エットーレ・スコラ監督『あんなに愛しあったのに(C'eravamo Tanto Amati)』(1974年)
『あんなに愛しあったのに』(1974年)
C'eravamo Tanto Amati
エットーレ・スコラ監督
ニーノ・マンフレーディ
ヴィットリオ・ガスマン
ステファノ・サッタ・フロレス
ステファニア・サンドレッリ
エットーレ・スコラ監督作品は「マカロニ」「特別な一日」「BARに灯ともる頃」と好きな映画が多いのだが、その中でもフェバリットな一本。
本作は今挙げた作品より先に撮られた1974年の作品(日本では1990年公開)。
第二次大戦中のレジスタンス仲間アントニオ、ジャンニ、ニコラの3人とルチアーナ(ステファニア・サンドレッリ←『暗殺の森』のあの女優さん)という女性をめぐる30年にわたる物語。
※Memo
●過去はモノクロ、現代(1960年代〜)はカラー。
広場に描かれた絵がモノクロからカラーに変わっていく切り替わりのシーン
●映画的引用が素敵。
ニコラが『自転車泥棒』に衝撃を受けるシーンで実際にその作品映像が使われています。
●フェデリコ・フェリーニ監督やマルチェロ・マストロヤンニ、ヴィットリオ・デシーカ監督本人が出演している。
「甘い生活」撮影中。
あのトレビの泉シーンで(女優となった)ルチアーナとマストロヤンニがチェアに座って会話をしているところへアントニオが偶然出会すという設定。
フェリーニ監督「甘い生活」はモノクロ作品だが、このシーンが本作ではカラーで撮られているところが新鮮。考えて見れば本作撮影時期は10年も経っていないわけだからマストロヤンニ、フェリーニ監督が実際に出演しても違和感がない訳だ。(逆に本作『あんなに愛しあったのに』が公開されてから既に40年近く過ぎていることを考えると、その稀少性、偶然性にあわせて驚く)
●ラストは最初にルチアーナと結ばれたにもかかわらず別の女性と結婚してしまったジャンニがひとり豪邸にいる姿を三人が見て、そのまま立ち去るところで終わっている。
●音楽がイタリア映画においては欠かすことのできない作曲家アルマンド・トロヴァヨーリ。
ほぼ全てのエットーレ・スコラ作品(同じく同監督未DVD化の『ジェラシー』は音楽としてもベストな一作)や『昨日・今日・明日』『黄金の七人』『女性上位時代』など200作以上!
●未ソフト化(VHSのみ過去に出たことはありましたが未DVD、Blue Ray)作品。
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