『レヴェナント : 蘇えりし者(The Revenant)』アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、他
『レヴェナント : 蘇えりし者』
The Revenant
監督 : アレハンドロ・G・イニャリトゥ
撮影 : エマニュエル・ルベツキ
出演 : レオナルド・ディカプリオ
トム・ハーディ
ドーナル・グリーソン、他
物語・アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨て、息子ホークを殺したフィッツジェラルドに復讐を果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●“レヴェナント”とは“黄泉の国から戻った者”という意味。
しかし、これは"死んでいたと思われた男が復讐に執念を燃やす"単なる復讐譚ではなくヒュー・グラスは何かに導かれるように、雪原を旅し、あのラストへと帰結する。
●最初のワンカットで撮られた(と、思しき)ネイティヴアメリカンによる狩猟キャンプ襲撃シーンから熊に襲われるところまでで、たった30分しか経っていないという驚くべき冒頭部分。
これによって観客は、主人公たちがいる場所へと放りこまれた形となる(で、怖い)
そしてグラスと共にサバイバルの旅が始まるわけである。
●そのうち監督が「ルベツキ、ルベツキ言うなぁー(関西弁)」と、拗ねてしまうのではないかと思われるほど語られるルベツキによる撮影。
今回の自然光だけで撮られたと言われる数々のシーン、メイキング映像を見るとマジックアワーとは別に意外と明るい光(主に午前)でも撮っていて、これは最終的にカラコレで本作の統一された寒色系のトーンに色を落ちつかせたのだな、ということがわかる。
●印象に残った場面。
グラスの妻が撃たれたとき、その撃たれた胸の箇所から小鳥がもぞもぞっと出てきて飛び立つところは、はっとさせられた。
(その後も夢の中にも浮遊して現れたり、やはり導きつづけているのか…)
●SWITCHに掲載された坂本龍一×真鍋大度対談より抜粋
"編集と並行して音楽を足掛け半年ぐらい延々とやってたんですけど、送られてくる仮編集がOSみたいにバージョンがついていて、Ver1から始まって最終的には11月の時点でVer8.5まできたので(笑)その間、刻々と変わっていくんです"←この仮編集版、見てみたいなぁ←イニャリトゥ監督とルベツキ撮影の秘密がわかるかも。
製作費が1億3500万ドル。
予算の半分ぐらいがテクニカルかことにかかってる、ということはいったい、どれほどの時間が編集やVFX、カラコレなどに費やされたのだろうか…。
※蛇足
●最近はクマの映画をよく見る。
パディントン、テッド、レヴェナント(よいクマ、わるいクマ、きょうぼうなクマ←今ここ)
※Memo2
●Neil Kellerhouse Designによるポスター。
写真の上にのせる計算されつくしたフォント処理で数多くの亜流を生み出した。その作品の多くはオフィシャルサイトで見ることができます。
http://www.kellerhouse.com/
●タイトルデザインはScarlet Letters
使用フォントTrade Gothic
川、もしくは樹木の間を流れる水(最終場面も川)にかぶさって出るシンプルなタイトル。(フォントのピッチが絶妙。これはエンドタイトル部分にも)
●Technicolor社による『レヴェナント : 蘇えりし者』『バードマン』などのColor Finishing ケーススタディ記事(PDFダウンロードスタイル)
http://www.technicolor.com/en/solutions-services/entertainment-services/creative-houses/technicolor-los-angeles/color-finishing
●ドキュメンタリー(45分)、撮影、カラコレ、音響など様々なメイキング関連(動画・記事)リンクを網羅
http://jonnyelwyn.co.uk/film-and-video-editing/the-making-of-the-revenant/
映画『レヴェナント:蘇えりし者』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies-jp.com/revenant/
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 『レヴェナント : 蘇えりし者(The Revenant)』アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、他:
» 映画:レヴェナント: 蘇えりし者 The Revenant イニャリトゥの執念がまたもや結実した傑作。 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
当ブログは2年前の年末映画ベスト10で、同スタッフの「バードマン」 を3位にいれていた。
サブタイトル=「中年の悲哀を全面に出しつつ、噂に違わぬ 超・快? 怪作!(12/18アップ)」
オフビート系な映画にもかかわらず、ここまで心を掴まされるとは、驚き!...... [続きを読む]
受信: 2016-05-02 23:56
» レヴェナント:蘇えりし者 [佐藤秀の徒然幻視録]
トム・ハーディの悪にはワケがある
公式サイト。原題:The Revenant。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督(本年度米アカデミー監督賞受賞)、音楽:坂本龍一。レオナルド・ディカプリオ(本年 ...... [続きを読む]
受信: 2016-05-03 07:21
» レヴェナント:蘇えりし者 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★★☆【4.5点】(11)(11)
極限という言葉が最も当てはまる映画。 [続きを読む]
受信: 2016-05-03 09:15
» レヴェナント 蘇えりし者 [Akira's VOICE]
そして彼はクマになった。
[続きを読む]
受信: 2016-05-03 10:08
» レヴェナント:蘇えりし者・・・・・評価額1800円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
死の先に、何を見出すのか?
タイトルの「レヴェナント(Revenant)」には、「帰ってきた者」の他に「亡霊」という意味がある。
本作は19世紀初頭のアメリカで活躍した猟師にして探検家、ヒュー・グラスを主人公とし、彼がグリズリーに襲われ、仲間に見捨てられながらも満身創痍で生還を果たした実話を元にしている。
ただ、これは単なるサバイバル劇ではない。
未開拓の原野を這いずりまわる、絶...... [続きを読む]
受信: 2016-05-03 16:04
» レヴェナント:蘇えりし者 [to Heart]
THE REVENANT
上映時間 156分 映倫 R15+
監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
脚本 マーク・L・スミス/アレハンドロ・G・イニャリトゥ
音楽 坂本龍一
出演 レオナルド・ディカプリオ /トム・ハーディ/ドーナル・グリーソン/ウィル・ポールター/ルーカス・ハース
1823...... [続きを読む]
受信: 2016-05-03 20:07
» 「レヴェナント 蘇えりし者」:大自然と激痛サバイバル [大江戸時夫の東京温度]
映画『レヴェナント 蘇えりし者』は、明らかに映画史に残る作品。シンプルなサバイバ [続きを読む]
受信: 2016-05-03 21:46
» 「レヴェナント:蘇えりし者」絶対不死身、ディカプリオ! [シネマ親父の“日々是妄言”]
[レヴェナント:蘇えりし者] ブログ村キーワード
“アカデミー賞最多12部門ノミネート、監督賞・主演男優賞・撮影賞 受賞!”「レヴェナント:蘇えりし者」(20世紀フォックス)。実在した伝説のハンター、ヒュー・グラスの実話を基にした“サバイバル・ドラマ”。とにかく圧倒されます!
19世紀半ば、アメリカ西部未開の地。狩猟チームのガイドを務めるグラス(レオナルド・ディカプリオ)は、今は亡き先住民の妻との間に生まれた息子のホーク(フォレスト・グッドラック)と共に、危険な旅を続けていた。或... [続きを読む]
受信: 2016-05-03 22:55
» 「レヴェナント:蘇りし者」 映画圧を感じる [はらやんの映画徒然草]
今年のアカデミー賞を総なめにした「レヴェナント:蘇りし者」を観てきました。 アレ [続きを読む]
受信: 2016-05-04 06:57
» レヴェナント:蘇えりし者 監督/アレハンドロ・G・イニャリトゥ [西京極 紫の館]
【出演】
レオナルド・ディカプリオ
トム・ハーディ
ドーナル・グリーソン
【ストーリー】
アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラスは狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしま...... [続きを読む]
受信: 2016-05-04 08:56
» 「レヴェナント:蘇りし者」☆生まれ変わって蘇るレオ様 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
これは凄い!
これでアカデミー賞取らなかったらオカシイよね。 [続きを読む]
受信: 2016-05-04 10:36
» レヴェナント 蘇えりし者/THE REVENANT [我想一個人映画美的女人blog]
「アモーレス・ペロス」 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が、
実話を基に復讐のためだけに過酷な状況を生き抜く、決して諦めない男を描く。
原題のレヴェナントには、「帰...... [続きを読む]
受信: 2016-05-04 17:41
» レヴェナント:蘇えりし者 [★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★]
【THE REVENANT】 2016/04/22公開 アメリカ R15+ 156分監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラッグ
復讐の先に、何があるのか。
STORY:アメリカ西部の...... [続きを読む]
受信: 2016-05-05 23:25
» 神の手~『レヴェナント:蘇えりし者』 [真紅のthinkingdays]
THE REVENANT
19世紀、雪深いアメリカ北西部。ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は
原住民の妻との間にもうけた息子ホーク(フォレスト・グッドラッグ)と共に、狩猟
団の一員として原野を旅していた。
レオが6度目のノミネートにして、遂にオスカーを手にした話題作。監督のア
レハンドロ・G・イニャリトゥは2年連続、撮影のエマニュエル...... [続きを読む]
受信: 2016-05-06 12:45
» レヴェナント:蘇えりし者 [タケヤと愉快な仲間達]
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ 出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラッグ、ドウェイン・ハワード、アーサー・レッドクラウド、グレイス・ドーヴ、ポール・アンダーソン、ルーカス・...... [続きを読む]
受信: 2016-05-06 17:55
» 『レヴェナント 蘇えりし者』 デジタル・シネカメラの進化 [Days of Books, Films]
The Revenant(viewing film) 映画を見る醍醐味のひとつは [続きを読む]
受信: 2016-05-06 18:50
» レヴェナント 蘇えりし者 [映画的・絵画的・音楽的]
『レヴェナント 蘇えりし者』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。
(1)主演のディカプリオがアカデミー賞主演男優賞を受けたというので、映画館に行ってきました。
本作(注1)の冒頭では、夜、横になっている主人公のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)が、先...... [続きを読む]
受信: 2016-05-10 07:16
» 「レヴェナント:蘇えりし者」 [或る日の出来事]
凄いところは凄すぎて、あり得ず、かっこつけすぎ。眠くなった。 [続きを読む]
受信: 2016-05-10 22:31
» [映画][☆☆☆☆★][2016年の映画]「レヴェナント: 蘇えりし者」感想 [流浪の狂人ブログ〜旅路より〜]
マイケル・パンクの小説「蘇った亡霊:ある復讐の物語」を、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のレオナルド・ディカプリオ主演で映画化。西部開拓時代に実在し... [続きを読む]
受信: 2016-05-12 20:24
» 「レヴェナント 蘇えりし者」 [ここなつ映画レビュー]
レオナルド・ディカプリオは年を取ってから(失礼!)の方が好きなので、彼がオスカーを受賞した事は、心からおめでとうを言うよりほかの気持ちは無い。むしろ遅い、遅過ぎた、という気持ちがある程だ。というか、何もこの「レヴェナント〜」で獲る必要があったのか?という疑問が拭えない。何となく、長いこと一生懸命やった人に対する「ご苦労さん代」のような気がしてならない。と言うのも、大変熱演なのは判るんだけど、セリフは9割方ハアハアという荒い息遣いだし、表情は髪の毛と髭に覆い隠されてうかがい知ることができない。血と泥と... [続きを読む]
受信: 2016-05-13 12:55
» レヴェナント 蘇えりし者 [象のロケット]
1823年、西部開拓時代のアメリカ。 ミズーリ川沿いを進むヘンリー隊長率いるハンターの一団は、狩りの途中でアリカラ族の襲撃に遭い、船を放棄し山沿いを歩いてカイオワ砦まで戻ることに。 ポーニー族の血を引く息子ホークと共にガイド役を務めるヒュー・グラスは、途中ハイイログマに襲われ瀕死の重傷を負う。 隊長はホークと青年ブリジャー、そしてフィッツジェラルドの3人にグラスを看取るよう命じ、先へ進むが…。 実話から生まれたサバイバル・アクション。... [続きを読む]
受信: 2016-05-14 09:46
» レヴェナント 蘇えりし者 / The Revenant [勝手に映画評]
レオナルド・ディカプリが、アカデミー賞(主演男優賞or助演男優賞)ノミネート5度目にして、初めて主演男優賞を受賞。これで彼も、無冠の帝王を脱したわけですね。
初めてのアカデミー主演男優賞のレオ様の重厚な演技が光っているそんな話題作ですが、同じく今回のアカ...... [続きを読む]
受信: 2016-05-15 19:56
» 大自然の猛威の中に [笑う社会人の生活]
25日のことですが、映画「レヴェナント:蘇えりし者」を鑑賞しました。
IMAXにて
狩猟中に熊に襲われ瀕死の重傷を負ったヒュー・グラス グラスを足手まといだと狩猟メンバーのフィッツジェラルドは置き去りにし
反抗したグラスの息子も殺害 かろうじて生還したグラス...... [続きを読む]
受信: 2016-05-17 17:33
» 【cinema】『レヴェナント 蘇えりし者』 [・*・ etoile ・*・]
2016.05.04 『レヴェナント 蘇えりし者』@TOHOシネマズ市川コルトン
もう何度も書いて申し訳ないけど、デカプーことレオナルド・ディカプリオ登壇のジャパンプレミア当選してた。枚数オーバーで入場できずその代わりとして貰ったムビチケを使って、快晴だけど風の強いG...... [続きを読む]
受信: 2016-05-19 12:03
» レヴェナント:蘇えりし者 [銀幕大帝α]
THE REVENANT
2015年
アメリカ
156分
アクション/ドラマ/アドベンチャー
R15+
劇場公開(2016/04/22)
監督:
アレハンドロ・G・イニャリトゥ
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
製作:
アレハンドロ・G・イニャリトゥ
脚本:
アレハ...... [続きを読む]
受信: 2016-08-27 20:19
» レヴェナント:蘇えりし者 [いやいやえん]
【概略】
狩猟の旅の途中、ヒュー・グラスは瀕死の重傷を負う。彼は仲間に置き去りにされた上、最愛の息子の命を奪われてしまう。
アクション
復讐の先に、何があるのか。
本作を賞賛されてる方には申し訳ないのですが…。私はあんまり好きじゃなかった。映像は凄いしカメラワークも素晴らしい。でも、じゃあ何度も見たい映画かといわれたら、それはNO。だって単純に面白くないんだもの。
ほとんどのシーンは主人公が困難にあり、極寒の地で大怪我をしている状態で、台詞がなく、食料も手に入らないし、痛いや... [続きを読む]
受信: 2017-01-14 10:38