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2015-01-29

『ビッグ・アイズ(Big Eyes)』ティム・バートン監督、エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ

注・内容に触れています。
ビッグ・アイズ
(Big Eyes)
監督 : ティム・バートン
出演 : エイミー・アダムスクリストフ・ヴァルツ
テレンス・スタンプ
ジェイソン・シュワルツマン、他

Bigwyws

Memo1
噂通りのクリストフ・ヴァルツ劇場!
で、ちょっと手を叩きたくなるエンドクレジットのエイミー・アダムスと現在のマーガレット(本人)との2ショット!
(いろいろインタビュー記事などを読むとエイミー・アダムスは本人宅に泊まりに行ったりと忠実に演じようとしたのに対してクリストフ・ヴァルツは全く映像なども見ないで自由に演じたとか。その辺がややもすればエキセントリックがちなヴァルツによるウォルター像になっていたのですね)
冒頭、家を出るマーガレット
(回想形式になるのかとおもいきや前夫の家と判る)
車のハンドルを握り後部座席の娘の手を握る。これは最後、ウォルターの元から逃げ出す(このあたりのサスペンスフルな描き方がティム・バートン監督っぽくなくて逆によかった)時にも同じような構図で描かれる。
出色のシーン
キャンベルスープ缶や洗剤などが綺麗に配置されたスーパーマーケット。(それは後のポップアートが席巻する時代を象徴するように)同じものが(複製され)幾つも並んでいる。
そこで、マーガレットはまるで強迫観念のように迫ってくる目の大きな買い物客の幻影を見る。
暴露される絵が描けないウォルター
脅迫されて絵を描かされたと訴えるマーガレット。
「彼はジキルとハイドよ」
とにかく裁判シーンのジタバタ度合いが面白すぎる。
「彼の弁護士像はペリーメイソンだから」
1人で弁護士と被告を演じ行ったり来たり、ジョン・クロフォードや有名人との自慢話をしたりするうちに、ついには裁判長に「茶番劇はいいから」と言われる始末。
「彼の弁護士像はペリーメイソンだから」
最初の頃にキーンの絵を買ったのが当時のオリベッティ社長(連れている女性が絵に惹かれて)というのは本当の話?
あとニューヨーク・タイムズ紙の美術評論家役でテレンス・スタンプや画廊オーナー役でジェイソン・シュワルツマン出演にニヤリ。

Memo2
タイトルデザインはFugitive Studios
数日前にツイート済みですが複製される(印刷される)キーンの絵が映しだされるタイトルシークエンスにかぶさる青い文字。
Studio自身のツイートによるとPhotoshopは使っていなくて全て手描きで作成されたもの。
ラナ・デル・レイの歌( I Can Fly )というか声が流れると空気変わって「おぉっ!」となること多い(「華麗なるギャツビー」「マリフィセント」など)
ボーダーシャツに裾上げパンツルック。当時のステレオタイプなパリイメージ?←感じとしては「巴里のアメリカ人」そのもの。もしくは「おそ松くん」のイヤミをイメージしたり←こちらも「おフランス帰りの〜」と連載当時のフランスイメージだったと推測。
さて、その衣装デザイナーはティム・バートン作品にかかせない、コリーン・アトウッド。『ビッグ・アイズ』と今年のアカデミー賞ノミネート作『イントゥ・ザ・ウッド』についての記事(スケッチ3点あり←そのウォルター衣装も)
http://carpetbagger.blogs.nytimes.com/2015/01/08/clothes-and-character-colleen-atwood-on-into-the-woods-and-big-eyes/?_r=1

映画『ビッグ・アイズ』公式サイト
http://bigeyes.gaga.ne.jp/

ティム・バートンの世界<オフィシャルサイト>
(東京展に続いて2015年2月より大阪でも開催)
http://www.tim-burton.jp/

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2015-01-27

『滝を見にいく』沖田修一監督。"七人のおばさん"或いは"マイナスイオンの洗礼"或いは"とんがりコーンの矢の射す方へ"

滝を見にいく
監督・脚本 : 沖田修一

紅葉を楽しみ、幻の滝を見て、温泉でゆっくりするはずだった…。ガイドとはぐれ(と、いうか、そもそもはガイドが迷ったわけですが 笑)山で迷子になった7人のおばちゃん。果たして無事に帰れるのか、滝は見られるのか…

Taki

Memo
"三人寄れば文殊の知恵"あるいは"七人の侍ならぬ七人のおばさん。この場合、誰が島田勘兵衛か"あるいは"マイナスイオンの洗礼"(←横尾忠則さんの一連の滝を描いた作品の一枚)とか"とんがりコーンの矢の射す方へ"とかいろいろ変なサブタイトルが思い浮かぶ。
外でロケしているのに密室劇的趣のある、とっても不思議な、そしてキャラクター全てが可愛らしい作品。
この七人の描き分けが上手い。
(そして説明ではなく会話や行動の中から性格が浮かび上がる)
すごくおっとりしておとなしいと思っていたら蛇を掴んで追い掛け回したりしてビックリさせられるジュンジュン。オペラをやってるクミ、その友だちクワマン(途中で腰を痛める。なにかと文句を云っている。特にユーミンとそりが合わない)。目印としてとんがりコーンをまきながら(食べながら 笑)ついていく、やや天然ボケ気味のスミスなどなど…
いろいろな台詞
(いちいち面白い)
スミス「3万円も払ったのに来てみたらおばさんばっかりだし」
(先に吐き捨てていた台詞「40越えたらみんなババア」がそのままブーメランとして返ってくる→)「あんた、さっき40越えたら、みんなババアって言ってたじゃない」
夜空を見上げ川の字になって歌う『恋の奴隷』(笑)
(それだけで共感しあう)
目的は「滝を見にいく」ことだったが、道に迷って一晩野宿することになった七人。結果として、やはり「滝は見にいく」のだが、もし道にも迷わずすんなりとガイド通りに観光していたとしたらと思うと、得られたことのほうが多くてよかったよかったというお話。
ラスト。
のんびりと農作業に来ていた人のトラクター荷台に乗って帰っていく姿が清々しい。
『滝を見にいく』を見に行くというツイートをして後で気がついたけれど昨年「ほぼ日刊イトイ新聞」内のコンテンツで同タイトルがありました(下記リンク)。まあ、この文言は普通に使われてるということですね。

ほぼ日刊イトイ新聞
映画「滝を見にいく」を見にいく。
(監督対談編とロケ地レポート編)
https://www.1101.com/takimini/index.html

映画『滝を見にいく』公式サイト
http://takimini.jp/

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2015-01-15

『薄氷の殺人(白日焰火:Black Coal, Thin Ice)』ディアオ・イーナン監督、リャオ・ファン、グイ・ルンメイ

注・内容、犯人に触れています。
薄氷の殺人
(白日焰火:Black Coal, Thin Ice)
監督 : ディアオ・イーナン
出演 : リャオ・ファングイ・ルンメイ
ワン・シュエビン、他

物語・中国・華北地方で切断された死体の断片が次々に発見され、刑事ジャン(リャオ・ファン)が捜査に当たるが、容疑者の兄弟が逮捕時に射殺されたため詳細は誰にもわからなくなってしまう。5年後、しがない警備員となっていたジャンは以前の事件と手口が類似した猟奇殺人が発生したことを知り、独自に調査を開始。 やがて、被害者たちはいずれもウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と近しい関係だったことを突き止めるが…(DarkRed部分、シネマトゥデイより抜粋)

0115

Memo
いろいろなところで目にする日本語タイトル「薄氷の殺人」よりは原題の方がよかったのでは?説。
「白日焰火」"白昼の花火"は直接的に事件と結びつくクラブの名前とラストでの文字通りウーに向けての花火とのダブルミーニングとしてよかったかし、英語タイトル「Black Coal, Thin Ice」も石炭の黒と氷の白をイメージさせてしっくりしているなぁ、と感じた。
ただ、この映画の不思議な雰囲気(※)は全てのタイトルを混ぜてイメージすることが1番ピッタリとする。
※フィルム・ノワールというよりはファム・ファタールもの(正確にはこれも違うかもしれないが)といちいちエクスキューズしたくなるという意味でも。
フィックスショット、移動撮影のテンポ、影の捉え方、色彩設計(カラコレ)、フォーカスの合わせ方、と、もういろいろと好み。
さらには印象的なシーンとなっているスケート場シーン。
ウーのリンクから逸れた横道を滑っていくシャーシャーというスケート靴の音、最強の音響設備で聞いてみたい。
遠くに聞こえる風の音も。
ひんやりとした空気を残してのカラコレで好みなのはフィンチャー作品全般なのだけれども本作、もう、これ相当のものです。
スターダストもきらきらと写る夜のスケート場での絶対Yellowをしっかりと残して暗部は潰さないとか、冒頭いきなりの銃撃シーンの舞台となる美容室の派手な色合いや、クラブ"白昼の花火"のそのまま写せばけばけばしいものとなる照明のネオンサインをどの程度まで残すかとか元同僚と疑わしきウーを車で尾行するシーンの空気感とか。
時間経過(1999年→2004年)を表す、トンネルのシーン。
夏の場面から抜け出た場所は雪降り積もるトンネルの出口。
こういう表現手法も好み。
そして2004年に入ってからは、ウーと会うほとんどが夜間シーンというところも素晴らしい。そういうことがあっての、ラスト澄み切った空への白昼の花火となるわけだ。

ジャンが冒頭でみせた、まさに離婚の瞬間、駅での粗野な行動とそのあとの死体発見現場での投げやりな態度。結局容疑者と同僚を亡くしてしまう不注意な美容室シーン。そういった部分(行動原理、性格)がラストでも唐突なダンスホールでの(半ばヤケ気味)ダンスや伝えきれないウーへの感情、そして昼間の屋上花火打ち上げなどに繋がっていると思うのだが?(はっきりと言い切っていないので、いろいろ取り方はあると思いますが…)
グイ・ルンメイ演じるウー・ジージェン。
1999年。ウーを庇って身代わりとなり死体(クリーニングされた革のジャンパーが傷んでいるといちゃもんをつけてウーに迫った"白昼の花火"オーナーの夫が実際の死体)と入れ替わった、夫リアン・ジージェン。
その後も遠くから彼女に近づくものを始末していたリアン。
その逃れられない関係性(呪縛)から解き放たれたいという想いもどこかにあったのでは?と思わせられる行動原理(観覧車でのシーンなど。これまた、はっきりと言い切っていないので、いろいろ取り方はあると思いますが…概ね、そういうことだと解釈しました)。

『薄氷の殺人』公式サイト
http://www.thin-ice-murder.com/


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『舞妓はレディ』周防正行監督、上白石萌音、長谷川博己、富司純子、他

舞妓はレディ
監督・脚本 : 周防正行
出演 : 上白石萌音長谷川博己富司純子、他

Maiko

Memo
いわゆるマイ・フェア・レディものとして重要なビフォーアフター落差。
太い眉毛、赤い頬、オーバーオールにミックス方言。エッ!?ホントにこの娘が舞妓さんに?と、思わせての大化け具合。演じた上白石萌音が評判通りの素晴らしさ。
♪まーいこぉーはレーディーという歌詞にメロディが耳に残る驚きのミュージカル(ミュージカルシーンは最初の「私の夢」からはじまって全部で14)
その中には↓
京都といえば、かつての撮影所王国。
そこに(小春が入った)老舗のお茶屋・万寿楽の女将、千春(富司純子)と往年の映画スター(妻夫木聡)との恋という魅惑的なエピソードも描かれて楽しい。
常連・竹中直人が演じる舞妓の身の回りなどのお世話をする男衆(おとこし)役。
台詞のなかに粋さがちらほら。
「着付けやない」
「触っただけでわからんとな」
岸部一徳演ずる老舗呉服問屋←ピッタリw
本作、肝とも言うべきこんな台詞
「なあ小春。
舞妓に1番大事なのは何やわかるか」
「なんどすか?」
「それは若さや。
ただの若さやない。一所懸命の若さや。
そこにお客は人生の春を見るんや」
ほのかな恋愛要素はもっと描いたほうがよかったのか、どうかは好みの分かれるところ。(個人的にはこのさらっとした感じは好み)
最後の最後に小春に言わせた台詞に集約
「うち、やっぱりセンセのことが大好きえ」
下八軒を再現したオープンセットが豪華。
ロケ地は京都市:京都府庁旧本館、知恩院 三門、西陣・くらしの美術館 冨田屋、上七軒歌舞練場、北野天満宮、元・立誠小学校、清水寺、随心院、平安神宮神苑泰平閣、銀閣寺など
タイトルデザインは赤松陽構造
最近はエンドクレジットに題字タイトルなどの表記されることが多いので目にされることも多いのでは?近作は「バンクーバーの朝日」
昨年(2014年)フィルムセンターでの展覧会が開催(←と、いうことで全国巡回展希望!)

映画『舞妓はレディ』公式サイト
http://www.maiko-lady.jp/

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2015-01-01

NEW YEAR 2015 & 2014_BEST MOVIE (お気に入り洋画・日本映画)

New2015

2014年_洋画・日本映画ベスト10

Is1_2014

2014年_洋画お気に入りベスト10
インターステラー
② ゴーン・ガール
③ ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
④ 6才のボクが、大人になるまで
⑤ エレニの帰郷
⑥ グランド・ブダペスト・ホテル
⑦ her/世界でひとつの彼女
⑧ フランシス・ハ
⑨ ジャージー・ボーイズ
⑩ ブルージャスミン
次点・ オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主

Mon_2014

2014年_日本映画お気に入りベスト10
紙の月
② 野のなななのか
③ WOOD JOB ! ~神去なあなあ日常~
④ 舞妓はレディ
⑤ 小さいおうち
⑥ Seventh Code : セブンスコード
⑦ るろうに剣心 京都大火編
⑧ そこのみにて光り輝く
⑨ ニシノユキヒコの恋と冒険
⑩ 0.5ミリ
次点・ 超能力研究部の3人

洋画1〜3位はワンセットで別もの(見た次点で冷静に選べなくなるような強度の高さがあって、すぐに2回目を見にいった作品)。年数が経ったときにどういう評価にするのかが楽しみという意味も込めて、あえてセットでベスト3に。逆に(別物という意味で)この3作を全て外した場合、そのまま繰り上げて『6才のボクが、大人になるまで』が1位。8〜10位に『アバウトタイム』『誰よりも狙われた男』『家族の灯り』を。

洋画次点の『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』新年早々に見たにもかかわらず時間が経っても「なんだか、よかったなぁ〜」という気分が残っていて印象的。
(これは昨年の『恋のときめき乱気流』にあたる感じ)

ウディ・アレン監督は撮るだけでベストテンに入れるので4月11日公開の『マジック・イン・ムーンライト』はどこよりも早く既に2015年ベストテン決定!←エマ・ストーンとウディ・アレンの組合せだけで嬉しい(既に同じエマ・ストーンとホアキン・フェニックスとの次回作もポスプロ段階に入っていて、これも公開期待)

日本映画のベストテン中、大林宣彦監督と山田洋次監督は新作があればベストテンに選んでいるなぁ^^)
(ちなみに観る前から好みの作品だと思われる『滝を見にいく』『百円の恋』は2014年末の時点で未見)

『舞妓はレディ』いわゆるマイ・フェア・レディものとして重要なビフォーアフター落差。太い眉毛、赤い頬、オーバーオールにミックス方言。エッ!?ホントにこの娘が舞妓さんに?と、思わせての大化け具合。演じた上白石萌音が評判通りの素晴らしさ。
『るろうに剣心 京都大火編』三部作は"中間作に傑作多し"と言われるとおり本作もめちゃくちゃ面白かった(『SW帝国の逆襲』を劇場で初めて見た時の「エェーッハン・ソロはー!?」と思った時と似た気分だった。ここで福山師匠が…。)

2014年soundtrack御三家
twitterで一瞬登場したサントラ盤を持つアイコンシリーズからベスト3を。

Soundtrack2014

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