『アメリカン・スナイパー(AMERICAN SNIPER)』クリント・イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー
注・内容、台詞にふれています。
『アメリカン・スナイパー』
AMERICAN SNIPER
監督 : クリント・イーストウッド
物語・イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した妻タヤ(シエナ・ミラー)や子供たちを思いながらスコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに派遣された彼は心に深い傷を負ってしまう。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●あらゆるカットやシーンの引き際の潔さがそのまま本編全体を貫いている。
●カイルの父親の台詞。
(カイルの素養はやはり、この父親とテキサスという土地、風土がもたらすものだということが冒頭の20分ほどで描かれる)
・「世の中には3種類の人間しかいない」
「羊と狼と番犬だ。」
「この家に羊は必要ない」
・弟がいじめられているシーン
「お前は弟を助けたのか?」
うなづくカイル。
「それならばお前は番犬だ」
・鹿狩りに出かけた際、急いで仕留めた鹿に近寄る子供時代のカイル。
ポンとライフルを置く。
「ライフルを地面に置くな」
この言葉は終盤、カイルがイラク派兵から帰る決意をする日(イラク側のスナイパーとの決着の日←こちらが、もうひとつのストーリー上の軸)のシーンに繋がる。
どんな時にも手放さなかった銃を初めて、砂塵の中に置き脱出する場面に。
●カイルの妻、タヤとの出会いから結婚式までのシーンの積み重ねがロマンチストらしいイーストウッド監督ならでは。
酒場での出会いからシールズ訓練中の電話(のちに戦闘中での電話とも繋がるポイント)、デート(射的で取ったテディベアのぬいぐるみを肩車してタヤと歩く姿)、結婚式とさらっと描く。
実際、最後まで軸となるのはカイルとタヤである。
何回もイラク派兵に行き、戻るたびに緊張状態が解けずに心に傷をうけているカイルに対しタヤ。
「心も戻ってきて」
・そして最後には支えもあり、徐々に普通の生活に戻ってきた矢先に…。
●2013年2月2日
ドアが閉まる隙間からタヤの眼差し。
まるで目を閉じるかのように静かにフェードアウト。
そして"クリス・カイルはその日、元海兵隊員により殺害された"と字幕。
続いての実際の葬儀や葬列シーンで流れる曲がエンニオ・モリコーネによる哀切感溢れる「Funeral」
さらに無音で流されるエンドロール
このあたりに"実際に起った出来事"に対してのイーストウッド監督ならではのスタンスが伺える。
●カイルの妻、タヤを演じたシエナ・ミラー。
初めてカイルと出会うお店の時とその後の表情が全然違う。特にアイメイクで変化を付けていると思いますがさすが、かつてウォーホルのアイコン、イーディを演じただけのことはある。
そう言えば前述、フォックスキャッチャーでも殺されてしまうデイヴの妻を演じていて偶然とはいえ似た役回りを演じたこととなってる。
※Memo2
●それにしてもイーストウッド監督。
80歳を超えて一年で2本新作を完成させるパワー、しかも本作はモロッコまででかけてスケジュール通りに撮影して帰ってくる凄さ。
こちらはメイキング映像
American Sniper: Behind the Scenes
https://www.youtube.com/watch?v=vpjsy5KADU8&app=desktop
●タイトルデザインは前作『ジャージー・ボーイズ』に続いて90年の歴史を持つPacific Title.「許されざる者」「ペイルライダー」他、イーストウッド監督の多くの作品を手がけている。
Pacific Title Art Studio
公式Facebook
https://www.facebook.com/PacificTitleArtStudio
映画『アメリカン・スナイパー』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/
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