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2016-04-24

『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二監督、黒木華、Cocco、綾野剛、他

リップヴァンウィンクルの花嫁

監督 : 岩井俊二
出演 : 黒木華Cocco
綾野剛、原日出子
地曵豪、毬谷友子
和田聰宏、佐生有語
夏目ナナ、金田明夫
りりィ、他

物語・東京で派遣教員をしている皆川七海(黒木華)は、鉄也とSNSで知り合った後に結婚。結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野剛)に頼む。しかし、間もなく鉄也の浮気が明るみに。ところが七海が浮気をしたと義母に責められ、家を出ていくことになる。そんな七海に安室が結婚式の代理出席や、月給100万円の住み込みメイドのアルバイトを紹介。そこでメイド仲間で、型破りで自由な里中真白(Cocco)と出会う。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
あれよあれよという間に悲惨な出来事になだれこみ"なんでも屋"コンダクター安室行舛(綾野剛)に導かるまま、終映後、気がつけば見ているこちら側(内側)も皆川七海(と同じように少しだけ向こう側(外側)に出られたような気分になる。
現実からファンタジー、そしてまた現実へ。
その抜け出た現実(リアル世界)は最初見ていたものとは違って見える。
なんという傑作!
名前でいろいろ遊んでいたり(かけていたり)する岩井俊二監督作品。
(『花とアリス』でも駅の名前が漫画家繋がりになっていました。白戸方面、水木、藤子、北廊、塗壁、野比田など)
LINE(のようなSNS)画面に出た安室の敬礼写真
「アムロ、行きます」
(冗談のようなホントのような、ちょっとひとをくったような、でも、その匙加減も岩井監督作品)
いろいろな方が指摘しているとおり七海の名前も"全ての川は七つの海に帰す"と意味深。
それにしても真白(Cocco)の母親役がりりィ
(まさに沖縄歌姫の共演←実際の共演場面はありませんが)
真白の葬儀(擬似家族が本当の家族のように参列している)の後のこの母親を訪ねて行くシーン。
ここだけが映像のトーンもドキュメンタリーのようなリアルなタッチに変わる。冒頭、SNSで知り合って結納、結婚へと至る七海の(海月のような)ふわふわとした実態のないリアルではなく、本当にありのままの現実。
カメオ出演、笑える(笑っちゃいけないのかもしれないけど)多数。
ただ、それさえも埋没させてしまうほど本編密度が濃密。
(紀里谷監督には笑ってしまいましたが…)
真白の台詞
「この世界はさ、ほんとうは幸せだらけなんだよ」
「コンビニで知らない人がわたしなんかのためにせっせっせっと商品を詰めていってくれるんだよ」

Memo2
劇場公開作以外に配信限定版(海外上映バージョン)と映画とは異なる全6話からなるBSスカパー!で放送中『リップヴァンウィンクルの花嫁』serial edition。各話のサブタイトルが「結納」「結婚」「離婚」「家族」「白い館」「花嫁」と端的にして秀逸。
http://www.bs-sptv.com/rvw-bride/
メイキング映像を見ると使用カメラがREDだった。
撮影監督・神戸千木 Web Site
Ebank
http://www.ebnak.com/

Rvw
パンフレット
岩井俊二監督や出演者へのインタビュー。宮台真司、中森明夫、岡田育各氏による寄稿。プロダクションノートなど濃い内容。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』公式サイト
http://rvw-bride.com/

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2016-04-14

"ビスケット!ビスケット!"『ミラクル・ニール!(Absolutely Anything)』テリー・ジョーンズ監督、サイモン・ペッグ、ケイト・ベッキンセール、ロビン・ウィリアムズ、他

注・内容、台詞に触れています。
ミラクル・ニール!
Absolutely Anything

監督 : テリー・ジョーンズ
出演 : サイモン・ペッグ
ケイト・ベッキンセール
ロビン・ウィリアムズ(VC)
ロブ・リグル、他

物語・はるか銀河系の彼方ではエイリアンたちが地球を滅ぼそうと画策していたが、一度だけ地球存続のチャンスを与えなくてはならないというルールが存在してい た。そこで彼らはロンドンの教師ニール(サイモン・ペッグ)を適当に選出し、全知全能の力を授ける。何も知らぬまま地球の命運を託されたニールだったが、 そのパワーで愛犬デニスと会話をするなど、くだらないことに能力を使ってばかりで…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
「もしも、どんなことでも可能な"全能の力"を手に入れたら」と、いった過去既に何作もあったような気がする設定をサイモンペッグが演じたら…そして、その作品をあのモンティ・パイソン、テリージョーンズ監督が撮ったなら。
初め宇宙人が"銀河連盟"云々で集まって評議会シーン、あ、これって手塚治虫先生の『W3』?(←地球を滅ぼすか滅ぼさないかの判断をする調査のために送り込まれたのがW3)
と、思いきや、まぁ見事なタカ派丸出しな辺りがおかしい。
地球人の言葉に翻訳して会議するのが決まり。
(その言語が地球の何処のエリアかが終盤「オーストラリア」と判明して、腐すあたりいかにも)
そして消滅させようということになり、そのカウントダウン。
「カウントは"3"で」
宇宙人言語で"1"と"2"がめちゃくちゃ長い(何を言ってるかわからないけれど、とにんく長い)
「"3"は普通」
で、その宇宙人のボイスキャストがモンティ・パイソンのメンバー全員 笑
(テリー・ギリアム監督もしっかり参加)
ニールが右手を振ることで手に入れた全能の力
まず目にしたのが歩く愛犬デニスのウンチ 笑
(続いてナニを世界一でかくしろ、で、後ろへ押し倒されるようにひっくり返る。他にも言う事を聞かない生徒たちのクラスを爆破したり、アメリカ大統領になってみたり)
この全能の力、状況説明を丁寧に唱えないととんでもないことに。
「バスへ移動」
バスの屋根に乗っている
「バスの上じゃない、バスの中へ」
ボンネットの中に入っている
「じゃなくて、バスの車内へ」
と、いった具合。
ニールと同じアパートに住むキャサリン(ケイト・ベッキンセール)のサイコな(ほぼ一方的な)元彼、グラント大佐(名前がグラントといったところで何やらおかしい)を演じたロブ・リグル(実際、元・海兵隊員というところが、さらにおかしい 笑)←さらにさらに『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』でも大尉役で出てた。←さらにさらにさらにニールを捕まえて自分の望みを叶えさせる、その望みの"阿呆らしさ"
「色の白いイギリス人の耳をデカくして、足を水かき付きにしろ」
「警察官の制服をピンクにしろ」
「信号を全部、赤にしろ」…などなど
愛犬デニスの声をロビン・ウィリアムズ
ほとんどアドリブではないかと思える至芸。
「ビスケットビスケット」
「ひとつのことを考えると、そのことだけが頭に浮かぶんだ」
「お前はいいなぁ」
「ビスケット」
ラストのオチ
画面中央にデニスと元グラント大佐だったワンちゃんw
この有名なセリフ(『お熱いのがお好き』)と同じ台詞で締めるところにニヤリ
I'm not a dog, I'm a man.
Hey, nobody's perfect.

Memo2
PDF公開中のプロダクションノート(英文)
http://www.lgukpublicity.co.uk/uk/images/Prodnotes/FINAL_Absolutely_Anything_UK_Production_Notes.pdf
「ビスケット!ビスケット!」
「キッチンの上の棚にあるビスケット!」
まさにロビン・ウィリアムズならではの至芸!
Robin Williams' Last Role: 'Absolutely Anything' Exclusive Clip
https://youtu.be/J1txirbfVGo
ABSOLUTELY ANYTHING: Making of for the Aliens
The Art of VFX (動画Flash 6分2秒)
http://www.artofvfx.com/aa/
カイリー・ミノーグ"Absolutely Anything and Anything At All"に乗せて流れる可愛らしいエンドクレジット(最後まで楽しい!)
そしてロビン・ウィリアムズのアフレコ風景も!
Titles and End Roller Designはモンティ・パイソン作品にもかかわったJustin Weyers

映画『ミラクル・ニール!』公式サイト
http://miracle-neil.jp/sp/


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2016-04-13

『モヒカン故郷に帰る』沖田修一監督、松田龍平、前田敦子、柄本明、もたいまさこ、他

注・内容、台詞に触れています。
モヒカン故郷に帰る

監督 : 沖田修一
出演 : 松田龍平
柄本明前田敦子
もたいまさこ
千葉雄大、他

物語・プロのバンドマンになるべく東京で活動していた永吉(松田龍平)は、付き合っている由佳(前田敦子)が身ごもったことを報告するために数年ぶりに広島の島へ戻ってく る。頑固な父親・治(柄本明)は息子の永吉につっけんどんな口調で接するが、内心はうれしくてその夜、島民たちを誘って大宴会を開催。しかし、宴会の最中に治が倒れ、がんであることが発覚し余命宣告を受ける。永吉は父親の喜ぶ顔が見たいと奮起するも、なかなかうまくいかず…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Mo

Memo
エンドクレジットで細野晴臣さんの「MOHICAN」が流れて気づく、あー、全編このテンポで描かれてたんだということ。
吹奏楽部の唯一の男子、野呂くん(←サイコーに可笑しい)。
治も中学生の時の永吉とだぶるのか特に厳しく指導。
ある日、見舞いに来ていた野呂くんを車で送ることになった永吉。
車内では永吉のCDがガンガンに鳴っている。
会話の際に少し下げて話しているとポツリと。
「さっきから、思ってたんですけど…このバンド、カッコイイっすよね」
「野呂くん」
ちらっと見て
「君、わかってるね」
「広島県民にとって、矢沢は義務教育です」
(拓郎さんも浜田省吾も奥田民生もいますよー)
その矢沢永吉のポスターやグッズに囲まれた
いい台詞とシーンがいくつも。
昼間に家族で海岸へ出た際に父親が今の永吉を中学生の頃の永吉だと思って会話するシーン。
車椅子に日傘の父・治、横に並んで砂浜に座る永吉。
それを写す背中越しのショット。
その先に波と戯れる由佳と母親(もたいまさこ)
「お前、練習は」
「中学出てもブラス、やるんか」
「東京へ出てビッグになって帰ってこい」
「そしたら、宴会してやるから」
(これが永吉が帰ってきた際に行われた宴会と繋がる)
もうひとつ、こんなシーン
どう接したら父親が喜ぶのかわからずにとまどっている永吉。
「早よぉ、東京帰れ」
ベッドの上の治。
くるっと横を向いて
「お前に優しくされると明日にでも死んでしまうような気がする」
前田敦子、いくつかの映画作品でみせた暴食いシーン。
本作は冒頭のスパゲティと唐揚げを豪快に。
(あとは"つわりシーン"でまさかのアジの開きを調理するところ←この設定 笑)
由佳と母親がすぐに仲良くなって、本当に昔からの家族のよう。
(逆に治と永吉の男同士は妙にどうしたらよいのかわからない距離←墓参りに行くのも一緒に行こうと言わずに唐突に出かけていって、永吉が追いかけていく格好になってるのもよかった)
伊勢海老(『南極料理人』)海苔(『キツツキと雨』)とんがりコーン(『滝を見にいく』など沖田修一監督作品で毎回出てくる食べものネタが本作も。
まさかのピザ配達バイクのデッドヒート!
これは笑った。
(ピザ配達の人が3人、意識しながら同じ船に乗ってやってくるシーンも 笑)
「だ・ん・ま・つ・まーーーー!!!」
冒頭ライヴハウスシーンの第一声が、まさかの円環構造。
由佳と結婚式シーン(病院を式場にしつらえて)。
ベールをあげてキス…と、いった瞬間に父・治の「あーーーー!!!」といった声と共に「だんまつまー」とかぶさって暗転。
ラストは東京へ帰っていく永吉と由佳の船の上のショット。
このふたりの距離が最初、島へやって来た感じと違って見える。
全く暗さや湿り気のない、それでいて"家族を描いた"見事な映画でした。

映画『モヒカン故郷に帰る』公式サイト

http://mohican-movie.jp/


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2016-04-10

"How have I ever deserved such love?"『リリーのすべて(The Danish Girl)』トム・フーパー監督、エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、他

注・内容、台詞に触れています。
リリーのすべて
The Danish Girl

監督 : トム・フーパー
出演 : エディ・レッドメイン
アリシア・ヴィキャンデル
ベン・ウィショー
セバスチャン・コッホ
アンバー・ハード
マティアス・スーナールツ、他

物語・1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

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Memo1
エディ・レッドメインの役どころを支えるアリシア・ヴィキャンデルがめちゃくちゃ上手い(アカデミー賞助演女優賞さもありなん)
もちろんエディレッドメインもすごいのだが、変わっていく彼を受け止めるヴィキャンデルの心情(トムフーパー監督ということもあってバストショットやアップが多くなるため表情による演技)表現。
モデルがキャンセルになったため代わりにモデルを務めるアイナー。
この時の自分の脚をみつめるアイナーの視線。
We’re going to call you Lili...
そしてウラがユリの花束をアイナーにポンと渡す。
(この時、アイナーは自分の中に存在する女性のことに気づく)
「あなたはリリーよ」
女性の仕草を真似ていくアイナー。
それは画家だからこその模倣の視点。
ワンちゃんが癒す
(観客も癒されましたが)
・最初のあたりでゲルダが肖像画を描いているシーン。
その肖像を描いてもらっている本人に対して。
「ジッとして」
「動かないで」
(ワンちゃんにもモデル、どちらに言ってるのかわからない感じが可愛らしいシーン)
・また、アイナーとゲルダ、2人の顔を順に見るシーンがあって、これが本当にパッパッと見返す感じで素晴らしい名演技
性別適合手術を受けるために旅立つアイナーを見送る駅のシーン。
プレゼントされたスカーフを首に巻くゲルダ
そのスカーフをアイナーに渡し駅での(男女としての)最後のキス。
列車に乗り込んでからも車両の窓を順に見ていって姿を探すゲルダ。
そして投げキスを送り。
列車が走りだしたと同時に急ぎ足で歩き始めるゲルダ。
(この時のゲルダの表情)
駅が出てくる(別れが多い)シーンの映画が好きだけれども、本作のシーンも格別のものがありました。

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外に出たいと庭に。
そこで交わされた台詞。
ゲルダへの無条件な愛への感謝
「大きな愛に答えられたのかしら」
How have I ever deserved such love?
ラストシーン
風景画で描かれた沼地に行くゲルダと画商のハンス(マティアス・スーナールツ)
舞い上がる、(二人の間を結びつけていたかのような)スカーフ
「行かせてあげて」
「自由になれたのよ」
※台詞は記憶をたどって書いているので若干、違うかも知れません。

Memo2
音楽が(あまりの多作ぶりで世界中にコピーロボットがいるのでは?と噂される)アレクサンドラ・デスプラ
最近、発刊された「女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」アール・デコのうもれた美女画」 (著者の荒俣宏さんによるとリリーよりリリの方がしっくりくると書かれているとおり脚本もLili表記になってました)
脚本(PDFで公開中)
Screenplay by Lucinda Coxon
http://focusguilds2015.com/workspace/media/dg-finalversion.pdf
『リリーのすべて』衣装展示記事
Hollywood Movie Costumes and Props
http://hollywoodmoviecostumesandprops.blogspot.jp/search/label/The%20Danish%20Girl
タイトルデザイン
(ラストと繋がる沼地、そして断崖)
Lipsync Design
MOVIE TITLE STILLS COLLECTION記事
http://annyas.com/screenshots/updates/danish-girl-2015-tom-hooper/

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映画『リリーのすべて』公式サイト
http://lili-movie.jp/

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2016-04-01

"加野屋暖簾の配色"『あさが来た』(大森美香脚本、波瑠、玉木宏、他)セット公開

あさが来た』セット公開。
於 : NHK大阪放送局 1階アトリウム

2016年4月2日最終回を前にセット公開に行ってきました。
(大阪放送局制作朝ドラは毎年、この時期にセット公開していますが、こちらへ来るのは『カーネーション』以来久々)
衣装もステキ!

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▲白岡家の庭の写真、右上階段下の招き猫がピンスポット状態!


3つの両替屋のイメージカラー
今井家の萌葱色、山王寺屋の猩々緋(しょうじょうひ)色、そして加野屋の藍色。

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加野屋
イメージカラー
DIC-N889日本の伝統色・藍色
入口暖簾・アクセント色
DIC-N728日本の伝統色・
緋褪(ひざめ)色
※印刷の色とモニター上の色、暖簾への染め色、更にそれを写した色が微妙に違います。

最後に加野銀行とその他看板の数々。

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Kano


NHK連続テレビ小説「あさが来た」
http://www.nhk.or.jp/asagakita/

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