タイトルデザイン_47 BIG FILM DESIGN『沈黙‐サイレンス‐(Silence)』マーティン・スコセッシ監督、リーアム・ニーソン、アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、他
『沈黙‐サイレンス‐』
Silence
原作 : 遠藤周作
監督 : マーティン・スコセッシ
出演 : リーアム・ニーソン
アンドリュー・ガーフィールド
アダム・ドライヴァー
窪塚洋介、浅野忠信
イッセー尾形
塚本晋也、小松菜奈
加瀬亮、笈田ヨシ、他
※Memo1
●年初にガツン!
堂々たる風格の時代劇を海外のスタッフが日本ではなく台湾でロケをし、いささかの違和感も感じさせない考証のもと、創り上げてしまった!
●今から40年以上前に(多分、毎日ホールで毎月日本映画を特集上映していた「映像のロマン」で)篠田正浩監督版の『沈黙』を見た記憶が…(調べてみると撮影監督・宮川一夫、音楽・武満徹!)
さすがに深く理解できる年齢ではなかったので、ぼんやりとした印象しかないのが残念。
●もし、この作品を誰が撮ったのかを伏せて鑑賞した場合、どのような印象を受けたのだろうかということを想像してみる。
もう、何年にもわたってスコセッシ監督が映画化という話を聞いていたので、どうしても『最後の誘惑』『クンドゥン』のライン上に作品を置いてしまうからだ。
ある意味、この2本と『沈黙』は根本のところで繋がっているとも思える←それ故、フェレイラとロドリゴが再会する寺での問答("大日"についての解釈など)は興味深い内容だった←まさに"日本は沼のようなもの"の意も。
●公開前から既に、そのキャスティングに対してクワイ=ガン・ジンとカイロ・レンとスパイダーマンが共演!と書かれていた本作。
(もっともリーアム・ニーソンとアダム・ドライバーは同一画面に出てきませんが…)
その俳優陣にまざって窪塚洋介(ユダとして重要な役回りキチジローを好演)、さすがに(いくつものハリウッド映画出演多数だけあって)上手い浅野忠信による通辞。さらには塚本晋也監督がおどろくほどの溶け込み方(本当に、この時代にこういう人がいたと感じさせるリアリティ)、そして、まさに怪演といっていいイッセー尾形による長崎奉行、井上筑後守。
●鑑賞後に判明したので見ているときは気付かなかったキャストも多いけれど、本当に多くの日本人俳優が出演(中村嘉葎雄、PANTA、片桐はいり、SABU…)。リストを見てると、プロレスラーの高山善廣の役名がLarge Manって(←こちらはすごくわかりやすいところで出てた)。黒沢あすかがロドリゴの妻として、ラスト、亡くなったロドリゴの棺桶を送り出す件(くだり)で、ちょっといい締めくくりの役を(棄教後も何度となく行われた踏み絵の場面でのロドリゴの心中察するかのような表情など、ここまで細かく演出指示がなされていたのかと感嘆)。
※Memo2
●衣装&プロダクションデザインをスコセッシ監督と何度も組んでいるダンテ・フェレッティ。
17世紀の日本、それも長崎を見事に再現したセットデザインが本作の肝のひとつといっても過言ではない(密航のための中継地、マカオもきっちりと)
後半の主たる舞台、長崎奉行所による牢が置かれた役所も、その地面の土の色含め本当に素晴らしい。
●タイトルデザインはRandall Balsmeyer (BIG FILM DESIGN)
黒字に白、細みのフォントを使ったシンプルなタイトルロゴ
(エンドクレジットに至るまで全て、非常に端正)
そしてバックに流れる虫の声や木々のざわめき、風の音、遠くに聞こえる雷鳴…などとも調和している。
(まさに余韻!!)
『沈黙‐サイレンス‐』公式サイト
http://chinmoku.jp/
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» [映画『沈黙-サイレンス-』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆・・・観て来ました。
「沈黙」シリーズ最新作、セガールがバッタバッタと悪を倒してくれまする・・・、ではなく、リーアム・ニーソンは出てきますが・・・^^;
宣教師によるキリスト教布教に伴う、江戸時代の日本での悲劇の物語。
感動する良作でしょうが、...... [続きを読む]
受信: 2017-01-22 08:10
» 沈黙−サイレンス− [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。遠藤周作原作、原題:Silence。マーティン・スコセッシ監督。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライヴァー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー ... [続きを読む]
受信: 2017-01-22 09:03
» 沈黙 -サイレンス- [だらだら無気力ブログ!]
重厚な内容だった。 [続きを読む]
受信: 2017-01-22 10:06
» 「沈黙」☆そこに真理あり [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
救いを求めて信仰してきたのに逆に不幸のどん底へ落ちて行く貧しい農民と、真理を見つけられずに苦悩する司祭が見えない網に絡めとられて身動きできなくなる姿があまりにも過酷で、2時間42分もあっという間の圧巻の映画だった。
時に碧く静かで美しく心を癒してくれるかと思えば、時に荒々しく黒く底が見えない深さに恐れおののく、まるで宗教とは海のよう。
深い。海のように深すぎるテーマ。... [続きを読む]
受信: 2017-01-22 16:52
» 沈黙 サイレンス / Silence [勝手に映画評]
構想26年。マーティン・スコセッシによって、遠藤周作の小説『沈黙』の映画化。
159分にも及ぶ長い作品ですが見せます。流石にスコセッシですねぇ。それともちろん、遠藤周作の作品も良いのでしょう。時間の長さを感じさせません。加えて、キリシタン弾圧と言う非常に重...... [続きを読む]
受信: 2017-01-22 21:31
» 沈黙 -サイレンス- [★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★]
【SILENCE】 2017/01/21公開 アメリカ 162分分監督:マーティン・スコセッシ出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、浅野忠信、キアラン・ハインズ、窪塚洋介、笈田ヨシ、塚本晋也、イッセー尾形、小松菜奈、加瀬亮、リーアム・ニーソン
なぜ弱きわ...... [続きを読む]
受信: 2017-01-23 12:58
» 沈黙 -サイレンス- [Akira's VOICE]
沈思黙考を促される映画。
[続きを読む]
受信: 2017-01-23 18:41
» 沈黙 -サイレンス- ★★★★★ [パピとママ映画のblog]
遠藤周作が信仰をテーマに、世界の不条理と人間の本質に深く迫った日本文学の金字塔『沈黙』を、長年映画化を熱望してきた巨匠マーティン・スコセッシ監督が、原作との出会いから28年の時を経て遂に撮り上げた渾身の歴史ヒューマン・ドラマ。非情なキリシタン弾圧が行われ...... [続きを読む]
受信: 2017-01-23 21:07
» 劇場鑑賞「沈黙 -サイレンス-」 [日々“是”精進! ver.F]
魂のあるべき姿…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201701240000/
沈黙改版 [ 遠藤周作 ]
[続きを読む]
受信: 2017-01-24 16:13
» 宗教の自由がある時代にうまれてよかったわ~。~「沈黙ーサイレンスー」~ [ペバーミントの魔術師]
ま~ふだんなら見ないタイプの作品ですわな。(;^_^Aでも不思議と長くは感じませんでした。重たいんだけども前のめりでみれたかな。窪塚洋介のユダ感半端ないね。最後の江戸でのシー ... [続きを読む]
受信: 2017-01-24 23:29
» 教科書の中だけでは見えない事。『沈黙 -サイレンス-』 [水曜日のシネマ日記]
遠藤周作の小説「沈黙」を実写版映画化した作品。17世紀、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の長崎を舞台に来日した宣教師の目線で描かれた物語です。 [続きを読む]
受信: 2017-01-25 12:45
» 映画「沈黙-サイレンス-(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし [ディレクターの目線blog@FC2]
映画 『沈黙-サイレンス-(字幕版)』(公式)を本日、劇場鑑賞。採点は、★★★★☆(最高5つ星で4つ)。100点満点なら80点にします。
なお、原作の遠藤周作氏の小説『沈黙』は未読。
ざっくりストーリー
17世紀江戸初期、長崎で厳しいキリシタン弾圧の中で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が棄教したとされる真実を確かめるため、...... [続きを読む]
受信: 2017-01-26 21:11
» 沈黙 -サイレンス-/SILENCE [我想一個人映画美的女人blog]
真の信仰とは何か? なぜ神は沈黙しているのか?
マーティン・スコセッシ監督が88年に原作と出会ってから28年の時を経てついに完全映画化。
原作は戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」
江戸幕府による激しいキリシタン弾圧が行われていた17世紀の長崎。
日本で棄教したという高名な宣教師を追い、弟子のロドリゴとガルペが海を渡ってやって来る。
師を追い日本へやって来る若きポルトガル人宣教師...... [続きを読む]
受信: 2017-01-27 02:00
» 『沈黙 サイレンス』 2017年1月17日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ [気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-]
『沈黙 サイレンス』 をジャパンプレミアで鑑賞しました。
舞台挨拶というよりはトークショーでしょうか、椅子に座ってじっくりと
マーティン・スコセッシ監督を始めとし、 窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、
塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮が登壇した。
みんなスコセッシ監督リスペクトでしたね。(あたりまえか)
【ストーリー】
江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。長崎で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィー... [続きを読む]
受信: 2017-01-28 19:41
» 映画「沈黙 -サイレンス-」 [FREE TIME]
映画「沈黙 -サイレンス-」を鑑賞しました。 [続きを読む]
受信: 2017-01-29 18:40
» 沈黙 -サイレンス-・・・・・評価額1750円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
神はどこにいるのか?なぜ沈黙するのか?
江戸初期、キリシタン弾圧下の日本を舞台に、棄教した師を探すため日本に潜入したカトリック司祭たちの苦悩を描く遠藤周作の傑作小説「沈黙」を、巨匠マーティン・スコセッシが20年来の執念を実らせて映画化。
正に入魂の一作で、プロットは原作小説に驚くほど忠実に、パワフルなテリングで全くダレずに162分の長尺を描き切った。
原作同様に書簡のモノローグをう...... [続きを読む]
受信: 2017-01-30 21:50
» 沈黙 [映画的・絵画的・音楽的]
『沈黙-サイレンス-』を吉祥寺オデヲンで見ました。
(1)予告編を見て映画館に行ってきました。
本作(注1)の冒頭では、暗闇の中でしばらく虫の声がします(注2)。
その後タイトルが流れて、熱湯が地下から湧き出ているところ(雲仙地獄)のそばで、キリシタン...... [続きを読む]
受信: 2017-01-31 21:14
» 沈黙-サイレンス- 監督/マーティン・スコセッシ [西京極 紫の館]
【出演】
アンドリュー・ガーフィールド
アダム・ドライバー
リーアム・ニーソン
浅野 忠信
窪塚 洋介
【ストーリー】
江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。長崎で宣教師のフェレイラが捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリ...... [続きを読む]
受信: 2017-02-01 21:25
» 『沈黙-サイレンス』 外からの視線 [Days of Books, Films]
Silence(viewing film) 切支丹時代の歴史を読んでいると、今の [続きを読む]
受信: 2017-02-03 13:22
» 沈黙-サイレンス [映画好きパパの鑑賞日記]
信仰をめぐる遠藤周作の名作を30年近くかけてマーティン・スコセッシ監督が映画化。長時間、真面目でアメリカになじみが薄い題材のため、オスカー候補は逃しましたが、昨年のアメリカ映画を代表する作品といっていいでしょう。 作品情報 2016年アメリカ、イタリア、…... [続きを読む]
受信: 2017-02-13 07:03
» 「沈黙−サイレンス−」沈黙の先にみる生きる為に信仰を心を封じて生きた人たちの生き様 [オールマイティにコメンテート]
「沈黙−サイレンス−」は江戸時代初期に来日したキリスト教の神父がキリスト教の迫害の現実を目のあたりにしながらも日本で生き続けていく姿を描いたストーリーである。江戸時代 ... [続きを読む]
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» スコセッシの執念と信仰 [笑う社会人の生活]
23日のことですが、映画「沈黙‐サイレンス‐」を鑑賞しました。
17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため 宣教師のロドリゴとガルペは日本へ
2人はマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役にし長崎へとたどり着き、彼らは隠...... [続きを読む]
受信: 2017-06-23 01:57