『繕い裁つ人』三島有紀子監督、中谷美紀主演
『繕い裁つ人』
原作 : 池辺葵
監督 : 三島有紀子
物語・市江(中谷美紀)は祖母が始めた洋裁店を継ぎ、町の仕立て屋の2代目店主として日々年季の入ったミシンの前に座っている。彼女が職人技を駆使して丁寧に仕立てる洋服は依頼人たちを喜ばせていた。職人気質の市江はブランド化の依頼にも目もくれず、その服に袖を通すたった一人のためだけのオーダーメイド服を縫うだけで幸せだったが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●印象に残ったシーン
中田(奥野匡)が市江にお直しを頼むスーツ。
「最初よりも随分と詰めていてるのですよ」
型紙に記載された日付
1962年から始まり、何年か毎に少しずつ詰められていくのが判る。
(一着のオーダーメイドスーツを何回もお直しを入れて着続けている)
●ロケ地が神戸ということで馴染みの場所も多々。
藤井(三浦貴大)が務めているデパートが神戸大丸。
橋本(伊武雅刀)のテーラー前の通りもその近くかな?、と推測。
喫茶サンパウロで市江が食べているホールケーキ、早速調べてみたら実際、お店はあっても(山本通から少し入ったところですぐ判る場所)、さすがにあのホールケーキはありませんでした 笑 残念!
あと、南洋裁店の外観として撮影されたのが、よく見つけたなぁといった趣(おもむき)の旧平賀邸(兵庫県川西市)
●台詞
ブランド化したいという藤井と担当部署(責任者)との会話。
「買うのに迷うスキを与えない感じ。きっとご本人も素敵な人なんでしょうね」
「いや。頑固じじいって感じですよ」
●圧倒的存在感をみせるミシン
(窓から陽光射す部屋の中央に鎮座している)
それは、まさに市江のスタンスの象徴でもある。
物語が進むにつれ、いつの間にか重い鎧をつけていたのでは?と思うようになり、終盤
そのミシンの場所が移されて中央に大きなテーブルを置き模様替えをするシーン。
それはまさに、市江のこころの変化でもある。
●ハンマースホイ「室内、ストランゲーゼ25番地」の絵画がモチーフとなった仕事場、そして仕事服とのこと。(←パンフレット記載のインタビュー記事による)
なるほど!絵画写真を見るとまさに南洋裁店!
●衣装デザインは伊藤佐智子。
やはり本作、肝である数多くの衣装。
セルリアンブルーでも光のあたり具合でかなり印象の変わる市江の仕事服。
(普段着ているパジャマ姿との落差が 笑)
レース部分をあしらった藤井の妹が着るウェディングドレスやゆきの母が着ていた服(70年代的)のリメイクなど市江が実際にそうするだろうなぁといった服が各エピソード共にシーン、シーンを紡いでいる。
●パンフレットデザインは大島依提亜/中山隼人
外側(表1と4)に洋服型紙、中に前述ゆきの母親が着ていた服柄(インド風)にキャスト、スタッフ、そしてさらに中側が本文部分といった構造。
本文部分も充実!
(記事内敬称略)
映画「繕い裁つ人」公式サイト
http://tsukuroi.gaga.ne.jp/
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なんだか、この感性、こだわりや、展開。ファンタジー要素が、少女漫画の世界だなぁ、と感じてたら、本当に原作は池辺葵の同名コミック、だったのですね。
美術さんに、ロケ地、衣装と、ディテールにこだりようがハンパでなく、そのあたりの好みに賛否両論あったみたいですが、私は好きでした。
とにかく、中谷美紀が、とても美しかったし、今をときめく黒木華まで出てる!
他のキャスティングも渋く、三浦貴大、片桐はいり、杉咲花、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子らと贅沢です。
とても雰囲気があり、画面の隅々... [続きを読む]
受信: 2016-04-14 09:30