終え、東京に戻った勇気がいきなり喧騒の中に放り出されて人がバシバシとぶつかってくるところに如実に。
コピーの「少年よ、大木を抱け。」
これはまさしくラストに待ち受ける奇祭シーンでそうなる 笑
その奇祭がいかようなものなのかは観客にも勇気にもわからないまま「まぁまぁ、それは当日のお楽しみ」と隠したまま物語が進んでいくのもよい。
で、待っていたのは大スペクタクル(本当にこんな奇祭が!?って思ってしまった)

※なあなあ → ゆっくりのんびりいこう、まあ落ち着け
※1年後が描かれた『神去なあなあ夜話』も同じ顔ぶれで映画化されたらなぁ、と期待させてくれる仕上がり。そしてエンドクレジット。

映画『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』公式サイト
http://www.woodjob.jp/

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2014-05-09

『ある過去の行方(THE PAST)』アスガル・ファルハディ監督、ベレニス・ベジョ、アリ・モサファ

ある過去の行方
原題 : THE PAST
Le passé

監督は前作『別離』で第84回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアスガー・ファルハディ

物語・4年前に別れた妻マリー(ベレニス・ベジョ)と離婚手続きを行うため、イランから彼女のいるパリへと飛んだアーマド(アリ・モサファ)。かつて妻子と日々 を過ごした家を訪れると、マリーと長女のリュシー(ポリーヌ・ビュルレ)が子連れの男サミール(タハール・ラヒム)と一緒に暮らしていた。マリーとサミールが再婚する予定だと聞かされるものの、彼らの間に漂う異様な空気を感じ取るアーマド。そんな中、マリーと確執のあるリュシーから衝撃の告白をされる。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo
アスガル・ファルハディ監督『ある過去の行方』は前作までの特徴であったハンディカメラではなく、きっちりとした止め画(え)で見せてくれる(ハンディでも撮られているがステディカムタイプで揺れない)。そして例によって会話の中から関係性や出来事を読みとっていくタイプの構成となっている。その日常(夫婦間のことや男女のこと、親子関係など)を描いているにも関わらず、なんというスリリングさ。紡ぎ出されゆく物語タペストリーの巧みさ(最初に見た初ファルハディ監督作品「彼女の消えた浜辺」でうけたインパクトも、まさにこの語り口)。
タイトルバック
ワイパーの動きに合わせてかき消される「THE PAST(Le passé)のタイトル。
空港から始まって車内での会話(「ビフォー・ザ・ミッドナイト」の冒頭15分間延々と続くシーンを思い出す)。
この先何かよからぬ事が起こりそうな不安を帯びた描写、雰囲気が延々と続く。
(空港で迎えに来ているマリーが手を振っているのに気づかないアーマド、降りだした雨、手に怪我しているマリー、そのためのおぼつかない運転、駐車違反になるからと車での移動を余儀なくされリュシーの学校を廻るアーマド、サミールの息子が寝る場所でもめる、果ては、その息子がトウモロコシをナイフでガシガシ削っているだけで冷や冷やしてしまうぐらいどこか異様だ)
場所が自宅旧友のレストランクリーニング店薬局
それらを繋ぐブリッジは車内歩道と監督初のパリでの撮影にもかかわらず、ほとんど限定された場所(インタビューによると意図的にパリっぽくない場所になるように組まれていたとか)。
あとはその中で次第に判ってくる事実、不穏当さの理由。一種の謎解き的な趣を持っていて飽きさせない。
ジレンマ(登場人物たち全てが抱えているものとも言える)
そして、結果としてどちらかを選ばないといけないこととなる。
事の真相が判って娘リュシーに言う台詞
「このまま話さずに一生、悩み続けるか、話すかだ」
ラストショット
果たして昏睡状態からサミールの妻は目覚めたのか、否か(錯覚か)。
どちらにせよ、この先に待っていることは"さらなる物語の始まり"を予感させて映画は終わる。
(このシーン。寝ている妻の手を握るところは画面下に隠して写していない。巧みな計算されたショット。続く、香水をつけて声をかけるサミール、その手のアップでストップ←見ているこちら側にもどちらとも取れるような握り方)

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映画『ある過去の行方』公式サイト
http://www.thepast-movie.jp/

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2014-05-07

フェステイバルホール3階に展示されているピアノ、そして舞台床材

現在の大阪・フェステイバルホール3階に展示されているピアノ。
1971年から1978年の間、メインのピアノとして使用されていたもの。天板を開けたところに1972年に訪れたヴァン・クライバーンのサインが残されています。
他にもウラディーミル・アシュケナージマルタ・アルゲリッチなど錚々たる音楽家の名前が。

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▲▼そして、この展示床材は旧フェステイバルホール(1958-2008)の舞台床材の一部を使用したもの。
何故か床材を見て「おぉぉぉー」と感動してしまったw
(昨年のオープン時などは、さっと見てしまったので床材に気がつかなかった)

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旧フェステイバルホールの"音響の良さの不思議"として、この床材や舞台一番奥のむき出しのコンクリート(全ての奥幕まであげると地下空間的イメージが出てて一部アーティストがそのまま借景として利用していた)、地下にあったリサイクルホール(SABホール)がウーハーの役割をしていたなど諸説(※)あった中のひとつ。
※あくまでも諸説。もちろん現在のホールも国内屈指の音響。

フェスティバルホール
http://www.festivalhall.jp/

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