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2016-03-29

前田弘二監督、橋本環奈主演『セーラー服と機関銃 -卒業-』と角川映画40周年

セーラー服と機関銃 -卒業-

監督 : 前田弘二
脚本 : 高田亮
出演 : 橋本環奈
長谷川博己、安藤政信
榎木孝明、伊武雅刀
鶴見辰吾、武田鉄矢、他

物語・組員が4人しかいない目高組の組長となり、機関銃を抱えて伯父を殺害した相手に殴り込みをかけたという過去を持つ高校3年生の星泉(橋本環奈)。目高組を解散した彼女は、シャッター商店街の一角でメダカカフェを営む店長として元組員の従業員と共に忙しい毎日を送っていた。そんな中、泉の友人が偽モデル詐欺の被害に遭ったことを知り…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Sk1

Sk2

Memo1
オーダー通りのアイドル映画を『婚前特急』の前田弘二監督がどのように撮るのか楽しみにしていた一作。
橋本環奈の元々の声が、低音、ややかすれ気味なのがよい。
九頭身、八頭身の"(小さすぎだろー)小顔"ではない映画的にみて、よいバランス。
既に語られているとおり相米慎二監督オマージュ(しいて言うならば、あえて括りのように決め打ちシーンも多い)
めだかカフェの中で土井(武田鉄矢)ら組員(あ、店員←と呼ばなければいけない 笑)となんだか、じゃれあってるとしか思えないシーン(アドリブ)。ずっと撮り続けて、そのままカメラが引いていって店の外まで出ていく。
あと漂う80年代前半プログラムピクチャー感、ATG映画雰囲気がちらほら(明け方、逃げていくときの蛇行しながら走る軽トラを後ろから追いかけるカメラとか、まさに)
安藤政信(『セーラー服と機関銃』)演じる安井が最初、誰?と思ってしまったほどのキレっぷり。
(隠れ蓑という点では元々、浜口組も浜口物産という貿易会社だった)
もうひとり、長谷川博己もほのかに憧れられる年上ヤクザを好演。
めだかカフェの前で
「泉ちゃん、トランプやらない?」
「お金なくてもいいよ」
(冒頭、商店街で交わされた会話と同じ。市長候補者が自身への投票をアピールしながら通っているシチュエーションも)
「今度はいい人がなればいいね」
劇中、映画館で上映されていた映画が同じ赤川次郎原作「晴れ、ときどき殺人」(井筒和幸監督)
まさに、このタイミングで出てほしいところ(テーマ曲を卒業式でアカペラで歌い始めるシーンののち、演奏に入るとともに)で出るタイトル、そして書体。デザインは赤松陽構造さん。(最近作、NHKドラマ「精霊の守り人」「64」など)
↓日映美術サイト(注・実際のシーンではありませんがタイトルカード画像あり)
http://n-art.jp/
↓下記画像は相米慎二監督、薬師丸ひろ子主演版「セーラー服と機関銃」チラシの解説面(表は有名なので裏面を)

Sk_80

Memo2
角川映画が40周年。
「読んでから見るか、見てから読むか」
邦画(←日本映画という呼び方ではなく)一本立てロードショーもインパクトが大きかったけれど、やはり宣伝のためのコピーが印象的(時代背景的に80年代前半におこったコピーライターブームも相まって)

Kado

↑30周年記念の際のコミックチャージ創刊号付録DVD
93作品スペシャルムービー180分

主要コンテンツは各作品の予告編集。
年代別チャプターになっていて1976〜1980年、1981年〜1983年、1984年、1985〜1986年、以下2006年まで。
(1984年が単体年チャプターになっているとおり本数も多い)
個人的には、1986年あたりまでがイメージとしての"角川映画"
画像バックに敷きつめているのは第一作「犬神家の一族」からの角川映画のチラシ保存ダンボール箱から無造作にピックアップ。
(2本立て興業作品は見開きタイプになっていて当時としては、これも珍しかった)

映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」
http://sk-movie.jp/


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2016-03-27

『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生(Batman v Superman: Dawn of Justice)』ザック・スナイダー監督、ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、ガル・ガドット、エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、他

注・内容、台詞などに触れています。
バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生
Batman v Superman: Dawn of Justice

監督 : ザック・スナイダー
脚本 : クリス・テリオ
デヴィッド・S・ゴイヤー
出演 : ベン・アフレック
ヘンリー・カヴィルガル・ガドット
エイミー・アダムス、ダイアン・レイン
ジェシー・アイゼンバーグ
ジェレミー・アイアンズ
ローレンス・フィッシュバーン
ホリー・ハンター、他

物語・バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり…(シネマトゥデイより抜粋)

Bvs

Memo1
何と言ってもワーナー。あのジェームズ・キャグニーのワーナー、クリント・イーストウッドのワーナーなのだから、このトーンになるのは至極当然。(と、いうことであっちのユニバースよりこっちのユニバースの方が好きかも)
ベン・アフレックによるバットマン。
ブルース・ウェインパートがものすごくよくて、今後のジャスティスリーグ続編に期待大。『アルゴ』の脚本家クリス・テリオを引っぱってきて本作のリライトに参加させたのもベン・アフレックらしいし、その点からも◎二重丸。
知人が言ったひとこと→確かに"あの顎なら腹筋も割れる"(おいおい 笑)
で、本編に出てくる、まさかの巨人の星"思いこんだらタイヤ引き回し特訓"シーンには「おぉぉ」と、これは「あんな鋼鉄の男には負けられまへん(関西弁)」というバットマンの意地を見せた良いシーンです。そういえばマッスル・アンド・フィットネス誌が「主役のふたりのスターが取り組んだ体づくりのプログラムを公開」という特集を組んでたぐらいだから(エンドクレジットにジムトレーナー名も出てた)
レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)の部屋に飾られた"絵画は逆さま"
「父親が気にいっていた、この絵画は逆さまなんだ」
天と地。
救世主と悪魔。光と影。
そのことは冒頭とラスト。
父と母の葬儀の日に走り出し、穴に落ちる少年ブルース・ウェイン。そこには無数のこうもりが。
死せるスーパーマン/クラークケントの棺のシーンにも効いてくる。
(ロイス・レインが棺の上に撒いた砂が少し浮くところでエンドクレジット)
"地より蘇りしもの"
「鍵を握るのはロイス・レイン」
夢のなかでメッセージ(幻視/ゴーグルをつけたナイトメア版バットマンが猫耳に見える)を見るブルース・ウェイン/バットマン。
これは文字通り、クリプトナイトの槍の件(くだり)でのラストシーンもそうだけれども続く次回作への"ふり"でもあるようにも考えられる台詞。
クリプトナイトで作った槍で止めを刺そうとする瞬間、クラーク・ケント/スーパーマンの台詞。
「マーサを…」
手が止まるバットマン
(やや、激高気味に)
「なぜ、その名前を知っている」
(ここで気がつくぐらい、すっかり忘れていたけれどブルース・ウェインの母親もマーサだった。しかも冒頭部分で父親がつぶやいているのに)
まさに、父権の世紀ではなく母系たる地球だったという返し。
(画面や物語世界はダークにかつての明るい赤と青やらカラフルなコミック世界ではなくなっているのに、その実、嫌な気がしないのはそういうことかも、と、思ったり。"強いアメリカ"の幻想は父権社会の最たるものだと思えるし)
まあ、なんにしてもワンダーウーマンである。
(レベッカ・ファーガソン、シャーリーズ・セロン、デイジー・リドリーと昨年以来のカッコイイヒロインの系譜はまだまだ続いていて、本作はガル・ガドット)
ミステリアスなブルース・ウェインとのからみ部分は、もう少し膨らませても良かった気もするけれど、そうすると軸がぶれるので丁度よいあんばいかも。
ガル・ガドット。元々美人だけれどもワンダーウーマンにあたってのメイク(特に眉)など、素晴らしい面構えでよいなー(小林信彦さんの言葉通り"映画は女優で")
そして最も笑ったシーン。
戦いに加わることとなって現れたワンダーウーマン。
ブルースウェイン/バットマンがすかさずクラーク・ケント/スーパーマンに。
「連れか?」
「君の連れでは?」
ワンダーウーマンが写るたびにタイミングよく流れるテーマ曲 "Is She With You"(サントラ>Hans Zimmer & Junkie XL)が本作、スコア中1番好きな曲。

Memo2
Main Title Design > Method Studios
ワーナーロゴに一枚、枯れ葉がひらひらと舞い落ちる。
続いて、また一枚。
そして前述、ブルース・ウェイン/バットマンの過去、父と母の死、葬儀の回想的シーンへと連なっていく
End Title > SCARLET LETTERS

映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/


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2016-03-17

『フランス組曲(Suite Francaise)』ソウル・ディブ監督、ミシェル・ウィリアムズ、マティアス・スーナールツ、クリスティン・スコット・トーマス、他

注・内容に触れています。
フランス組曲
Suite Francaise

原作 : イレーヌ・ネミロフスキー
監督 : ソウル・ディブ
出演 : ミシェル・ウィリアムズ
マティアス・スーナールツ
クリスティン・スコット・トーマス
サム・ライリールース・ウィルソン
マーゴット・ロビー、ランベール・ウィルソン
トム・シリング

物語・1940年、ナチス・ドイツの占領下にあるフランス。田舎町で厳格な義母と生活しながら、出征した夫の帰りを待っているリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)。彼女の前に、ナチス・ドイツのブルーノ(マティアス・スーナールツ)が現れる。占領国の男と被占領国の女、さらに人妻という立場でありながら、共に愛している音楽を通じながら心の距離を縮めていく二人。ふつふつとわき上がるブルーノへの思いに戸惑うと同時にリュシルは住んでいる田舎町しか知らず、誰かに従うように生きてきたそれまでの自分を見つめ直す。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

France

Memo1
原作未読での鑑賞。
その小説の発表経緯自体が既にドラマティック。
(本作に登場するユダヤ人母娘がモデル?)
その母親役が「ヒトラー〜最後の12日間〜」でヒトラーの秘書役を好演していたアレクサンドラ・マリア・ララ!(「コッポラの胡蝶の夢」にも出演していて印象的)
映画本編中、ナチスという言葉は出てこない。
特徴的なハーケンクロイツもほんの少し写るぐらいだ。
(町長が処刑されることとなった朝、ドイツ軍本部を俯瞰から捉えたショットとあと数カ所に)
だが占領の際の第一歩が強制的に変えられるドイツ時間であることからも、まごうことなくドイツ軍なのだ。
(この"自分たちの時間"を勝手に変えられることというのは、そこに住む者にとって本当に屈辱的なことだろうなぁ、と思う)
田舎町での陰口がドイツ軍に告げ口の手紙として届いている歪さ。
元々、この土地自体を支配していた貴族や領主などの特権階級への不満は強者が現れたときに告げ口という形で顕在化していく。
ミシェル・ウィリアムズが亡き父親の言われるがままに、それが愛なのか何なのかもわからないで結婚したリュシル役。
そこに滞在することとなったドイツ軍中尉のブルーノ。
(音楽、ピアノを愛していることがわかる)
戦地へ夫が赴いて3年。揺れるリュシルのこころ。
ブルーノから手紙を書けばよい、と言われて書いてみるもののなかなか書けない。この時の庭でのやりとりが、ふたりのはじめて交わした会話らしい会話。
義母(まー、なんとも息が詰まる窮屈な空気を醸し出しまくっている姑)であるクリスティン・スコット・トーマスがさすがの上手さ。
スコープサイズに広がる畑と直線的な道路。
(この田舎町の風景が美しい)
冒頭パリから逃げ延びていく人々を乗せた列車や、その道路を歩く列にドイツ軍からの砲撃。意外な始まり方に少し驚いた。
ラスト、その同じ畑に置かれた検問所。
ブルーノに疑いを持つドイツ兵が通行証に書き添えた「怪しいのでチェック」という文のせいで車から降ろされ、検問所のドイツ兵を撃ってしまうレジスタンスのブノワ(サム・ライリー←確か前述、アレクサンドラ・マリア・ララと実生活で結婚している)
そこに現れたブルーノ。
逃がしてくれる際のふたりの距離。
抱き合うこともなく一瞬、ブルーノの手がリュシルの身体に触れる。
すっと避けるような仕草が切ない。
乗り込んだ際に、泣いているリュシル。
全く言葉は交わさない、ふたり。
そして車を出しハンドルを握るリュシルの後部座席のガラスに見えるブルーノ。
ここが、またスコープサイズならではのショット。
(ボイスオーバーで、その後の事が語られてエンド)

Memo2
Main and End Title DesignerはMatt Curtis
エンドタイトルは、そのバックベースの映像(画像)が推敲のあとがみてとれる原作の原稿の上にクレジットが表示される美しいもの。
音楽はラエル・ジョーンズ
重要なモチーフであるピアノ曲の作曲は(またしてもまたしても)アレクサンドル・デスプラ。もう、めちゃくちゃ多忙すぎて実際デスプラ10人位いるのじゃないかと思える多作ぶり。
衣装デザインがマイケル・オコナー
リュシルのファッションが最初は小花模様でいかにも従順な感じを醸し出していたのがラスト、意を決してレジスタンスのブノワ(サム・ライリー←確か前述、アレクサンドラ・マリア・ララと実生活で結婚している)をパリへ送り届ける際の帽子、スーツ(まるで「カサブランカ」のバーグマンのような)のパキっとした変化が印象的。

映画『フランス組曲』公式サイト
http://francekumikyoku.com/

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2016-03-10

"DAISY BELLのメロディが聴こえる"『オートマタ(Autómata)』ガベ・イバニェス監督、アントニオ・バンデラス、メラニー・グリフィス、他

注・内容に触れています。
オートマタ
Autómata

監督 : ガベ・イバニェス
出演 : アントニオ・バンデラス
メラニー・グリフィス
ビアギッテ・ヨート・ソレンセン
ディラン・マクダーモット
ロバート・フォスター

物語・太陽風の増加が原因で砂漠化が進み、人類存亡が迫りつつある2044年。人間に代わる労働力としてオートマタと呼ばれる人工知能搭載ロボットが人々の生活に浸透していた。さらに、生命体に危害を加えない、自身で修理・改善しないというルールが製造時に組み込まれており、人間との共存に支障が出ないシステムが確立されていた。そんな中、オートマタ管理者ジャック(アントニオ・バンデラス)は彼らが自発的に修理を行っていたのを知って驚く。その首謀者と目的を探る彼だが思わぬ事実に突き当たる。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Automata

Memo1
元々の語源から機械人形ないしは自動人形。人工知能とシンギュラリティを扱った「エクス・マキナ」(2016年3月時点未公開←そろそろ公開を←ブログ内で何度も言ってますが)が"機械仕掛けの〜"というタイトルがついていることも興味深い。
そして本作、既視感が多々。(ディストピアなイメージは多くの方が指摘している通り「ブレードランナー」世界。またガラクタに囲まれたガジェット感は「チャッピー」「WALL・E/ウォーリー」と。)
しかし、いろいろ寄せ集めた感や全体に雑なイメージがあるにも関わらず、何故だか鑑賞後の全体の印象は好ましい。
レイ・カーツワイルによるシンギュラリティ(技術的特異点)が起こると予想されている2045年。その前年、2044年の物語。
おそらく実世界でも"まかり間違えば"そうなるであろうことが予測される量子コンピュータの件(くだり)も見せてほしかった。
(個人的には実世界でシンギュラリティは起こらずにプレ・シンギュラリティの段階で別の方向へいくと思っていますが…)
ふたつのプロトコル
(アシモフのロボット三原則の第一条を思い起こさせる。プロトコル2はまさにシンギュラリティへの予防線)
1st Protocol
:
Prevents The Robot Cannot Harm Any Form of Life.
2nd Protocol :
Prevents The Robot Cannot Alter Itself or Others.
1.全ての生命体への危害の禁止
2.自他のロボットの修理・改善の禁止
メラニー・グリフィスを久々に見た気が…と、思ったら「あれれれ」という呆気無さで撃たれてエンド。(アントニオ・バンデラスと2015年に離婚しているので撮影中に何かあって出演部分が縮まったのでは?と、穿ったことも考えてみたり…)
この博士役、やたらと「ドクター」と言い直させたりする、ちょっと面白そうな役だったのでちょっと残念。
エンドクレジットの一番最後に流れるオルゴール曲
"DAISY BELL"
なんといっても世界で初めてコンピュータが歌った曲として有名。(もちろん「2001年宇宙の旅」でHAL9000が機能を失いつつ声が変わっていきながら歌ったシーンが思い浮かぶ)
その歌声。
First computer to sing - Daisy Bell
https://www.youtube.com/watch?v=41U78QP8nBk
さらにアントニオ・バンデラス演じるジャックとオートマタ : クレオとのダンスシーンで使われた曲が「ラ・メール(La Mer)」(「裏切りのサーカス」!)

Memo2
タイトルデザイン他、ポスター、リミテッドポスターデザイン(←これがカッコイイ!)など
Robots,City,Opening and End Title Design
USER T38
http://usert38.com/filter/design/AUTOMATA
カラーグレーディング > COLORSPACE MEXICO
http://www.colorspacemexico.com/
The Art of VFX記事
AUTOMATA: VFX Breakdown by Worldwide FX
http://www.artofvfx.com/automata-vfx-breakdown-by-worldwide-fx/

映画『オートマタ』公式サイト
http://automata-movie.jp/

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2016-03-09

"誰よりも上手く踊るんだよ"『マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)』アダム・マッケイ監督、クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット、他

注・内容、引用句などに触れています。
マネー・ショート 華麗なる大逆転
The Big Short
原作 : マイケル・ルイス
監督 : アダム・マッケイ
出演 : クリスチャン・ベイル
スティーヴ・カレル
ライアン・ゴズリング
ブラッド・ピット
マリサ・トメイ
、他

物語・2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Cds

Memo1
いや〜、面白かったー
皮肉と暗喩と軽妙な台詞とホントに実話ベース?と思ってしまうほどの見事な図式的なキャラクター分け、ちょっと逸脱解説ショーなどがあってのあっという間の130分でした。
またキャストの妙味も抜群。
「フォックスキャッチャー」の時のデュポンを演じたスティーヴ・カレルが、こういう役を演じるとやはり怖くて上手い。
主要キャスト全員が顔を揃えるシーンは無く、ベンとマークはラスベガスでの証券フォーラムで一瞬、すれ違うだけ(この実際にあったかもしれないけど、なかったかもしれないシーンの積み重ねが、また映画としての脚色の面白さ)
豪華解説3本立て!
・『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出演していたマーゴット・ロビーによるシャンパン片手にジェットバスに入りながらの文字通り泡まみれ(←バブル?)サブプライムローン解説。
・ジャレドが積み木を使って格付けについて説明するシーンに出てくるCDOの本質(格付けも何もあったもんじゃない債)を"残りものの古い魚と新鮮な魚を混ぜて作ればお客はわからないじゃないのシーフードシチュー"で解説するシェフ。
・そして極めつけ(ラスベガスのレストランでCDOマネージャーのミスター・チャウと話す。ここでマークは破綻を確信するシーン)に出てくるセレーナ・ゴメス(!)によるカジノでの合成CDO解説
冒頭から引用
It ain’t what you don’t know that gets you into trouble. It’s what you know for sure that just ain’t so.
Mark Twain
やっかいなのは、何も知らないことではない。実際は知らないのに、知っていると思い込んでいることだ
↑このマーク・トゥエインの名言に必ず出てくる言葉で幕を開ける。
Everyone, deep in their hearts, is waiting for the end of
the world to come.

Haruki Murakami, 1Q84
誰もがこころの奥底では世の終末の到来を待ち受けてもいるのだ
引用で村上春樹「1Q84」が出てきてビックリ(その前に徳永英明「最後の言い訳」が流れているのも驚いたけれど←曲名がわかった上で意図的に使用したのかなぁ)
ちなみに小説の中で、この一節が出てくるのはBook1 233ページ、青豆がテレビの深夜放送で「渚にて」を見た後に語られる。
全く本編とは関係ないけれど村上春樹繋がりでふと思い出したフレーズ→「ダンス・ダンス・ダンス」に出てきた羊男の台詞→"誰よりも上手く踊るんだよ"
時間経過と共に変化するマイケルのオフィスの前面ホワイトボード壁に書かれた資産運用率。
CDSを取り扱う前→38%
途中→マイナス11.3%→マイナス19.7%
破綻後→489%
この変化にともなっての投資家たち周囲の反応が数字のまま現れていてなんともはや…。
(で、マイケルは我、関せずでメタルガンガンでドラムを叩いている)
ラスト。
CDSを売って、ここで利益をあげてしまっては自分も他の連中と同じではないかという思いに苛まれているマークがついにオーケーを出すシーンで幕を閉じる。
そして主要登場人物の"その後"が字幕で綴られる。
注目はマイケル。
FBIからも聴取された云々の後に現れる部分。
The small investing he still does is all focused on one commodity: water.
小さな投資をひとつに絞って行っている、それは…(ここでわざわざ少し遅らせてて、もったいぶって"水"と出てくる←これ最後に出してくるのって「お!今度は水かぁ〜、と懲りない面々が、またぞろ出てくるのを皮肉ってる?と穿った見方も…」

Memo2
原作未読で鑑賞(こちらは読んでみたい)。あと著者マイケル・ルイスの今のところ最新刊にあたるコンピュータによるアルゴリズムトレードを描いた『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』も面白そう
レッド・ツェッペリンからメタリカ、ガンズ・アンド・ローゼズ、オペラ座の怪人まで使用された楽曲の数々
What Song > Soundtrack and Complete List of Songs
http://www.what-song.com/Movies/Soundtrack/1894/The-Big-Short
タイトルデザイン > Picture Mil
MOVIE TITLE STILLS COLLECTION記事↓
(注・シーンの画像あり)
http://annyas.com/screenshots/updates/big-short-2015-adam-mckay/
End Title Design > SCARLETLETTERS

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』公式サイト

http://www.moneyshort.jp/


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