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2017-10-17

『マインドハンター(Mindhunter)』デヴィッド・フィンチャー監督、他 / ジョナサン・グロフ、ホルト・マッキャラニー、アナ・トーヴ、ハンナ・グロス、他

注・内容、ラスト、使用楽曲などに触れています。
マインドハンター
Mindhunter

原作・制作 : ジョー・ペンホール
監督 : デヴィッド・フィンチャー、他
出演 : ジョナサン・グロフ
ホルト・マッキャラニー
アナ・トーヴ
コッター・スミス
ハンナ・グロス、他

物語・1970年代後半、殺人犯の心理を研究して犯罪科学の幅を広げようとするFBI捜査官2人。研究を進めるうち、あまりにリアルな怪物に危ういほど近づいてゆく。(物語項、公式サイトより抜粋)

Mind_h

Memo1
シーズン1全話、見た。
傑作!
映画ともドラマとも違った、この味わい。
次回へ続くという引っ張り方ではないにもかかわらずやめられない。
この感触はなんだろう?しいて言えばじっくり読む小説の味わい。
エピソード毎の時間が通常ドラマより不規則なのも章立て(チャプター)の感覚。
決して1話完結ではないにも関わらずエンドクレジット(特に有名な楽曲を使っているエピソード)がクロールしている時の締めくくり感も不思議だ。
フィンチャー監督は(1,2,9,10話)の4エピソードを監督しているが、他の監督も全エピソードを通して、そのトーン&マナーにブレはない。
『特捜部Q』などの"変わり者たちだし、何の役にたつかわからない部署だから始まりは地下の窓のない部屋からスタート"する話は大好物なので、この点もまたよいなーと思ったポイント。
ウェンディ・カー博士のアナ・トーヴはキャスティング段階から「おぉっ!」ドラマ『FRINGE/フリンジ』のヒロイン役ではないですか!と期待していた女優(『フリンジ』もFBI捜査官だけれど、J・J・エイブラムスドラマということでパラレルワールドSF)
本作は研究一筋といった趣の博士役。
ホールデンの恋人デビーを演じたハンナ・グロスがよい。
フィンチャー監督は『ソーシャル・ネットワーク』ルーニー・マーラ『ゴーンガール』ロザムンド・パイクと女優を他作品とは一線を画す撮り方で魅力的に(時に発掘して)映す名手と常々思っていたけれど、本作も。
プロファイリング手法が確立されていない時代、それを構築していく段階のドラマ。
途中から"ミイラ取りがミイラになる如き"自身がシリアルキラー(特に最初から登場している殺人鬼エド・ケンパー)と転写同化していくような感じになる。
目つきもおかしい。
日常生活までプロファイリング化して人の行動の先を読み過ぎ空回り。
デビーとの仲もギクシャクしてくる。
(確かにエピソード10でデビーが言うように最初出会ったときは好奇心に満ちた姿で、これからやろうとすることを語っていたホールデンに惹かれていたのだから)
そして、ラスト。
自殺を図ったケンパーの入院している病院。
まさに恐怖をつきつけられる(それは襲われた瞬間の恐怖よりも、あることに気づいた恐怖だ)
心の闇の奥底は、まさに誰にも(当の殺人鬼にも)「わからない」のだと…。
メインタイトル前に何回かあるカンザス州の謎の男の事(それに対しての細かいフリ→ふと、目にとまる現場写真の手首のロープの結び方→船舶関係?→そのカンザス州の男が紐を結んでいるシーン)などは全て続きに?シーズン2?

Memo2
タイトルデザイン
MAIN TITLE DESIGNED BY KELLERHOUSE,INC.
END TITLES BY SCARLET LETTERS
Neil Kellerhouse >「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴン・タトゥーの女」「ゴーン・ガール」のキービジュアルとなる美しく洗練されたポスター類も(他に「レヴェナント」やクライテリオン版「ふたりのベロニカ」パッケージなど多数)
デヴィッド・フィンチャー監督ファンサイト
The Fincher Analyst
https://thefincheranalyst.com/
Adobe Premiere Proによる編集を行っている動画。
(初回アクセス時USA側を選択/現時点ではAdobe USAサイトのみ公開されています)
The minds behind David Fincher's Mindhunter.
https://www.adobe.com/creativecloud/video/customer-stories.html
デヴィッド・ボウイからトーキングヘッズ、ブームタウン・ラッツ、レッド・ツェッペリンまで使用されている楽曲も素晴らしい!
ソングリスト(Songs by Episode)
https://www.tunefind.com/show/mindhunter/season-1
なんとバンド名が「地球の静止する日」由来で名付けられた、クラトゥ(Klaatu)のこの曲が出てきてビックリ!(ドラマ設定年の曲)
エピソード4のラスト
行動科学課の3人が所長に呼ばれ、何か嫌ごと言われるのかと思いきや「予算がついた」「もはや私の手を離れた。監査も厳しくなるぞ」
乗り込んだエレベーターの中。
嬉しさを隠しきれないで、微妙に笑みがもれる3人の姿のバックに流れ、そしてエンドクレジットへ。
Calling Occupants Of Interplanetary Craft
https://www.youtube.com/watch?v=9URM_5R-vWk

マインドハンター | Netflix公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/80114855

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