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2017-06-07

タイトルデザイン_51 カイル・クーパー(Kyle Cooper) 『夜に生きる(Live by Night)』ベン・アフレック監督・主演、エル・ファニング、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、他

注・内容、台詞に触れています。
夜に生きる
Live by Night

原作 : デニス・ルヘイン
監督 : ベン・アフレック
出演 : ベン・アフレック
エル・ファニング
シエナ・ミラー
ゾーイ・サルダナ
ブレンダン・グリーソン
クリス・メッシーナ
クリス・クーパー

物語・禁酒法時代のボストンで、ジョー(ベン・アフレック)は警察幹部の父親に厳しくしつけられた。だが、彼はその反動でギャングの世界に足を踏み入れる。ある日、ジョーは強盗に入った賭博場でエマと運命の出会いを果たすが、彼女は対立している組織のボスの愛人で…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

Lbn2

Memo1
第一次大戦と第二次大戦、ふたつの戦争の間をめぐる父と子(娘)の物語。
警察官(警視正から警部に降格される)である父親とコクリン、タンパ警察署長と娘。そしてジョーと息子。
デニスル・ヘインによる3部作『運命の日』(ジョーの父親を軸に書かれている)『夜に生きる』『過ぎ去りし世界』(ジョーと息子のその後)の中間部分。
上下巻の長さのため映画としては端折っているところもあるが、全体の語り口がよくて落ち着いて見られるいい映画だった。
役者の顔が全ていい。
面構えというのだろうか。
(知人に言わせると昔の映画に比べたら手緩いらしいが、それでも本作、素晴らしいと思います)
対立するふたつの組織。
アイルランド系ギャングのボス、アルバート・ホワイトとイタリア系ギャングのボス、マソ・ペスカトーレ。フロリダ、タンパ警察署長フィギス(クリス・クーパー)
KKKのリーダー、RD(喋り方がまたイラッとする)の、この顔一度、見たら忘れまへんでー(←関西弁)
そして、ジョーの父親。
(いかにもな警視正かと思いきや、息子の服役期間を縮めるために少しゆすりをかけたりもする場面もあり、一面だけでは計り知れない善悪についての"揺れ"が描かれる)
そしてエマ(シエナ・ミラー)、クラシエラ(ゾーイ・サルダナ)、ロレッタ(エル・ファニング)。3人の女性がジョーの運命にかかわってくる。
アルバートの女だったエマを内通者としての賭博場襲撃シーン。
「靴下を私の口に?」
「大丈夫だ。使っていないやつだ」
「そうやって嘘をつく」
(この時、テープを頭に巻く際に妙に目線が…、と、思っていたら暫く経っての場面でそこを使ってキスシーンにつなぐ上手い描き方が出てきた←こういった、ちょっとしたところが気がきいていてベン・アフレック監督、いいなぁ、と思えるところ)
薬物中毒から立ち直り教会のカルト的説教者となるフィギスの娘、ロレッタ(エル・ファニング)。
彼女の説教の影響力は大きくカジノ建設が頓挫しそうになる。
しかし、ジョーにはロレッタを殺すことができない。
(最初のモノローグにも出てきているが、彼の中には父親から引き継いでいるとも言える"善的なもの"があるのだ)
ふたりがレストランで会話をするシーン。
「私たちはみんな地獄に行くの」
あなたは違うというジョーに。
「私たちは学ぶの」
「ここが天国だということを」
「法律でもKKKでも阻止できなかったカジノ建設をあなたは阻止できた」
「私が?」
ここでニッコリと微笑む。
(このあと自ら命を絶つこととなるだけに、このシーン、本作白眉といえる)
クラシエラには駅でジョーが見かけた時から、ほぼひとめぼれだ。
そしてクラシエラはジョーの中の"善的なもの"を見抜いていたともみえるところがある。
服役中に亡くなった父親の葬儀。
墓の前に佇むジョー。
(ここ、カメラがスコープサイズ中央に配したジョーに寄っていくのだが、ちょっとブルース・ウェインにみえたw こんな感じのショットBvSで無かっただろうかと既視感)
ラスト、ジョーと息子。
(ボイスオーバーで)
「週末は映画を見に行った」
(ニュース映像にヒトラーの姿)
「ドイツ野郎が暴れているみたいだが戦争にはならないだろう」
(西部劇が流れ)
「いたく気に入ったみたいだ」
脚本に兄(ダニエル・コフリン)の名前を見つける。
(すごく嬉しそうに)
「ほら、お前の叔父さんだ」
(海にでかけて)
「天国はどこにあるの?」
(ロレッタから聞いたことを息子に伝えた)
「ここが、その場所だ」

Memo2
プロローグ部分(セピア色調で写真、ニュース映像などを静かにフェードイン、アウトを繰り返しながらモノローグがかぶさる)とメインタイトルデザインはカイル・クーパー(Kyle Cooper)
プロダクション表記なし。
本編に使われているタイトルロゴのデザインが既製フォントを少し変えて作っていいて、これが絶妙のバランス。
End Title > SCARLET LETTERS

映画 『夜に生きる』 公式サイト
https://warnerbros.co.jp/c/movies/yoruni-ikiru/

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