『ホドロフスキーのDUNE』フランク・パヴィッチ監督 “実現しなかった映画”についての話にもかかわらず見ていて元気になってくるドキュメンタリー。
『ホドロフスキーのDUNE』
監督 : フランク・パヴィッチ
出演 : アレハンドロ・ホドロフスキー
ミシェル・セドゥー、ニコラス・ウィンディング・レフン、他
1975年に企画されるも、撮影を前に頓挫したSF大作、ホドロフスキーの『DUNE』。「映画化不可能」と言われた小説、フランク・ハーバートの「DUNE」を原作に、そうそうたる面子をキャスト・スタッフ(メビウス、H・R・ギーガー、ダン・オバノン、ピンク・フロイド、クリス・フォス、サルバドール・ダリ、オーソン・ウェルズ、ミック・ジャガー)に配し、莫大な予算と、12時間にも及 ぶ上映時間を予定していたというその企画は“映画史上最も有名な実現しなかった映画”と言われ、伝説となっている。(この項目、公式サイトより抜粋)
※Memo
●とにかくホドロフスキー監督がチャーミングでかわいらしい。(すごく若々しい←キネ旬での横尾忠則さんとの対談の中で出てきた再婚相手がミューズとしての一因かも)
1番可笑しかったのは結局頓挫してしまった「DUNE」をデヴィット・リンチ監督が撮ることになり「あー、これは絶対傑作になるに違いない」とがっくりして見にいった際、徐々にウキウキした気分になり最後は嬉しくなった話を嬉々として話すホドロフスキー監督
(要は失敗している、とw)
「彼のような才能のある監督でもうまくいかないことがあるんだ。きっとプロデューサーがよくなかったんだな」
あと、ダグラス・トラブルがタカビーだったと憤慨。
で、バッサリと「彼は技術だけでいい」と。
そして、白羽の矢が立ったのがちょうど「ダークスター」が公開されていたダン・オバノン。
「オバノン」という言いまわし(イントネーション)にも笑った。←このイントネーションは是非、劇場でw
●ピンク・フロイドに会いに行った時の話も面白い。
メンバーに「世界の歴史を変える映画の話してるのにビッグマック食ってる場合か!!」って初対面の相手に言うあたりも
●とにかく会いたいと思ったら初対面であろうがなかろうが、すぐに会いに行くというホドロフスキー監督の行動力。
さらには会った途端に人々を魅了してしまう不思議なパワー(当時も今も口調が変わっていないとしたら、なぜだかある種、噺家のようなイメージをうけた)
段取り云々の小賢しさが全くなくホント、素晴しいです!!
●オーソン・ウェルズ監督『黒い罠』オープニングの長回しが素晴しいと絶賛。
『DUNE』でそれをやってみたい、と。
その『黒い罠』オープニング
Touch of Evil - Opening Scene
http://www.youtube.com/watch?v=E8AXd1ayxrg
絵コンテを元に『DUNE』オープニングが再現される。
寄って寄って寄っていくカメラ。それが延々と続く(これ、実際に撮っていたら技術的な意味も含めて大変な作業だと思うのですが…。だから故、未完であることによる"終わらない完成品"でよかったのかも、とも思う。もちろん見てみたいということにかわりはありませんが)
●監督が飼っている猫が絶妙のタイミングで登場。
(話に割って入るように)
この猫も戦士ですね 笑
●本ドキュメンタリーを監督したフランク・パヴィッチは1973年生まれ。
ちょうど、このおっちゃんたち(失礼m(_ _)m)が映画を企てた辺りでは映画の「え」も知らないわけで、そんな彼だからこその純粋に「こんな企画があったのかー」という思いにかられて撮ったことが項を奏した “実現しなかった映画”についての話にもかかわらず、最後は見ているこっちまでもが元気になってくるドキュメンタリー。
そして、このさらにホドロフスキー監督の新作へもつながっていくという結果までもうみだすこととなる→『リアリティのダンス』へ
▼チラシとは別に作成されたガイドと横尾忠則さんの図録(冒険王)を、ふと思いたって並べてみました(なんという地続き感!)
映画『ホドロフスキーのDUNE』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/dune/
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