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2014-08-31

『マダム・イン・ニューヨーク(ENGLISH VINGLISH)』ガウリ・シンデー監督、シュリーデヴィ主演

マダム・イン・ニューヨーク
ENGLISH VINGLISH
監督 : ガウリ・シンデー
主演 : シュリーデヴィ
アディル・フセイン、メーディ・ネブー
アミターブ・バッチャン、他

物語・ビジネスマンの夫、2人の子供のために日々家事をこなす専業主婦シャシ(シュリーデヴィ)は、家族の中で唯一英語ができないことが悩みだった。ある日親戚の結婚式の手伝いを頼まれ単身渡米するも英語が話せないためつらい思いをする。そんな時「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告を見つけた彼女は、身内に黙って学校に通い始めるが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Miny

Memo
ガウリ・シンディー監督がキネ旬インタビューで「自分がNYが好きなのかウディ・アレンが好きだからNYが好きなのかわからないぐらい 笑」って答えるほどのウディ・アレン監督のファンを公言。
(ウディ・アレンの撮るウォームトーンのNYが好きという人も多いと思うので、このあたりの感覚わかるなぁ)
英語が苦手(読むことはさらに難しく)そのことを夫と娘から見下されて悔しい思いをするシャシ。
「ジャズダンス」を「ジャジィーダンス」と読んで発音して揶揄されたり娘の学校での懇談会でも友だちとその母親と会って挨拶するところでバツが悪い態度を取られたりとさんざん、いろいろと言われる。
映画冒頭インスタントコーヒーを入れるシーン(ドリップなどではなく本当に粉コーヒーを)。それがNYでのカフェでのやり取りへ繋がる。
つたない英語力と注文の仕方もわからないシャシ。
「コーヒー?」「あ、ネスコーヒー?」
結局は周りの人にぶつかってしまい、そのまま店を出てしまう。
ベンチに座り泣いているところへ後の英会話スクールで同じクラスとなるフランス料理シェフが頼んだコーヒーを持ってきて声をかけてくれる(このシェフの恋心がもう一軸のドラマポイント)
"話すように歌う"或いは"歌うように話す"とはよく言われてきたもので主演のシュリデヴィの"歌うように話す"声が心地良い。この声質はとても好み。そして歌とダンスが頻繁に出てくるいわゆるかつてのインド映画とは違う作品なのにどこか音楽的な印象を受けるのは、この声質とリズムからきているのでは?と思った次第。
構成が見事(前半、英語が苦手。夫からも娘からも認められていないシャシ。NYへの機内での全てにおいて不慣れな様子。中盤、NYでの英会話スクールでの授業と次第に自信を取り戻していくシャシ)
そしてラスト、結婚式のシーンでシャシがスピーチを頼まれた際に「妻は英語が苦手なので」と夫が断ろうとしたところを、すっと腕に手をそえて制止し感動的な(そして、言いたいことを伝えた)英語によるスピーチを行う(それは、そのまま卒業試験となる)。
(今まで見てきた)インド映画としては短い部類に入るので約1時間ほどで休憩(INTERVAL表記。日本での上映で実際には休憩は入らずそのまま後半へ繋がる)は早いかもしれないけれど絶妙のタイミング。
英会話スクールに入って先生から自分のやっていたお菓子ラドゥーをつくって周囲に売っていたことを「素晴らしい」「それを英語でアントレプレナーと言うんだ」と初めて認めてもらうこととなる。
そのウキウキした気分で何度も「アントレプレナー」とつぶやきながらスクールを出てNYの街中でダンスのポーズを決めるシャシ。
このスコープサイズ右端にシャシ、左側に「INTERVAL」の文字はとてもいいショット。

映画『マダム・イン・ニューヨーク』公式サイト
http://madame.ayapro.ne.jp/

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