« スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、ルーニー・マーラ、エイミー・アダムス、他 | トップページ | 『オール・ユー・ニード・イズ・キル(Edge of Tomorrow)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ、エミリー・ブラント、他 "目覚めたら私を捜して" »

2014-07-03

『ホドロフスキーのDUNE』フランク・パヴィッチ監督 “実現しなかった映画”についての話にもかかわらず見ていて元気になってくるドキュメンタリー。

ホドロフスキーのDUNE
監督 : フランク・パヴィッチ
出演 :
ミシェル・セドゥーニコラス・ウィンディング・レフン、他

1975年に企画されるも、撮影を前に頓挫したSF大作、ホドロフスキーの『DUNE』。「映画化不可能」と言われた小説、フランク・ハーバートの「DUNE」を原作に、そうそうたる面子をキャスト・スタッフ(メビウスH・R・ギーガーダン・オバノンピンク・フロイドクリス・フォスサルバドール・ダリオーソン・ウェルズミック・ジャガー)に配し、莫大な予算と、12時間にも及 ぶ上映時間を予定していたというその企画は“映画史上最も有名な実現しなかった映画”と言われ、伝説となっている。(この項目、公式サイトより抜粋)

Dune1

Dune2

Memo
とにかくホドロフスキー監督がチャーミングでかわいらしい。(すごく若々しい←キネ旬での横尾忠則さんとの対談の中で出てきた再婚相手がミューズとしての一因かも)
1番可笑しかったのは結局頓挫してしまった「DUNE」をデヴィット・リンチ監督が撮ることになり「あー、これは絶対傑作になるに違いない」とがっくりして見にいった際、徐々にウキウキした気分になり最後は嬉しくなった話を嬉々として話すホドロフスキー監督
(要は失敗している、とw)
「彼のような才能のある監督でもうまくいかないことがあるんだ。きっとプロデューサーがよくなかったんだな」
あと、ダグラス・トラブルがタカビーだったと憤慨。
で、バッサリと「彼は技術だけでいい」と。
そして、白羽の矢が立ったのがちょうど「ダークスター」が公開されていたダン・オバノン。
「オバノン」という言いまわし(イントネーション)にも笑った。←このイントネーションは是非、劇場でw
ピンク・フロイドに会いに行った時の話も面白い。
メンバーに「世界の歴史を変える映画の話してるのにビッグマック食ってる場合か!!」って初対面の相手に言うあたりも
とにかく会いたいと思ったら初対面であろうがなかろうが、すぐに会いに行くというホドロフスキー監督の行動力。
さらには会った途端に人々を魅了してしまう不思議なパワー(当時も今も口調が変わっていないとしたら、なぜだかある種、噺家のようなイメージをうけた)
段取り云々の小賢しさが全くなくホント、素晴しいです!!
オーソン・ウェルズ監督『黒い罠』オープニングの長回しが素晴しいと絶賛。
『DUNE』それをやってみたい、と。
その『黒い罠』オープニング
Touch of Evil - Opening Scene

http://www.youtube.com/watch?v=E8AXd1ayxrg
絵コンテを元に『DUNE』オープニングが再現される。
寄って寄って寄っていくカメラ。それが延々と続く(これ、実際に撮っていたら技術的な意味も含めて大変な作業だと思うのですが…。だから故、未完であることによる"終わらない完成品"でよかったのかも、とも思う。もちろん見てみたいということにかわりはありませんが)
監督が飼っている猫が絶妙のタイミングで登場。
(話に割って入るように)
この猫も戦士ですね 笑
本ドキュメンタリーを監督したフランク・パヴィッチは1973年生まれ。
ちょうど、このおっちゃんたち(失礼m(_ _)m)が映画を企てた辺りでは映画の「え」も知らないわけで、そんな彼だからこその純粋に「こんな企画があったのかー」という思いにかられて撮ったことが項を奏した “実現しなかった映画”についての話にもかかわらず、最後は見ているこっちまでもが元気になってくるドキュメンタリー。
そして、このさらにホドロフスキー監督の新作へもつながっていくという結果までもうみだすこととなる→『リアリティのダンス』へ

チラシとは別に作成されたガイドと横尾忠則さんの図録(冒険王)を、ふと思いたって並べてみました(なんという地続き感!)

Dune3

映画『ホドロフスキーのDUNE』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/dune/

|

« スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、ルーニー・マーラ、エイミー・アダムス、他 | トップページ | 『オール・ユー・ニード・イズ・キル(Edge of Tomorrow)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ、エミリー・ブラント、他 "目覚めたら私を捜して" »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ホドロフスキーのDUNE』フランク・パヴィッチ監督 “実現しなかった映画”についての話にもかかわらず見ていて元気になってくるドキュメンタリー。:

» ホドロフスキーのDUNE〜宇宙丸呑みの野望 [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。原題:Jodorowsky's Dune。フランク・パヴィッチ監督アレハンドロ・ホドロフスキー、ミシェル・セドゥ、H・R・ギーガー、クリス・フォス、ニコラス・ウィンディング・レフン ... [続きを読む]

受信: 2014-07-03 23:33

» 『ホドロフスキーのDUNE』 影響は日本に及んだ! [映画のブログ]
 『フラッシュ・ゴードン』と『DUNE』にどんな関わりがあるのか?  私はそこに激しく興味をそそられた。  『エル・トポ』、『ホーリー・マウンテン』と、立て続けに強烈な映画を世に送り出したアレハンドロ・ホドロフスキーが、次に取り組んだSF超大作『DUNE』。未完成でありながら、これほど名高い映画も珍しいだろう。  1979年に『エイリアン』が公開されてからだと思う。奇抜なエイリアン...... [続きを読む]

受信: 2014-07-04 01:23

» 「ホドロフスキーのDUNE」:見果てぬ夢 [大江戸時夫の東京温度]
映画『ホドロフスキーのDUNE』を観て思いだした多くの映画の中で、やはり筆頭に置 [続きを読む]

受信: 2014-07-04 10:07

» 【TIFF_2013】『ホドロフスキーのDUNE』 (2013) / アメリカ [Nice One!! @goo]
原題: Jodorowskys Dune 監督: フランク・パヴィッチ 出演: アレハンドロ・ホドロフスキー 、ミシェル・セイドゥー 、ニコラス・ウィンディング・レフン 、クリス・フォス 、H・R・ギーガー 、ブロンティス・ホドロフスキー 第26回東京国際映画祭『ホ...... [続きを読む]

受信: 2014-07-05 10:40

» ホドロフスキーのDUNE・・・・・評価額1700円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
砂の惑星の狂想曲。 おそらく映画史上最も有名な未完成作品、異才アレハンドロ・ホドロフスキー監督によるSF超大作、「DUNE」のビハインド・ザ・シーンに迫ったドキュメンタリー。 ホドロフスキーのファンだというフランク・パヴィッチ監督は、この幻の映画のプロジェクトがどの様に始まり、どの様に崩壊に追い込まれたのか、そして関わった人々に何を齎したのかを時系列に沿って追ってゆく。 過去にも様...... [続きを読む]

受信: 2014-07-05 21:01

» 『ホドロフスキーのDUNE』をHTC有楽町1で観て、ホドロフスキー親方おもしろだふじき★★★★ [ふじき78の死屍累々映画日記]
五つ星評価で【★★★★予告が誇大広告でないってのが凄い】   ホドロフスキー監督の作られなかった映画『DUNE』のスタッフやキャストとして名前が挙がってる面々が凄い。 ... [続きを読む]

受信: 2014-07-06 22:15

» ホドロフスキーのDUNE/ JODOROWSKYS DUNE [我想一個人映画美的女人blog]
「忘れ得ぬ映像で、見る者に傷を負わせたい」とは、 アレハンドロ・ホドロフスキー監督の名言。 あらゆるものづくりに携わる人々、クリエイターたち必見のドキュメンタリー。 「サンタサングレ 聖なる血」。ホドロフスキー監督自身が「初めて観客のために撮っ...... [続きを読む]

受信: 2014-07-16 01:30

» ホドロフスキーのDUNE [うろうろ日記]
映画館で見ました。 【私の感覚あらすじ】 ホドロフスキーさんが撮れなかったDUN [続きを読む]

受信: 2014-09-23 02:40

» ホドロフスキーのDUNE  監督/フランク・パヴィッチ [西京極 紫の館]
【出演】  アレハンドロ・ホドルフスキー  ミシェル・セイドゥー 【ストーリー】 『ホーリー・マウンテン』などの鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキーが監督を予定していた『DUNE』は、スタッフにメビウスやH・R・ギーガー、キャストにサルバドール・ダリやミック・ジ...... [続きを読む]

受信: 2015-01-16 22:57

« スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、ルーニー・マーラ、エイミー・アダムス、他 | トップページ | 『オール・ユー・ニード・イズ・キル(Edge of Tomorrow)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ、エミリー・ブラント、他 "目覚めたら私を捜して" »