『ヘイトフル・エイト(THE HATEFUL EIGHT)』クエンティン・タランティーノ監督、サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、他
注・内容、台詞、重要登場人物、オチなどに触れています。
『ヘイトフル・エイト』
THE HATEFUL EIGHT
監督・脚本 : クエンティン・タランティーノ
出演 : サミュエル・L・ジャクソン
カート・ラッセル
ジェニファー・ジェイソン・リー
ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル
ティム・ロス、マイケル・マドセン
ブルース・ダーン、ゾーイ・ベル、他
物語・雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と彼が捕らえたデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブ(デミアン・ビチル)や怪しげな絞首刑執行人オズワルド(ティム・ロス)などの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●タランティーノ監督によるタランティーノ監督自己模倣とも言えてしまうタランティーノ監督印(じるし)映画。> お馴染みの誰かが誰かを撃って、その誰かが誰かを撃ち(または撃たない)パターンや少し戻って、或いはまるまるChapterごと戻っての時間軸移行スタイルなどなど。
実際に拳銃が抜かれるのは1時間30分を過ぎてから。
それまでは例によってのタランティーノ会話劇が続く。
(本作、スクリーンサイズのおかげで会話の後ろで何やら人物が映っていたり、ちょっと気が抜けない)
●念のため、予備知識無しで見たけれどオープニングタイトルクレジットでネタバレ(と、いうか何処に出るのと気になってしようがなくなる 笑)
そう!さすがにチャニング・テイタムの名前が出ては…w
そのチャニング・テイタム演ずる9人目の男の台詞(実はドメルグの兄)
・ミニー(山小屋ロッジ、ミニーの服飾店のオーナー)と会話の中で出てくる
「ウイ」
(フランス語ができるということだが…←エーッ笑)
・「ジョン・ルースといえども2、3日足止めを食らっている間に眼を閉じる時があるはずだ。その時を待つ。忍耐が必要だ」と言い残し床下へ潜り込む。←もしかして、どこかにチラッと映るのかも?(俯瞰で捉えたショットは馬小屋だけだったのでミニー服飾店内では無かったと思うので映っていないとは思うのですが)
●噂に違わずジェニファー・ジェイソン・リーがスゴイ。
(ほとんどキャリーかエクソシスト・リーガンもどきの形相)
山小屋の人物たちの正体が分かり、生き残るために(予定)保安官のクリスを懐柔させようとする声のトーンの変わり方も見どころ。
●ブルーポットへの毒を混入するシーン、うまくドアから入って右側(バーがある方向)だけで撮影されている。
よって目撃するドメルグやジョー・ゲージは映りこんでいない(はず)
(超横長サイズなので端っこにオズワルドは映っていたかも)
●リンカーンからの手紙(マーキスがリンカーンの文通相手ということになっている)
ジョン・ルースは駅馬車に乗せた際に読ませてもらい、すっかり信じてしまう。
逆にラスト。
クリスが息も絶え絶えにマーキスに、リンカーンからの手紙を見せてくれという。
全文読みながら最後の文言
"メアリートッドが呼んでいる。床に就く時間だ"
「メアリー・トッドとはうまく作ったな」
血だらけの手で手紙を丸めて
(この文言の件をマーキスは「この最後の"メアリートッド"の部分が泣かせる」と感動していた)
この最後の最後にマーキスとクリス(「ニガー」と何回言ったことか)が共闘して終わるあたりに何とも言えない皮肉さと凄惨な現場にもかかわらず爽快感まで漂わせる締め方が本作の上手さ。
※Memo2
●張りキャンタイプの固定スクリーンが多数を占めているので、その中でもスコープサイズがかかるスクリーンを選んで鑑賞。それでも入り口に"上下に黒みがあります"の表記が。2.76:1の超横長Ultra Panavision
70ならでは。ここはかつての(関西だと阪急プラザ劇場の)D150とは言わないが比較的大きな湾曲をもった劇場のため、きっちりと長方形が再現されていた。
もはや日本では70ミリ上映が不可能な分、デジタル上映の劇場差が。
(「映画秘宝」に試算だと60億ぐらいあると日本でも70ミリ上映劇場が、という記事が出ていましたが…←誰か大富豪が趣味で70ミリ上映劇場建ててくれないかなぁ)
●パンフレット価格が880円と"8"へのこだわりを受け継いだ?(さすがに売店に迷惑がかかるからだろうけど888円ではなかったですが)
ちなみにパンフレット、表紙、扉ロゴ、内容(エンニオ・モリコーネの音楽についての記載もあり)含め充実しています。
●脚本(PDF) > 先にネット流失していたものではなく撮影用として公開されたもの > Chapter3のドメルグの歌は撮影時に急遽変更されたそうなので、この脚本は内容が違う。
http://twcguilds.com/wp-content/uploads/2015/12/H8_SCRIPT_CleanedUp_Final1.pdf
●タイトルデザイナーはタランティーノ作品には欠かせないJay Johnson(Pacific Title and Art Studio) > 特にタイポグラフィ
●タランティーノ監督のタイトルデザイン集
(1作目「レザボア・ドッグス」〜8作目「ヘイトフル・エイト」まで全作品)
DESIGN > Pacific Title and Art Studio、他
http://annyas.com/screenshots/directors/quentin-tarantino/
映画『ヘイトフルエイト』 公式サイト
http://gaga.ne.jp/hateful8/
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