『はじまりのうた (Begin Again)』ジョン・カーニー監督、キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、他出演 "路上の音楽"
注・内容、台詞に触れています。
『はじまりのうた』
(Begin Again)
監督・脚本 : ジョン・カーニー
物語・ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにしたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚。部屋を出たグレタは旧友の売れないミュージシャン、スティーヴ(ジェームズ・コーデン)の家に居候し、彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられるが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●いわゆるミュージシャンやメンバー集め系映画は大の好物なので、その意味でも(もちろん音楽映画としても) もー、これは最高です。
ちなみにメンバー集め系映画→『ザ・コミットメンツ』や『ブルース・ブラザーズ』『七人の侍』『ホットロック』(←既に集まってるけれど、話の都度集合ということで)最近だと『グランドイリュージョン』など
●いきなり歌から始まるオープニングシーンが素晴らしい。
気が乗らないグレタを無理やりステージに上げるスティーヴ。
そして、歌。
遡って自らが立ち上げた音楽レーベル会社を追い出されたダンのシークエンス。
酔っ払ってヨレヨレになり地下鉄に飛び込もうとしている(しかし、後続の地下鉄がトラブルで20分来ない)
仕方なく(冒頭のグレタが唄った)バーに入る。
そこで、グレタの曲を聴いたときに閃きが走る。
拍手してブラボーと近寄る客。
(最初、そのお客かな、と思いきや、実はそのひとり後ろから近づいていくのがダン)
この描き方のテンポはラストまで続く。
●最良の音楽映画たる最良のキャスティング。
デイヴ役のアダム・レヴィーンはマルーン5のボーカリストだったり『ワンチャンス』でポール・ボッツを演じたジェームズ・コーデンが路上レコーディングにおいての重要な役割、そしてグレタの良き友人スティーヴ役だったりと小さじ少々なアイロニーが加味された(と、思うキャスティング)
もちろん(変幻自在)マーク・ラファロは本作でもヨレヨレだけどカッコイイという、まー、この人でないと収まりがつかないぐらいにピッタリのプロデューサー役。
キーラ・ナイトレイのキャスティングを聞いたときは「!?」と思ったけれど、本作が成立する上で、この声といい意味での(アマチュアではないけど)アマチュアリズムが残った感、そしてもちろん演技含めて、見事なアンサンブルを醸しだすこととなってていいなぁー。
●監督がインタビューで答えているとおり、本作はニューヨークへのラブレターでもあります。
そのニューヨーク路上レコーディングを観客はグレタやダンらと共に味わっていけるという高揚感。(ロケ場所が知られたる有名な場所多々)
そして、その場で遊んでいた子供をコーラスに参加させたり、ぎくしゃくしていた家族をも巻き込んでいく。
●いろいろな台詞
・ダンがグレタに
「好きなミュージシャンは?」
「ディラン」
そのあと、少しやりとりがあって売れることへの異議や変わる変わらないみたいな話になって
「それこそディランこそ世の中に合わせていってる。」
「10年毎に髪型とサングラスを変えるし」
・メジャデビューアルバムが完成して再会するデイヴとグレタ。
「アルバムタイトルは?」
「オン・ザ・ロード」
「ケルアックの小説みたい」
「ダサいだろ」
「そんなことはないわ。小説も売れたし」
●「レーベルなんてラララ~」と拓郎さんの「人間なんて」メロディで歌ってしまいたくなるほど音楽業界やレーベル至上主義的なものへの、ちょっとしたアイロニーが含まれているところが面白い(先述のキャステイング含めて)。
ラスト。
エンドクレジットに被さった形でレーベル契約をやめて、1ドル配信でインディーズとして世に送り出すシーン。
はじまりのはじまりを感じさせてエンド。
※Memo2
●『はじまりのうた』ニューヨークロケ地ガイド
(映画シーンと該当ロケ地の写真が掲載されています。公式サイトのマップとは別でダンのアパートやラスト、ダンとグレタが「じゃあ、また」と別れるシーンが撮られた場所までおさえているので、またすぐに見たくなる見たくなる)
New York Film Locations
http://onthesetofnewyork.com/beginagain.html
映画『はじまりのうた』公式サイト
http://hajimarinouta.com/
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