『トゥモローランド(TOMORROWLAND)』ブラッド・バード監督、ジョージ・クルーニー、ブリット・ロバートソン ラフィー・キャシディ、他
注・内容に触れています。
『トゥモローランド』
TOMORROWLAND
監督 : ブラッド・バード
出演 : ジョージ・クルーニー、ブリット・ロバートソン
ラフィー・キャシディ、ヒュー・ローリー、他
物語 :17歳のケイシー(ブリット・ロバートソン)が見覚えのないピンバッジに触ると、自分が思い描いた別世界へと入り込んだ。バッテリー切れで現実の世界に戻ってきた彼女の前に、不思議な少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が現れる。そしてケイシーにトゥモローランドに戻りたいのなら、フランク(ジョージ・クルーニー)という男性を訪ねるよう助言する。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●いったい、いつからピカピカの都市、流線型デザインの明るさに満ちあふれた未来をイメージしなくなったのだろうか?ということを、ふと考えた。
そんなことを思い起こさせてくれたという時点で映画としては成功しているのかも。
(アメリカだとベトナム戦争泥沼化以前、日本だと1970大阪万博あたりだろうか?)
●1964年ニューヨーク万博と未来が地続き。
(リアルどこでもドアも出てくるし)
アテナが登場した時点で動き方が少し変なように演じていて「あ、これはロボットだな」と気づく(少年のフランクはわかっていなくて、アテナにほのかな恋ごころ。で、ロボットと気づいた時と訪れる未来の暗さも相まって厭世的極地の偏屈オヤジとなって秘密基地の中に閉じこもってしまう)
ちょっとアホアホな未来からの追っ手から逃げるアテナとケイシー。
車の中での会話。
「ロボットなの?」
「オーディオアニマトロニクスよ」
※実際のディズニーランド「イッツ・ア・スモールワールド」の人形のことを1964年NY万博の時からオーディオアニマトロニクスと呼んでいた。
●「<未来>のつくり方 シリコンバレーの航海する精神」(池田純一著・講談社刊)という本を読んでいたら、こういうことが書いてあった。
「未来はやってくるものなのか」
「自ら築き上げるものなのか」
この2点の差異と本作における未来の捉え方のことも、いろいろと考えさせられた。
●選民主義云々で批判的意見もあるようだけれど、そもそもが監督がインタビューなどで答えているとおり本作は極めて『未知との遭遇』的。
マザーシップに導かれていく銀色のユニフォームを着用したサングラスの人たちはの姿(←これ、公開時に見たときに?!と思った記憶が)は、まさに『トゥモローランド』のラストでピンバッジを世界にばらまいていくリクルーター達だし、発端となる1964年時点でのトゥモローランドへ入っていける人たちも選ばれていた。
『未知との遭遇』では、その選ばれた人とは別に何かを感じとったロイ(リチャード・ドレイファス)がラスト、マザーシップに乗り込んでいく。これまた、はじかれた形となっていたフランクやケイシーが"トゥモローランド"へと到達する。しかも、暗澹たる未来になることが判っている現代の未来をチェンジさせる人となって。
●秘密結社プルス・ウルトラ
Plus Ultra→ラテン語でもっと先へ、更なる前進の意。
そもそもが未来(FUTURE)の語源がラテン語「これから起ころうとする(こと)」の意というのも面白いところ。
先にブログ記事で紹介した人工知能スリラー『エクス・マキナ(ex machina)』というタイトルも『トゥモローランド』のプルス・ウルトラ(Plus Ultra)もラテン語という繋がり。
プルス・ウルトラが仕掛けておいたエッフェル塔秘密基地と"トゥモローランド"入り口のためのロケット。
そこに登場するメンバー(人形)
トーマス・エジソン、ジュール・ヴェルヌ、ギュスターヴ・エッフェル、そして!ニコラ・テスラ(←クリストファー・ノーラン監督『プレステージ』でデヴィッド・ボウイが演じた発明家、さらには『インセプション』『インターステラー』と続くノーラン多元世界アプローチへのキーパーソンでは?と常々思っていたので、ちっと「おぉっ」と嬉しくなった)
●未来を明るい方向へ変える件(くだり)のシーンで"broadcast"の日本語字幕が"洗脳"になっていたけれど、これはアイロニカルにして、的を得た素晴らしい訳(日本語吹き替えはどう言ってるのだろう?)
●タイトルデザインは yU+co
レトロフューチャー・モダンなアニメーションは本作にピッタリ。
エンドクレジットの最後の最後にピンバッジが出てきて、それに触れたとたんプツッと画面が消えてディズニーのシンデレラ城ロゴが出てくる(オープニングはピカピカの未来仕様のお城というかタワーロゴ)
トゥモローランド
http://www.disney.co.jp/movie/tomorrowland.html
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なんと凛々しく潔い言葉だろう。冒頭の少年のセリフに、私は感極まった。ここに映画の作り手たちの思いが集約されていよう。
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製作:
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原案:
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脚本:
ブラッド・バード
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