タイトルデザイン_54 Plucky『ドリーム(Hidden Figures)』セオドア・メルフィ監督、タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナー、他
注・内容、台詞に触れています。
『ドリーム』
Hidden Figures
監督 : セオドア・メルフィ
出演 : タラジ・P・ヘンソン
オクタヴィア・スペンサー
ジャネール・モネイ
ケヴィン・コスナー
キルステン・ダンスト
マハーシャラ・アリ、他
物語・1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのキャサリン・G・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)は、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士ジョン・グレンの地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
※Memo1
●冒頭からの語り口が素晴らしくよい。
そして、全体から醸しだされるトーンが上品だ。
トイレやバスの座席、学校(白人専用という壁)、図書館など黒人差別がはっきりと行われていた時代。
ロケット軌道計算(チェックのための再計算も)などを行う非常に重要な仕事、計算手。にもかかわらず、黒人で女性というだけで別棟の窓もない部屋に押し込められて働くドロシーたち。
そんな環境の中にあっても深刻にならず持ち前の前向きなエネルギーで突破していく聡明なる女性たち姿に元気づけられる。
そして、本編全体にある"誰かが支えとなって応援している(してくれる)"空気。
押し付けがましいポジティブさではなく、まさに観終えたときに、よい心根と余韻を残してくれる映画だ。
●ケビン・コスナー演じる本部長ハリソン。
マーキュリー計画を成功させるためへの静かなる決意を感じる。
そこには人種差別もない。必要なのは安全に確実に宇宙飛行士を送り出し帰還させること。職務のためには壁もない。
いい役だ。
●ハリソンが黒人専用とかかれた化粧室の看板を壊す件(くだり)は、ちょっと胸熱なシーン。
●『ムーンライト』でも素晴らしかったマハーシャラ・アリ。
本作でも包みこむような優しさに溢れている。
夫に先立たれて女手ひとりで子供3人を育てていたキャサリンへの誠実な対応(初対面の時の非礼さの謝り方)そして、プロポーズシーン。
ここにも"支えとなって応援してくれる"人がいる。
●当時、導入しようとしていたIBMコンピュータ。
あまりに大きすぎて設置部屋のドアから入らないシーンや実際の社員が動かし方に戸惑っている場面が。
そんな中、管理職をめざすも直接の管轄上司であるミッチェル(キルスティン・ダンスト)には、すげなく却下されていたドロシーが独学でFORTRANを学び、こっそりと動かしてしまう。その上、別棟“西計算グループ”の女性たちにもプログラミングを伝授して準備を整えておく先見性。
●『ライトスタッフ』でジョン・グレンを演じていたのはエド・ハリス。
本作はちょっと若い感じだけれど、いかにも海兵隊から選ばれたパイロットで、しかもものすごく陽気、マーキュリー計画記者会見のために飛行場に降り立った際もNASAのスタッフたちとは少し離された位置にいたキャサリンたちに別け隔てなく挨拶していくナイスガイ。
(そのフリもあってのクライマックスのフレンドシップ7シークエンス)
●女性は入れないことになっているブリーフィングにハリソンの計らいで参加するキャサリン。
そこでの素早いキャサリンの着陸地点再計算。
ぽかりとしている男性陣。
ジョン・グレンの台詞。
I like her numbers.
また打ちあげ間際での計算ミスが見つかった際も。
Let’s get the girl to check the numbers.
●ハリソンの台詞
You think we can get to the moon?
それに対してキャサリン。
We’re already there, sir.
※Memo2
●MAIN ON END TITLES デザインはPlucky
(下記サイト > PROJECTS > MAIN TITLE選択/エンドタイトル動画あり。スマホの場合はPROJECTSで左にスライド)
http://www.plucky.la/projects/
●キャサリンが800m離れた別棟へトイレのために走るバックに流れるのがこの曲。
ファレル・ウィリアムスの声が、また映画のトーンにピッタリ!
Pharrell Williams - Runnin'
(公式VEVO動画)
https://www.youtube.com/watch?v=9jXQBMNe01c
●Kodak 35mmフィルム撮影・記事
Hidden Figures reunites Kodak and NASA
元々、記録フィルムなどNASAとの関わりにおいて40年の歴史を持つKodak。
まさに記事タイトル通り"NASAとの再会"となった。
撮影やカラーパレットについて興味深い内容。
https://www.kodak.com/Kodak/motion/blog/blog_post/?contentId=4295001217
『ドリーム』オフィシャルサイト
http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/
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