前田弘二監督、橋本環奈主演『セーラー服と機関銃 -卒業-』と角川映画40周年
『セーラー服と機関銃 -卒業-』
監督 : 前田弘二
脚本 : 高田亮
出演 : 橋本環奈
長谷川博己、安藤政信
榎木孝明、伊武雅刀
鶴見辰吾、武田鉄矢、他
物語・組員が4人しかいない目高組の組長となり、機関銃を抱えて伯父を殺害した相手に殴り込みをかけたという過去を持つ高校3年生の星泉(橋本環奈)。目高組を解散した彼女は、シャッター商店街の一角でメダカカフェを営む店長として元組員の従業員と共に忙しい毎日を送っていた。そんな中、泉の友人が偽モデル詐欺の被害に遭ったことを知り…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●オーダー通りのアイドル映画を『婚前特急』の前田弘二監督がどのように撮るのか楽しみにしていた一作。
橋本環奈の元々の声が、低音、ややかすれ気味なのがよい。
九頭身、八頭身の"(小さすぎだろー)小顔"ではない映画的にみて、よいバランス。
●既に語られているとおり相米慎二監督オマージュ(しいて言うならば、あえて括りのように決め打ちシーンも多い)
めだかカフェの中で土井(武田鉄矢)ら組員(あ、店員←と呼ばなければいけない 笑)となんだか、じゃれあってるとしか思えないシーン(アドリブ)。ずっと撮り続けて、そのままカメラが引いていって店の外まで出ていく。
あと漂う80年代前半プログラムピクチャー感、ATG映画雰囲気がちらほら(明け方、逃げていくときの蛇行しながら走る軽トラを後ろから追いかけるカメラとか、まさに)
●安藤政信(『セーラー服と機関銃』)演じる安井が最初、誰?と思ってしまったほどのキレっぷり。
(隠れ蓑という点では元々、浜口組も浜口物産という貿易会社だった)
もうひとり、長谷川博己もほのかに憧れられる年上ヤクザを好演。
●めだかカフェの前で
「泉ちゃん、トランプやらない?」
「お金なくてもいいよ」
(冒頭、商店街で交わされた会話と同じ。市長候補者が自身への投票をアピールしながら通っているシチュエーションも)
「今度はいい人がなればいいね」
●劇中、映画館で上映されていた映画が同じ赤川次郎原作「晴れ、ときどき殺人」(井筒和幸監督)
●まさに、このタイミングで出てほしいところ(テーマ曲を卒業式でアカペラで歌い始めるシーンののち、演奏に入るとともに)で出るタイトル、そして書体。デザインは赤松陽構造さん。(最近作、NHKドラマ「精霊の守り人」「64」など)
↓日映美術サイト(注・実際のシーンではありませんがタイトルカード画像あり)
http://n-art.jp/
●↓下記画像は相米慎二監督、薬師丸ひろ子主演版「セーラー服と機関銃」チラシの解説面(表は有名なので裏面を)
※Memo2
●角川映画が40周年。
「読んでから見るか、見てから読むか」
邦画(←日本映画という呼び方ではなく)一本立てロードショーもインパクトが大きかったけれど、やはり宣伝のためのコピーが印象的(時代背景的に80年代前半におこったコピーライターブームも相まって)
●↑30周年記念の際のコミックチャージ創刊号付録DVD
93作品スペシャルムービー180分
主要コンテンツは各作品の予告編集。
年代別チャプターになっていて1976〜1980年、1981年〜1983年、1984年、1985〜1986年、以下2006年まで。
(1984年が単体年チャプターになっているとおり本数も多い)
個人的には、1986年あたりまでがイメージとしての"角川映画"
画像バックに敷きつめているのは第一作「犬神家の一族」からの角川映画のチラシ保存ダンボール箱から無造作にピックアップ。
(2本立て興業作品は見開きタイプになっていて当時としては、これも珍しかった)
映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」
http://sk-movie.jp/
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