« 『猿の惑星: 聖戦記(War for the Planet of the Apes)』マット・リーヴス監督、アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、アミア・ミラー、他 | トップページ | タイトルデザイン_55 Richie Adams『バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ »

2017-10-21

『アトミック・ブロンド(Atomic Blonde)』デヴィッド・リーチ監督、シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、ソフィア・ブテラ、他

注・内容、ラストに触れています。
アトミック・ブロンド
Atomic Blonde

監督 : デヴィッド・リーチ
出演 : シャーリーズ・セロン
ジェームズ・マカヴォイ
エディ・マーサン
ジョン・グッドマン
トビー・ジョーンズ
ジェームズ・フォークナー
ソフィア・ブテラ
ビル・スカルスガルド
サム・ハーグレイブ
ティル・シュヴァイガ、他

物語・イギリスの情報機関、MI6ですご腕のスパイとしてその名をとどろかすロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)に、新たな指令が下される。それは、何者かに奪われた最高機密クラスのリストを取り戻すというもの。ベルリンを訪れたロレーンを待ち受けていたのは、世界各国のスパイだった。すさまじい争奪戦の中、ロレーンは超人的な戦闘能力を発揮しながら立ちはだかる敵を倒し…(物語項、シネマトゥデイより抜粋)

At_blonde

Memo1
彩度を落としたブルー系レンズフィルタートーンの画面がシャーリーズ・セロンのガラスのような透明度のあるブルーアイズにピッタリ。
もちろんと変幻自在なコート着こなしがカッコイイ。
さらには(足元注目の)靴映画でもあります。
そして、このヒール時折、武器にもなる。
KGB(旧ソ連) CIA(アメリカ) MI6(イギリス) シュタージ(東ドイツ) DGSE(フランス)と万国スパイ博覧会。
発端はMI6のスパイ、ガスコインの死。
二重スパイ、サッチェルのあぶり出し。
そしてスパイが記録されたリストの争奪。
例によって「ジョン・グッドマンの出る映画は良い映画」という格言は本作でも生きていてCIA主任カーツフェルドを悠々と演じている。
ラストへのどんでんどんでん返し。
MI6の事情聴取の部屋。
全て、証言し終わったロレーンがMI6の上司にパシッとひとこと。
「決めないと」
「女王陛下に会う時のドレスを」
続いてのシーン。
黒いドレスにヘアスタイルも変えたロレーン。
KGB側だった!?と思わせつつのKGBスパイのボスらを抹殺、リスト奪還。
(きっちりとMI6死体片付け班がホテルのボーイなどに扮して廊下で待機していて、東ベルリン脱出の際の全員傘をさして狙撃からのがれる方策といい、このチーム「いい仕事してまっせー」)
ラストはさらに反転してロレーン、実はCIAだった。
事情聴取中につぶやいた言葉をきっちり聞いていたカーツフェルド。
「誰がコックサッカー(クソ野郎)って?」
ジェームズ・マカヴォイが『スピリット』ほどではないにしろ本作でもカメレオンぶり(と、いうか「マカヴォイが出れば、その時点でいろいろありそう」という格言もあるあるなので最初からMI6ではないなーと穿った目で見てたら、やっぱり!でした)←とはいえ、散々翻弄していたようで結果的には二重スパイ・サッチェルに仕立て上げられる末路ですが…
パスポート、その他調達のための窓口が「時計屋」というのが、スパイ映画らしく、店の雰囲気や客とのやり取りなどしびれた。
オープニングの「ブルー・マンデー」KGBに捕まった若者たちが持っていたスケボー、そしてラジカセを「西側のゴミ」とばかりに踏みつぶした、その時かかっているネーナ「ロックバルーンは99」エンドタイトル、ボウイ&クイーン「アンダー・プレッシャー」などサントラ(楽曲)がそのままドラマを引っ張ってゆく構成。
(楽曲リストへのリンクは後述)
参考→昨年(2016年)公開された1980年代、社会主義政権下の東ドイツで巻き起こった「ブレイクダンス・ブーム」を題材に描いた映画『ブレイク・ビーターズ』
https://www.youtube.com/watch?v=0q2CdtW5wJI
KGBスパイに尾行されるロレーンが逃げこみ、戦いの場となる東ベルリン、映画館Kino international(タルコフスキー監督『ストーカー』を上映している←ちょうどキャッチーなあのシーンが流れている)
映画的引用として「スクリーンの裏側での戦い」は幾度となく見てきたシーン。
フィルム イン フィルムサイトより、そのシーン画像
http://www.filmsinfilms.com/atomic-blonde/
さらに東ベルリンからの東ドイツ・スタージュのスパイグラスを連れての脱出シークエンス。
階段踊り場から廊下までの長い超至近戦をワンカット?で一気に見せる。
続くカーチェイスシーンと、バリエーションが多く素晴らしい身体性で魅せたシャーリーズ・セロンの独壇場映画だ。

Ab1

Memo2
Main Title Design → Ivar Edding
ステンシル系フォントにグラフィティアート・スプレー処理された時代設定に合わせたデザイン。
エンドタイトルの古いコンピュータ(ブラウン管タイプ)にチラツキも再現して映しだされたクレジットも秀逸。
サントラ(楽曲)リスト
(英語サイトですが、どのシーンに使用されたかのメモがあるものもあり)
下記、リストは予告編のみに使用されたものも含めたもの。
Songs and music featured in Atomic Blonde
https://www.tunefind.com/movie/atomic-blonde-2017

映画「アトミック・ブロンド」公式サイト
http://atomic-blonde.jp/


|

« 『猿の惑星: 聖戦記(War for the Planet of the Apes)』マット・リーヴス監督、アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、アミア・ミラー、他 | トップページ | タイトルデザイン_55 Richie Adams『バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『アトミック・ブロンド(Atomic Blonde)』デヴィッド・リーチ監督、シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、ソフィア・ブテラ、他:

» 劇場鑑賞「アトミック・ブロンド」 [日々“是”精進! ver.F]
全てを欺く… 詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201710200000/ 【輸入盤】Atomic Blonde - Original Soundtrack (Digi) [ アトミック ブロンド ] [続きを読む]

受信: 2017-10-22 06:05

» アトミック・ブロンド★★★★ [パピとママ映画のblog]
「モンスター」「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のシャーリーズ・セロンが美しき最強女スパイを演じるサスペンス・アクション。冷戦体制崩壊直前のベルリンを舞台に、極秘ミッションに臨むヒロインが、次々と現われる刺客相手に壮絶な戦闘アクションを繰り広げるさまを、リアルかつスタイリッシュに描き出す。共演はジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、トビー・ジョーンズ。監督はスタント畑出身で、「ジョン・ウィック」では共同監督を務め、「デッドプール」続編の監督にも抜擢されるなどハリウッドで注目を集めるアク... [続きを読む]

受信: 2017-10-22 21:07

» アトミック・ブロンド [だらだら無気力ブログ!]
アクション見応えあり。 [続きを読む]

受信: 2017-10-23 00:13

« 『猿の惑星: 聖戦記(War for the Planet of the Apes)』マット・リーヴス監督、アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、アミア・ミラー、他 | トップページ | タイトルデザイン_55 Richie Adams『バリー・シール/アメリカをはめた男(American Made)』ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ »