2016年の『エクス・マキナ(Ex Machina)』アレックス・ガーランド監督、アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザック
注・内容、他含めネタばれしています。
『エクス・マキナ』
Ex Machina
昨年5月に『エクス・マキナ(Ex Machina)-原題』(2015-05-24←ブログTBはこちらの記事へお願いします)のタイトルでブログメモを書いたときは、まだ未公開だった作品が遂に日本公開!
その時点で書いたブログメモを読み返してみると、まだキャストも(無名とまでは言わないけれど脚光をあびるほどの)有名さではなく、さらにアカデミー賞視覚効果賞を受賞するとは誰も予測しえなかった作品。
(アリシア・ヴィキャンデルが『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞を受賞することも)
そして最も驚くべき点は、今年、人工知能が囲碁で勝利するという2015年末でも予測できなかった事態が現実となっていること。(後述『WIRED』No.20の人工知能特集でも「囲碁という謎」というタイトルで"人工知能はいまだ棋士に勝つことができない"とレポート記事が書かれている)
※Memo
●監督アレックス・ガーランドへのインタビュー
・「イギリス版 MIT といえるインペリアル・カレッジの認知ロボット工学教授のマレー・シャナハンが書いた本に出合ったときは、その主張に強く共感した」
(教授はじめ、他の何人かに脚本を厳しくチェックしてもらったとも)
・「ぼくが思うに、この映画には互いにまったく独立したふたつの要素がある。ひとつはAIと意識に関するものだけど、もうひとつは人の社会の成り立ちに関するものなんだ。つまり、どうしてこの男は20代前半の女の形をした機械をつくり、テストのためと言ってそれを若い社員に託すのかという問題だね」
・AIと倫理についての最近の議論はフォローしていますか?の質問に答えた後「では、スカイネット(『ターミネーター』シリーズに登場する人類を滅ぼす人工知能 )については心配していないのですね」の問いに。
「ある意味、歓迎するね。人間はこの星で滅びるんだ。それは環境破壊のためかもしれないし、太陽系や太陽で起こる変化のためかもしれない。でもそれが起こるとき、われわれは決してワームホールを通り、別の銀河に行って、古くからある生存可能な惑星を見つけることなんてない。そんなことはありえなくて、われわれの代 わりに生き残るのは AI なんだ。 もちろん生みだせればの話だけど。 問題はなにもない。むしろ望ましいことだよ」
●アリシア・ヴィキャンデルへのインタビュー
「Ava に意識があるのかないのかは、見た人が自分自身で判断しなければならないの」
「そして、意識はどこから生じるか。いつ生じたのか。最初からプログラムされているものなのか。何が本質的で、何が環境に依存しているものなのかもね」
上記2本のインタビュー『WIRED.20』より抜粋
●NHK『SFリアル』といった番組が放送された。
番組のラスト、このシーンで締めくくられる > 1980年代にコンピュータへのハッキングをきっかけに核戦争が始まる危険性を描いた映画『ウォー・ゲーム』映画の終盤、暴走し始めたコンピューターは核戦争に勝つ方法をシミュレーションし始める。人々はそれを止めようと奔走する。
そしてコンピューターが最後に出した結論。「ウォーゲームに勝つ唯一の方法はゲームを始めないことです」それは戦争を始めないことだった。
「それよりチェスをやりませんか?」
●おそらく本作はじめ、ここ数年の人工知能関連の映画や小説に多大なる影響を与えたと思われるレイ・カーツワイルの著書(本当に大著!)「ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき」のエッセンス版「シンギュラリティは近い [エッセンス版]―人類が生命を超越するとき」が今年、発刊されました。(←原著が、やや冗長的な部分が多いので、めちゃくちゃ読みやすかった!)
●『エクス・マキナ』の、その先。
(さて、何が起こるのか…)
シリコンバレーには既にシンギュラリティ・ユニバーシティ(Singularity University)という教育機関も存在している。
Singularity University
http://singularityu.org/
●マット・カーティスによる美しいエンドタイトル。
Ex Machina titles - Fonts In Use
http://fontsinuse.com/uses/10043/ex-machina-titles
※Inspireを受けたデザイナーが幾つかのタイトルシークエンスを作っている方が多々。
映画『エクス・マキナ』公式サイト
http://www.exmachina-movie.jp/
| 固定リンク