« 『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』クリント・イーストウッド監督 | トップページ | 『誰よりも狙われた男(A MOST WANTED MAN)』ジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督、フィリップ・シーモア・ホフマン »

2014-10-09

『フランシス・ハ (Frances Ha)』ノア・バームバック監督、グレタ・ガーウィグ主演

注・内容、台詞に触れています。
フランシス・ハ
Frances Ha
監督・脚本 : ノア・バームバック
主演・脚本 : グレタ・ガーウィグ

物語・バレエカンパニーの研究生で27歳のフランシス(グレタ・ガーウィグ)は、大学在籍時の親友ソフィー(ミッキー・サムナー)とニューヨークのブルックリンで共同生活をしていた。ある日、彼女は恋人に一緒に暮らそうと誘われるが断り、その後別れることに。ところがソフィーがアパートの契約更新を行わず、引っ越しすると言ったことで…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Fh1

Memo1
グレタ・ガーウィグの身体性のスゴさ!!
噂のデヴィッド・ボウイ『モダンラブ』にのせてのチャイナタウン疾走シーン(約1分弱と思っているより短かったけれどモーションのバリエーションは多々)やキャッシュディスペンサー求めて走って走って走ってお店に飛び込んで、また走って走って、そして転けるシーンなど、唯一無二の動き。("のしのし歩き"の訳には笑ってしまった)
グレタ・ガーウィグは同監督による『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』や『ダムゼル・イン・ディストレス バイオレットの青春セラピー』が共に配信スルーというのも残念な話。(人生は最悪だ!はスター・チャンネルで放映もあったけど、今後のパッケージ化に期待)
モノクロの理由
時代や時間を特定しにくくするために、よく用いられると思うのですが本作の場合は、あえて場所を曖昧にさせることに役立っているみたい。
そう、そこがニューヨークだろうがサンフランシスコだろうがパリだろうが場所や住むところを変えても実のところ、何も変らないのだ。
(何が重要か、フランシスが気づくまでは)
いろいろ台詞
・とにかくじゃれ合う
公園で地下鉄で部屋で、と
いつもピッタリくっついているフランシスとソフィー。
そんなふたりを評してフランシスのセリフ。
「セックスレスの熟年レズビアンカップルみたい」
・地下鉄の中で。
指輪が外れなくて困るフランシスにソフィーが「手を上にあげて血を下げれば取れる」
で、そのポーズのまま。
「私、はてな(クェッション)マーク?」
・2回出てくる台詞
冒頭、すぐにベッドでのシーンで1回
それと後半、フランシスは住所がなくなって私書箱、そして大学の寮住まいとなってしまう。かたやソフィーも幸せな結婚(婚約)のはずがどうもうまくいいかなくなっていてバッタリ出会ったフランシスの寮に夜中、訪ねてくる。
(その時にさんざん婚約者に悪態をつく)
その時にもソフィーがフランシスに、こう言う。
「靴下は脱いでね」
タイトルの『フランシス・ハ』
先述の寮を訪ねてきた(おしかけてきた)ソフィーが朝、出て行くのを裸足で追っかけるフランシス。
で、ふと裸足の足を見る。
(この"地に足付けて"といってるようなショットがいい!)
そして、背伸びをして(意地もあって)断っていた事務の仕事や教室の講師をするフランシスの姿。
最後に新しい部屋が映され、そして!
(タイトルの意味が、直後のシーンで)

Memo2
タイトルデザイナーはSam Lisenco
ロケ地
(下記ロケーションガイドではタイトルカードで出てくるヴァンダーヴィルトやワシントンハイツは掲載されていないみたいですが←ブルックリン周辺で部屋をシェアしていたフランシスが最後に出てくる一人暮らし住所がワシントンハイツというところもリアルな選択だなぁ)
New York Film Locations
http://onthesetofnewyork.com/francesha.html

Fh2

映画『フランシス・ハ』公式サイト
http://francesha-movie.net/

|

« 『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』クリント・イーストウッド監督 | トップページ | 『誰よりも狙われた男(A MOST WANTED MAN)』ジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督、フィリップ・シーモア・ホフマン »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『フランシス・ハ (Frances Ha)』ノア・バームバック監督、グレタ・ガーウィグ主演:

» フランシス・ハ/FRANCES HA [我想一個人映画美的女人blog]
日本ではスルーになるだろうなと思ってたら公開した 「イカとクジラ」の監督&脚本、 「ファンタスティック・MR.FOX」脚本を担当したノア・バームバック監督作品。 スパイク・ジョーンズが「大好きな1本」と評し、 タランティーノは2013年のベストのうちの1本 ...... [続きを読む]

受信: 2014-10-11 22:55

» フランシス・ハ [映画好きパパの鑑賞日記]
 モノクロ、ノースターの地味な作品でありながら、ゴールデングローブ主演女優賞ノミネートなど、話題になった作品。NY在住の等身大の女性を生き生きと描いており、女性受けはするでしょうね。  作品情報 2012年アメリカ映画 監督:ノア・バームバック 出演: グレタ…... [続きを読む]

受信: 2014-10-12 06:54

» 『フランシス・ハ』 モノクロームのNY [Days of Books, Films]
Frances Ha(viewing film) モダン・ダンサー目指して修業中 [続きを読む]

受信: 2014-10-12 20:45

» フランシス・ハ [GARA・・・移動祝祭日]
監督ノア・バームバックって誰だ?と思いきや、あの《イカとクジラ》の監督だという。 なつかしいなぁ〜〜〜、 今回も変なタイトルだ〜、 よし!観に行こう! ということで、観てきました。 おっ、 こいつはモノクロか。 それにしても鮮やかな見栄えのいい映像だ。 ダメ女の一本気な生き方にポンポン引き込まれた。 踊りはヘタクソだったが、街を駆け抜ける姿は爽快だった。 この作品の魅せどころ。 そしてラスト、不思議なタイトルの意味が分かった。 種明かしは御法度です。 音楽が... [続きを読む]

受信: 2014-10-12 21:34

» ショートレビュー「フランシス・ハ・・・・・評価額1700円」 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
ハハハハハハ! 何よりもこの人を食った様な珍妙なタイトルが目を惹く。 試写状が届いた時に、「フランシス・ハ」??これどこの映画?「ハ」ってなに??と幾つもの?マークが頭の中をぐるぐる(笑 配給の人に「ハ」の意味を聞いても、「それは映画を観てのお楽しみ」と教えてくれない。 ならば、と「イカとクジラ」のノア・バームバック監督作品であること以外、全く予備知識を入れずに鑑賞してみたが、い...... [続きを読む]

受信: 2014-10-13 20:28

» 『フランシス・ハ』 (2012) / アメリカ [Nice One!! @goo]
原題: Frances Ha 監督: ノア・バームバック 出演: グレタ・ガーウィグ 、ミッキー・サムナー 、アダム・ドライバー 、マイケル・ゼゲン 、パトリック・ヒューシンガー 鑑賞劇場: ユーロスペース 公式サイトはこちら。 モダンダンサーを目指し、ニューヨ...... [続きを読む]

受信: 2014-10-13 22:50

» フランシス・ハ ★★★ [パピとママ映画のblog]
『イカとクジラ』などで知られるノア・バームバックが監督を務め、自身のホームグラウンドであるニューヨークを舞台にモノクロの映像で描く一風変わった人間ドラマ。不器用な主人公が、彼女を取り巻く個性的な友人たちを巻き込みながら自分探しをする日々を生き生きと映し...... [続きを読む]

受信: 2014-10-30 13:05

» ハ の意味は? [笑う社会人の生活]
13日のことですが、映画「フランシス・ハ」を鑑賞しました。 ブルックリンで親友ソフィーとルームシェアをする27歳の見習いモダンダンサー、フランシス。 ダンサーとして芽が出ず 彼氏とも別れ ソフィーとの同居も解消となり、自分の居場所を探してニューヨーク中を転々...... [続きを読む]

受信: 2015-02-07 20:00

» フランシス・ハ [いやいやえん]
【概略】 モダンダンサーを目指し、親友・ソフィとルームシェアをしていたフランシス。しかし恋人に振られ、ソフィとの同居生活も解消になり…。 ドラマ 人を羨んだらキリがないけど、ふと、他人と比べて自分は…と、ひがみ根性をもったことはないだろうか。 不器用なフランシスは、一言多かったり、ダンサーとしても中途半端で、そんな中ひがみ根性もあり、生活すべてが悪循環している。 親友ソフィと自分、女ってどうしてこう比べたがりなのかわかりませんが、彼女たちふたりの顔つきをみれば、どんな人生を今送... [続きを読む]

受信: 2015-06-04 10:32

» フランシス・ハ [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★【3点】(08) ずっと気になっていた不思議な邦題の意味がこれでスッキリ(笑) [続きを読む]

受信: 2016-01-02 14:25

« 『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』クリント・イーストウッド監督 | トップページ | 『誰よりも狙われた男(A MOST WANTED MAN)』ジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督、フィリップ・シーモア・ホフマン »