『モヒカン故郷に帰る』沖田修一監督、松田龍平、前田敦子、柄本明、もたいまさこ、他
注・内容、台詞に触れています。
『モヒカン故郷に帰る』
監督 : 沖田修一
出演 : 松田龍平
柄本明、前田敦子
もたいまさこ
千葉雄大、他
物語・プロのバンドマンになるべく東京で活動していた永吉(松田龍平)は、付き合っている由佳(前田敦子)が身ごもったことを報告するために数年ぶりに広島の島へ戻ってく
る。頑固な父親・治(柄本明)は息子の永吉につっけんどんな口調で接するが、内心はうれしくてその夜、島民たちを誘って大宴会を開催。しかし、宴会の最中に治が倒れ、がんであることが発覚し余命宣告を受ける。永吉は父親の喜ぶ顔が見たいと奮起するも、なかなかうまくいかず…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●エンドクレジットで細野晴臣さんの「MOHICAN」が流れて気づく、あー、全編このテンポで描かれてたんだということ。
●吹奏楽部の唯一の男子、野呂くん(←サイコーに可笑しい)。
治も中学生の時の永吉とだぶるのか特に厳しく指導。
ある日、見舞いに来ていた野呂くんを車で送ることになった永吉。
車内では永吉のCDがガンガンに鳴っている。
会話の際に少し下げて話しているとポツリと。
「さっきから、思ってたんですけど…このバンド、カッコイイっすよね」
「野呂くん」
ちらっと見て
「君、わかってるね」
●「広島県民にとって、矢沢は義務教育です」
(拓郎さんも浜田省吾も奥田民生もいますよー)
その矢沢永吉のポスターやグッズに囲まれた
●いい台詞とシーンがいくつも。
昼間に家族で海岸へ出た際に父親が今の永吉を中学生の頃の永吉だと思って会話するシーン。
車椅子に日傘の父・治、横に並んで砂浜に座る永吉。
それを写す背中越しのショット。
その先に波と戯れる由佳と母親(もたいまさこ)
「お前、練習は」
「中学出てもブラス、やるんか」
「東京へ出てビッグになって帰ってこい」
「そしたら、宴会してやるから」
(これが永吉が帰ってきた際に行われた宴会と繋がる)
●もうひとつ、こんなシーン
どう接したら父親が喜ぶのかわからずにとまどっている永吉。
「早よぉ、東京帰れ」
ベッドの上の治。
くるっと横を向いて
「お前に優しくされると明日にでも死んでしまうような気がする」
●前田敦子、いくつかの映画作品でみせた暴食いシーン。
本作は冒頭のスパゲティと唐揚げを豪快に。
(あとは"つわりシーン"でまさかのアジの開きを調理するところ←この設定 笑)
●由佳と母親がすぐに仲良くなって、本当に昔からの家族のよう。
(逆に治と永吉の男同士は妙にどうしたらよいのかわからない距離←墓参りに行くのも一緒に行こうと言わずに唐突に出かけていって、永吉が追いかけていく格好になってるのもよかった)
●伊勢海老(『南極料理人』)海苔(『キツツキと雨』)とんがりコーン(『滝を見にいく』など沖田修一監督作品で毎回出てくる食べものネタが本作も。
まさかのピザ配達バイクのデッドヒート!
これは笑った。
(ピザ配達の人が3人、意識しながら同じ船に乗ってやってくるシーンも 笑)
●「だ・ん・ま・つ・まーーーー!!!」
冒頭ライヴハウスシーンの第一声が、まさかの円環構造。
由佳と結婚式シーン(病院を式場にしつらえて)。
ベールをあげてキス…と、いった瞬間に父・治の「あーーーー!!!」といった声と共に「だんまつまー」とかぶさって暗転。
ラストは東京へ帰っていく永吉と由佳の船の上のショット。
このふたりの距離が最初、島へやって来た感じと違って見える。
全く暗さや湿り気のない、それでいて"家族を描いた"見事な映画でした。
映画『モヒカン故郷に帰る』公式サイト
http://mohican-movie.jp/
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前田敦子、千葉雄大は乗った感ありなかなか役者さんは良かった。
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