『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、マイケル・キートン、エマ・ストーン、エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、ザック・ガリフィナーキス、他
注・内容、台詞、ラストについて触れています。
『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
監督 : アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演 : マイケル・キートン、エマ・ストーン、
エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、
ザック・ガリフィナーキス、他
物語・かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみリーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め…
※Memo1
●「バットマン」を演じたマイケル・キートンが、かつてヒーロー"バードマン"だった主人公リーガンを演じる。
エドワード・ノートンは『ハルク』
ナオミ・ワッツは『マルホランド・ドライブ』で役者に憧れ(『キングコング』にも出てた!)
そしてエマ・ストーンは『アメイジングスパイダーマン』に、と逆説的批評性はキャスティングから内容にいたるまでが微に入り細に入り繰り広げられる。
冒頭直ぐにこんな台詞
(代役が必要になって探す段になってプロデューサーのジェイクとの会話←ザック・ガリフィナーキスがいつもとは違った印象の役回りで好演!)
「ウディ・ハレルソンは?」
「ハンガーゲーム撮影中」
「マイケル・ファスベンダー」
「X-MEN撮影中」
「ジェレミー・レナー」
「誰?」
「"ハートロッカー"の」
「アベンジャーズを」
「あいつまでもか」
と、ことごとくダメ。
最後は楽屋でインタビューを受けているロバート・ダウニーJrがテレビに映ってアイアンマンとアベンジャーズの続編について語っている姿が 笑
●"白いブリーフは似合わない"
と、いうかめちゃくちゃ似合っている(と、言うと失礼か)。プレビュー最終日、ラストシーンを前に通りに出たところをガウンが挟まった上にオートロックがかかってしまい劇場に戻ることが出来なくなる。
仕方なくガウンを諦め、パンツ一丁になってメインストリートに出て表玄関から劇場に入ることとなる。
「バードマン?」「バードマンだ」
道行く人々がスマホで写真、動画をバシバシと撮る。
(これが功を奏して一躍時の人に。しかし、プレビュー公演はパンツ一丁で客席から入っていくことに…)
そのあとのニューヨーク・タイムズの批評家との会話(リーガンがぶちまける台詞「レッテルを貼るだけだ」など批評に対してボロクソに)、明けて酔いつぶれて目を覚ますリーガン、ついにはバードマンそのものが…。
(あ、白パンツとは別でエドワード・ノートンのまるで志村けんさんのコントのような白タイツも強烈ですが 笑)
●エマ・ストーン演じる娘、サム。
施設でやらされたというトイレットペーパーにひたすら棒を記入する。
(彼女にとって、父リーガンがFacebookもtwitterもYouTubeもやらずにズレていることがたまらなく嫌なのがわかってくる伏線があっての前述、プレビュー最終日後のリーガンとの会話の台詞がよい→「人類誕生から今までがたったこれだけ」「いかにちっぽけかがわかる」「これがネットの力よ」)
この楽屋での少し理解し合えるシーンがとてもよい。
(それはそのままラストにも繋がる)
●ラスト
(一応、生きているという前提で以下)
リーガンがそれこそ"無知がもたらす予期せぬ奇跡"によって(鼻をとばすが…)公演は大成功。批評も好評。
入院したベットで目を覚まし、周囲の人たちやサムと会話。
マスクのような包帯(まるでバードマン)を外し、
見上げる空には!
そして花瓶に水を入れに外に出ていたサムが病室に戻るとリーガンがいない。
(!?飛び降り?)
窓の下を見て、空を見上げるサム。
見たものは
暗転して笑い声でエンド。
(このいかようにも取れる終わり方は最強だ。何故だか、変に力が湧いてくるのは何故だろう?
傑作!)
※Memo2
●エマニュエル・ルベツキによるまるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワーク。
(これは現実と幻想が切れ目なく地続きで描かれている本作にピッタリ。おそらくは監督からの要望もそういうことだったのかな?と推測)
さらにはブロードウェイの劇場とその周りの風景含めての空気(暮れてゆく、或いは明けてゆく時の流れ)まで捉えていて、なんとも魅惑的な撮影。そこをドラムのビートがいざなうように動いていくカメラ、視点。
(サムが劇場屋上で腰掛けて通りを見下ろしているあたりの色合いといい空気といい、最高です)
●前述のそのドラム、アントニオ・サンチェスによる音楽が同じく切れ目のない浮遊感を保ち続ける。
(これまた、いつの間にかリーガンの心情と呼応するようになっていく感じが圧巻)
●Main Title Design はBLT Communication,LLC
(主にKeyArt含め膨大な量のアートワークの数々を製作)
http://bltcommunications.com/Home/
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/birdman/
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