『ジゴロ・イン・ニューヨーク(Fading gigolo)』ジョン・タトゥーロ監督・主演、ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、シャロン・ストーン
注・内容、特に劇中セリフに触れています。
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』
Fading gigolo
脚本・監督・主演 : ジョン・タトゥーロ
ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、
シャロン・ストーン
物語・不況で書店を閉めることになったマレー(ウディ・アレン)は花屋を営む友人フィオラヴァンテ(ジョン・タートゥーロ)をジゴロにして男娼(だんしょう)ビジネスで金を稼ぐことを思い付く。早速友人を説得し開業すると、クールで男前なジゴロは裕福な女性たちにモテモテ。商売は繁盛するがジゴロがある未亡人アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)に恋をしてしまい…
※Memo1
●最初から最後までウディ・アレンが出ずっぱり。そして初めから喋る喋る喋る!
ウディ・アレンが自身の監督作品以外の作品に出演するのは「ヴァージンハンド」以来14年ぶり。まあ、そういうこともあってか嬉々としてウディ・アレンがウディ・アレンを演じています(その上アクティブ!)←素晴しい(?)ピッチング姿も見られます。
・レッドソックス・ネタでケビン・ユーキリスのバッティングフォームを真似て見せるシーンも
・アヴィガルの子供たちと自分の子供たちとで試合をしようということになった時、「そんなことに意味が」とかいろいろ言うアヴィガルの子供らにマレーが
「体にいいぞ」←笑
●ジョン・タトゥーロがユダヤ系のしかも神学校に行っていたという設定自体が「おいおい」とツッコミものですがラテン語やフランス語などを少しだけ話せたりするあたりが怪しいけどちょっと信じてみようかな、とさせるあたりの描き方が上手い。
マレーがポン引きを始めるきっかけとなったセレブな女医役でシャロン・ストーン。なにやら過去作のセルフパロディ的な役回りイメージ。
●笑った台詞、シーン。
・店をたたむことになった書店で本を整理しながらフィオラヴァンテに言うセリフ。
「今では希少な本を買う人が希少だ」
・何故、自分をジゴロに選んだのかという問いに。
「顔じゃないんだ」
「ミック・ジャガーを見ろ。あの口を開けて歌っている姿を。まるでホラーだ」←い、いいのかぁーw
・シャロン・ストーン演ずる女医と電話で話すマレー。
「3人でプレーしたことあるの」
「ニューヨーク大停電の時に」
「何も見えなかったけど」
・マレーのポン引きのことやアヴィガルとフィオラヴァンテの関係などがバレてラビによる審議会の議場で。
その時の弁護士との会話がいちいち面白い。
「もし有罪の場合は…」
「石打ちの刑だ」
「大丈夫。過去何十年も執行されていないから」
あと、審議会にアヴィガルが現れて全てのことを告白した際にいらぬことを喋る弁護士に。
「空気、読めよ」(←ここのタイミングは絶妙なので是非、劇場で)
●本作はある意味、ヴァネッサ・パラディ演ずる高名なラビだった夫を持っていた未亡人アヴィガルのお話でもあります。
戒律のこともあって夫の死後、誰とも肌を触れ合うことが許されず(握手もダメ)地毛を人目に晒すこともNGでずっとウィッグをつける生活を続けてきたアヴィガル。
そんな彼女のこころをときほぐしたのがフィオラヴァンテ。
背中のマッサージをうけながら、それまで耐えてきたものから解放され、こらえきれず涙する。
ショーウィンドウに足を止めて飾られた洋服に見入るやわらかい表情。ときめきが写りこんでいる。
結局、ラストは別れることとなるのだがフィオラヴァンテとの出会いがアヴィガル自身が一歩、前に進みだしたきっかけとなったことは確かなのだから。
●終盤、本編に流れる歌をヴァネッサ・パラディが。
(サントラ11曲目)
Vanessa Paradis
Tu Si Na Cosa Grande
※Memo2
●宣伝デザイン(パンフレットも)は大島依提亜さん。
大きな声で言えないけど(←言ってますが 笑)本国ビジュアルより絶対、本作のちょっとエスプリの効いたユダヤ系フレンチ小噺みたいな物語には、日本版デザインの方がピッタリだと思っておりますです。
イラストは「モンテーニュ通りのカフェ」ポスターや中島さち子TRIO CD「REJOICE」ジャケット、「コララインとボタンの魔女」のコンセプトアートなども手がけられた上杉忠弘さん。
●タイトルデザイナーはDana Schechter
(古い8ミリフィルム想起のオープニングに重なるタイトル)
映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』公式サイト
※ニューヨークロケ地マップあり
http://gigolo.gaga.ne.jp/
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» ジゴロ・イン・ニューヨーク [あーうぃ だにぇっと]
ジゴロ・イン・ニューヨーク@一ツ橋ホール [続きを読む]
受信: 2014-07-13 20:15
» 『ジゴロ・イン・ニューヨーク』 2014年6月30日 一ツ橋ホール [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』 を試写会で鑑賞しました。
上半期最終日のの映画はウッディ・アレンが監督ではなく
主演の映画でした。
シャロン・ストーンまで出てます。
【ストーリー】
不況で店の経営に頭を悩ませていたブルックリンの本屋店主(ウディ・アレン)は、花屋を営む友人(ジョン・タートゥーロ)をジゴロにして男娼(だんしょく)ビジネスで金を稼ぐことを思い付く。早速友人を説得し開業すると、クールで男前なジゴロは裕福な女性たちにモテモテ。商売は繁盛するが、ジゴロがある未亡人(ヴァネッサ・パラディ)... [続きを読む]
受信: 2014-07-13 20:30
» ジゴロ・イン・ニューヨーク / Fading Gigolo [勝手に映画評]
若干、ネタバレあり。
トランスフォーマーシリーズで、謎の諜報機関員を演じていたジョン・タトゥーロが、監督・脚本・主演を演じた、コミカル作品。共演のウディ・アレンがいい味出しています。
本作では監督・脚本・主演と大活躍のジョン・タトゥーロ。上記に記したよ...... [続きを読む]
受信: 2014-07-13 22:21
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [映画好きパパの鑑賞日記]
大人の恋愛コメディーで、ニューヨークを舞台にしゃれた設定もされていましたが、あまりにも現実感がなくて、いま一つ。この手の題材は好き嫌い別れるでしょうね。ウディ・アレンが他人の監督作品でも相変わらずの演技なのは笑ってしまいました。 作品情報 2013…... [続きを読む]
受信: 2014-07-16 06:43
» 「ジゴロ・イン・ニューヨーク」:実に「アレン的」な佳品 [大江戸時夫の東京温度]
映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』は、ジョン・タトゥーロ久々の監督作品=第3作( [続きを読む]
受信: 2014-07-21 22:15
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [とりあえず、コメントです]
ニューヨークを舞台に、ジョン・タトゥーロが監督・脚本・主演をつとめるハートフルなコメディです。 予告編を観て、相棒がウッディ・アレンなんて楽しそう!と気になっていました。 コミカルなテンポの良い展開で、ちょっと可笑しくて切ない物語が描かれていました。 ... [続きを読む]
受信: 2014-07-22 21:25
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [だらだら無気力ブログ!]
ウディ・アレンが出ていると、そこだけウディ映画っぽい。 [続きを読む]
受信: 2014-07-29 21:54
» 『ジゴロ・イン・ニューヨーク』 NYでなくブルックリン [Days of Books, Films]
Fading Gigolo(viewing film) 『ジゴロ・イン・ニューヨ [続きを読む]
受信: 2014-08-09 17:32
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [映画的・絵画的・音楽的]
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』を新宿武蔵野館で見てきました。
(1)監督として大活躍するウディ・アレンが映画出演するというので、遅まきながらも行ってきました。
本作(注1)の舞台はニューヨークのブルックリン。
本作の主人公は、花屋でアルバイトをしてい...... [続きを読む]
受信: 2014-08-13 06:20
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [佐藤秀の徒然幻視録]
タトゥーロとアレンの同窓会
公式サイト。原題:Fading Gigolo。 ジョン・タトゥーロ監督・主演。ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、リーヴ・シュレイバー、シャロン・ストーン、 ... [続きを読む]
受信: 2014-08-14 08:35
» 「ジゴロ・イン・ニューヨーク」 [ここなつ映画レビュー]
大人のファンタジーである。小粋で小洒落ていて、ちょっぴり胸に切ない。結構、「あったら素敵」なオハナシかも。とはいえ、ジョン・タトゥーロとウディ・アレンの魅力で8割はもっている作品。ジョン・タトゥーロが思いの外良かった他はほぼ想定内。そして、「こういう感じ観たいなぁ〜」と思っている人にはまず食あたりはない。簡単なストーリーはこうだ。フィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)とマレー(ウディ・アレン)は旧知の仲。フィオラヴァンテは、代々続けてきた古本屋が、にっちもさっちもいかなくなり、遂に店をたたむことにし... [続きを読む]
受信: 2014-08-15 12:44
» ジゴロ・イン・ニューヨーク [こんな映画見ました〜]
『ジゴロ・イン・ニューヨーク』---FADING GIGOLO---2013年(アメリカ)監督:ジョン・タートゥーロ 出演:ジョン・タートゥーロ 、 ウディ・アレン 、 ヴァネッサ・パラディ 、 リーヴ・シュレイバー 、シャロン・ストーン、 ソフィア・ベルガラ
「バートン・...... [続きを読む]
受信: 2014-08-19 14:19
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不況で経済状態の悪い友人同士の男性2人が金もうけに男娼(だんしょう)ビジネスをスタートしたところ、思わぬ騒動に巻き込まれていくブラックコメディー。監督業でも才能を発揮している『バートン・フィンク』などのジョン・タートゥーロ監督、脚本、出演で、彼の友人で...... [続きを読む]
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14-68.ジゴロ・イン・ニューヨーク■原題:Fading Gigolo■製作年、国:2013年、アメリカ■上映時間:90分■料金:1,100円■鑑賞日:8月14日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)
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受信: 2014-11-03 19:03
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30日のことですが、映画「ジゴロ・イン・ニューヨーク」を鑑賞しました。
試写会にて
潰れそうな店をなんとかするため本屋の店主マレーは花屋を営む友人フィオラヴァンテをジゴロに仕立て上げ、男娼ビジネスを始めようと思いつく。
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受信: 2015-01-14 12:08