"a-ha"『パターソン(Patterson)』ジム・ジャームッシュ監督、アダム・ドライヴァー、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏、ネリー(ブルドッグ) 、他
『パターソン』
Patterson
監督 : ジム・ジャームッシュ
出演 : アダム・ドライヴァー
ゴルシフテ・ファラハニ
永瀬正敏
ネリー(ブルドッグ)、他
物語・ニュージャージー州パターソンでバスの運転手をしているパターソン(アダム・ドライヴァー)は、朝、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをすることから始まる、変化のない毎日を過ごしている。そんな日々の中でパターソンは、周囲の会話やマッチ箱といった何げない物事に着想を得た詩をノートに書き留めていた。(物語項、シネマトゥデイより抜粋)
バスの窓から見える風景は電車に乗って見える風景と違って見える。そんなことを、ふと思った。
※Memo1
●毎日同じことが繰り返されているように見えて、実は少しずつ違う。
その、ほんの些細なことかもしれない小さな変化を愛おしむように描くジャームッシュ監督の傑作!
●パターソンに住むバスドライバーのパターソンを演じるアダム・ドライバー。
まさかポエトリー・リーディングの如き韻を踏むようなキャスティングだがインタビューを読むと全くの偶然とのこと。
●第69回カンヌ映画祭パルム・ドッグ賞に輝くブルドッグ、マーヴィンにも(決まったルーティンのような)日常がある。
パターソンが毎朝、出かける際に直していく傾いた郵便ポスト。
(帰宅すると、また傾いている)
誰の仕業と思いきや、これもまた飼い主と同じく日課としていたマーヴィン 笑
詩のノートを破りちぎってしまって部屋に閉じ込められたことによって、そのルーティンが乱れる←思えば起点はカップケーキが売れたお祝いで居残りさせられたことから始まっている
●そんな、細かーいパッと見わからないぐらいのヒトコマが随所に。
ローラの作ってくれるお弁当、玄関脇の花(コスモス?)の咲き具合
●ローラはとてもマイペースのように見えて実は予見的にいろいろなことを察知できそう。
一番気にしていたのは「詩のノートのコピーを取っておいて」ということ(ふたつの願いの1つ。もうひとつはギター)。
●パターソンの過去は描かれないがバーで恋人との別れ話から自暴自棄となったエヴェレットが拳銃を持った際の素早い動きと次のカットで映しだされる軍服姿の写真とでほのかになんとなく判るように描かれている。
●繰り返されるシーン(写し方)
特徴的な手描きの詩。
重なるボイスオーバーと共に流れ落ちる瀧の水がオーバーラップで幾度となく写される。背景の音楽も同じ。
これが、また本作のリズムアクセントとなっていて美しい。
●永瀬正敏演じる日本人詩人。
「アーハ(a ha)」と特徴的な台詞。
これまたアドリブや現場で書き足されたものかと思いきや、最初に脚本に書かれていたとのこと。しかも永瀬のために書かれた役!
お礼にと渡されたノート。
「白紙のページに可能性が広がることもある」
日本人詩人が立ち去ったあと、しばらくノートをくるくると回し見つめる。
ひとこと、つぶやくように「a-ha」
そして、すぐにペンを取り出して詩を書き始める。
カメラはゆっくりとパターソンに寄っていく。
▲パターソン出身のルー・コステロ。
そのアボット&コステロの映画ポスターが貼られている。
※Memo2
●Titles and Graphic Designer
RANDY BALSMEYER (BIG FILM DESIGN)
(コーエン兄弟作品タイトルデザインは、ほぼこの人)
●パンフレット、宣材マッチなどのデザインは大島依提亜さん。
(カーテン除く)本文カラーページ含め42P。
表紙をめくるとローラがペインティングしていたカーテン柄(だけではないと思うけれど、どこのシーンの柄が使われていたかわからなかった)が。
そこをめくるとMONDAYから一週間のノンブルがうたれたカラーページ。
センター、テキストページ。最後にもう一度カラーページ(今度はマーヴィンとパターソン。そしてツインズが主に)
●OHIO match companyによるブルーチップマッチ(映画本編に詩と共に登場するマッチ)←現在は作られていないので映画スタッフによって再現←そのマッチをさらに宣材として再現。
映画『パターソン』公式サイト
http://paterson-movie.com/
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