『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二監督、黒木華、Cocco、綾野剛、他
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
監督 : 岩井俊二
出演 : 黒木華、Cocco
綾野剛、原日出子
地曵豪、毬谷友子
和田聰宏、佐生有語
夏目ナナ、金田明夫
りりィ、他
物語・東京で派遣教員をしている皆川七海(黒木華)は、鉄也とSNSで知り合った後に結婚。結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野剛)に頼む。しかし、間もなく鉄也の浮気が明るみに。ところが七海が浮気をしたと義母に責められ、家を出ていくことになる。そんな七海に安室が結婚式の代理出席や、月給100万円の住み込みメイドのアルバイトを紹介。そこでメイド仲間で、型破りで自由な里中真白(Cocco)と出会う。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●あれよあれよという間に悲惨な出来事になだれこみ"なんでも屋"コンダクター安室行舛(綾野剛)に導かるまま、終映後、気がつけば見ているこちら側(内側)も皆川七海(と同じように少しだけ向こう側(外側)に出られたような気分になる。
現実からファンタジー、そしてまた現実へ。
その抜け出た現実(リアル世界)は最初見ていたものとは違って見える。
なんという傑作!
●名前でいろいろ遊んでいたり(かけていたり)する岩井俊二監督作品。
(『花とアリス』でも駅の名前が漫画家繋がりになっていました。白戸方面、水木、藤子、北廊、塗壁、野比田など)
LINE(のようなSNS)画面に出た安室の敬礼写真
「アムロ、行きます」
(冗談のようなホントのような、ちょっとひとをくったような、でも、その匙加減も岩井監督作品)
いろいろな方が指摘しているとおり七海の名前も"全ての川は七つの海に帰す"と意味深。
●それにしても真白(Cocco)の母親役がりりィ
(まさに沖縄歌姫の共演←実際の共演場面はありませんが)
真白の葬儀(擬似家族が本当の家族のように参列している)の後のこの母親を訪ねて行くシーン。
ここだけが映像のトーンもドキュメンタリーのようなリアルなタッチに変わる。冒頭、SNSで知り合って結納、結婚へと至る七海の(海月のような)ふわふわとした実態のないリアルではなく、本当にありのままの現実。
●カメオ出演、笑える(笑っちゃいけないのかもしれないけど)多数。
ただ、それさえも埋没させてしまうほど本編密度が濃密。
(紀里谷監督には笑ってしまいましたが…)
●真白の台詞
「この世界はさ、ほんとうは幸せだらけなんだよ」
「コンビニで知らない人がわたしなんかのためにせっせっせっと商品を詰めていってくれるんだよ」
※Memo2
●劇場公開作以外に配信限定版(海外上映バージョン)と映画とは異なる全6話からなるBSスカパー!で放送中『リップヴァンウィンクルの花嫁』serial edition。各話のサブタイトルが「結納」「結婚」「離婚」「家族」「白い館」「花嫁」と端的にして秀逸。
http://www.bs-sptv.com/rvw-bride/
●メイキング映像を見ると使用カメラがREDだった。
撮影監督・神戸千木 Web Site
Ebank
http://www.ebnak.com/
●パンフレット
岩井俊二監督や出演者へのインタビュー。宮台真司、中森明夫、岡田育各氏による寄稿。プロダクションノートなど濃い内容。
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト
http://rvw-bride.com/
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