『娘と私』堀川弘通監督、獅子文六原作、原節子、山村聰、星由里子、杉村春子、他
『娘と私』
原作:獅子文六
監督:堀川弘通
出演 : 山村聰、星由里子
原節子、杉村春子、他
物語・フランス人の先妻エレーヌ(フランソワーズ・モレシャン)との間のあいだに生まれた一人娘・麻里(星由里子)と小説家である"私"岩谷士郎(山村聰)。そして後妻としてやってくる千鶴子(原節子)との戦前から戦後にかけての家族の物語。
(原作はラジオドラマの後、朝のNHK連続テレビ小説第1作となっている)
※Memo
●原節子の(引退作「忠臣蔵」はほんの少ししか出ていないので)事実上ラスト。
後妻でやってきたばかりの時と終盤での話し言葉が違っていることに気づいた(←細かい!)
初めは「わたくし」と随分控えめな振舞いと言葉遣い、印象も暗め(老けメイク)だったのが、後半、岩谷が小説家として成功をおさめ、家を建てようかというあたりでは若返っているようにも見える雰囲気に。
そして着物の柄の変化。
山村聰が娘と話しながらお裁縫(と、いうなんとも微笑ましいシーン)や杉村春子の出てくるだけでニンマリさせるコメディエンヌぶりや時代に応じて変化する風俗描写など、いろいろ楽しい。
(音楽がやや重めのメロディラインが「?」なのだが…)
●星由里子が女学院生になってから以降の娘役。
すごくさっぱりとした父と娘の会話が、とてもよい(当時は、こういったタイプを「現代っ子」って呼んでたのかなぁ??)
これは子供の時から。
(全寮制のミッションスクールに入る際の会話)
寂しくないか?の問いかけ。
「麻里は大丈夫か」
「へっちゃらさ」
「へっちゃらか」
●娘・麻里の結婚相手、外務省の山崎役が山崎努でビックリ。しかも山村聰とふたりでキャッチボールしてるしw(そして投げる球が早い!)
●最近復刊ブームの獅子文六。再発見のはじまりは『コーヒーと恋愛』
(曽我部恵一による帯文がさらに人気を)
で、思ったのが「獅子文六原作・特集上映」って、どこか企画してくれないかなぁ。
川島雄三監督『箱根山』『特急にっぽん』(←原作タイトル『七時間半』←最近、復刊されました)『てんやわんや』『やっさもっさ』『バナナ』(←全て渋谷実監督)『夫婦百景』『続・夫婦百景』(井上梅次監督)『大番』(シリーズ4作)、そして本作『娘と私』
●朝の連続テレビ小説映像
「NHK名作選 みのがしなつかし」に4分24秒のダイジェスト映像が。
(結婚式のシーン、ラストのパリへ旅立つ麻里を見送るシーン)
http://cgi2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010085_00000
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