『夜明け告げるルーのうた(Lu over the wall)』湯浅政明監督、(VoiceCast)谷花音、下田翔大、柄本明、他
『夜明け告げるルーのうた』
Lu over the wall
監督 : 湯浅政明
出演 : (VoiceCast)
谷花音、下田翔大
篠原信一、柄本明
斉藤壮馬、寿美菜子
大悟、ノブ、他
物語・両親が離婚して東京から寂れた港町・日無町に越してきた中学生の少年カイは、父親と祖父の三人で暮らしている。両親に対する複雑な思いを胸に日々を過ごす彼にとって、自ら作曲した音楽をインターネットにアップロードすることが唯一の楽しみだった。そんな中、人魚の少女ルーと出会い交流を深めていくうちに、カイは少しずつ周囲に心を開いていくが…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo
●全編フラッシュアニメーションによる制作(※)。
シェイプトゥイーンによって処理されたルーの髪の毛や瞳の中のうるうるが、ずーっと動きつづけて、ひたすら止まることなく躍動感がある。
グニャグニャのグルングルンとしたモーションや踊りにおける"コサックダンス風"脚の動きは湯浅監督ならでは。
(※通常50〜60人の製作工程を「ルーのうた」では20人で行われたというスゴさ)
●極めてデザイン的な全体のトーンはめちゃくちゃ好み。
メインタイトルも素晴らしい!
(古くは「わんわん忠臣蔵」から「トトロ」などへ続く、キャラが横移動しながらのテケテケした動きにのせてのメインタイトル←テケテケってなんだと問われればテケテケとしか答えられないですが…)
●貝のようにこころを閉じたカイ。
冒頭とラストに貝のお味噌汁についての会話。
ジャリとを噛む音。
「ちゃんと水につけたんだけどなぁ」
ラストでは
「今日の美味い」
「よく砂、はけたからな」
ルーをめぐっての事件を経て(知らなかった父親の過去のことやルーを助ける件での経緯があって)、母との離婚のことなどでわだかまっていた父親との関係性の修復。
●音楽がキーワード。
カイのこころを外へ向け始めるきっかけも「音楽」好きのルーとの出会いから。そしてバンドへ参加、ライヴ出演などを通して次第に明るくなっていくのがわかる。ラストは思い爆発の「歌うたいのバラッド」
●ねむようこさんによるキャラクターデザイン原案。最もねむさんっぽいのはカイのクラスメイトで一緒に組むバンド"セイレーン"のボーカル担当の遊歩(ハンドルネームがUFO!)
●ルーのパパとワン魚が最高!
(タコ婆とかつて恋仲だった男やワンちゃんとのエピソードとか…うぅっ)
ルーパパ、商工会議所に勤めに陸に上がってくる感じもサイコー。
(監督曰くの"『パンダコパンダ』み"炸裂!)
魚の活き締めシーン(早っ!て、そりゃあチョンとひと噛みですからw)、日が当たるところは歩けないので、しばらくじーっと日が傾くのを待つシーン、ルーが危機に瀕した際の怒り狂ったように火だるまになりつつ疾走するシーン。
●日無町(名前のとおり日が当たらない漁師町だったのが御蔭岩によるたたりからの海面上昇危機ののち、その岩山がなくなることで日がさすようになる←その危機シーンでカイの祖父がつくっていた傘が役立つシーン、またちっちゃいのが傘さしている絵柄がかわいい)
ラスト。
カイ、遊歩、国夫の三人。
「じゃあ最後に」
「我らセイレーン」
「ファイトオー!ファイトオー!」
先に走り去る遊歩。
振り返りながら。
「ねぇ」
「日の当たる町になったね」
●パンフレットデザインはベイブリッジスタジオ。
オールカラー全32ページ。
(表1、表4のエンボス特殊加工が可愛らしい)
このパンフレットに掲載されている、ルーのパパの声を演じた篠原信一さんのコメントには笑った。
"台本をいただいて「今回も人間やないんか」と思いました。"
▲ムビチケ特典のルー付箋
映画『夜明け告げるルーのうた』公式サイト
http://lunouta.com/
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