『ラブ&マーシー 終わらないメロディー(LOVE & MERCY)』ビル・ポーラッド監督、ポール・ダノ、ジョン・キューザック、エリザベス・バンクス、ポール・ジアマッティ、他
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
LOVE & MERCY
監督・製作:ビル・ポーラッド
音楽:アッティカス・ロス
出演 : ポール・ダノ、ジョン・キューザック
エリザベス・バンクス、ポール・ジアマッティ
物語・バンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」の人気が過熱していた1960年代のカリフォルニア。うなぎ上りの人気とは裏腹に、新たな音楽を模索してスタジオで曲作りに没頭するブライアン(ポール・ダノ)は、新作へのプレッシャーによって精神的に参ってしまう。それから二十数年、ブライアン(ジョン・キューザック)はメリンダ(エリザベス・バンクス)と出会ったことで…。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●60年代をポール・ダノ、80年代をジョン・キューザックがそれぞれブライアン・ウィルソンを演じる。
はっきりと前半、後半で分ける方式ではなく交互に織り込まれていくスタイル。60年代は父親からの抑圧とプレッシャー(その父親→子供の頃は虐待、大人になってからも自分が仲間はずれにされたことによる妬み、あろうことか著作権を7000万ドルで売り払ってしまうというシーンも)、80年代は精神科医(ポール・ジアマッティが演じている。最初、出てきた時、そのカツラ度合にふいてしまったが、これがまた逆に観ているこちらをイライラさせる風体)による薬物依存体質に陥れてのマインドコントロールと二重に映し出されていく。
それだからこそのメリンダ(エリザベス・バンクスのドシ〜ンとした感じがとても良い)との出会いとラストの歌(One Kind of LoveとLove & Mercy)は「あぁ、よかったなぁ」と心の底から拍手を贈りたい紡ぎ方となっている。
●あの名盤『ペット・サウンズ』のレコーディング風景が再現されている!そして『Good Vibrations』!
テルミンも動物も謎だった弦楽録音も、いろいろな試行錯誤が全て登場していて興味津々。
(名盤と書いているけれど映画の中にも出てくるように当時は「何?これ?」状態だった←メンバーからも)
●twitterで青山真治監督が「もう今年は『岸辺の旅』と『赤い玉、』と『ラブ&マーシー』しか見ないつもりになっている」とつぶやいているぐらい、この映画、というかブライアン・ウィルソンに思い入れのある年代の方が多い(自分はリアルタイムではなく、やや後追い)
※追記
その後、青山監督が鑑賞後にツイートしていましたが冒頭ポール・ダノによる「サーフズ・アップ」の完全版、確かに観たい!!
冒頭部分、実際のザ・ビーチ・ボーイズのフィルムではなくキャストによって再現されたものが幾つも流れてきて「おぉっ!!」と感激が先にたって(油断して)あっという間に終わってしまったので、もう一度ゆっくり見たい!(もしやBlue Ray発売の際に特典映像で入るとかないかな?と、期待)
●キネ旬8月上旬号『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』記事。高田漣さんへのインタビュー。再現して欲しかったシーンとしてSNLでベルーシ&エイクロイドがブライアン・ウィルソンに「ビーチボーイズを名乗っていてサーフィンできない罪で逮捕」場面をやってほしかったっと 笑
これ、確かSNL総集編ディスクで見たけれどブライアン・ウィルソンとベルーシ&エイクロイドで海に出かけて本当にサーフィンするシーンへと続いていく。いいのかぁーって思った記憶。
●『ペット・サウンズ』(ジム・フジーリ著)の翻訳をした村上春樹あとがきに当時高校3年生だった時『ペット・サウンズ』が発売され、その頃のことやこのアルバムがいかに凄いかについて語られています。ビートルズ『サージェント・ペパーズ〜』と『ペット・サウンズ』の比較でヘミングウェイとフィッツジェラルドが例えとして出てくるあたり面白い。
※Memo2
●エンドロールでのブライアン・ウィルソンのライブシーン。照明の色がブルーの時はエンドクレジット文字の色がブルー、そして演奏終了後ブライアンはじめバンドメンバーが前に出てきたときに照明はオレンジに。そして文字も!このかわる色変えタイミングが絶妙!
TITLE DESIGN > Teddy Blanks (CHIPS)
http://www.imdb.com/name/nm2688443/
そのCHIPS-NYのサイト
(Lena Dunham Letterheadや『キューティ&ボクサー』のOpening Titles & End Titlesなども)
http://chips-ny.com/
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』公式サイト
http://www.loveandmercy-movie.jp/
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