"最初はみんな笑ってた"『帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da/LOOK WHO'S BACK)』ダーヴィト・ヴネント監督
『帰ってきたヒトラー』
Er ist wieder da
LOOK WHO'S BACK
監督・ダーヴィト・ヴネント
出演・オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ブッシュ
クリストフ・マリア・ヘルプスト
カッチャ・リーマン、フランツィスカ・ヴルフ、他
物語・ナチス・ドイツを率いて世界を震撼させた独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代によみがえる。非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマン、ザヴァツキにスカウトされてテレビに出演する。何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●原作未読で鑑賞。
メイキング関連の記事を読むと(よく例えに使われる『ボラット』的な)どっきりカメラ部分は本作、オリジナル。
確かに突然、街中にソックリさんが現れたら現代ドイツにおいては芸人か何かのコメディ収録かと思ってしまうだろうなぁ、と考えたとおりの反応。
(最も多いのがとりあえずスマホで撮影、中には記念撮影をする人も)
●これは笑っていいのか、と思わせるところで本作の意図は成功している。
(実際ブラックコメディなのだから、笑えばいいのだが)
こんな笑うに笑えないような台詞
「チョビ髭はガスマスクの幅に合わせて切った」
●まるでクローネンバーグ『デッド・ゾーン』で核のボタン押す姿を未来視してしまった男の話のようにザヴァツキは事の重大さに気づき、とめなければと思うようになるのだが…。
●怖い台詞
(ラストに向かうに従って)
「この状況は好都合だ」
「あの時も同じ」
「最初はみんな笑ってた」
そして…。
最後はこの台詞で締めくくられる。
「好機到来」
●現実社会も、どこかこの映画のように奇妙な様相を呈しはじめていて、なおさらこの映画の語り口は軽んじられない鋭さを持っている。
映画『帰ってきたヒトラー』公式サイト
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/
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