« 『10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)』ダン・トラクテンバーグ監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョン・グッドマン、ジョン・ギャラガー・Jr、他 | トップページ | "最初はみんな笑ってた"『帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da/LOOK WHO'S BACK)』ダーヴィト・ヴネント監督 »

2016-06-19

『64 -ロクヨン- 後編』瀬々敬久監督、佐藤浩市、永瀬正敏、緒形直人、綾野剛、瑛太、仲村トオル、三浦友和、他

注・内容、犯人、ラストに触れています。
64 -ロクヨン- 後編

監督 : 瀬々敬久
出演 : 佐藤浩市
永瀬正敏、三浦友和、緒形直人
綾野剛、榮倉奈々、瑛太、夏川結衣
窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆
鶴田真由、赤井英和、菅田俊
烏丸せつこ、小澤征悦、椎名桔平
滝藤賢一、奥田瑛二
仲村トオル、吉岡秀隆、他

物語項、前編のブログメモはこちら → 『64 -ロクヨン- 前編』

64_2

Memo
なるほど、こう変更してきたか。
(原作未読なのでドラマ版と比較)
でも嫌いではない。
前編の不思議な熱は、どうしてもラストへ向けて、まとまってしまうこととなるので常温化していくことは仕方ない。
それよりも瀬々監督は原作やドラマ版よりも犯人に対して断罪的に描きたかったのではないだろうか?
まず原作小説との違いについて
以下【小説の流儀、映画の作法 横山秀夫(原作者)×瀬々敬久(映画監督)】より引用
"小説ではラストで、三上があくまで広報官として「ロクヨン」に関わり、それまでの出来事を自分なりに消化していきます。でも映画では、広報官としての一線を越えて、一人の人間として事件と対峙する主人公を作りたいと思っていたんです"
対談・全文はこちら↓
本の話WEB
http://hon.bunshun.jp/articles/-/4761
NHKドラマ版(全5回・大森寿美男・脚本)
ドラム缶の下に置かれたメモの上半分を破って飲み込むのは同じだが、その後釈放され、再び長女が誘拐されたと思い込みロクヨン事件の犯行現場に呼び戻されることとなる映画と違って「目先が落ちた」のひとことで終結したことを知る。
ラスト、家出した娘からと思しき電話で幕を閉じるところは同じ。
各話につけられたサブタイトルがそれぞれ「窓」「声」「首」「顔」そして最終話が「指」!
そして、映画。
『復讐するは我にあり』での三國連太郎、緒形拳共演を彷彿とさせる場面があるのでは?と、公開前から期待されていた佐藤浩市と緒形直人の直接対峙するシーン。
追いかける三上。
逃げる目先(緒形直人)
「どうして殺してしまったんだ」
「わからないんだ」
一瞬、佐藤浩市とのあいだに間(ま)があいて掴みかかる三上。
ここで、もし理由付けされると「そんなことで殺してしまったのか」といった台詞展開となるので、あの答えでよかったような気がします。
ロクヨン事件に関わったすべての人に傷を残すこととなったが、忘れてはならないのは亡くなったのは雨宮(永瀬正敏)の娘ということ。
そのこともあっての目先への何よりも重い罰ともとれる場面を用意したのでは?と、思えるのだ。
あと、ドラマではテレビという規制もあってか、犯行シーンなどがなかったように記憶する(あったとしても覚えていないということは印象が薄かったのかもしれない)
思えば、出かけていく雨宮の娘・翔子がどんと焼きで使う餅のささった枝を持って出かけていく姿を捉えたショットがラストのどんと焼きシーンへとつながっていたのだなぁ、と思った。
前編との繋がり。
三上が雨宮宅を訪ねていった際に仏壇の前に置かれた電話帳をさっと避ける場合、その雨宮の指のアップ、ボサボサだった髪型が整えられた時期などが描かれていたが三上が、ロクヨン模倣誘拐事件を追ってる途中に、思い起こしたのシーンが電話帳の部分。そして番号部分が黒ずんだ公衆電話。
そして、今回もドローン撮影がいくつか。
ラストの川に向かって目先を追いかける三上のシーン(こういうショットはクレーンとも違っていて印象的)
『ちはやふる』を見ても思ったことだが、2部作公開の場合、そのタイトルの出し方に特徴が。
前編のシーンがいくつか流れ、三上の顔のアップ、目に寄っていってスコープサイズの右下に手描きによるメインタイトルが出る。タイトルデザインは赤松陽構造さん

映画『64‐ロクヨン‐前編/後編』公式サイト

http://64-movie.jp/


|

« 『10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)』ダン・トラクテンバーグ監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョン・グッドマン、ジョン・ギャラガー・Jr、他 | トップページ | "最初はみんな笑ってた"『帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da/LOOK WHO'S BACK)』ダーヴィト・ヴネント監督 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『64 -ロクヨン- 後編』瀬々敬久監督、佐藤浩市、永瀬正敏、緒形直人、綾野剛、瑛太、仲村トオル、三浦友和、他:

» 64-ロクヨン 後編 [映画好きパパの鑑賞日記]
 前編は豪華演技陣に満足して、後編のオリジナルの結末が楽しみだったけど、実際にみてみると、前編で懸念した人情泣かせに走っていて、リアリティにかけ、がっかりしました。  作品情報 2016年日本映画 監督:瀬々敬久 出演:佐藤浩市、夏川結衣、永瀬正敏 上映時…... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 06:45

» 64 ロクヨン 後編 [映画的・絵画的・音楽的]
 『64 ロクヨン 後編』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。 (1)『64 ロクヨン 前編』が素晴らしかったので、後編もと思って映画館に行ってきました。  本作の冒頭では、雨が降りしきる中で公衆電話ボックス(注1)に入って電話をかけようとする雨合羽の男の姿が映し出さ...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 06:52

» 日本の警察 その85「64(ロクヨン)後編」 (2016 東宝=TBS) [事務職員へのこの1冊]
その84「64(ロクヨン)前編」の特集はこちら。原作の特集はこちら。初日の1回目で見る。前編のボルテージがそのまま維持できれば、確かに映画史に残ったかもしれない。佐藤浩市の、記者たち相手の大芝居や、ポツンと立つ公衆電話が、ある人物の孤独を象徴したりもしていたので。見終わって、うーんそうきたかと思う。前編で広げた大風呂敷を、妙にお行儀よく小さく折りたたんだなあという印...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 07:45

» 64−ロクヨン−後編 [佐藤秀の徒然幻視録]
公私混同は都知事だけじゃない 公式サイト。横山秀夫原作、瀬々敬久監督。佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、柄本佑、窪田正孝、小澤征悦、金井勇太、椎名桔平、滝 ...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 08:46

» 「64 ロクヨン 後編」:健闘の後編 [大江戸時夫の東京温度]
前編を観てから心待ちにしていた映画『64 ロクヨン 後編』を、さっそく公開初日に [続きを読む]

受信: 2016-06-20 10:18

» 劇場鑑賞「64 -ロクヨン- 後編」 [日々“是”精進! ver.F]
ロクヨン事件の終結… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201606110000/ 映画「64-ロクヨンー前編/後編」オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]価格:2500円(税込、送料無料) ... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 12:50

» 64-ロクヨン-後編 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~]
評価:★★★☆【3.5点】(11) 前編で貼られた伏線回収作業は綺麗に処理されたものの [続きを読む]

受信: 2016-06-20 17:59

» 64−ロクヨン−後編 ★★★ [パピとママ映画のblog]
人気作家・横山秀夫の傑作ミステリー巨編を佐藤浩市をはじめとする実力派キャストの豪華共演で映画化したミステリー・ドラマ。本作は前後編2部作の後編。警察庁長官の来県を目前に発生した新たな誘拐事件で県警全体に激震が走る中、さらなるマスコミ対応に追われる広報官・三上が迫る“ロクヨン”捜査の知られざる真相と、現在進行形で展開していく新たな誘拐事件の衝撃の顛末をスリリングに描き出していく。監督は「ヘヴンズ ストーリー」「ストレイヤーズ・クロニクル」の瀬々敬久。 あらすじ:平成14年12月。時効まであと1年と迫... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 18:55

» 64-ロクヨン-後編 [to Heart]
上映時間 119分 原作 横山秀夫『64(ロクヨン)』(文藝春秋刊) 脚本 瀬々敬久/久松真一 監督 瀬々敬久 音楽 村松崇継 主題歌 小田和正『風は止んだ』 出演 佐藤浩市/綾野剛/夏川結衣/緒形直人/榮倉奈々/窪田正孝/坂口健太郎/筒井道隆/小澤征悦/金井勇太/柄本佑/忍成修吾/...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 19:13

» 映画「64-ロクヨン-後編」 [FREE TIME]
映画「64-ロクヨン-後編」を鑑賞しました。 [続きを読む]

受信: 2016-06-20 21:44

» 64 ロクヨン 後編 [勝手に映画評]
『64 ロクヨン 前編』に引き続く後編。結末が、原作と異なっています。 前編が思ったよりも良かったので、期待していきましたが、う~ん、敢えて変えた結末はどうなんでしょうね?わたし的には、ちょっとイマイチ。 って言うか、原作は読んだんですが、どう言う内容だった...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 22:09

» 『64-ロクヨン-後編』 [こねたみっくす]
そこに意地はあるのか。 これが親の意地なのか。これが刑事の意地なのか。これが地元の意地なのか。 全ては既に始まっていた。全ては既に三上広報官の知らぬところで終わりに向け ... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 22:39

» 64-ロクヨン-後編  監督/瀬々 敬久 [西京極 紫の館]
【出演】  佐藤 浩市  永瀬 正敏  緒方 直人  三浦 友和 【ストーリー】 県警の広報官・三上は記者クラブとの摩擦問題をようやく解決した矢先昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件を模倣した誘拐事件が発生し、県警内部の政治対立に翻弄され、再びマスコミと衝突してしまう...... [続きを読む]

受信: 2016-06-20 23:04

» 64-ロクヨン-後編 [★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★]
2016/06/11公開 日本 119分監督:瀬々敬久出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、烏丸せつこ、小澤征悦、金井勇太、柄本佑、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、瑛太、永瀬正敏、三浦友和 STORY:平成14年12月。時効まであと1年と迫った...... [続きを読む]

受信: 2016-06-21 16:49

» 「64-ロクヨン 後編」☆張り巡らされていた伏線 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
64の前編は何も起こらないから、後半から観てもいいのかもって言ってごめんなさい。 前編に見事に張り巡らされた伏線の数々。 この長い長い前置きがあってこその深い物語は、大きく広げた風呂敷をきちんと折り目正しく畳んで、最後にカバンにしまうところまでやってくれたというかんじ。... [続きを読む]

受信: 2016-06-24 10:53

» 「64-ロクヨン-後編」 子への思い、届かぬいたたまれなさ [はらやんの映画徒然草]
<ネタバレ部分があるので、注意してください> 前編は昭和64年に発生した誘拐事件 [続きを読む]

受信: 2016-06-25 23:19

» 「64-ロクヨン-後編」事件の犯人に辿り着いた先にみた警察の失態に失望した被害者自らの犯人追跡で娘の無念を晴らした父親の執念 [オールマイティにコメンテート]
「64-ロクヨン-後編」は64-ロクヨン-前編の続きとなる作品で昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件と同じ手口の事件が起きた事により当時の事件が大きく動き出し真犯人へとたどり着いてい ... [続きを読む]

受信: 2016-07-01 00:20

» 「64(ロクヨン)後編」 [ここなつ映画レビュー]
「怒涛の前編、慟哭の後編」なのである。局の柱巻きに書いてあったのだから、間違いない。そうなんだろうな、と思いつつ、結局公開終了直前に鑑賞。いやもう本当に楽しみにしていたのだけれど、息子と予定を合わせるのが難しいシーズンなので。前編からの期待を裏切らない素晴らしい力作。だが、ラストは原作とは異なるのだという。それは…!大変だ!ということで、自分史上初めて映画を観た後に原作を読む事を決意。で、文庫本を買ってきたのはいいんだけど、読み始めて10ページもいかない内に涙、涙。これは読了するのに相当な気力がいる... [続きを読む]

受信: 2016-07-20 12:42

» 後編は事件は解決へと向うが・・・ [笑う社会人の生活]
23日のことですが、映画「64-ロクヨン-後編」を鑑賞しました。 事件から14年が過ぎた平成14年、新たな誘拐事件が発生 犯人は「サトウ」と名乗り 身代金2000万円を用意してスーツケースに入れ、父親に車で運ばせるなど、事件は「ロクヨン」をなぞっていて・・・ もちろ...... [続きを読む]

受信: 2016-08-19 13:26

» 64-ロクヨン-後編 [タケヤと愉快な仲間達]
監督:瀬々敬久 出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、金井勇太、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、小澤征悦、菅原大吉、柄本佑、坂口健太郎、宇野祥平、菜葉菜、緋田康人、矢柴俊博、加藤虎ノ介、足立智充、大西信満、管勇毅、忍成修吾、森本のぶ、三浦誠己、結城貴史、黒川芽以、渡辺真起子、小橋めぐみ、芳根京子、萩原みのり、渡邉空美、瑛太、滝藤賢一、烏丸せつこ、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、永瀬正敏、三浦友和 【解説】 「クライマーズ・ハイ」などで知られる横山秀夫の原作を基に、『... [続きを読む]

受信: 2017-01-13 05:30

« 『10 クローバーフィールド・レーン(10 Cloverfield Lane)』ダン・トラクテンバーグ監督、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョン・グッドマン、ジョン・ギャラガー・Jr、他 | トップページ | "最初はみんな笑ってた"『帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da/LOOK WHO'S BACK)』ダーヴィト・ヴネント監督 »