『永い言い訳』原作・脚本・監督:西川美和、本木雅弘、竹原ピストル、 藤田健心、白鳥玉季、 堀内敬子、池松壮亮、 黒木華、山田真歩、深津絵里
『永い言い訳』
原作・脚本・監督:西川美和
出演:本木雅弘、竹原ピストル、
藤田健心、白鳥玉季、
堀内敬子、池松壮亮、
黒木華、山田真歩、深津絵里
※Memo1
●「人生は他者だ」
幸夫がたどりついた(いや、たどりついたというよりは少し手がかりを得たというべきか。これを機に小説を書き始め)
フィッツジェラルド未完の小説『ラストタイクーン』創作メモの最後の一行「行動は人格である」や村上龍がよく対談や小説内で語っていた「(少しニュアンスが違うが→自分などは存在せず)あるのは関係性だけ」など、いろいろよぎる。
●自分大好き自意識過剰な幸夫が、妻の死後、まずしたことが自分や妻に対しての様々な語句と組み合わせての検索。
(第2検索ワードが、まあなんともすごいのです)
●季節の移り変わり。
海水浴、花火、クリスマス…その場面々々への繋がり方の美しさ。
●(忘れものを取りに来たかのように部屋に戻って)
「あと片付け、よろししくね」
そう言い残して旅行に出た妻。
そのあと片付けの意味は(あとになってから)ある種ダブルミーニングとして趣を持って幸夫のこころに突き刺さる。
妻が事故にあって、その現場に立つ小説家のドキュメンタリー撮影中に感情が爆発する幸夫の台詞。
「妻は頭のいい人ですから。ちゃんと解ってたんです。死によって苦しめられるのは本人じゃなくて残されるほうだってことを」
●スーパー16ミリによるフィルム撮影。
そのざらっとした質感はデジタル上映でも実にみずみずしく再現されていて、ちょっとオドロキ。
『夢売るふたり』などもシネコンスクリーンで見たけれど、TOHOシネマズ梅田スクリーン3(12.6×5.5m)サイズと元は梅田劇場であった名残としての天井高空間での鑑賞は新鮮(ミニシアターの空気密度が高い中で見るのとでは印象変わるのかな)
※Memo2
●鑑賞後のお楽しみとして録画していた西川美和監督ゲスト回"ゴロウデラックス"と"SWITCHインタビュー"。
その「ゴロウデラックス」
映画冒頭シーンを稲垣吾郎さんが(自意識が強すぎる主人公)衣笠幸夫になりきって原作を朗読。
西川監督に「言ってそう…稲垣さん」とつっこれてるw
(放送中、パンフにも掲載されている西川監督のノートが映しだされる。これ全部見てみたいなぁ。)
●パンフレット
約35分のDVD「幸夫について本木が知っている二、三の事柄」が付いている。←衣笠幸夫になりきっている本木雅弘が素に戻って(一度、出たドアから戻って)のシーンが最高!
他、センターに(鑑賞後、ついテーマ曲を口づさんでしまう劇中登場アニメ)"ちゃぷちゃぷローリー"第七話「さようなら、タコおばさん」のシナリオとプロダクションノート。
鑑賞後のサブテキストとして最良!(2016年パンフベスト3の一冊)
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