『誰よりも狙われた男(A MOST WANTED MAN)』ジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督、フィリップ・シーモア・ホフマン
注・内容に触れています。
『誰よりも狙われた男』
A MOST WANTED MAN
原作 : ジョン・ル・カレ
監督 : アントン・コービン
出演 : フィリップ・シーモア・ホフマン
レイチェル・マクアダムス
ウィレム・デフォー
ロビン・ライト
ニーナ・ホス 、他
※Memo1
●原作既読で鑑賞。
58ページ "職業にスパイ活動しか選べない人々がこの世にいるとしたら、バッハマンはまさにそのひとりだった" そのバッハマンをフィリップ・シーモア・ホフマン(以下P・S・ホフマン)が演じる。
原作はイッサと匿う親子のエピソードや銀行家トミー・ブルー(ウィレム・デフォー)、人権弁護士のアナベル(レイチェル・マクアダムス)のことがもう少し描かれているが2時間の軸の中で、こうまとめるのか、と脚色の(省略の)手際よさもよかったように思う。
そして原作を読んで最も驚いた最後の2ページでほぼ全てひっくり返された、この衝撃を映画はどう描くのかと思っていたら、見事に盛り上げて(音楽がここのシーンだけ違っていてサスペンスフルになる←これは意図的?)途方にくれさせてくれる。
おまけにP・S・ホフマンの、ビックリするFワードの言い回しも見られる(悔しさと怒りとやるせなさといろいろ感情が混じった時の人はこういう所作をみせるものなのか、と)●CIAのマーサ(ロビン・ライト)とバッハマン。
中盤と後半で同じ台詞を言う(正確には反証の意味を込めて)
「世界を平和にすること」
かつて自分の持っていた情報網をつぶされた経緯があるバッハマン。その上での本作ラストはやるせなさすぎる。
●バッハマンの右腕イルナを演じたニーナ・ホスが素晴らしい。なんとなくふたりの間に宿る感情までも視線や動作で伺わせてみせる(カムフラージュのキスシーンの時など)
●公開初日にtwitterでツイートしたけれどバッハマンが本部内で使っているマグカップがムーミンのミイが描かれたものでかわいい(笑)
(ちなみに後半でイルナも同じマグカップを使っていたみたいですが使い回し?笑)
●文字通りフレームから去っていく後ろ姿をタクシー車内から捉えたショットがラストショットとなったP・S・ホフマン。
返す返すも不慮の死が残念だ。
※Memo2
●エンドクレジットで流れた曲はトム・ウェイツ"Hoist That Rag"
●タイトルデザインはTom Hingston.
スコープサイズの左右下部に小さくクレジット(かなり小さく、このパターンは珍しい)が出た後、ロゴタイプによるモーショングラフィックス。
その他手がけられたデザインも掲載されたスタジオニュース
http://www.hingston.net/news/
映画『誰よりも狙われた男』公式サイト
http://www.nerawareta-otoko.jp/
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